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きのこのなぐさめ
悲しみの淵にいた私を、そこから連れ出してくれたのは、きのこだった――。マレーシア人の著者は、文化人類学を学ぶ交換留学生としてやって来たノルウェーでエイオルフと出会い、恋に落ちた。夫婦となった二人は深く愛し合い、日々のささやかなことも人生の一大事についても、何でも話し合う仲だった。ある朝、いつものように自転車で職場に向かったエイオルフが突然倒れ、そのまま帰らぬ人となる。最愛のパートナーを失った著者は、喪失の痛みのさなか、ふと参加したきのこ講座で、足下に広がるもうひとつの世界、きのこ王国に出会う。きのこたちの生態は、不可思議な魅力に満ち満ちていた。苔むす森でのきのこ狩りの効用と発見の喜び。きのこ愛好家間の奇妙な友情と不文律。専門家・鑑定士への「通過儀礼」。絶品きのこトガリアミガサタケ。悪名高いシャグマアミガサタケ。色・形・匂いの個性とその奥深さ。とっておきの、きのこレシピ。悲しみの心象風景をさまよう内面世界への旅と、驚きと神秘に満ちたきのこワンダーランドをめぐる旅をつづけ、魂の回復のときを迎える、再生の物語。約120種類のきのこが登場。 -
鬼の当主にお嫁入り~管狐と村の調停お手伝いします~
「好きです、夫にします」 斎藤綾乃十八歳。許嫁と名乗る人からの手紙で高校を中退し、東京から遠く離れた田舎のとある村に移住しました。 私は貴方の許嫁です――母を亡くしたばかりの綾乃のもとに届いた一通の手紙。部屋の退去勧告を受け進退窮まっていた綾乃は、迷わず差出人・冬晟の元へ向かう。予想より若く、柔和な若隠居といった風情の冬晟は、村の揉め事を調停する大事な役割を担っていた。許嫁らしい決め事もなく、家事を引き受け慎ましく暮らす綾乃だが、調停を手伝い村人たちと関わることで、結婚の約束には深い理由があると知ることに…。 わみず・装画 -
ナイトホークス【合本版】
このコンテンツは扶桑社刊【ハリー・ボッシュ・シリーズ(1)】「ナイトホークス(上)」「ナイトホークス(下)」の合本版になります。 -
マーケティング恋愛4.0(大和出版) 1ヵ月でプロポーズさせた、私の戦略と軌跡
35歳女子(マーケティングのプロ)が手に入れた“計画的スピード婚”実践法。いかにして顧客(彼)に商品(私)を買って(プロポーズ)もらうのか? 尽くされ婚で思い通りの幸せを手に入れる新しい恋愛スキル! 中里桃子(Momoko Nakazato)同志社大学を卒業後、広告会社に入社。会社員の傍ら、自らのマーケティング力・企画力を武器に複業を行い、後に起業。それらと並行して、結婚を視野に入れた男性とお付き合いをするも、1年経たずして関係が破綻したり、結婚の見込みが立たず別れるなどを繰り返し、5年間を棒に振る。そこで、それまでの恋愛の方法を捨て、自らが結果を残してきたマーケティングを活用しようと思い立つ。これが功を奏し、運命の彼を見つけて1ヵ月でプロポーズさせ、3ヵ月後には入籍を果たす。現在は、会社の経営、多数の書籍の執筆など、夢も家事も、全面的にサポートしてくれる、理想の夫と幸せな日々を送っている。 -
吉敷竹史シリーズ
吉敷竹史シリーズはここから始まった。 トラベルミステリーに新機軸を持ち込んで絶賛された傑作が復活! ある日の明け方、双眼鏡で豪華マンションの一室を覗き見していた作家の安田は、入浴中の女性を目撃する。 だが、いくら時間が経っても女性は浴槽に浸かったままだった。翌朝、ふたたび女性が入浴していた浴室を覗いた安田は、顔の皮膚が剥がされた無残な遺体を発見する。 被害者は九条千鶴子、銀座のクラブの看板ホステスだった。 吉敷刑事らは捜査を始めるが、千鶴子が殺害されたと思われる時間帯、彼女は寝台特急はやぶさに乗っていたことが判明する! 「大きく波打った長髪、二重まぶたで鼻筋が通ったファッションモデルのよう」と描写された吉敷竹史刑事が初めて世に登場した記念碑的作品! -
幸福な星
