KADOKAWA - 角川文庫 - 切ない作品一覧

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  • バイバイ
    3.8
    1巻396円 (税込)
    はじめて会った日から1年、付きあいはじめてからは7、8か月が過ぎても、喧嘩らしい喧嘩は一度もなかった。勝利と朱実のあいだはとてもうまくいっていたはずだった。「結婚」ということばこそ、ふたりのあいだで口にのぼることはまだなかったが、どちらかがいつ言い出してもおかしくないような雰囲気だった。何の問題もない恋人同士のように見えたはずだ、と勝利は思う。たったひとつの問題は、勝利に、朱実以外にもそういう付きあいをしている女性が、あとふたりいることだった……。
  • バイブを買いに
    4.0
    おちんちんは本当にわかりやすい。わたしのことを思って、わたしとしたいと思って大きくなっているおちんちんは、いつだってわたしの胸を打つ。かわいくって、ぐっとくる。まるで、しっぽをふりっぱなしのバカな犬みたいだ――。好きな人と一緒にいるしあわせ、体をくっつけている安心。痛々しいほどまっすぐに綴られる「この人が愛しい」という思い……。ごく普通の女の子のありのままの恋愛、ほんとうのセックスを、やさしくやさしく大事に切り取った、八つの恋の物語。
  • ばけたま長屋
    4.0
    浅草の裏長屋に仕事場を構えた指物師の弦次。ところが長屋は空き部屋ばかり。住人たちが次々と引っ越したのは、木戸口から数えて四つ目の閉じられた部屋と関わりがあるらしい。入居日の夜、弦次はその部屋でこの世の者とは思えない女を見てしまう。怖がりだが根が真面目な弦次は、不真面目な先輩住人の三五郎、幽霊画を描くのにどうしても本物を見たい町絵師の朔天とともに、原因究明という名のおばけ退治に乗り出すが……!?
  • バケモノの子
    4.0
    1巻616円 (税込)
    この世界には、人間の世界とは別にもう1つの世界がある。バケモノの世界だ。ある日、ひとりぼっちの少年がバケモノの世界に迷い込み、バケモノ・熊徹の弟子となり、九太という名前を授けられる。その偶然の出会いが、想像を超えた冒険の始まりだった――。
  • バブル・コンプレックス
    3.6
    子どもに就活アドバイスができずに悩む「親バブル子ゆとり」、平野ノラの芸がイタくもあり嬉しくもある「ディスコの灯を守り続け」、とんねるずとフジテレビの運命に無常を見る「女子大生ととんねるず」、奥田民生に学べ!バブル崩壊後のナチュラルブーム――「ナチュラルの波を乗りこなせ」……など、全20章を収録。受験戦争はらくらく通過、就職活動は売り手市場。苦労知らずで、おめでたくて、50代になっても後輩気分……そんな駄目な世代を自認する酒井順子が見る、バブル世代の功罪とは。団塊・新人類世代と氷河期・ゆとり世代にはさまれたバブル世代。消費に積極的でコミュニケーション能力が高くて肉食、というイメージはどうしてできたのか。メディア、ファッション、名付け、IT、出世……あらゆるテーマでバブル世代を振り返る、バブル世代もそうでない世代も、おもわず頷く新しい愛ある世代論!
  • 晩夏のプレイボール
    3.8
    野球を続けがたい現状に抗い、「夏の甲子園」を目指して野球に打ち込む者たち――。高3の夏、肩を壊した元エース・真郷と、過去にトラウマをもつ現エース・律は、心ひとつにして甲子園を目指していた…。(「練習球」)戦力不足に悩む彰浩と信吾の前に現れた転校生の有一は、無口で不器用だが、誰よりも才能豊かなピッチャーだった…。(「このグラウンドで」)他、「夏の甲子園」をめぐるドラマを描いた、10の傑作短編。
  • 塙侯爵一家
    4.8
    霧深いロンドンの街の片隅で秘密裡に進められたある計画。それは、莫大な資産家塙侯爵の息子で欧州留学中の安道を、思い通りに操れる偽者とすり替える畔沢大佐の陰謀だった。日本へ戻った偽安道は見事にその役柄をこなし、ライバルの晴道を押えて侯爵の信頼を勝ち取った。だが、その頃から偽安道に変化が生じた。大佐の命令に従わず、勝手な行動をとり始めたのだ。そして、あの忌まわしい老侯爵殺害事件が起きた……。横溝正史の異色長編ほか「孔雀夫人」を収録。
  • 晩年
    3.7
    1巻550円 (税込)
    「美しさは、人から指定されて感じるものではなくて、自分で、自分ひとりで、ふっと発見するものです」昭和8年から11年にかけて発表した作品15篇を集めたこの第一創作集を、作者は自分の生涯の唯一の遺著になる思いで「晩年」と名付けた。「私はこの本一冊を創るためにのみ生れた」。
  • 万能鑑定士Qの推理劇 I
    3.8
    1~4巻550~781円 (税込)
    高校までどん底の成績だった天然少女、凜田莉子。沖縄から上京後、感受性を学習に役立てるすべを知り、わずか5年で驚異の頭脳派に成長する。次々に難事件を解決する莉子のもとに、怪しげな招待状が舞いこんだ。絢爛豪華な宝石鑑定イベントに潜む巧妙なトリックを解き明かせるか。1年半で200万部を突破した『面白くて知恵がつく人の死なないミステリ』。初めての方も是非この作品からお読みください。Qシリーズ最高傑作登場!
  • バースデーカード
    3.8
    紀子は引っ込み思案の小学生。優しい両親と元気な弟と幸せに暮らしていた。ところが母・芳江が病気で他界。落ち込む紀子11歳の誕生日、生前の約束通り、なんと芳江から紀子にバースデーカードが届く……。
  • Burn.-バーン-
    3.7
    演出家として成功し、子どもの誕生を間近にする夏川レイジは、不慮の事故により、失っていた20年前の記憶を取り戻す。当時天才子役としてもてはやされていたレイジの現実は、ただの孤独な少年だった。同級生にいじめられ、母親とも心が通わなかったが、渋谷の宮下公園で出会った心優しきホームレスとドラッグクイーンと奇妙な友情を築くうちに、冷め切った心は溶け始める。しかし、本物の感情を知るうちに、機械のように精密だった彼の演技は鈍り始め……。 愛と家族の本質に迫る、一人の少年の成長物語。
  • パイナップルの彼方
    4.1
    父のコネで都会の信用金庫の人事部に勤める深文は、安定した仕事の中で同性の先輩ともうまく付き合い、恋人との関係も良好で満足していた。居心地いい生活、それはずっと続くと思っていたのに。ある日、1人の女性新人社員が配属されたことで、深文を取り巻くバランスがゆっくり崩されていく。そして起きた、ある小さな出来事を気掛けに深文を取り巻く世界はすっかり瓦解してしまうが……。 すべてがダメになったと思ったら、何もかも捨てて南の島へ飛んでパイナップル工場で働けばいい。決して実現しない、実現させようとも思わない妄想が自分を救ってくれることもある。中毒性があり! 山本文緒の筆致が冴えわたる、誰もが共感できる日常の物語。
  • パイロットフィッシュ
    4.1
    人は、一度巡りあった人と二度と別れることはできない――。午前二時、アダルト雑誌の編集部に勤める山崎のもとにかかってきた一本の電話。受話器の向こうから聞こえてきたのは、十九年ぶりに聞く由希子の声だった……。記憶の湖の底から浮かび上がる彼女との日々、世話になったバーのマスターやかつての上司だった編集長の沢井、同僚らの印象的な姿、言葉。透明感あふれる文体で綴る至高のロングセラー青春小説。吉川英治文学新人賞受賞作。
  • パズル・パレス(上)
    3.6
    史上最大の諜報機関にして暗号学の最高峰、米国家安全保障局のスーパーコンピュータ〈トランスレータ〉が狙われる。対テロ対策として開発され、一般市民の通信をも監視可能なこの存在は決して公に出来ない国家機密だった。が、この状況に憤った元局員が、自ら開発した解読不可能な暗号ソフトを楯に〈トランスレータ〉の公表を迫る。個人のプライバシーか、国家の安全保障か。情報化時代のテロをスリリングに描いたスリラー。
  • パーティ
    3.3
    4人の少年たちは、小学生の頃から友情を育んできた親友だった。しかし彼らは、ある事件をきっかけに、離ればなれになってしまう。だが今日、謎の手紙に誘われ、頂上に神様がいると言われている“神獄山”で再会する。身体の弱い転入生の少女を4人で守ろうとした、罪ある過去を思い出しながら、過酷な山道を登り始め頂上を目指す。果たして山頂で彼らを待ち受けているものとは? そして“罪ある過去”とは──?
