大崎善生さんの書くものが好きだ。
読むのは12冊目になる。
熱帯魚、出版業、環状線をぐるぐると回る、ヨーロッパ、音楽…
そういう繰り返されるモチーフの中に、はっとする言葉がある。
キャラクターとか関係性とか心情とかそういう物語の在り様ではなくて、
言葉拾いをしながら読むような感じ。
安定して流れ
...続きを読むる物語の中で、安心して自分のための言葉を探せる。
小説の中で扱われたような意味合いでは見たことの無い言葉。
今回は「くもの巣の修繕」、「窓」、「掘削機」がわたしに差し出された。
「鍋」や「ノシイカ」、「ロバ」、「小石」、「中指」、それだって良かった。
読みながら、沢山の知人を想起したこともおもしろかった。
それから、イッセー尾形さんの解説もぴたり。
これでまた、大丈夫になった。
きっと、次読むときに見つかるのは別の言葉だろうっていう予感。