メイ、どこにも行かないで。ずっと私と一緒にいて。いつかきっと、私のおびえが私を殺すから…… 今まさに消滅しようとしている国がある。最大多数の最大幸福のための選択が、やがて多くの国民に生への嫌悪感を抱かせるようになった。あるのは勝者と敗者、嫉妬、羨望、憎悪……。この国を訪れた文化人類学者がひとりの若い女性と出会った。彼女は国により選別され、多くをあきらめて生きてきた。しかし「私は私を殺さなかった」。彼女が静かに語り出したのは―― 辻原登氏推薦 「これほど深く、巧みに、愛と憎しみ、絶望と救済を描き切ったエンターテイメントを私は知らない。2019年は、『幸福な星』が彗星のように出現した年として記憶されるだろう。」 -
狼の吐息/愛憎一念 藤澤清造 負の小説集
蘇える木枯しの文士“どうで死ぬ身の一踊り”を実践し、自ら破滅へと向かった大正・昭和初期の私小説家。その生涯を賭した、不屈の「負」の結晶。藤澤清造生誕一三〇周年貧苦と怨嗟を戯作精神で彩った作品群から歿後弟子・西村賢太が精選し、校訂を施す。新発見原稿を併せ、不屈を貫いた私小説家の“負”の意地の真髄を照射する。芝公園で狂凍死するまでの、藤澤清造の創作活動は十年に及んだ。貧苦と怨嗟を戯作精神で彩ったその作品群から歿後弟子・西村賢太が十九篇を精選、校訂を施す。不遇作家の意地と矜恃のあわいの諦観を描く「狼の吐息」、内妻への暴力に至る過程が遣る瀬ない「愛憎一念」、新発見原稿「乳首を見る」、関東大震災直後の惨状のルポルタージュ等、不屈を貫いた私小説作家の“負”の真髄を照射する。西村賢太登場時すでにして古めかしいと評され、冷笑視されてもいたその文体だが、当然、小説が日記やレポートの類と違うのは、それが読者に読ませるものでなければならない点にある。その上では何んと云っても文体がモノを言ってくるわけだが、清造の場合、自らの古風、かつ独自の文体をより強固に支えるに戯作者の精神を持ってきた。そこが良くも悪くも、凡百の自然主義作品とは大きく異なるところである。「解説」より -
まなの本棚
運命の1冊に出逢うためのヒントに! 「本の出逢いは人との出逢いと同じ」 年間100冊以上も読み、本について語り出したら止まらない芦田愛菜が 本当は教えたくない“秘密の約100冊”をご紹介。 世代を超えて全ての人が手に取ってみたくなる 考える力をつけたい親御さんと子供たちにも必読の書です。 Q 本の魅力にとりつかれた初めての1冊は? Q 一体、いつ読んでいるの? Q どんなジャンルの本を読むの? Q 本を好きになるにはどうしたらいい? Q 好きな登場人物は? スペシャル対談 ・山中伸弥さん(京都大学iPS細胞研究所所長 教授) ・辻村深月さん(作家) も収録! -
寒河江伝説
2030年ごろ、世界は大きく変わっていた。 ことに日本は、東京が多民族都市となり、各地で自治区ができ、東北は福島を除く5県が自治区として独立してしまった。 ジャーナリスト丸谷は取材で訪れた山形で古代の遺物と思われる直径2メートルはあろうかという石の球体を見る。 多民族化した東京は古代文明に興味のある丸谷は再度、東北自治区への潜入を試みようとする。 自治区から逃れてきた生化学者を匿った上司が殺されたことから、東北自治区の企みが見えてくる。 古代文明の技術を超えた球体の存在は神の意思なのか宇宙からの技術なのか、思いあがった人類に何を警告しようとしているのか。 30年後の日本の状況を示唆する伝奇小説の傑作。 -
空色カンバス 瑞空寺凸凹縁起
三十間近な日比野隆道和尚が高校三年生の妹・ゆかりと暮らす寺に、泣きぼくろが印象的な美女が行き倒れ!? 着の身着のまま「夫から逃げてきた」という千尋と日比野兄妹の暫定的三人暮らしが始まる。進路問題に悩むゆかり、真意の見えない千尋、思い出せない記憶を辿る隆道。「縁」の力は三人を救えるのか? あたしにとって、お寺は家だ。お釈迦さんの説いた教えは今一つピンとこなくても、お父さんや、歳の離れた兄ちゃんが頑張って守り、顔なじみのお檀家さんが優しい顔でお参りに来てくれるお寺は、あたしには一番大事な場所だ。──そんな、あたしの大好きなお寺に、あたしの「大っ嫌い」な、あの女はやってきたのだ。(本文より) -
君はレフティ
