作品一覧
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3.6
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4.41巻792円 (税込)2007年8月24日、深夜。名古屋の高級住宅街の一角に、一台の車が停まった。車内にいた3人の男は、帰宅中の磯谷利恵に道を聞く素振りで近づき、拉致、監禁、そして殺害。非道を働いた男たちは三日前、携帯電話の闇サイト「闇の職業安定所」を介して顔を合わせたばかりだった。車内で脅され、体を震わせながらも悪に対して毅然とした態度を示した利恵。彼女は命を賭して何を守ろうとし、何を遺したのか。「2960」の意味とは。利恵の生涯に寄り添いながら事件に迫る、慟哭のノンフィクション。
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4.3
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5.01巻957円 (税込)昭和6年。文士と親しく交流する女優の母と相場師の父との間に鬼六は生れた。純文学を志すが挫折、酒場経営で夜逃げ、一転中学教師を経て、SM作家として莫大な稼ぎを得る。しかし、映画製作や雑誌の発行に乗り出し破産。周囲は怪しげな輩が取巻いていた……。栄光と転落を繰返す人生は、無限の優しさと赦しに貫かれ、晩年に罹患した病にさえも泰然としていた。波瀾万丈の一代記。
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5.01巻638円 (税込)日本将棋連盟のプロ棋士養成機関、奨励会。全国の天才少年たちがプロ棋士を目指して入会し、ある者は夢を掴み、あるものは夢破れ去っていく。わずか一手の差で勝負が決まる非情な世界に青春のすべてをかけた少年達の挫折と栄光を、温かい目線で描く感動のノンフィクション。第23回講談社ノンフィクション賞受賞。
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4.61巻770円 (税込)奨励会……。そこは将棋の天才少年たちがプロ棋士を目指して、しのぎを削る“トラの穴”だ。しかし大多数はわずか一手の差で、青春のすべてをかけた夢が叶わず退会していく。途方もない挫折の先に待ちかまえている厳しく非情な生活を、優しく温かく見守る感動の1冊。第23回講談社ノンフィクション賞受賞作(講談社文庫)
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4.01巻968円 (税込)北海道の奥地に佇む、世間から隔離された児童施設「梟の森」。そこで暮らしていた少年・宗太は、父危篤の知らせを聞き脱走を計画。父の入院する函館に向けひとり歩き出した。監視部隊が追い迫る中、宗太は父が託した一冊のノートを巡り、隠されてきた施設の歴史や自らの過去を知ることになる。やがて函館に着いた宗太を待っていたのは、過酷な運命だった――。圧倒的なスケールで展開される波瀾万丈のロードノベルファンタジー。
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4.2
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3.8
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3.8
ユーザーレビュー
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Posted by ブクログ
第2回広島本大賞
第13回新潮学芸賞
素晴らしい棋士がいたのですね。
命懸けで将棋に向き合い、真っ直ぐで、頑固者で、でも憎めないキャラクターの村山聖さん。
多くの人から愛されて支えられていたことに胸が熱くなりました。
特に師匠の森さんが献身的に世話をしていたことには驚きましたし、村山さんを大切に思っている様子がよく伝わってきました。
子供時代の入院生活の辛さは計り知れませんが、病気だったからこそ、将棋だけを追求する時間をとことん過ごせたことで才能を伸ばせた一面はきっとあると思います。
子供の強みを伸ばす子育ては理想だけど、現実的には好きなことだけをやらせているわけにはいきません。だけど、 -
Posted by ブクログ
いつこの本を読んだんだっけな。20代の、一人暮らしの部屋、そして大学の近くのカフェ。記憶があいまいで、記憶のそこに手を伸ばすように、インターネットで検索した。なんとかフィッシュ、、タイトルが出てこない。そして、大崎善生の本作品を探し当てて、読んだ。なぜか、この本が記憶に残り、そして今なんとなく読むべきだと思った。本とは本当に不思議なものだ。
読み始めてすぐ、この本の本質、つまり出だしにびっくりした。体の中に記憶を沈めておく湖のようなものがあり、時としてその記憶に手を伸ばし、こぼれ落ちてしまう。まるで水をすくっているような感覚で記憶をとらえて、その記憶は決して戻らないこともある。本作は、こうした -
Posted by ブクログ
ネタバレパイロットフィッシュ
「人は一度巡り合った人と二度と別れることはできない。なぜなら人気には記憶という能力があり、そして否が応にも記憶と共に現在を生きているからである」という文書から、この本は始まります。
アダルト雑誌の編集者をしている主人公山崎のもとに、真夜中に電話がかかってくる。声だけで誰かを理解する主人公。それは大学時代の彼女である由希子だった。
由希子は、かつて山崎が就職で苦労していた頃に、編集者として勤める文人出版を探してきた女性であった。また、大学に馴染めず、アパートの一室で沈んでいた山崎を救い出した女性でもあった。
電話の話の中でパイロットフィッシュの話を由希子にする山崎。パイ