大崎善生のレビュー一覧

  • 編集者T君の謎

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    タイトルがなんのこっちゃ。発表媒体(週間現代)のせいか、妙に露悪的というかおちゃらけている文体。惜しいなあ。淡々と書けば、いいエッセイ集になったと思うのに。

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    2016年11月06日
  • 孤独か、それに等しいもの

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    恋人の死、双子の妹との分裂、報われない青春、囚われ続ける人たちの決別と新しい一歩を映し出す、優しくてセンチメンタルな短編集。

    「八月の傾斜」
    この中だとこれが一番好き。
    ピアスの穴を開けることによって、大切なものを無くしてしまう。
    そういう迷信じみたものを私も信じています。
    自分がピアスの穴を開けたときもそういう決定的さがあった。
    もう二度と手にすることのできない大久保君との時間。
    それをようやく葬ることができた祐子と、彼女をきっと丸ごと抱きしめてあげられるだろう早津のこれからの幸せを願いたい。

    「だらだらとこの坂道を下っていこう」
    30代も半ばを超えて、自分の人生の山頂にはすでに登りつめ

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    2016年10月10日
  • アジアンタムブルー

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    爽やかなジャケットに惹かれて平積みからジャケ買い。内容はちーーーとも爽やかじゃない。
    人間の死について考えさせられるような作品。
    自分は高校卒業後友人を事故で亡くしてて、感覚的にシンクロするものがあって、これまた通勤途中の電車の中で泣きそうになった。
    ただし、泣くは泣くでも涙がこぼれる系の泣くではなく、悲惨なことに嗚咽系の泣くだ。

    スーツケースに鳥の図鑑を入れるときのシーンがもう駄目だった。泣きたい人は読んでもてもいいんでないかな?ストーリー的には好みじゃなく、小説としてはハズレの部類。

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    2016年01月22日
  • アジアンタムブルー

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    「憂鬱の中から立ち上がったアジアンタムだけが、生き残っていく」

    主人公山崎隆二の恋人葉子が癌で亡くなるときに残した言葉だ。この物語で著者が伝えたいことなのだと思う。

    ストーリーは恋人を癌で失った喪失感に沈んだ主人公の回想でよくあるものだ。
    主人公の一人称視点で淡々と綴られる文章は「ブルー」を表現しているようで、暗澹たる主人公の気分と二人で過ごす最期の地であるニースの青さの対比が切ない。

    目の前で起きる自分ではどうにもできない事柄にうちひしがれるときが人生には幾度も訪れるだろうが、その渦中からも得られるものがあると信じさせてくれる物語だった。

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    2015年08月23日
  • 傘の自由化は可能か

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    小説家になるために中学の時から綿密なカリキュラムを組んで、それを実行していたという。しかしいざ書くとなると何も書けない。結局41歳まで何も書けなかったという。結局「炎」が必要だったと。小手先の器用さではなく、必死さ。これが自分にも欠けている。

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    2015年05月22日
  • エンプティスター

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    恋愛小説なの?なんだが詩的で哲学っぽい.そして読み終えてから気が付いた.コレ,三部作の完結編!!前作,前々作を読まないと話が繋がらないとか・・・ミスった.
    以下あらすじ(裏表紙より)
    恋人の七海と別れ、山崎隆二は途方に暮れていた。成人雑誌の編集部も辞め、校正者として無為に過ごす毎日。そんななか、七海の友人で行方不明になっていた風俗嬢の可奈を見たという噂を聞き、山崎は鴬谷へ向かう。彼女には会えなかったが、やがて「助けに来て」とすがりつく電話がかかってきた。山崎は囚われの身となっている可奈を救うため、海を渡った…。透明感あふれる文体で感情の揺れを繊細に綴った、至高の恋愛小説。

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    2015年03月29日
  • エンプティスター

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    久しぶりの恋愛小説。アジアンタムブルーを書いた著者の恋愛小説シリーズらしい。
    最近思うに、男性の作家が書いた男性主人公の小説はあんまり好みではないかも。ハッピーエンドなのかアンハッピーエンドなのか分からない曖昧な終わり方をする。男の美学?いくつもの恋愛の上に今の自分がある複雑な作りのものが多い気がする。
    一眼好きなのは男性の作家が描く女性目線の小説。予想がつきにくいストーリーに転ぶような事が多い気がする。
    考察すると面白いかもしれないです。

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    2015年03月23日
  • 編集者T君の謎

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    将棋界の色々は人や出来事のエッセイのようなノンフィクション
    他の本の感想でも書いたけど、棋士の方々って面白い人がいっぱい
    ひふみんを筆頭におもしろエピソードがありすぎだろ(笑)

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    2014年11月01日
  • 孤独か、それに等しいもの

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    この中に収録されている「ソウルケージ」という作品に、自然と涙しかけた。
    ギリギリまで傷んだ女性が、少しずつ自分の感覚に向き合っていく、その感じがこれ見よがしではなくて、すごく好きだった。

    「八月の傾斜」も似た意味で、好きだった男の子を喪失してしまった傷みがぴったりと描かれている。

    恐らく今の自分に心境が似ていたのだと思う。
    こういうレビューは、本当は当てにならない。

    喪失感は、失ったはずなのに、自身の奥深くにまで痛みを与えてしまう。
    立ち上がるきっかけなんて、大それたものでなくて良いのだ。ただ、自分と同じくらいのあたたかさを持つ何かがあれば。

    大崎善生の静けさに救われる理由に触れられた

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    2014年07月02日
  • ユーラシアの双子 下