200%ピュアな恋愛小説、待望の文庫化! 夏休み中、交通事故に遭った古谷野真樹(高2)。命に別状はなかったが後遺症ですべての記憶を失った。新学期が始まり、現在では見知らぬ人ばかりになってしまった学校生活に復帰する古谷野。友人達は温かく迎えてくれるが妙な孤独感は否めない。 同じクラスで同じ写真部の生駒桂佑と春日まどかとの友情を支えに、古谷野の日常は戻りつつあった。そんなある日、文化祭の準備に明け暮れる高校で謎の落書き事件が勃発。当初、他愛ないいたずらかと思われていた落書きだったが、体育館の壁→クラス日誌→クラスの黒板→文化祭の公式Twitter、とどんどんエスカレートしていく。そして、その落書きはあたかも古谷野に向けられたメッセージのようだった。 最初はとまどっていたが、自分を取り戻す大切な秘密が隠されているのでは、と気づき、落書きの謎を追い始めた古谷野。その謎を追っていくうちに次々に見えてきてしまった親友の秘密。そして、最後の最後に見えてきた真相とは……。 疾走感のある文章に引っ張り込まれ、ラスト、驚きの展開が待っている。学園ミステリーの向こうに見えてくる切ない切ない想いが胸に迫る、極上の一冊。 ※この作品は『君はレフティ』(単行本版)の文庫版となります。 -
甘い悦びの罠におぼれて
RITA賞受賞作家が描く愛と憎しみの物語! 静かな町で起きた連続殺人事件の生き残りサーシャ。10年ぶりに町に戻ると、酷似した事件が――。 小さな町を震撼させた連続殺人事件。その唯一の生き残りサーシャは、10年ぶりに町に戻る。今もこの町にいると動悸がして足が震えるが、10年前にとぎれた人生を取り戻さなくては。だが町の人の好奇の目はいまだに冷たく、車の窓が全部割られるという事件も起きる。翌日、やってきたFBI捜査官を見てサーシャは動揺した。かつての恋人コール――愛していたけど、あの事件がふたりの恋を引き裂いたのだ。そんな折、また恐ろしい出来事が……。2017年ロマンティック・タイムズ誌、ロマンティック・サスペンス大賞受賞作! 原題:Till Death -
「超」怖い話 己(つちのと)
これは悪夢か、地獄か、小説か。 否、すべては現実。 「あなた」だったかもしれない誰かの恐怖体験! 令和となり、シリーズ生誕28年目を迎えた「超」怖い話、最新作。 五代目編著者・松村進吉を筆頭に、深澤夜、原田空が支える究極のトライアングルが描き出すリアルで禍々しい恐怖のうねり。 体験者の記憶と魂に限界まで肉薄し、彼らの人生そのものを怪奇とともに炙り出し、紙面に焼き付けた話の数々は、いっときの怖気やスリルを超えた永久不滅の衝撃がある。 我々が日常、何気なく呼吸する空気には死者たちの様々な残留思念が溶けている。 怨み、妬み、憎しみ、痛み……それに気づいた時、本書に収められた実話の数々が真の恐怖となってあなたの胸に落ちるだろう。 著者について 1979年、栃木県生まれ。2006年にデビュー。 2014年から冬の「超」怖い話〈干支シリーズ〉に参加、2017年『「超」怖い話 丁』より〈十干シリーズ〉の共著も務める。 単著に『「超」怖い話 鬼胎』(竹書房文庫)、松村との共著に『恐怖箱 しおづけ手帖』(竹書房文庫)がある。 -
月光・暮坂 小島信夫後期作品集
かつての作品の引用から、実在する家族や郷里の友人らとの関係のなかから、ひとつの物語が別の物語を生み出し、常に物語が増殖しつづける<開かれた>小説の世界。<思考の生理>によって形造られる作品は、自由闊達に動きながらも、完結することを拒み、いつしか混沌へと反転していく。メタ・フィクションともいえる実験的試み9篇を、『別れる理由』以降の作品を中心に自選した作品集。物語のあらゆるコードから逸脱し続ける作品世界!〇小島信夫 私は、彼女がいなくなると、何か安心したように、いっきょに、たいへんな速さで娘時代から幼い頃へとさかのぼり、そのあたりのところに、自分が停滞するというか、そんな状態に見舞われた。その時代から、ゆっくりと先へ進みはじめ、不意に彼女がカチンと音を立てる。我に返ると、それがほかならぬこの私であった。――<「月光」より> -
漆黒の狼と白亜の姫騎士