  • ひきなみ
    4.0
    1巻858円 (税込)
    思春期の出来事を機に真以に心を寄せる葉だったが、真以は脱獄犯の男と共に逃亡、姿を消してしまう。20年後、ネット上で真以を見つけた葉はたまらず会いに行くが――。現代を生きるすべての女性に贈る物語
  • 非常識の美学
    4.0
    1巻506円 (税込)
    遅刻することも、嘘をつくことも、あの女(ひと)ならステキにみえてしまうのは、なぜ? 我がままが似合う女になるための秘密の数々。森瑶子が全ての女性に贈る、非常識の楽しみ方。
  • 翡翠色の海へうたう
    4.6
    1巻858円 (税込)
    派遣社員、彼氏なし、家族とは不仲。冴えない日々を送る葉奈は作家になる夢を叶えるべく、戦時中の沖縄を舞台に勝負作を書くこと決意。しかし取材先で問題の当事者ではない人間が書くことの覚悟を問われ…。
  • 必要のない人
    3.5
    五十五歳の誕生日を迎えて間もなく、野末稔は『毎朝タイムス』の印刷現場セクションから、子会社の『毎朝文化セミナー』へ出向を命じられた。稔は一日も休むことなく、新しい職場に通っていたが、二週間を過ぎた頃から、ひどくみじめな思いに悩むことがふえていた。具体的な原因は何もなかったが、以前のような「俺は必要とされている人間」だという昂揚感がどうしても持てなくなっていたのだ……(「必要のない人」)。恋、性、老い、そして死――。人生の大きな流れのなかで、揺れ、惑う、男と女を描く、著者初の本格短編小説集。
  • 人斬り半次郎 幕末編
    3.3
    「今に見ちょれ。俺はこの腕一本できっと……」。半次郎の口ぐせだった。姓は中村、鹿児島城下の藩士に〈唐芋〉とさげすまれる貧乏郷士の出ながら剣は示現流の名手、精気溢れる美丈夫で、性剛直である。時は幕末、ふとした機縁で西郷吉之助に見込まれ、国事に奔走するが、卓抜の剣技は血なまぐさい暗殺を重ね、〈人斬り〉の異名は、次第に高まってゆく。激動する時代の中に一快男児熱血の半生を描く、傑作小説の前編。
  • ひとごと
    3.7
    1巻737円 (税込)
    幼い息子を虐待して殺した母親を逮捕──残酷な事件のニュースが、人々の心に起こした波紋。離婚、不妊、予定外の妊娠、親子の確執、嫁姑問題……悩める8組の家族の人生の転換期を、鮮やかな手法で描いた感動の短編集。
  • 人に愛されるひと 敬遠されるひと
    3.5
    会社、地域、家族、恋人……。そもそも人間は、お互いにかかわりを持たなければ生きられないようにできています。それなのに、人間関係では苦労ばかり。それは人間が相手には多くを望み、自分のことしか考えない生き物だから。しかし、そんな中でもちょっとした「心の波動」で人間関係を築けば、とてもスムーズに、豊かな人生を送ることができます。自分自身はもちろん、まわりをもすばらしい人間へと変える、その「心の波動」についてスマナサーラ長老が教えます。
  • 一房の葡萄
    3.9
    有島武郎の童話はここに収められた8篇がすべてである。男手一つで愛児を育てあげる苦労を味わいつつ、すでに学齢期に達した3人の子供に、精神の糧を与えたいという父性愛的願望から書かれたものである。「おぼれかけた兄弟」「碁石を飲んだ八っちゃん」「ぼくの帽子のお話」「かたわ者」「火事とポチ」「真夏の夢」「燕と王子」を収録。
  • ひとりぼっちじゃない
    4.3
    「僕はずっと、誰かに僕のことを知って欲しかったのだと思う」歯科クリニックに勤める雇われ歯科医のススメ。小さい頃から人とのコミュニケーションが苦手な彼は、スマートな他の先生たちに憧れ、歯科衛生士たちの反応を過剰に気にし、前向きに生きるためにつけたはずの日記にもいつしか毒を吐いている。やがて、アロマオイルの店を営む宮子さんに恋心を抱くが、彼女にはある秘密があった……。
  • ひとりぼっちの私は、君を青春の亡霊にしない
    4.0
    高校生の亜胡は、人目が気になるあまり、周囲に合わせることに慣れてしまい、本当の自分がわからなくなっていた。友だちといると、楽しいけど疲れる――。みんなと離れて一人になる時間がほしくて、間違えたふりをしてとった選択授業の書道。そこで、中学時代に片思いをしていた男子・佐木冬斗に再会する。中学時代、明るかった彼だが、「人のストレスが視える」という不思議な能力をからかわれ、人を遠ざけるようになってしまっていた。思い切って話しかけた亜湖は、無口な佐木とぽつぽつと会話をするようになる。そして、過度なストレスが原因で、心と表情を失い、人の目に認識されなくなる“亡霊”という恐ろしい現象の存在を知る。亜胡の友人・えみりの心が危ないと佐木に忠告された矢先、えみりがマッチングアプリで出会った男子に殴られるという事件が起きて、学校は騒然とするが……。
  • ひとを愛することができない マイナスのナルシスの告白
    3.8
    果たして、ほんとうの愛とは何なのだろう? 愛に不可欠の条件、愛という名の暴力や支配、掟と対峙し、さらには自己愛の牢獄から抜け出すために――。闘う哲学者の体験的「愛」の哲学!
