無料マンガ・ラノベなど、豊富なラインナップで201万冊以上配信中!
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。
Posted by ブクログ
難病ネフローゼのため、29歳の若さで逝った実在の棋士、村山聖(さとし)の生涯を描いた伝記的小説。
松山ケンイチ主演で映画化もされました。
5歳でネフローゼを発病してから常に死と隣合わせでありながら、羽生善治、谷川浩司を倒して名人になりたいと、命がけで将棋に打ち込んだ聖(さとし)。
「勝たなければ意味がない」と勝ちに拘った聖(さとし)が本当に勝ちたかった相手は、羽生でも谷川でもなく、病だったと思います。
そして、病に勝てる筈がなかった。
この作品を読みながら、「生きるとは何か」を考えずにはいられませんでした。
そして、私なりに考え、
「生きる」とは「夢を持つ」ことではないかと結論に至りました。
夢と言っても、
「世界的な大作家になりたい」などという人生の大目標のような夢ばかりではなく、
素敵なお洋服を着ておしゃれしたいとか、
新しく出来たレストランでお食事したいとか、
旅行したいとか、推し活とか、
我が子の成長とか、
そんなどこにでもに溢れている夢。
聖(さとし)も、
「名人になりたい」という、
執着にも似た夢の他、
北海道に行って自分の目で雪を見たい、
本を読みたい、少女漫画を読みたい、
牛丼は吉野家でなければ絶対ダメ、
という、小さな「夢」がいくつもあり、
ネフローゼでありながら決して諦めなかったのです。
夢を失くすということは、「生きている」のではなく、「死んではいない」ということではないのか。
聖の29年という短くも激しく濃密な人生を読み終え、そんなことを考えました。
映画は公開時に観ており、暗いテイストでしたが、原作を読むと村山聖は、病気ではあったけども家族や友人と深い絆で結ばれており、みんなに愛された幸せな人だったのではないかと思います。
将棋が好きでない人にとっては読みづらい内容かもしれませんが、多くの人に手にしていただきたい1冊です。
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。