端整な顔立ちに幼さを残す少年──エゼアル・スラヴァード。フェガリ皇国に彗星のごとく現れた将校は、内に恐るべき戦の才を秘めていた。 隣国、アウルム王国にも時同じくして、一人の少女が出現する。神将と名高い元帥の秘蔵っ子ルーナ・ミセリア。 後世、革新の年と呼ばれる大陸暦547年。宿命を背負う少年と少女が出会う時、戦乱の世は大きく動き出す。数多の勇将、知将が交錯する大陸の覇権の行方は? 読み出したら止まらない! 傑作ヒロイックファンタジー登場! -
水害列島
豪雨、台風、地震洪水、大水害への備えと最善の避難策とは!? 土木・災害の専門家による警告の書。 日本は世界有数の自然災害多発地であり、巨大災害が発生すれば、その及ぼす被害は、わが国の存立発展に致命的な影響を及ぼしかねません。ゼロメートル地帯が広範囲に広がる東京・大阪・名古屋は危険です。とくに危ないのが首都東京なのです。 首都東京における「地震洪水」は、ゼロメートル地帯を大規模に擁する首都圏に甚大な被害をもたらします。この地域の安全と国民の生活の安寧を確保できなければ、日本という国の存立そのものを失うことにも繋がってしまいます。 【目次】 第1章 なぜ大水害は起こるのか 第2章 西日本豪雨の教訓 第3章 防災という罠 第4章 ゼロメートル地帯江戸川区のハザードマップ作り 第5章 マニュアルの充実は防災力を脆弱にする 第6章 首都直下型地震により発生する「地震洪水」 第7章 大水害にどう立ち向かえばいいのか? 第8章 見えない津波防波堤を実現した女川町 第9章 たゆまず続けられてきたゼロメートル地帯の「命山」建設 第10章 先人の知恵に学ぶ -
渋谷隔絶 東京クロノス
絶対に君を守ってみせる――隔絶された街でコロシアイ選挙が始まる!☆☆☆発売前から絶賛の嵐!声優・上村祐翔氏「真実を求めて進み続ける神谷才。その「愛」に心が震えました」声優・木村良平氏「前日譚? スピンオフ? そんな油断は、この物語の前では命取りでした」声優・朴ロ美氏(ロは王へんに路)「まるで仮想世界のギリシャ悲劇。リリックとトリックに満ちた世界で『自分と向き合うこと』への重さがズシンと響きました」☆☆☆「君を守る、たとえこの手を血に汚してでも」渋谷の異空間に隔離された政治一族・神谷家。そこは投票で選出された人を殺す、残酷な“剪定選挙”が支配する空間だった。冷徹な父を嫌悪する才は愛する咲恵を守るため、選挙に参加するが――。完璧な兄、不穏な叔父、奔放な姉貴分、そして最愛の人……あなたは誰を殺しますか? 大人気VRゲーム「東京クロノス」完全新作ストーリー。 -
愛の炎を瞳にたたえて
貴婦人のコンパニオンを勤めるフレイヤは、没落した公爵家の娘で、実はイングランドの女性の自由を守る秘密結社〈ワイズ・ウーマン〉のメンバー。ある任務を果たす最中、ハーロウ公爵クリストファーに15年ぶりに再会する。幼い頃フレイアは家族が離散する憂き目に遭ったが、その原因となる事件に関わったのが彼だった。一方クリストファーは、突然馬車に乗り込んできた女性が、なぜ憎しみの目を向けてくるのか不審に思う。その夜以来、気づけば彼女のことばかり考えていた。 二週間後、パーティで顔を合わせた二人。クリストファーの手には、フレイヤの兄がかつて身につけていた指輪が光っている。彼は兄の親友だったのだ。それなのに……真相を知ろうとするうち、いつしか二人は情熱のうずに巻き込まれていく。《ミッドナイト・シークレット》第一弾。 -
波濤を越えて 叩き上げ海保長官の重大事案ファイル
北朝鮮、中国と対峙する実働部隊の知られざる海防録。 初の“生え抜き長官”だから書けた、壮絶なる極秘作戦。 「苦しい 疲れた もうやめたでは 人の命は 救えない」 「海洋立国日本」を24時間護り続ける海上保安庁。 その幹部養成大学校を卒業し、特殊警備隊(SST)基地長などを経て、 尖閣諸島の領海警備問題に揺れる2013年、初の生え抜き長官に。 幾多の危難をくぐり抜けて辿り着いた、あるべき「海の護り」の姿。 初公開!「極秘重大事案」の内幕 ・ソ連漁船を検挙せよ ・台湾密漁船を逮捕せよ ・船内暴動を鎮圧せよ ・北朝鮮工作員を探せ ・関西国際空港テロを防止せよ ・核燃料輸送船を護衛せよ ・薬物密輸船を検挙せよ ・尖閣諸島を護れ ・不審船を捕捉せよ 能登半島沖事件 ・九州南西海域工作船事件 ・中国漁船の襲来を防げ 巡視船衝突事件 ・中国公船に対峙せよ -
