大崎善生のレビュー一覧

  • 将棋の子
    自分も将棋が好きなので一読しました。

    将棋奨励会の三段リーグのお話で、神童と呼ばれた小学生の主人公の物語。

    将棋と言う、盤上での格闘技という文脈を感じる作品として読みました。

    将棋一本という奨励会の人生の時間や、プロとしての壁を一生懸命に打破していくプロ棋士の生々しい生き方が厳しいので、まるで...続きを読む
  • 聖の青春
    彼の人生が決して綺麗に繕うことなく日常的に淡々と綴られているからこそ、将棋の世界で生きるということが、そして病と共に生きていかなければならない現実が、彼にとって当たり前であったのだと強く感じさせられた。「面白かった」と軽々しく言葉には出来ない。ただ、ひたすらに、彼の強い信念と人間味のある生き方に強く...続きを読む
  • 将棋の子
    将棋にかける、若さの全てをかける世界。
    スポーツや勉強にかける他の世界とは全く異なる世界。
    泣ける。
    奨励会とは厳しい制度だ。
    だが、そこで夢破れても何も残らないことはない。確かに戦った経験があり、残るものがあり、その意味で彼らや彼女らは将棋の子である。
  • 聖の青春
    あまりに純粋に生きた生涯。
    神格化される部分だけでなく、不器用な男の子人間味ある部分に惹かれる。

    幼い頃から病気により自由のない世界にいたが、将棋に出会い、将棋を通して世界を広げていく。
  • 聖の青春
    村山くんに対しての愛情が計り知れないほど深く、また彼自身の命を懸けた将棋への情熱・・・我慢していても涙が絞り出てきます。
  • パイロットフィッシュ
    素晴らしい。

    愛読書にしたい。
    何度も読み返したい。

    アジアンタムブルーも読破したので、エンプティスター、いきます。
  • 聖の青春
    病気を抱えながら生きる自分が自分自身であり、それは切り離して考えるかとはできない。病気が自分の将棋を強くし、ある意味では自分の人生を豊かにしているのだと考えた
    土に還る
    単行本は2000年2月の出版。表紙の写真の眼光は鋭い
    2002年5月に講談社文庫として刊行
    文庫本には、父伸一さんの「聖のこと」の...続きを読む
  • 聖の青春
    苦しい病で、きっと思うようにいかない人生。
    それでも聖さんは、将棋に打ち込み、
    またその生活で、
    ありのままに強く生き、人に愛され、時にはぶつかり、
    そして羽生さんとの名勝負を繰り広げた。
    人生なにが幸せ、なにが成功か、わからないが、
    聖さんの生きた軌跡を知れば大きな感動を覚える。
  • 将棋の子
    「成田英二」という人をはじめとする羽生善治と同世代の人間が、夢に敗れながらも奨励会で切磋琢磨した思い出を糧に残りの人生を生きていく物語。
    羽生善治といった「本当にすごい人」ばかりが有名になるが、その裏で多くの人が、実力や運に恵まれず挫折する現実を突きつけられる。
    ノンフィクションならではのままならな...続きを読む
  • 聖の青春
    こんなに最初から最後までずっと胸を熱くさせ続ける本があったのかと驚いている。
    まったく将棋のルールはわからないのに。
    今まで出会ってきた本の中で一番好きだと言える。
    しかし絶対に麻雀仲間には教えたくない。スイッチ入って勉強でもされたら困る。
    すごい本に出会ってしまった。
  • 聖の青春
    村山聖さんの病気と戦う姿、将棋への情熱、勝ちへのこだわり、純粋な人物像に衝撃を受けた。
    そして森さんとの関係性にとても心を打たれた。
    P.180寒い冬の深夜にばったりと会って、森さんが村山さんの手をさするシーンがとても好き。泣きそうになるくらい美しいやりとり。

    村山さんのように、自分のやりたい事が...続きを読む
  • パイロットフィッシュ
    なんとなくタイトルとジャケットに惹かれて手にした初読みの作家さんでしたが、全体が村上春樹作品に似ている感じで、それをライトにした印象というか雰囲気でした。ライトだから読んでいてもしんどくない。そして読んだあとの感覚も程よくいい。
    なんか、とてもよかった。
  • パイロットフィッシュ
    最近読んだ中で一番のヒット。ストーリーは、主人公がエロ雑誌の編集者という時点でアダルトな部分も多いが、表現や話の進み方や、登場人物の発する言葉など、とても自分の好みだった。他の作品も読みたい。
  • ユーラシアの双子 上
    大崎さんのロードムービー的な小説ってなんでこんなにも心持っていかれるんだろうか。『ドナウよ、静かに流れよ』も良かったけど本作も良い。家族に色々あった50歳の石井はシベリア鉄道でユーラシア大陸を横断する旅に出る。過去が徐々に明かされユーラシアの大地に溶け込んでいく。いつまでも読んでいられそうだった。
  • 将棋の子
    全てをかけて打ち込むものがあるというのは
    素敵なことです。
    うまく行ってもうまくいかなくても
    それはそれで糧になるのだろうなぁ。
  • 将棋の子
    私、将棋はルールを知ってる程度でほとんどの人に負けるレベルだと思います。

    「聖の青春」の著者、大崎善生さんの2作目。講談社ノンフィクション賞受賞作です。

    将棋の世界では三段と四段では天国と地獄ほどの違いがあるようで、三段は奨励会というプロへの登竜門、四段からはプロとなります。

    奨励会には26歳...続きを読む
  • 将棋の子
    奨励会の仕組みについては多少知っていたが、20を過ぎて挫折していった若者たちのことについて、深く思いを馳せたことはなかった。
    筆者の最後の主張・問題提起については共感できるものではなかったが(時代の流れ?)、退会していった者達のその後の人生と、その後彼らがどう将棋に向き合っているのかは、とても胸を打...続きを読む
  • 聖の青春

    生きるって厳しい

    村山聖、何となく見たことあるかもなぁ位の朧げな記憶がある。でも彼が亡くなった時は第一子妊娠中で数日後に出産し、初めての育児に追われる日々で世事に疎くなっていたので悲報の覚えがありません。こんなに一生懸命生きていた人がこんなに近くに同世代でいたのだと心が震えました。
  • 将棋の子
    三段リーグを抜けてプロになれるかどうかで大きく人生が変わっていく厳しい世界がまざまざと記されていた

    羽生や藤井といったニュースで見る一握りの天才に隠れて、多くの天才たちがいること、そこに厳しさだけでなく優しさも確かにあることが感じられた
  • いつかの夏 名古屋闇サイト殺人事件
    初めて読んだ犯罪被害者の本
    書き手の優しさが伝わってきた
    ただの、お涙頂戴ものにしていない
    夏が来る度、思い出す
    すべての女性たちの強さと優しさ