  • 向日葵のある台所
    3.5
    学芸員の麻有子(46歳)は、東京の郊外で、中学二年生の娘・葵とともに、穏やかに暮らしていた。そんな折、麻有子の姉・鈴子から「母が倒れたので引き取って欲しい」と電話があった。母とも姉とも折り合いが悪く、極力関わらないようにしてきたのに――。姉の勝手な振る舞いにうんざりしつつも、受けざるを得なくなってしまう。小さい頃から、何かにつけて麻有子の行動を否定してきた母と暮らすのは、やはり自分の心が許せない。しかし、「いったん引き受けて、やはり居心地が悪いと自主的に戻ってもらおう」という葵の提案のもと、絶縁状態だった母親との生活が始まった。すると、今まで知らなかった葵の一面も新たに見えてきて――。「家族」という見えざる檻は、思い出までも閉じこめてしまうのか。
  • 秘密屋
    1.0
    親の残した多額の借金を背負い憂鬱な毎日を過ごす川岸優雅は、ふと迷い込んだ秘密屋で、大きく運命を変えていく。 裏切り、友情、家族の絆。どんでん返しに次ぐどんでん返しで、意表をつくエブリスタ受賞作。 ※本書は二〇一二年八月、E★エブリスタ電子書籍大賞ミステリー部門受賞作「秘密屋」を改稿したものが底本です。
  • 姫君と侍女 明治東京なぞとき主従
    3.8
    時は、明治5年の東京。 日本橋の大店の娘で15歳の佳代(かよ)は、旧大名深水家のお屋敷で、美しいが風変わりな姫君・雪姫(ゆきひめ)の侍女として行儀見習いの奉公をしていた。 だがその春、湯島聖堂博覧会で展示されていた徳川家康愛鳥の鷹の掛け軸が消えた。 掛け軸の預け主で、最後に会場に入って観覧していたのは深水家。 その中に盗人がいるのではと疑ったポリスが屋敷に乗り込んでくる。 お家の一大事に、持ち前の頭脳で立ち向かうは雪姫。 そして、佳代も隠していた天才的な絵の才能――目に見たそのままを絵に描く力を発揮することになり……! 幕末維新の動乱の名残り色濃い東京で、姫君と侍女がともに抱く大きな夢とは――? 主従バディが新しい時代に躍動する、胸のすく青春なぞとき物語! 第7回角川文庫キャラクター小説大賞〈優秀賞〉〈読者賞〉ダブル受賞作!!
  • 100日後、きみのいない春が来る。
    5.0
    1巻748円 (税込)
    風里は、控えめな性格なのが悩みの高校1年生。同じクラスでひときわ目立っている千冬くんは、幼馴染で今でも同じマンションに住んでいる。昔は仲が良かったが、地味な風里とは違い、千冬くんは中学に入った頃からどんどんカッコよくなって、あっという間に手の届かない存在になってしまった。女の子といるところを見ると胸が痛くなるけれど、この気持ちには気づかないフリをしてきた。ある日、弟の付き添いで病院に行くと、千冬くんの姿を見かけた。その後、学校を休みがちの千冬くんを心配に思い、勇気を出して声をかけてみると、不可逆性体温低下症、通称「100日病」という難病を患っていると言う。彼は、発症したら100日後には低体温で死んでしまうという不治の病だった――。大切な人のために、自分にはなにができるのか。悔いのないように一生懸命生きるとはどうすればよいのか……。風里は必死に考える。ラストは号泣必至!命と勇気の物語。
  • 霧の夜の戦慄 百年の迷宮
    3.9
    16歳の少女・綾は、父親を不慮の事故で亡くし、スイスの寄宿学校に留学することになった。寄宿舎での1日目、不思議な睡魔に襲われた綾は意識を失う。そして気がつくと、なんと1888年のロンドンで「アン」という名で暮らしていたのだ! 街は、殺人鬼〈切り裂きジャック〉の影に怯えていた。以前からこの事件に興味をもっていた綾は、自分の手で捕まえると意気込むのだが──。時空を超えて繰り広げられるミステリー。
  • 百年法 上
    4.1
    1~2巻792円 (税込)
    不老不死が実現した日本。しかし、法律により百年後に死ななければならない――西暦2048年。百年の生と引き替えに、不老処置を受けた人々の100年目の死の強制が目前に迫っていた。その時人々の選択は――!?
  • 氷河民族
    4.0
    ある雨の夜、ドライブ中の私は、突然飛び出してきた少女をはねてしまった。外傷はなかったが、意識を失った少女を車に乗せ、友人の医師須藤の下宿に運び込んだ。少女は、息を呑むほど完璧な美しさをたたえていたが、ただひたすら眠り続けた。何日も何日も……。少女の容体を調べた須藤は、彼女が異常に低い体温を持ち、普通の人間では考えられない血液組織を持っていることに気づいた。彼女は人間ではないのだろうか!
  • 氷上のフェニックス
    3.3
    2018年、高橋大輔選手の復活ルポ取材をしました。 これまでも「復活」をかけて挑む競技者の物語を多く描いてきましたが、 高橋選手の戦いは火花が出るようで眩しく――。 「この熱を凝縮させ、もう一つの物語を創りたい」。その着想が、今回の小説作品につながりました。 氷上での戦いを巡り、懸命になる選手たちの姿に声援を送ってもらえたら、書き手冥利に尽きます。                                                   ――小宮良之
  • 美神解体
    3.6
    目を上げると鏡の中の見知らぬ女が、自分をみつめている――。美容整形で、彫刻的美貌を手に入れた麗子。しかし葬り去ったはずの容貌は、心まで飼い馴らすことはできなかった。愛されることを渇望し、満たされない日々を生きる女の心に、ある日ともった恋心。想いを募らせ追いかけていった先の山荘で目にした衝撃の情景とは!? ともに一つになって闇の底に転落していこうとする男と女の倒錯した愛の形を描く、異色の恋愛小説。
  • ビーチ・サンダルで告白した
    5.0
    湘南の海辺で、真冬のゲレンデで、ハワイの爽やかな陽射しの中で――さまざまな出会いと別れを経験して、「彼女」たちは少しずつ大人になっていく。時に涙を流すことがあったとしても、「彼女」たちの輝きは、決して失われることはない――。一瞬のきらめきを閉じこめた小さな宝石のような、珠玉のラヴ・ショート・ストーリー集。
  • ピエドラ川のほとりで私は泣いた
    3.7