少女は鳥籠で眠らない
「ただ、覚えておけばいいよ。絶対に欲しいものが決まってる人間が、どれだけ強くて、怖いものかを……」15歳の少女にわいせつな行為をさせたとして21歳の元家庭教師が逮捕された。被疑者の大学生は何かを諦めたように本心を話さない。頭を抱える新米弁護士の前に現れた黒野葉月――被害者の高校生は、やがて途轍もない行動を起こす。法の奥深くへ分け入り、新米弁護士木村と先輩高塚のコンビが知る、四つの秘密。予測不能の事件の行方。加害者も、被害者も――相談者たちは、一様に何かを隠している。鮮烈な読後感の表題作を含む連作リーガル・ミステリ! -
新装版 かの子撩乱
女学校時代から歌人となり、その後は仏教研究家としてもてはやされ、ついには情熱を傾け続けていた小説で大いに注目を集めた女性作家・岡本かの子。だがその創作過程は尋常ではなかった。大人気漫画家・岡本一平の妻でありながら、金持ちの息子と青年医師に惚れこみ同居させるのだ。3人の美男子に傅かれる専制君主。世間からは奇矯と見られる共同生活から芸術作品は生み出されていった。特に一平は本業の人気も夫婦の営みも捨て、かの子を支え続けたのだった。死の前後数年にして不動の人気を勝ち得た女性作家。天衣無縫であり稀有なその生涯を、愛情をこめて描いた評伝小説の傑作! -
清原和博への告白 甲子園13本塁打の真実
PL学園時代の清原和博が甲子園で放った通算13本塁打は、今後破られることがないであろう不滅の記録だろう。この13本は、ただの記録として残っているわけではない。甲子園の怪物に出会い、打たれた球児たちは、あの瞬間の“記憶”とともに、その後の歳月を歩んできた――。 2016年6月、清原和博は覚せい剤取締り法違反で有罪が確定した。甲子園歴史館からは清原和博の痕跡が消え、踏み入れてはいけない領域に手を染めてしまったヒーローの名前は世間の表舞台から消えていった。そんな中、甲子園で13本塁打を浴びたライバル全員が、30年以上の時を経て、あえて今、静かに口を開いた。これは、18歳の清原と49歳(2016年当時)の清原への、打たれた者たちからの“30年越しの告白”である。13本のホームランが生んだ真実が、ここに蘇る。 ※この電子書籍は2017年1月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。 -
横浜1963<文庫版>
横浜生まれ、横浜育ちの著者初の社会派ミステリー。 東京オリンピックの開催を翌年に控え、活気に満ちていた横浜。そんな時、横浜港で若い女性の死体が発見される。死体にはネイビーナイフの刺し傷、爪の間には金髪が残っていた。立ちはだかる米軍の壁に事件は暗礁に乗り上げたが、神奈川県警外事課の若い警察官・ソニー沢田は単身、米海軍捜査局に乗り込んだ。日系三世の米軍SP・ショーン阪口は、ソニーの熱意に応え捜査協力を決意する。事件の真相に迫ろうともがく二人の前に、戦争の大きな負の遺産が立ちはだかる。 解説 誉田龍一 カバー写真 三浦憲治 〈著者からのメッセージ〉 私は1960年に横浜で生まれました。実は現在も同じ場所に住んでいます。生まれ故郷が好きかと問われれば、何とも答えようがないのですが、とくに引っ越しの必要性もなかったので、流れに任せて住んでいる感じです。ところが55歳という年齢になり(注釈 : 2019年現在は59歳)、さすがに昔の横浜が懐かしくなってきました。平成に入ってからの横浜は大きな変貌を遂げ、昔の風景が、どんどんなくなってきたこともあります。数年前、いつか当時の横浜を舞台にした小説を書いてみたいと思い始めました。1960年代前半の雑然とした横浜の空気を再現したかったのです。それだけ、当時の横浜は不思議な魅力に満ちていました。 その提案を受け入れてくれた版元により、このほど初のミステリーとして本作を上梓することができました。これまで歴史小説しか書いてこなかった私としては、新たな挑戦になりましたが、書き始めてみるとスムースに筆が走ったのには驚きました。