高橋和海のレビュー一覧

  • ロックンロール
    大崎善生さんの書くものが好きだ。
    読むのは12冊目になる。

    熱帯魚、出版業、環状線をぐるぐると回る、ヨーロッパ、音楽…
    そういう繰り返されるモチーフの中に、はっとする言葉がある。
    キャラクターとか関係性とか心情とかそういう物語の在り様ではなくて、
    言葉拾いをしながら読むような感じ。

    安定して流れ...続きを読む
  • ロックンロール
    パリの街や音楽の美しさや、主人公のシンプルな考え方が、カッコよくおもえた。しっかりしたイメージのある哲学を持っているのに、謙虚だとおもった。シリアスじゃない登場人物たちが良い。
  • ロックンロール
    私も趣味で小説を書きます。

    でも磨く鍋が……全然…足りない^^;
    まだまだ未熟であります故…精進精進。
  • ロックンロール
    陽気で激しい、明るい大崎作品。珍しく陰気な話題は無い。George Harrisionの「All Things Must Pass」、Jeff Beckの「哀しみの恋人達」が物語の鍵となる。
  • ロックンロール
    大崎善生を読むと小説の醍醐味は中身の内容だけではないことに気づかされる。

    このロックンロールというなんの中身の無い小説が面白く感じるのは、1行1行の文章がとても緻密で、計算されていて、繊細で、優しくて、突き刺さるような言葉の集合体だから。

    この小説の中でも語られていたが、
    「なんでもいいからひと...続きを読む
  • ロックンロール
    なぜだろうか?この著者は私と同じ様な恋愛経験をしてきたのではないかな?と感じる。文章を読んでいると、言葉に共感でき、過去の甘酸っぱい思い出が甦ってくる。著者が言葉を磨いているからだろうか、文章を読んでいると癒される。文章を読むことが楽しいと思う数少ない著者一人。でもこの本を読み終えた後、ストーリーは...続きを読む
  • 傘の自由化は可能か
    エッセイ。大崎さんの小説は読んだことがないのですが、タイトルと表紙に惹かれて手にとりました。
    「ヨーロッパの空」「記憶の湖」「言葉の宇宙」「世界の端で」の4節にわかれています。
    ひとつひとつが短いので、移動時間に読むのもいいかも。
    将棋連盟の方なのですね…将棋がやりたくなりました。
  • ロックンロール
    いつもの大崎さんの空気。大好きな雰囲気。
    中盤の物語の展開がとても好き。

    また読み返します。
  • ロックンロール
    うーん、やっぱり私はこの人の小説が好きだ。
    世界観とか、そんな大袈裟なものじゃないかもしれないけど
    ちょっとしたところでとっても近いものを感じ、嬉しくなる。

    ロックンロールの教え。
    諦めないこと、悔やまないこと、振り向かないこと。

    転がり落ちる石ころのように、運ぶままに身を任せる。
    ...続きを読む
  • ロックンロール
    他の作品でもちょくちょく目にしますが、フランス(特にパリ)・ドイツなどのヨーロッパ、ツェッペリン、ジョン・レノン、ポリス、クラプトンなどのロックが著者はお好きなようです。
    関係していく女性がおまじないみたいに繋がるっていうのが今までにない感じでスキです。他の大崎さんの作品と比べて、暗くないのが新鮮。
  • ロックンロール
    最近の作家さんで唯一読み続けているのが大崎善生です。
    作品のトーンは毎回似ているんですが、でも、読み出すとしみこむように文章が頭の中に入ってきて、さくさくと読み続けることができます。

    この作品の主人公が語った言葉にそのヒントが。

    「僕にとっての小説の感動は、ストーリーや感情の起伏というよりも、も...続きを読む
  • ロックンロール
    思春期に読み、今も心に残っている。

    あんまり文体は好きではないですし、さして深みも感じられなかったです(何様なんだ俺w)。

    ですが
    「凡人だけどなんとか抗いたい、小さなロック魂をいつまでも持ち続けたい」
    というわかりやすいメッセージが、なぜか頭に残ってます。何か自分の心にひっかかるものがあるので...続きを読む
  • ロックンロール
    パリのホテルに缶詰めになって、ノートパソコンの画面をにらみながら執筆活動をする、という主人公の小説家のスタイルは、まさに著者の大崎氏のエッセイで見た情景そのもの。

    まったく言葉の通じない異文化のなかで、言葉をあたかも「ごしごしと鍋を磨くように」磨いて日本語を紡いでいく。

    その情景を描写するのに...続きを読む
  • 傘の自由化は可能か
    小説家になるために中学の時から綿密なカリキュラムを組んで、それを実行していたという。しかしいざ書くとなると何も書けない。結局41歳まで何も書けなかったという。結局「炎」が必要だったと。小手先の器用さではなく、必死さ。これが自分にも欠けている。
  • 傘の自由化は可能か
    同じネタが何度も繰り返されているが、作家って1つの出来事をこんな風に膨らませて物語にしていくんだなぁと、創作の過程が分かって興味深かった。

    優しさとは、気持ちではなく行動である
    なるほどなぁ、と感じた一文でした。
  • ロックンロール
    主人公が熱帯魚関係の本を書いているところが大崎氏とかぶり、半分自伝的作品のような印象を受ける。
    でも人物や舞台の設定に必然性が感じられず、可もなく不可もなくという中途半端な感想しか浮かびませんでした。
  • ロックンロール
    ベックの「哀しみの恋人達」がず~~と流れている。

    《本文より》
    小説を書いてみませんか、と高井の言葉は小さくて性能のいいマグネットのように僕の心にピッタリと吸いついた。
    何をしていても、何を考えていても気がつくとふくらはぎや肩甲骨あたりに、離れずに張り付いているそのマグネットの存在を感じる。

    ...続きを読む
  • ロックンロール
    現実逃避でパリ住まいなんて贅沢だな。
    それほどにも生みの苦しみというのは
    つらいものなんでしょう。
  • 傘の自由化は可能か
    「パイロットフィッシュ」「アジアンタムブルー」「孤独かそれに等しいもの」を書いた作者のエッセイ集。

    著書にはノンフィクションもあるらしいのですが、私はもっぱら小説のファンです。

    小説について、将棋について、禁煙について様々な切り口で作者のものの捉え方を知る事ができます。

    特に、二十代を感性の世...続きを読む
  • ロックンロール
    作者の自伝とまではいかないまでも、私小説的な作品だと思います。
    パリで執筆中の駆け出しの作家が主人公。
    上質な日記を読んでいる感覚に近いです。

    この作家が後半、酔って「小説とは」を語りだすのですが、これが個人的にあまり共感できませんでした。
    「適切な言葉を使って表現する、その枝葉の積み重ねの先にあ...続きを読む