    ピラールのもとに、ある日幼なじみの男性から手紙が届く。久々に再会した彼から愛を告白され戸惑うピラール。しかし修道士でヒーラーでもある彼と旅するうちに、彼女は真実の愛を発見する。
  • ピンクとグレー
    3.9
    大阪から横浜へ越してきた小学生の大貴は、マンションで同い年の真吾と出会う。性格は全く違う2人だったが惹かれあい、親友に。やがて高校生になった2人は、雑誌の読者モデルをきっかけに芸能活動をスタート。 同居も始めるが、真吾だけがスターダムを駆け上がっていくことで2人の仲は決裂してしまい……。ステージという世界の魔法、幻想に魅入られた幼なじみの2人の青年の愛と孤独を鮮やかに描いた、作家・加藤シゲアキの原点となる青春小説。
  • ピンク・バス
    3.2
    子供を妊娠し浮かれているサエコの家に、夫の姉・実夏子が突然訪れる。長い間消息不明だったという実夏子は、そのまま勝手に住み着いてしまった。真夜中に化粧をしたり、冷蔵庫のハムを丸ごと食べたり、と不審な行動を繰り返す実夏子。何も言わない夫に苛つき、サエコの心はかき乱されていく……。出産を目前に控えた女性の心の揺れを描いた表題作ほか、「昨夜はたくさん夢を見た」の一篇を収録。瑞々しい筆致で描き出された、心に染みる極上中篇集。
  • ファイアマンの遺言
    3.2
    建設中のアパートに停めてあった車が何者かに放火された。消火活動中、突然の爆発で消防士の峯岸が殉職してしまう。夫を失った妊娠中の妻・亜希と近所の住人たちは消防団「夜回り隊」として真犯人探しに乗り出す。一方、峰岸が乗っていた車の買い取りを担当するディーラーの吉岡は、車中で遺書を発見した。そこには健文の秘めた決意が書かれていた……。ひとりの勇敢な消防士の死をめぐる、遺された者たちの葛藤と再生の物語。
  • FINE DAYS
    3.6
    余命いくばくもない父から、三十五年前に別れた元恋人を捜すように頼まれた僕。彼らが住んでいたアパートで待っていたのは、若き日の父と恋人だった……。新世代の圧倒的共感を呼んだ、著者初の恋愛小説。
  • ファミリー・レス
    3.4
    「家族か、他人か、互いに好きなほうを選ぼうか」ふたつきに一度だけ会う父娘、妻の家族に興味を持てない夫。家族というには遠すぎて、他人と呼ぶには近すぎる――現代的な”家族”を切り取る珠玉の短編集。
  • ファミレス 上
    3.6
    1~2巻704円 (税込)
    中学校教師の宮本陽平は、子どもたちが家を出て、妻・美代子との初めての二人暮らしに困惑中。 ある日陽平は、美代子の署名入りの離婚届を見つけてしまう。彼女は離婚を考えているのか? 唯一の趣味である料理を通じた友人の一博と康文は、様子のおかしい陽平を心配するが、彼らの家庭も順風満帆ではなく……。 「人生とは、腹が減ることと、メシを食うことの繰り返し」。50歳前後の料理好きオヤジ3人を待っていた運命とは? ●2017年1月公開映画「恋妻家宮本」原作
  • 風雲に乗る
    3.0
    旅館の子だった鯛公介は、少年時代に家を大火で失って以来、父の死、南方戦線への従軍と苦労の多い青春期を過した。その中で公介が命をかけたのは“貧乏人のための信用販売”であった――。月賦販売という初の試みに果てしない苦難の道が続く……。冷たい経済社会の中で平凡な一人間がどのように生き得るかを描いた傑作!
  • 風眼抄 山田風太郎ベストコレクション
    3.0
    思わずクスッと笑ってしまう身辺雑記に、自著の周辺のこと、江戸川乱歩を始めとする作家たちとの思い出まで。たぐいまれなる傑作を生み出してきた鬼才・山田風太郎の頭の中を凝縮した風太郎エッセイの代表作。
  • フォア・フォーズの素数
    3.0
    『涙香迷宮』の主役牧場智久の名作『チェス殺人事件』やトリック芸者の『メニエル氏病』など珠玉の13編。『匣の中の失楽』から『涙香迷宮』まで40年。ついに復刊される珠玉の短編集!
  • 不機嫌な恋人
    4.0
    三条油小路に住む小侍従は、宮廷きっての美女、という噂。香を調合したり、染め物をしたり、ちょっとした縫物をしたり、というのがとても上手。蓄財の才に長け、女一人で生き抜くのにもそつはない。今、年下の恋人・二条の少将に首ったけ。男と恋が楽しみなのだ。少将は名うてのプレーボーイ。恋の冒険に明けても暮れてもうつつを抜かして倦むことを知らない。ほんの遊び心でかいま見た女(ひと)は、暗い妖しい情趣と愛らしい少女の雰囲気を合わせもつ子持ちの未亡人だったが……。恋、背信、心がわり。――揺れる大人の恋を美しい季節の移ろいとともに描く、王朝の長編恋愛小説。
  • 福音の少年
    3.9
    16歳の明帆は同級生の藍子と付き合っている。だが二人はすれ違ってばかりで、明帆は藍子の幼なじみの少年・陽に近づいていく。ある日、藍子のアパートが火事で全焼し、藍子も焼死体で発見される。不可解さを感じ、真相を探る明帆と陽だが――。「死んでほしゅうない。おまえに生きていてほしい。おれは、おまえを失いたくないんや」友情でもなく、同情でもなく、仲間意識でもない。少年たちの絆と闇に迫る、著者渾身の物語!
  • 複眼人
    4.3
    太平洋に浮かぶ神話的な島と、近未来の台湾。二つの島に巨大な「ゴミの島」が押し寄せる時、謎の「複眼人」が姿を現す――。世界14か国で翻訳。台湾現代文学の担い手による代表的長編、待望の本邦初訳!
  • 梟の裂く闇
    4.0
    十二年前、肥後の村で記憶を喪い、村人に助けられた谷五郎。妻女と子に恵まれ、平穏な一生を送る筈だった。だが、村に兵が押し寄せた時から、彼の運命が、大きく変わりはじめる──。書き下ろし時代長篇。
  • 梟の月
    3.7
    過去も記憶も喪い、妖怪の世で目が覚めた私は、かわいらしい妖怪達に囲まれ文字を教える「先生」として生活していた。いつも傍らにいるのは、私を知っているらしいアオバズク。私はなぜこの世界にきたのか。
  • 不幸な恋の終わらせかた
    4.0
    「カラダの、つきあい」略して「K2」を重ねてしまうあたしは、なぜ不幸な恋からぬけだせないのだろう? 本当の恋をもとめるすべての人に贈る、究極の恋愛小説!