やはり、よくも悪くも横浜への思いがたまっていたのでしょうね。とくに今回は、視覚、聴覚、嗅覚、感覚に関する表現を駆使して、1963年の横浜を再現することに力を入れました。「文字の力はバーチャル・リアリティに勝る」ということを唱えてきた私としては、読者に1963年の横浜に行ってもらうことを心掛けました。それゆえ行間には、当時の雰囲気が息づいているはずです。過去の横浜を知っている読者も、知らない読者も、それぞれの横浜を脳内に再現できると思います。また私は、この作品の中に多くのメッセージを込めました。現在、世界は中国やロシアといった覇権主義国家の台頭によって混迷を深め、これまで以上に日本は、同じ民主主義を国是とする米国と密接な関係を保っていかねばならない時代になりました。だが戦後、日米はどのような関係にあったのか、詳しく知る人がどれだけいるのでしょう。とくに駐留軍と共存してきた日本の庶民が、彼らに対して、どのような感情を抱いていたかについて書かれたものは極めてまれです。そうした巷間に生きた人々の息遣いを再現し、そこから、これからの日米関係はどうあるべきかを、読者個々に考えてもらいたいというのも、本書を書く動機になりました。時代は移り変わっていきます。それだけは止めようがありません。ただ過去を知る者が、少しでもその痕跡を残そうと努力することで、当時の人々も現在を生きるわれわれと変わらず、懸命に生きていたことを伝えられるのではないでしょうか。伊東潤初のミステリー『横浜1963』を読み、一人でも多くの読者に「当時の横浜に行ってみたい」と思っていただければ、作者としてはこの上ない喜びです。 -
私の長崎地図
生まれ育った町を振り返りながら書き綴った「私の長崎地図」を中心に、筆者の長崎へ対する思いが溢れる小説、随筆を編纂した作品集。――生まれ故郷・長崎。しかし、そこは再訪するのに四半世紀の時を必要とした地でもあった。強い郷愁と訪れることへの不安が、町の色や海の香に彩られた過去から、現在に至る心の風景を紡ぎ出す。長崎を舞台にした「私の長崎地図」「歴訪」「色のない画」などの小説や随筆を精選したこの作品集は、『私の東京地図』と対をなす著者の魂の彷徨である。※本書は『佐多稲子全集』(講談社・昭和52年11月~昭和54年6月刊)、『小さい山と椿の花』(講談社・昭和62年10月刊)、『思うどち』(講談社・平成元年6月刊)を底本としました。 -
永遠に解けないパズル
大ベストセラー作家の青春小説! いつの間に、ぼくらの目は曇っていくのだろう? 会えなくなるとわかっていても、ぼくは君を守りたかった‥‥。 その日、映画の脚本家になることを夢見ていたぼく(佐々時郎/ジロ)は、駅前通りの本屋さんで『ハリウッドで脚本家になるための近道マップ』という名前の翻訳本を立ち読みしていた。 600ページもある高価な本だったから、夏休みに入った最初の日から毎日店に通って、少しずつ全ページを読破する計画だった。 その日も本に没頭していると、急に肩を叩かれ、ぼくは飛び上がった。 (本屋の親父さんについに見つかった!) 恐る恐る振り返ると、そこに彼女がいた。 南川桃(モモ)。 同じクラスにいたけど、一度も口をきいたことがない女の子。 女子のヒエラルキーでも頂点にいるのが当たり前のようなその子が、そのあとぼくに頼んできたのは、伝記を書くことだった。 「伝記? 誰の?」 「わたしの」と、彼女は言った。 『いま、会いにゆきます』『恋愛寫眞 もうひとつの物語』『そのときは彼によろしく』『こんなにも優しい、世界の終わりかた』―― 市川拓司×小学館の大ベストセラー小説群に加わった傑作です! ※この作品は『MM』(単行本版)の文庫版となります。 -
iレイチェル~The After Wife~
