Posted by ブクログ
2018年10月04日
高校の文化祭でゲリラ的に落語をやろうとする美少女とそれに巻き込まれる主人公。突飛な設定なだけかと思っていたが、きちんと意味のある展開と回収がされていた。
根っこの展開は最近よくあるものではあるが、味付けで面白みを出している。主人公が抱える、自分がいま居る場所(コミュニティ)から弾き出されてしまうと...続きを読むいう恐怖感。それ故に彼は様々なものを抱え込んでしまうのだが、その結果の理不尽をヒロインが打ち砕く。したくないことに時間を費やすほど人生は長くない、というのは歳を重ねてより響く言葉である。
余談だけど。ワシは主人公の「嫌だ」と言えずに流されてしまう性格と、その原因となった“自分の我が儘(不注意)で人を傷付けてしまった”幼少期の出来事に(←ネタバレにならないようボカし気味)、自らを重ねて嫌な記憶がフラッシュバックしてしまった。
今にして思えばそれはさほど大業なことではないかもしれないが、幼少の自分の中途半端な知識では、自分の失敗によって家人が死んでしまう……と思い込み、その恐怖感は今に至るも自分の行動に制限を掛けてる場面があるなと思う。