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Posted by ブクログ
大事なことをたくさん受け取った気がする。
印象に残ったシーン。担任の先生の言葉、そのあと2人が仲良くなるシーン、中学生の葉と真以、再会してお店をみて回るところ。
閉鎖的な環境を通して描かれるしんどさ。あまりにも美しい場所だから、人々の差別的な感情の醜くさが際立ったし、向けられる者を痛々しく感じてしまった。
葉のまわりの大人は皆勝手に思えたけど、祖母のことは嫌いにはなりきれなかった。この人も、女性だからか、島で生きていくために身についた考えと葉に向ける感情とに、少しの葛藤を感じる。
“脱獄犯”ほどの異質さを頼らないと逃げられなかった真以。
大義名分がないと、自分に乗せられた“女”から逃げられないなんてしんどすぎる。
大人になってからの葉の物語も、だいぶ苦しかった。この苦しさが物語の核だとも思う。読み終わったら、心がすーっと静かになって、自分の中の揺らぎみたいなものに、少し軸ができる気がした。
文庫の桜木紫乃さんの解説も、すごく染みた。
Posted by ブクログ
祖母に預けられ瀬戸内の島で暮らすことになった小学生の女の子、葉と、その島で血を理由に差別されてしまっていた女の子、真以の話。
物語は小学生の頃の2人と、大人になった2人という2つの時系列で語られる。
初めの時系列では、大人に翻弄されながらも子供らしく純粋に生きる時間や人間関係が綺麗な言葉で描写される。
「約束するのは信じていないみたいだから」
「海を見慣れるように、一人でいることにも慣れるんだ」
「戻るという言葉がしっくりくることに気がついた。でも、喜ぶことも悲しむこともできない」
「凪いだ海のような起伏のない時間は、胸を騒がせることもなくゆるゆると過ぎていって、それはそれで楽でもあった」
思い出は美化される。頭の中で勝手に相手の気持ちを推測して、物語を作ってしまう。いつしかその物語は聖書化してしまい、崇拝してしまう。
こういう経験はあるけれど、この本は、世界が自分が理解してる通りといえるほどわかりやすくなくて、わからなくてもいいと言ってくれるような小説だった。
「口下手だったあの子が私に伝えたいことがあったのではないかと思いたいのだ。勝手に自分に都合のいい解釈をしようとしている」
「向かいに座る真以を見る。目の前にいることが、うまく、信じられない。強い記憶はいつしか自分の中で物語のようになっていたのだと気づかされる。」
同時に、理解したつもりになっている他人も世の中には沢山いる。「理解されたはず、こうあってほしいと思われている自分」を押し付けられて苦しむ葉。
でも、そんなことは切り離して、自分の生きたいように生きればいいと。
あくまで、否定するでもなく、従属するでもなく、切り離して。
「人の目を変えるのは難しい。みんな、見たいように見る。」「その人の見ている世界はわたしの世界とは関係ないから」
「葉が島にきて、私の周りにもきれいなものがいっぱいあったんだって知った。葉はわたしのことも、母のことも、そのままの姿を見てくれた。見ようとしてくれた。」
ありのままの葉でいればいい。そうあって欲しい。ひきなみのように後ろに見える、自分という人間を純粋に生きればいい。そういう意味を込めて真以が言う。
「葉は葉のやり方で、生きて」
Posted by ブクログ
第1部 葉は祖父母の住む島に預けられた。7月までの間という。父の具合が悪いそうだからだが、葉には父の機嫌が悪いだけにしか見えない。お母さんはお父さんだけが大事で、私を見てくれないと葉は思っている。
島で真衣と仲良くなった。といっても、真衣はふとどこかに行ってしまう。真衣の家も父母がいない。真衣は別荘の管理人の祖父を手伝っている。けど自分のことは語らない。
夏休みになっても母は迎えに来ない。初潮を迎えた日、葉は真衣と本土に渡る。
クリスマスに母は来たけど帰っていき、中学は島にはなかったので高速船で通うことになった。
第2部 父は若い女に走り、母と葉は捨てられた。祖父母の姓になっている。広報誌の仕事で、たまたま過去回を洗っていたら真衣を見つけた。
真衣は神社の参道でアクセサリーを売っていた。葉が行った時はもうほぼ売り切れている。ランチをすることに。真衣は相変わらず自分のことを語らない。
社内で葉は部長のターゲットにされている。月経で具合が悪い時にやられて吐いてしまった。早退する。次の日も出勤できなかった。
Posted by ブクログ
何回か言ったことのある島の景色は本当に美しいがゆえに切ない物語。
(海)おなじ「ひきなみ」を見ていても、真以は道として、葉は虹として見ていたことが、それぞれの生き方の違いを感じた。だからこそわかり合えることもある。両親の都合で祖父母の住む島で暮らす事になった葉。島の中ではあることで島の人たちからは忌み嫌われ祖父と暮らす真以。閉鎖的な島で2人は浮いてしまう。そこで二人は共鳴するが。ある脱獄犯の出現で大痔動になる。
(陸)大人になった葉と真以は再会する。
葉は女で高学歴だということでバワハラの標的とされる。読んでいてこの部長はただだ自分の領域を超えてくる葉におびえてるだけなのだ。こんな上司いる(周りが知らんぷりしすぎやけど)が、葉にとってはそうではない「なぜ闘わなきゃいけないのかな…なんで、私なんだろ…」と言う葉に「葉は葉のやり方で、生きて」と言う真以。やっぱり舞以はいい。過去なんて血筋なんて関係ない
こうしなきゃいけないということはない。自分は自分のやり方で、生きればいいのか。とも思う。
この先の葉と舞以の生き様をもう少し見ていたかった。
私ももう一度あの島々に言って見たい
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