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    ホッとしました。
    エリカの自殺を防ぐために、追いかける主人公の足取りを追いつつ、自分が追い詰められていく気分でした。
    全くの他人が、人の生き方に自分の娘を重ねあわせて、口出しするのはエゴと思いつつも、救ってほしい思いがどんどん強くなりました。
    最後の香織の命を生きるというマトリョーシカに込められたメッセージによって、結局救われたのは主人公だったのだと思いました。

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    2014年04月08日
  • ユーラシアの双子 下

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    下巻も通勤時間にゆっくり読んだ。
    ポーランドの旧市街地復興の話、素直に感動。
    コルマールの街並み、葡萄畑の写真、奥さんとの思い出。
    「何もかも通り過ぎちゃったわね。」最後あたりに出てくる奥さんのセリフが印象的。自分や周りに対する赦しのような。
    サグラダ・ファミリアの出来事は何だか共感できなかったんだけど、エリカも同じ体験をしたってことでちょっと納得。
    結末は多少消化不良なものの、石井にしてみれば暮らす環境も精神的にもいい方向に転がったって事だよね。
    ながーい時間ときっかけが必要。

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    2014年03月06日
  • 傘の自由化は可能か

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    同じネタが何度も繰り返されているが、作家って1つの出来事をこんな風に膨らませて物語にしていくんだなぁと、創作の過程が分かって興味深かった。

    優しさとは、気持ちではなく行動である
    なるほどなぁ、と感じた一文でした。

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    2013年12月22日
  • スワンソング

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    切ない3人の恋。
    三角関係から成る見えない負の連鎖と、一向に終わることのない病的な主人公の献身ぷりが、本当にいたたまれない。
    ここまでして一体何がこの人たちのプラスになるんだろうかと、すごく疑問に思うほど、ある意味異常なほど。

    こういう愛の形もきっとあるとは思うけど、現実はとても辛いはず。
    たまに比喩表現が突飛なのもあるけれど、切ないラブストーリーとしてはありですね。

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    2013年10月07日
  • ユーラシアの双子 下

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     シベリアを越え舞台はヨーロッパ。死ぬために旅をするエリカをついに捕まえる。エリカと会い同じ部屋を共にしたりするのに、なぜあくまで「後から追う」ような旅をするのか。一緒に行こう、とはなぜならないのかが不自然に感じてしまう。それに行ったことがあればわかるが、エンリケ航海王子のモニュメントから身を投げようとしているけれど、モニュメントの先は海ではなく川だしそれこそ都会の中の観光地。日本でいえば京都の鴨川に身を投げようとする感覚。旅の最終地点としては、最西端のロカ岬か深夜特急のサンビセンテ岬がよかったのではないか。
     終わり方ももっと何かあったのではないかと思ってしまう…。

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    2013年08月15日
  • ユーラシアの双子 上

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     ウラジオストックからリスボンまで全て鉄道で行く。沢木幸太郎の深夜特急を思い浮かばせるような設定で、旅好きにはグッとくるでしょう。しかし、内容としては微妙。旅をしている情景はいいけれど、人生を反芻するというところの描かれ方がどうにも違和感。旅を人生に准えるのはよくあることだけれど、過去の話の書かれ方に規則性がないよう気がする。現在と過去のシーンの区切りがどうにもわかりづらい。シベリア鉄道のシーンをもっと長く描いてほしかったなと個人的には思う。

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    2013年08月15日
  • ロックンロール

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    主人公が熱帯魚関係の本を書いているところが大崎氏とかぶり、半分自伝的作品のような印象を受ける。
    でも人物や舞台の設定に必然性が感じられず、可もなく不可もなくという中途半端な感想しか浮かびませんでした。

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    2013年08月04日
  • スワンソング

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    最後まで読むとそこまで悪くはなかったなぁ…みたいな感慨を抱きますけれどもやっぱし前半から中盤まではダルかったです…誰かさんが指摘していますけれども、なんとなく村上春樹のノルウェイの森を彷彿とさせる何かが今作には含まれているのであって、それもちょっと僕的には興ざめでしたかね…

    ヽ(・ω・)/ズコー

    リアリティがあるようでないような? または、ないようであるような? 物語でしたねぇ…個人的には主人公に対し、女性がああいった取り乱した行動を取るのがどうにも解せないのですけれども…現実にはああいった女性もいるのでせうか!?

    ヽ(・ω・)/ズコー

    まあ、何はともあれ物語は読みえましたよ、ええ

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    2013年06月25日
  • ロックンロール

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    ベックの「哀しみの恋人達」がず~~と流れている。

    《本文より》
    小説を書いてみませんか、と高井の言葉は小さくて性能のいいマグネットのように僕の心にピッタリと吸いついた。
    何をしていても、何を考えていても気がつくとふくらはぎや肩甲骨あたりに、離れずに張り付いているそのマグネットの存在を感じる。

    僕はこれは恋に似ているなと思った。そう、この感情の揺れは確かに恋に似ている。
    それからこう考えた。
    恋に似ている感情なんてあるのだろうか。恋に似た感情をも含めて、それを恋と呼ぶのではないか。
    そうだとすれば、薔薇窓からの光の輪の中に立ち、それに手をかざしている久美子に、僕は恋をしているのだ。そう思うと

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    2013年06月12日
  • スワンソング

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    携帯電話もメールもなかったころ、恋愛は・・・

    口下手な私としては
    その当時携帯・メールがあったらなって恋もあります。


    でもこの時代だったとしても
    もっと上手くできなかったのかい、良ちゃん。
    あんたが悪いよ。

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    2013年03月17日
  • ロックンロール

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    現実逃避でパリ住まいなんて贅沢だな。
    それほどにも生みの苦しみというのは
    つらいものなんでしょう。

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    2013年02月26日