  • 不在
    3.6
    長らく疎遠だった父が、死んだ。 遺言状には「明日香を除く親族は屋敷に立ち入らないこと」という不可解な言葉。 娘の明日香は戸惑いを覚えたが、医師であった父が最期まで守っていた洋館を、兄に代わり受け継ぐことを決める。 25年ぶりに足を踏み入れた生家には、自分の知らない父の痕跡がそこかしこに残っていた。 年下の恋人・冬馬と共に家財道具の処分を始めた明日香だったが、整理が進むにつれ、漫画家の仕事がぎくしゃくし始め、さらに俳優である冬馬との間にもすれ違いが生じるようになる。 次々に現れる奇妙な遺物に翻弄される明日香の目の前に、父と自分の娘と暮らしていたという女・妃美子が現れて……。 「家族」「男女」――安心できるけれど窮屈な、名付けられた関係性の中で、人はどう生きるのか。 家族をうしない、恋人をうしない、依るべきものをなくした世界で、人はどう生きるのか。 いま、最も注目されている作家・彩瀬まるが、愛による呪縛と、愛に囚われない生き方とを探る、野心的長篇小説。 解説:村山由佳
  • ふしぎな名画座
    5.0
    探そうとしても、見つからない。いつかどこかに現れる、〈ふしぎな名画座〉。そこでは、ただ一人のためだけに、懐かしい映画が上映される……。「〈逢いびき〉のあとで」「〈天使の詩〉が聞こえる」「〈ローマの休日〉届」など、名画をモチーフにした、ファンタジックな連作短編集。人生に迷った時や、勇気をわけてほしい時――あなただけの指定席へようこそ。
  • 不死蝶
    4.3
    「蝶が死んでも、翌年美しくよみがえるように、いつか帰ってきます」二十三年前、謎の言葉を残し、突然姿を消した一人の女。当時、鍾乳洞殺人事件の容疑者だった彼女は、成長した娘と共に疑いをはらすべく、今、因縁の地に戻ってきた。だが、その彼女の眼の前で、再び忌わしい殺人が起きた! 被害者の胸には、あの時と同じく、剣のように鋭い鍾乳石が……。迷路のように入り組んだ鍾乳洞で、続発する殺人事件の謎を追って、金田一耕助の名推理が冴える!
  • 腐蝕の構造
    3.0
    原子力科学の若き第一人者である新婚の夫・雨村を乗せた旅客機と自衛隊機が北アルプス上空で衝突した。乗客全員の生存が絶望視されるが雨村の遺体は見つからず、生存を信じる雨村の妻・久美子は捜索に乗り出す。やがて研究成果に群がる政財界の陰謀と、妖しい女の影が浮かび上がり――。最先端技術を巡る恐るべき“腐蝕の構造”の正体とは!? 日本推理作家協会賞を受賞した、巨悪の癒着と戦う愛の行方を描く壮絶なロマン。
  • 腐蝕の惑星
    3.5
    最初は正体不明の不気味な黒い影だった。惑星アンシャンティ。航宙士試験に合格し、希望にあふれる十七歳のティナの周囲で奇妙な異変が起き始める。巨大なホールにさっきまでざわめいていた人々が忽然と消失したり、白い紙魚が広がるように街のあちこちがなくなっていたり……。まるで何かに浸食されていくように街のあちこちが消失していく。そして、親しい人々、友人たちも。この世界はどうなってしまったのか? ティナが繰り返し見る悪夢にその真実がかくされているのか? あの名作がついに復刊!
  • 藤色の記憶
    3.4
    心中間際に心変わりした恋人によって、土の中に埋められてしまった優枝。掘り起こし救い出してくれたのは、白兎という見知らぬ少年だった。彼は恋人への復讐をそそのかすが、どこかからかうようなその態度に、優枝は戸惑うしかなかった。そこへ、生き別れの弟・慶介から突然電話がかかってくる。母が手遅れの病で入院し長くなく、優枝に会いたがっているという。かつて父と自分を捨て家を出ていった母。逡巡する優枝に白兎は「生き返った命は7日間しかもたない」と告げる。それを聞いた優枝は白兎とともに、一度は捨てた故郷へ戻る決意をする……。大人の女のサスペンス・ミステリ! (※本書は、2012年9月講談社より刊行された単行本『白兎2 地に埋もれて』を加筆修正し、改題の上文庫化したものです)
  • 藤澤清造短篇集 一夜/刈入れ時/母を殺す 他
    3.5
    貧窮と性病、不遇と冷笑の中で自らの¨文士道¨を貫いて散った、藤澤清造。その玉石混交の作品を歿後弟子・西村賢太が厳選、校訂する。 貧窮と性病、不遇と冷笑の中で自らの¨文士道¨を貫いて書き、無念に散った無頼の私小説家・藤澤清造。その短くも不屈の活動期間に残した玉石混交の作品を、歿後弟子・西村賢太が厳選、校訂。商業誌初登板の、伸るか反るかの情熱が作の巧拙を超えて迫りくる「一夜」、抱腹絶倒の借金文学の傑作「刈入れ時」、故郷で危篤に陥った母の死を、貧ゆえに切望する「母を殺す」等、十三篇を収録。 新発見原稿「敵の取れるまで」を併録。
  • 不自由な心
    3.6
    大手部品メーカーに勤務する野島は、パーティで、同僚の若い女性の結婚話を耳にし、動揺を隠せなかった。なぜなら当の女性とは、野島が不倫を続けている恵理だったからだ…。心のもどかしさを描く珠玉小説集。
  • ふたりみち
    値引きあり
    4.1
    元ムード歌謡の歌手で、今は函館のスナックのママ野原ゆかりは、本州をめざし津軽海峡をフェリーで渡っていた。ある事情で抱えた借金返済のため、昔のつてを頼ってコンサートツアーと称したドサ回りの旅に出たのである。船内で偶然知り合った同じ名前の森川縁は、12歳なのになぜかゆかりの唄に興味を持ちついて来てしまう。彼女が母親と喧嘩して家出してきたことを知ったゆかりは、親に連絡させ最終目的の東京まで連れて行くことになる。しかし、彼女のコンサートは、行く先々でトラブルに遭いことごとく中止になってしまう。落ち込むゆかりを支える縁。2人のユカリは55歳の歳の差を超えて強いきずなで結ばれていく。そしてついに最後の会場、東京に到着する。ゆかりは、ここだけは絶対に唄い上げるつもりだった。そこにはゆかりの悲しい過去が刻まれていたのだ。 笑って笑って、そして……ラスト一行に思わず! エディット・ピアフの『愛の讃歌』に乗って描かれる人生の切なさ、すばらしさ。山本作品で一番泣ける作品です!