妻の遺したAIをめぐる切なくて温かな物語。 優秀な研究者の妻レイチェルを、ある日突然失った夫のエイダンと娘のクロエ。悲しみから立ち直れずにいる彼らの元にやって来たのは、生前、レイチェルが持てる技術の全てを投じて開発した、自分そっくりのアンドロイド「アイ・レイチェル」だった。「ロボット妻」「ロボット母」という存在に混乱し、反発するエイダンとクロエ。やがてアイ・レイチェルに託した妻の真意を知ることで徐々にアイ・レイチェルを受け入れ、彼女もまた、彼らとの交流を通して人間らしい感情を学んでいく。そしてエイダンとクロエも、失意の彼らにそっと寄り添うアイ・レイチェルの存在に癒やされていく……。 愛する家族との別れ、受容と再生、そして成長。読後、じんわりと温かな涙を誘う、切なくて愛おしいAIの物語。 -
これからは別れのお時間です~薬屋兄弟と疫病神の縁直し~
病神体質が死にたがり兄弟を救う!? 態度が大きくて怖い小学生、イケメンだけど得体の知れない恐ろしさを醸す店主、そして人間じゃない客が来る薬処――。 別れはね、すべきときに、しなくてはいけないんですよ――。関わる人に不幸を招く疫病神体質で、大学進学を機に親戚宅を出た譲吉。だが上京当日に下宿は燃え、再会した幼馴染のすず子の家は突風で半壊してしまう。途方に暮れる譲吉が紹介されたのは作家・七雲静宅。出入りする小学生の舞人は静の兄だというし、副業の薬処の客は人じゃない。譲吉を招き入れたのは「不幸を呼び込んで静を死なせてほしい」から――!? 佐倉ハイジ・装画 -
わけありシェアハウス
ある夜、なりゆきではじまった記憶喪失の青年との同居生活。それは真奈美にとって、住処を提供する代わりに苦手な家事を肩代わりしてもらうという契約関係のはずだった。 美味しいご飯とお酒、たわいもない会話を交わす温かい日常を過ごすうち、惹かれあい、いつしか恋人へ発展したふたり。けれど、好きになればなるほど「記憶を取り戻したい」「夢なら早く覚めて欲しい」という彼の願いが真奈美の心をかき乱し――。 これは、不確かで甘く切ない恋物語。 -
&Premium特別編集 暮らすように街を歩く、京都ガイド。
※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 ※本ムックはカラーページを含みます。お使いの端末によっては、一部読みづらい場合がございます。 ※本書は『&Premium』2017年1月号から2019年3月号までの 連載ページに掲載されたものを再編集・増補改訂したものです。 誌面の内容は原則として初出時のもので、現在と一部異なる場合があります。 &Kyoto 暮らすように街を歩く、京都ガイド。 ■大和まこの京都さんぽ部 暮らすように歩く、京の街。全27回。 【紹介エリア】 大徳寺界隈/宇治/東山/東鞍馬口通&御蔭通/三条会商店街/御所西 御所南/五条界隈/出町柳/大山崎/一乗寺/北山&松ヶ崎/京都駅界隈 【紹介テーマ】 甘くない手みやげ/フルーツサンド/泊まる/骨董/コーヒー 朝のさんぽ/台所道具/祇園祭の菓子/路地&裏通り/家具/朝食 京都店/2018年の甘いもの/ホテル ■京都を新しい角度で知るコラム ・スモールタウンミュージック 『誠光社』店主・堀部篤史が選ぶ”京都の唄”のあれこれ。全9回。 ・ブックストアで打ち合わせ 堀部篤史とクリエイターの京都発ポップカルチャー裏話。全18回。 ・折々に見立てる京の暮らし。 京都の花屋『みたて』に習う、植物と歳時記。全27回。 ・京都たまごサンド巡り 喫茶の街のソウルフード、たまごサンドの名店を紹介。全27回。 ・めでたい縁起物 目出度い&愛でたい縁起物。全27回。 ・包装紙と箱のデザイン 老舗の意匠が語るもの。全27回。 -
幻獣遁走曲 猫丸先輩のアルバイト探偵ノート
ある時は幻の珍獣アカマダラタガマモドキの捜索隊員、ある時は松茸狩りの案内人、ある時は新薬実験モニター、そしてある時は戦隊ショーの怪人役と、いっぷう変わったアルバイトに明け暮れる神出鬼没の名探偵・猫丸先輩が遭遇した五つの事件。猫コンテスト会場での指輪盗難事件と壮絶なドタバタを描いた「猫の日の事件」、幻の珍獣の存在を示す報告書焼失の裏に隠された真相に呆然とさせられる「幻獣遁走曲」、意外な真実が爽やかな余韻を呼ぶ「たたかえ、よりきり仮面」ほか2編を収録。著者の真骨頂である優しさとユーモア、そして謎解きの楽しさが遺憾なく発揮された愉快な連作集。/解説=光原百合/新版刊行によせて=倉知淳 -
秘密結社の野望を阻止せよ!
