大崎善生のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
所詮、恋愛は「エゴ」である。
3年社内恋愛していた彼女と別れ、アルバイトではいった女の子と付き合い始めた主人公。が、アルバイトの女の子は、精神を病んでいって…。
救いは、主人公が自分を卑下したり、言い訳したり、誤魔化したりはしてないことだろう。
が、結局は、この主人公の優柔不断さや頑なさが、二人の女性を不幸にしたとしか思えない。
人間が生きて行くには、自分の人生を立て直すには、「嘘」だって必要なのだ。が、主人公にはそういう優しさがない。
病んだ恋人に尽くす優しさはある。
が、だからこそ、結婚するという決断はできない。いや、せめて同棲しただけでも、彼女の気持ちは安定したんじ -
Posted by ブクログ
小説執筆のためパリのホテルに滞在していた作家・植村は、なかなか筆の進まない作品を前にはがゆい日々を送っていた。しかし、そこに突然訪れた奇跡が彼の感情を昂ぶらせる。透き通るような青空の下で、恋が動き出そうとしていた。ポケットに忍ばせたロックンロールという小さな石ころのように、ただ転がり続ければいい。作家は突き動かされるように作品に没頭していく―。欧州の地で展開される切なくも清々しい恋の物語。
2年前にこの小説を読んだとき、「大人の恋愛だなぁ。」ぐらいの感想しか持てませんでした。描写もかなり”大人”な感じで、思わず顔を赤らめてしまう場面も。 2年経った今、不思議とこの小説を素直に読むことができ -
Posted by ブクログ
コレ読んで、私が大崎さんの小説が好きな理由が分かりました。ロックンロールという話自体にも思い入れはありますが、それ以上に後半に書かれていた主人公の語る小説の評価の方法に凄く共感しました。共感というか、自分が小説に求めること・言葉への姿勢がそのまま形になってました。
「パリのカフェに夕陽があたっているというシーンがあったとする。文章を書くということはその場面を描写するための言葉を選ぶということでもあるわけだ。たったそれだけの場面を描写するにしても、言葉とその組み合わせは、きっと信じられないほどの数になるだろう。そのときにその組み合わせの中から、ピッタリと嵌った言葉を抽出して、過不足なく書ければ