  • 普通に青い東京の空を見上げた
    3.8
    自分の人生は自分が主役。本当に? 二流大学の三流学部を卒業した僕は、予期せず一流企業に入社を果たす。晴れて安泰と思いきや、時代遅れの激務に息も絶え絶え。「逃げたかったら逃げればいい」と他人は言うが、恋人が妊娠したことで、僕は退職届をひっこめざるを得なかった。この社会で足掻く大人たちを描く群像劇は、あなたに手向ける大きな花束になった。涙、笑い、励まし……。すべて詰まった、あなたの心を満たす物語。
  • 不夜城
    4.1
    アジア屈指の大歓楽街――新宿歌舞伎町。様々な民族が巣喰うこの街で、器用に生き抜いてきた故買屋・劉健一。だが、かつての相棒・呉富春が戻ってきたことから事態は一変した。富春は、上海マフィアのボス元成貴の片腕を殺し逃亡を続けていたのだ。健一は元に呼び戻され、三日以内に富春を連れてこいと脅される。同じ頃、謎の女が、健一に仕事を依頼してきた。彼女が売りたいと口にした意外なものとは――。生き残るために嘘と裏切りを重ねる人間たちを濃密な筆致で綴った危険な物語。
  • フランケンシュタイン
    3.8
    若く才能あふれる科学者フランケンシュタインは、死者を甦らせることに情熱をそそぐ。しかし、その結果生み出されたものは世にも恐ろしい怪物であった。その怪物は自らの孤独と悲しみから創造者フランケンの愛する家族を次々と襲ってしまう……愛する者を怪物から守ろうとする若者の苦悩と正義、醜く造られてしまった者の不条理な孤独と絶望の運命を描いた、壮大なゴシック・ロマン。
  • 不倫
    3.7
    「生きることとは愛すること」――。 優しい夫と二人の子どもに恵まれ、ジャーナリストとして活躍するリンダ。誰もが羨む暮らしを送る一方で彼女は、理由のわからない孤独や不安に苛まれ、変化すること、変わらないでいることに恐怖を感じはじめていた。そんな折り、再会したかつての恋人……。周囲を巻き込み、刺激と情熱に溺れ、すべてを失いかけたとき、現れた衝撃の真実。背徳の関係さえも、真実の愛を学ぶチャンスだったのだ――。
  • フリークス
    3.9
    狂気の科学者J・Mは、五人の子供に人体改造を施し、”怪物”と呼んで責め苛む。ある日彼は惨殺体となって発見されたが!?――本格ミステリと恐怖、そして異形への真摯な愛が生みだした三つの物語。
  • 不器用な愛
    4.0
    無骨で不器用だが、人生の情を知る愛すべき男たち。仲間を売る『卑しき道』を歩む監察官、悪党から鮮やかに金を奪う詐欺師、雨の酒場で一夜ブルースを奏でる見知らぬ男……故風間一輝の傑作ハードボイルド短篇集。
  • ブギウギ 敗戦前
    5.0
    敗戦間近の箱根で、ドイツ軍潜水艦長が変死した。遺体を発見したのは旅館の女中・安西リツ。事件調査の通訳を任された法城は他殺を疑うが、ドイツ人軍医シュルツェは、自殺であると断言する。不審に思い調べを進めると、そこにはナチス・ドイツの陰謀の影が見え隠れしていた。一方リツは、ドイツ人潜水艦乗組員の若者パウルと急接近し、その後ラジオから流れてきた陽気なジャズの調べに新たな明日を感じるのだが…。傑作長編!
  • ブギウギ 敗戦後
    4.0
    敗戦から2年ほど過ぎ、まだ国は困窮と混乱の中にあったが、人々の目には興奮と輝きがあった。占領軍に呼び出された法城は、箱根の事件の原因と思しきあるものを探し出せと命じられる。重要な手がかりを持つ人物として浮かび上がったのは、あの安西リツだった。リツは東京でジャズシンガーになっているという。彼らは再び、国際的陰謀に巻き込まれてゆく──。動乱の時代を力強く生き抜く女たちを描く、著者渾身のミステリ巨編。
  • 舞踏会・蜜柑
    4.2
    「私は花火のことを考えていたのです。我々の生のような花火のことを」秋の夜の鹿鳴館舞踏会で、露台に出たフランス海軍将校は明子に教えるような調子で言った。……夜空に消える一閃の花火に人生の空しさを象徴させた名作「舞踏会」、ほのぼのとした小品「蜜柑」。ほか「葱」「路上」「鼠小僧次郎吉」など大正8年度作品を収録。
  • ブラック・ティー
    3.8
    他人の“忘れ物”で生計を立てる元OL(「ブラック・ティー」)、19歳から付き合っていた恋人を捨てたはずが、東大卒のエリートとの結婚披露宴会場でその元彼と再会してしまった花嫁(「寿」)、推し活のために娘の貯金に手を付けた母親を追って上京した女子高生(「ママ・ドント・クライ」)、同期との7年越しの不倫に終止符を打った証券会社社員(「夏風邪」)――描かれているのは明日の私かもしれない。〈女の罪〉を描いた10編。
  • 黒真珠を追え
    3.0
    銀座のギャラリーで留守番のアルバイトをしていた美大生の悠介は、タヒチで秘宝の黒真珠「迷宮(ラビリンス)」を手に入れたギャラリーのオーナー・舞子から、突然タヒチに来るよう電話を受けた。しかし、押っ取り刀でタヒチに着いた悠介の前に舞子は現れない。困惑した悠介は、美人の現地ガイド・マハナとともに、舞子の行方を探し始める。そんな彼らの前で次々起こる謎の事件。舞子の、そして黒真珠の行方は……? 秘宝の魔力に魅入られた人々が引き起こす人間模様を描いた青春サスペンス。
  • ブラックボックス、誰が解く? 君に綴る4つの謎
    3.6
    児童書を卒業したら、読むべき本がわからない! そんな中高生のために、角川文庫がぜったいにまちがいないアンソロジー小説を作りました。本作のテーマは「ミステリ」。「フーダニット」「ハウダニット」「ホワイダニット」「叙述トリック」とそれぞれのお題で人気作家4名に書き下ろしていただいた極上の短編に、どう読んだら楽しめるか?のヒントを添えてお届けします。 アンソロジーだから短い時間で読める、満足度100%の謎解き小説。はじめてのミステリ小説は、ここからはじめよう!
  • ブルース
    4.0
    南シナ海の烈風。眼下で砕ける三角波。激しい時化に呻ぐ25万トンの巨大タンカーの中で、村上の友人、崔は死んだ。仕事中の事故とはいえ、崔を死に至らしめた原因は、日本刀を片手に彼らを監督する徳山の執拗ないたぶりにあった。村上を愛していた同性愛者徳山の嫉妬が、村上と親しかった崔を死に追いやったのだ。横浜・寿町を舞台に、錆び付いたギタリスト村上とエキセントリックな歌姫(ヴォーカル)綾、そしてヤクザの徳山が奏でる哀しい旋律。芥川賞作家が描く濃密で過剰な物語。
  • ブルーもしくはブルー
    3.7
    高収入でスマートな男性と結婚し、都心の高級マンションで人から羨まれる暮しを送る佐々木蒼子。しかし夫には愛人、自身にも若い恋人がいて夫婦の関係は冷めていた。恋人と旅行の帰途。偶然、一人で立ち寄ることになった博多の街中で昔の恋人・河見を見かける。彼に寄り添っていたのは、なんと自分そっくりのもう一人の「蒼子」だった。「ドッペルゲンガー?」名前も顔も同じなのに、全く違う人生を送る2人の蒼子。互いに言いようのない好奇心と羨みを抱いた2人は、1か月だけ期間限定で入れ替わり生活してみることにする。しかし、事態は思わぬ展開となって……! 「私より、あっちの蒼子の方が幸せなのかもしれない」読みだしたら止まらない、中毒性ありの山本ワールドが新装版で登場。
  • ブレーキ
    3.0
    ビンゴに運命を託す死刑囚。命を狩るサッカーで稼ぐ男。”役割”決めのトランプに挑む少年。命がけで優勝を狙うゴルファー。そして愛する者を守るため死のコースを駆ける青年。山田悠介が放つ5つのサバイバルゲーム
  • 文庫版 豆腐小僧双六道中ふりだし
    4.0
    豆腐を載せた盆を持ち、ただ立ちつくすだけの妖怪「豆腐小僧」。豆腐を落としたとき、ただの小僧になるのか、はたまた消えてしまうのか。「消えたくない」という強い思いを胸に旅に出た小僧が出会ったのは!?