100ヵ国以上で刊行! 冒険小説の帝王カッスラーが放つ海洋冒険小説。 世界制覇を企む秘密組織の陰謀に、カブリーヨとオレゴン号の仲間たちが挑む! 18ヵ月前にアラビア海で発生したエアバス失踪事件。ナポリの造船所で破壊工作に見舞われた謎の貨物船コロッサス5。さらには西インド洋で、貨物船トライトン・スター号が、遭遇した正体不明の遭難船による電光石化の作戦行動を受け、乗っ取られる。これら一見無関係に思えるすべての出来事の裏には、とある秘密結社が進行する巨大な陰謀が絡んでいた。特別任務の遂行中に不穏な動きを察知したオレゴン号の船長ファン・カブリーヨと仲間たちは、背後に秘められた計画の全貌を探り出すため奔走する。 -
パトリオットの引き金 警視庁捜査一課・田島慎吾
「このミス大賞」作家による『銃の啼き声 潔癖刑事・田島慎吾』シリーズ最新刊!連続殺人を解く鍵は「パパ活」に!?想定外の展開が続く「相棒」警察小説! 都内で連続殺人事件が発生。双方の現場に残された同じキャラクターグッズについて警視庁きっての潔癖刑事・田島と天然女性刑事・毛利が捜査を始めるが、またもグッズが置かれた女子大生襲撃事件が起きてしまう。キャラクターに籠められた犯人の意図とは? 捜査から浮かび上がる被害者女子大生のパパ活とストーカー被害。田島らはパパ活相手に事情を聞き始めたが、事態は思わぬ方向へ。読み応えと楽しさ120パーセントのエンタメ警察小説! -
笑いのカイブツ
27歳、童貞、無職、全財産0円。笑いに狂った青年が、世界と正面衝突! “伝説のハガキ職人”による、心臓をぶっ叩く青春私小説。 21歳にして「ケータイ大喜利」でレジェンドの称号を獲得。「オールナイトニッポン」「伊集院光 深夜の馬鹿力」「バカサイ」「週刊少年ジャンプ」などで、他を圧倒する質と量で圧倒的な採用回数を誇り、「アメトーク」でも取り上げられる。いつしか彼は“伝説のハガキ職人”と呼ばれるようになる。 構成作家を志すも、“人間関係不得意”のため、挫折の繰り返し。命を削るように面白いネタを書くことに邁進する、貪欲なまでのストイックさ。恋と、挫折。やがて彼の頭の中に奇妙な「カイブツ」が棲みつき、主人公をときに叱咤し、ときに罵倒する。休むことのない内なるカイブツとの戦いの果て、主人公はいつしか「死」を想うようになる。 笑わせるか、死ぬか。 この主人公は、著者自身なのか、それとも頭の中のカイブツが生み出した妄想なのか? ツチヤタカユキの熱狂的な道行きが、いま紐解かれる。 単行本刊行後を濃厚に描いた「文庫版あとがき」を収録。出版によってメジャーな世界に一歩踏み出したことで、主人公(作者)の鬱屈は晴れる日がきたのか、それとも・・・? とどまることのない激情の発露が、読者の心に突き刺さる、感動の「最新章」。 -
忌印恐怖譚 みみざんげ
知らないところで自分が言っていたらしい。 「これからぼくたち心中するところなんですよ」(「キヨミ」収録) 日常の裏側にびっしり恐怖の卵が湧いている我妻怪談! 幻惑の名手・我妻俊樹が描く、日常のすぐ横に口を開けた常世の深淵――。記憶の底にある家を探していると、祖母に異変が起きる「ヒロエおばさん」、バス停で出逢った身の毛もよだつ異形とは…「待合室」、バスで寝ていたら知らぬ間に異界に迷い込んでいた「深夜バス」、40歳を境に突然、命を脅かす怪異に見舞われ始める「ガタガタ」など、48篇の実話恐怖譚を収録。黄泉からの声があなたにも聞こえる――。 著者について 我妻俊樹(あがつま・としき) 『実話怪談覚書 忌之刻』で単著デビュー。「奇々耳草紙」シリーズ、『忌印恐怖譚 くちけむり』『めくらまし』など多数。共著に「FKB饗宴」「てのひら怪談」「ふたり怪談」「瞬殺怪談」「怪談五色」「怪談四十九夜」シリーズなど。歌人でもある。 -
アイヌ童話集
自然や神(カムイ)と自由闊達に交流してきたアイヌの人々。彼らの間に伝わる様々な童話・説話には、アイヌ世界の豊穣が存分に描かれている。はじめてアイヌ文学に触れる人でも親しみやすいお話16編を集めた、珠玉の童話集。 まえがき よもやま昔話 口のきけない子と熊の話 流れてきた子どもの話 鬼が島せいばつの話 雲の船と男の子の話 チャランケの話 砂でつくった鯨の話 おばけ鳥の話 センタカイヌの話 鬼鹿毛どのの話 パナンペ・ペナンペ昔話 鬼のわなの話 金と銀の子犬の話 腹のなかの小鳥の話 オキクルミの昔話 日の女神を救いだす話 ききん魔を救い出す話 神々がざんげ話をする話 生いたちと晩年の話 解説 著者略歴
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