大崎善生のレビュー一覧
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甥っ子がなんとか本を読んでくれないかと思い、チェックの意味を込めて読みました。
原作はかなり前に読んだことがあり、感動しました。それのジュニア版ということですが、文章の作り自体は変わってないと思います。ただ、村山が「女を抱きたい」と言った部分や、酒や麻雀についての一部分がカットされています。たぶん。...続きを読むPosted by ブクログ -
キレイすぎる、という感想を持つ人もいらっしゃるかもしれないけど私は好きな作品です。
主人公の山崎のところにかかってきた、19年前に別れた由希子からの一本の電話。
学生時代、二人が出会い、別れるまでの過去と、別れた後からこれまでの山崎の生活、そして由希子との再開が、交互に書かれていますが、非常に読み...続きを読むPosted by ブクログ -
「パイロットフィッシュ」を読んでから少し経ってしまったのですが、良い意味で独立した作品として楽しめました。
愛と死と、孤独と寂しさと強さと清らかさがまっすぐに向かってくる作品。
フィクション故の非現実な諸々も正しく使われていて、違和感がなく、大変美しい作品に仕上がっていると思います。Posted by ブクログ -
今まだご健在だったら・・・と思わずにはいられません。
「将棋の子」で筆者と棋士の距離感を少しイメージできた上で読めたのは良かった。この距離感だからこその名著だなと思います。Posted by ブクログ -
3月のライオンの二階堂くんのモデルになっていると知って興味をもった口なので、カジュアルに読みはじめたのだが、かなり早い段階で引き込まれてしまい、すぐに真剣に読んでしまった。Posted by ブクログ
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強烈な一冊。
ニワカの観る将レベルだけどひきこまれました。奨励会の厳しさを感じる一方、セカンドキャリア(?)への配慮や対応も必要ではないかなー、時代的にもね、なんて思いながら。
2022年70冊目。Posted by ブクログ -
自覚なくこの人と同時代を生きいていた事が惜しく感じられた。
不幸とは、魂を燃やさず生きることではないのか。その点では幸福な人だったのではないかと思った。神様から与えられたものを、余すところなく燃やし尽くして生きた人だったのだと感じた。Posted by ブクログ -
心の中の葛藤をこんなにも的確にわかりやすく表現できるのがすごい。
心の中のボキャブラリーが増えるこういう小説が好きです。
気が向いた時にまた読もうPosted by ブクログ -
幼くして腎ネフローゼという難病にかかり、入退院を繰り返す中で将棋に出会い、その魅力に魅了され棋士になる。将棋をさす事が自分の命を削っているようで痛々しい描写も。
難病と闘いながら、将棋でも戦う姿は、涙なしでは読めない。村山聖という棋士がいた事を忘れてはいけないと思う。Posted by ブクログ -
ストーリーとしてはよく出来ているし、描写もスマートでセンスの良さを感じる。
単純な恋愛話ではなく、登場人物の幾層にも重なる複雑な心情も、読み手に複数の解釈を仮想させながら物語が進行する。
ただ、主人公の男が優柔不断でじれったい。まあ、この主人公がいろんな局面でズバズバと決断できるタイプだったらこの物...続きを読むPosted by ブクログ -
命をかけるとはこのことを言うのか、とそんなふうに思った。いかに自分が甘く中途半端な人生を歩んできたのか、恥ずかしくなってしまった。羽生善治先生とのライバル関係は凄く熱いです!Posted by ブクログ
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忘れられない恋愛、忘れられない人を持つ人には「お守り」になるような1冊。
物語の空気感は村上春樹に似ています。
「感性の集合体だったはずの自分がいつからか記憶の集合体になってしまっている」
「今、自分にある感性も実は過去の感性の記憶の集合ではないかと思って、恐ろしくなることがある」
「記憶は自分自...続きを読むPosted by ブクログ -
確か「3月のライオン」で先崎さんが村山聖について話していたと思う。
ふと本屋の棚で見かけ、読むことにした。
難病と闘うとか、不屈の精神とか、出来合いの言葉では表現できない強烈な村山聖の一生。
読み始めたら最後、彼が死ぬところまで一気に連れて行かれた。Posted by ブクログ -
村山聖さんの生涯における将棋との関わり。
親、家族、師匠、ライバル、著者などとの関わり。
とても魅力的な人だったんだろうなあ。
病をもつ体であっても、将棋のために。
全精神を費やしてきた。
ひとつのことに己を捧げられる集中力と心を見習いたい。Posted by ブクログ