  • 文庫版 豆腐小僧双六道中おやすみ
    3.9
    人を怖がらせられる立派な妖怪になりたい豆腐小僧は、滑稽達磨とともに武者修行の旅に出る。芝右衛門狸による〈妖怪総狸化計画〉。信玄の隠し金を狙う悪党(人間)たち。ゴタゴタに巻き込まれた小僧は……。
  • 獄門島 金田一耕助ファイル 3 アニメカバー版
    3.8
    ≪TVアニメ「文豪ストレイドッグス」放送記念! アニメ描き下ろしコラボカバー版を配信!通常表紙版と内容が同じ商品です。ご注意ください。≫獄門島ーー江戸三百年を通じて流刑の地とされてきたこの島へ金田一耕助が渡ったのは、復員船の中で死んだ戦友、鬼頭千万太に遺言を託されたためであった。『三人の妹たちが殺される……おれの代わりに獄門島へ行ってくれ』瀬戸内海に浮かぶ小島で網元として君臨する鬼頭家を訪れた金田一は、美しいが、どこか尋常でない三姉妹に会った。だが、その後、遺言通り悪夢のような連続殺人事件が! トリックを象徴する芭蕉の俳句。後世の推理作家に多大な影響を与えたミステリーの金字塔!!<「文豪ストレイドッグス」シリーズとは>中島 敦、太宰 治、芥川龍之介、与謝野晶子、泉鏡花、F・スコット・フィッツジェラルドなど国内外の文豪のイメージをモデルに擬人化されたキャラクターが、横浜を舞台に「人間失格」「羅生門」などといった各文豪に関連する異能力を用いて戦うバトルアクション。
  • 晩年 アニメカバー版
    4.0
    1巻550円 (税込)
    ≪TVアニメ「文豪ストレイドッグス」放送記念! アニメ描き下ろしコラボカバー版を配信!通常表紙版と内容が同じ商品です。ご注意ください。≫自殺を前提に遺書のつもりで名付けた、第一創作集。”撰ばれてあることの 恍惚と不安と 二つわれにあり”というヴェルレエヌのエピグラフで始まる「葉」、少年時代を感受性豊かに描いた「思い出」など15篇。<「文豪ストレイドッグス」シリーズとは>中島 敦、太宰 治、芥川龍之介、与謝野晶子、泉鏡花、F・スコット・フィッツジェラルドなど国内外の文豪のイメージをモデルに擬人化されたキャラクターが、横浜を舞台に「人間失格」「羅生門」などといった各文豪に関連する異能力を用いて戦うバトルアクション。
  • 文字禍・牛人 アニメカバー版
    3.9
    1巻528円 (税込)
    ≪TVアニメ「文豪ストレイドッグス」アニメ描き下ろしコラボカバー版≫ 古代アッシリヤの大王は、毎夜図書館に出没すると噂される「文字の霊」について、老博士に調査を命じる。博士は万巻の書に目を通すがそれらしい説はない。ある日、ひとつの文字を終日凝視していると、いつしかその文字が解体し、意味のないひとつひとつの線の交錯としか見えなくなった。この発見を手はじめに、文字の霊の性質が次第に判って来たのだが……(「文字禍」)。知られざる傑作6篇を選りすぐって収録。解説・池澤夏樹 <「文豪ストレイドッグス」シリーズとは> 中島 敦、太宰 治、芥川龍之介、与謝野晶子、泉鏡花、F・スコット・フィッツジェラルドなど国内外の文豪のイメージをモデルに擬人化されたキャラクターが、横浜を舞台に「人間失格」「羅生門」などといった各文豪に関連する異能力を用いて戦うバトルアクション。
  • 文鳥・夢十夜・永日小品
    3.9
    エゴイズムに苦しむ近代的人間の運命を追求してやまなかった漱石が時として見せた滋味豊かな一面をのぞかせる美しくも香り高い珠玉の短篇。メルヘンと呼ぶべきか、夢幻と名づくべきか、読者を一つの世界にいざなってやまない。漱石を愛する人々の忘れてはならない貴重な人間像。「京に着ける夕」「倫敦消息(1)(2)」「自転車日記」も収録。(C)KAMAWANU CO.,LTD.All Rights Reserved
  • ブードゥー・チャイルド
    3.6
    今ぼくは第二の人生を送っています。つまりぼくには前世があるのです。ある雨の日の晩にバロン・サムデイがやってきて、おなかをえぐられて、そうしてぼくは死にました。前世、ぼくは黒人でした。チャーリー―それがぼくの名前でした。―現世に蘇る、前世でいちばん残酷な日。不可解な謎を孕む戦慄の殺人劇に、天才少年探偵が挑む!長編本格ミステリ。
  • 純愛物語
    3.0
    不良にからまれていたところを助けた事がきっかけで、付き合うようになった由紀と古庄尚和。純粋で内気な交際を続けている二人が、白木蓮の樹の下で初めて唇を合わせた直後、由紀は何の理由もなく突然姿を消してしまう。そして1年後、由紀は友人の恋人として古庄の前に姿を現すが……。由紀の謎の行動の裏に隠された意外な事実とは!?
  • 平安後宮の鬼食い姫 黒弾正と内裏の鬼
    4.5
    平安時代、貧乏貴族の娘である明乃(あけの)は、ある日突然、父から「鬼になってくれ」と頼まれる。 鬼とは、宮中で高貴な人々の食事を前もって毒見するお役目である〈鬼食い〉のこと。 父の懇願と、美味しいものが食べられるという誘惑につられ承諾した明乃は、女房として内裏に出仕することに。 そして明乃には、幼い頃にお日さまの実――橘の実をくれた光の君こと晴久(はるひさ)親王に再会し、お礼を伝えたいという密かな願いがあった。 だがいざやってきた宮中では不穏な事件が続発しており、文武に秀で、怜悧だが厳格な黒ずくめの青年・黒弾正こと源蘇芳(みなもとのすおう)が内裏の「鬼」の正体を追っていた。 明乃は、貧しいがゆえに逆に研ぎ澄まされた味覚と食の知識を活かし、彼と共に事件の真相を解き明かしていくことに……!? 第10回 角川文庫キャラクター小説大賞 〈優秀賞〉&〈読者賞〉W受賞作!
  • 平家(一)
    4.3
    京では公家が権力を争い、地方では武者が土地の利権を奪い合う平安末期、地下人と蔑まれた武家平氏に清盛という英傑が現れた。並外れた知略と先見性、そして果敢な決断によって権力を勝ち取った清盛は、行き詰まった藤原官僚体制の改革と、新しい国家構想の実現を図る。諸行無常の哀れを語る『平家物語』とは一線を画し、時代の扉をこじ開けようとする、まったく新しい清盛像を描いた、雄々しくも壮大な物語。
  • 碧空の果てに
    3.8
    文武に優れるメイリン姫は、結婚を急かす父に反発し、自分らしく生きられる場所を求め国を出奔する。賢者の国・シーハンで、車椅子の若き首長・ターリに、男のふりをして仕えることになるが……。
  • 変奏曲
    3.6
    ……無理やりに高志の顔の向きを変えさせた。それでも高志は目蓋を開かなかった。「Onanieしようとしたでしょう?」〈本文より〉 血の絆で結ばれた洋子と高志。異なる性の双子が貪る、耽美な禁断のエロティシズム。それは、洋子の婚礼が近づくにつれ、哀しく顕在化していった……。幻想は現実に、情念は行為へ。現代を超えて幽玄世界へと誘う現代のロマネスク文学。
  • へんな死にぎわ
    3.8
    「妻だけは私に近づけないでくれ(トルストイ)」「神様、死ぬ前にお化粧するからちょっと待ってね(ポンパドゥール夫人)」「死に方の見本見たいから、先に死んでみて(皇帝ネロ)」「話を作るのが上手すぎて死刑(イソップ)」……ってそんな死にぎわあり!? 古今東西、有名人たちの知られざる最期とその言葉。とびきり個性的で、時にトンデモな末期の世界をご堪能あれ! 遺言の書き方、戒名の付け方など明日に役立つ(?)コラム付き。
  • ヘーメラーの千里眼 完全版 上 クラシックシリーズ8
    3.4
    航空自衛隊の演習中に発生した重大な過失事故。それを起こしたのは優秀な戦闘機パイロット伊吹直哉だった。麻薬密輸船の領海侵犯に悩まされていた防衛省は、自衛隊への信頼が揺らぐ中、伊吹の精神鑑定のためかつての恋人でもある臨床心理士・岬美由紀を航空自衛隊基地に呼び戻す。事故の真相に迫る美由紀の前に立ち塞がる巨大企業アルタミラ精神衛生の陰謀とは? 防衛大学校時代の青春を鮮やかに描き切るシリーズ最高傑作!
  • ベトナム怪人紀行
    値引きあり
    3.4
    「2年前、オレはベトナムに完敗した……」。不良デブ=ゲッツ板谷と兵隊ヤクザ=鴨志田穣が今度はベトナムで雪辱戦。またもや繰り広げられる怪人達との怒濤の日々。疾風怒濤の爆笑旅行記第2弾!
  • ベトナムの風に吹かれて
    4.2
    ベトナムの首都ハノイで働く著者は、認知症になった母を新潟から移住させ新生活を始めた。人間関係の濃い下町の旧市街や、旅先での緑豊かな山々の光景に母は昔の想い出を語る。感動の輪が広がる映画化原作!
  • ペコロスの母に会いに行く
    4.3
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 父を亡くした年、80歳の母の認知症が始まった。10人姉弟の長女でしっかり者の母。酒飲みの夫と二人の息子を抱え、懸命に生きてきた。 「だけんもう、何もかんも忘れてしもて良かろー?」 ようやく身軽になれた母に、僕は会いに行く。時にほがらかな少女に、初々しい妻になる母に。 母ちゃん、ぼけてよかったな――。 第42回日本漫画家協会賞優秀賞受賞、ベストセラーとなり映画化された、笑いと感動のコミックエッセイ。新たに18篇を収録! エッセイ・伊藤比呂美
  • ペネロピアド 女たちのオデュッセイア
    3.3
    ホメロスによるギリシア英雄譚『オデュッセイア』。男性的な叙事詩の中で、女たちの声は語られてこなかった。 オデュッセウスの帰還を待つ20年、妻ペネロペイアは国を守るため、噂話に耳をふさぎ、無鉄砲な息子を育て、財産狙いの求婚者らを追い払う。 その内心はいかなるものだったのか。12人の女中たちはなぜ殺されたのか――。 『侍女の物語』『誓願』の巨匠アトウッドが想像と語りの才を発揮した、新たなる傑作! 解説・小川公代 ★2025年6月 NHK Eテレ『100分de名著』(M・アトウッド『侍女の物語』『誓願』) 指南役:鴻巣友季子
  • ペンギン・ハイウェイ
    値引きあり
    4.3
    ぼくはまだ小学校の四年生だが、もう大人に負けないほどいろいろなことを知っている。毎日きちんとノートを取るし、たくさん本を読むからだ。ある日、ぼくが住む郊外の街に、突然ペンギンたちが現れた。このおかしな事件に歯科医院のお姉さんの不思議な力が関わっていることを知ったぼくは、その謎を研究することにした──。少年が目にする世界は、毎日無限に広がっていく。第31回日本SF大賞受賞作。
  • 鳳凰京の呪禁師
    3.5
    貴人が集う帝のお膝元、鳳凰京。 この都は、呪術と学識をもって呪いや病を祓う呪禁師に守られている。呪禁師を目指し、見極め試験の真っただ中にいる少女・緋鳥は、孤児の頃に守護の才を見込まれ拾われた、類い稀な存在だった。 ある日、彼女は警備の厳重な宝物殿から毒薬が盗まれていることに気づく。行方を調べ始めたところ、命を狙われ、皇子暗殺未遂事件の犯人と疑われてしまい……。 見習い少女は、鳳凰京の悪と呪いを祓えるか……!?
  • 北条は退かず(上) 激闘、三増峠の戦い
    完結
    3.0
    全3巻1,320~1,474円 (税込)
    小田原城主・北条氏康の子として生まれた北条氏邦。幼くして政略により親元を離れ遠く北武蔵の藤田家へ養子に出された氏邦は、北条家の血に翻弄されていく。さらに武田信玄の脅威が迫ろうとしていた……。
  • 火鍛冶の娘
    3.9
    古代日本。火鍛冶(ほかじ)の匠を父に持つ少女、沙耶は、 父のような火鍛冶になるのが夢だった。 しかし里には、女は鉄を鍛えてはならないという掟があった。 そこで男と偽り、父が病で逝った後も鍛冶を続けていた沙耶だが、 そんな彼女に意外な依頼が。 それは麗しの王子の成人の祝いに、剣を鍛えてほしいというもの。 沙耶は夢中で鍛えるが、その剣は恐ろしい魔剣へと変貌し……。 少女の夢と挫折、そして冒険を描いた傑作和風ファンタジー! 【登場人物】 ■沙耶(さや)……天才的な鍛冶の才能を持つ少女。男と偽って鍛冶の匠を目指す。 ■阿古矢王子(あこやおうじ)……伊佐穂の国の第一王子。驚くほどに美しい。 ■加津稚王子(かづちおうじ)……第二王子。武に秀でた、茶目っ気のある青年。 ■護足(ごたり)……武人。沙耶のもとを、剣の製作を依頼しに訪れる。
  • 北天蒼星 上杉三郎景虎血戦録
    3.7
    関東の覇者、小田原・北条氏に生まれ、上杉謙信の養子となってその後継と目された三郎景虎。越相同盟による関東の平和を願うも、苛酷な運命が待ち受ける。己の理想に生きた悲劇の武将を描く歴史長編。
  • 北天の馬たち
    3.5
    横浜・馬車道にある喫茶店「ペガサス」で働く毅志は、二階に探偵事務所を開いた皆藤と山南の仕事を手伝うことに。しかし、付き合いを重ねるうちに、毅志は皆藤と山南に対してある疑問を抱いていく……。

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