最近の作家さんで唯一読み続けているのが大崎善生です。
作品のトーンは毎回似ているんですが、でも、読み出すとしみこむように文章が頭の中に入ってきて、さくさくと読み続けることができます。
この作品の主人公が語った言葉にそのヒントが。
「僕にとっての小説の感動は、ストーリーや感情の起伏というよりも、も
...続きを読むっと単純で文章そのものということが多いんだ」
「何でもいいからひとつのことを、正確で美しい、ということはつまり適切な言葉を使って表現する。その枝葉の積み重ねの先にある樹が小説なんだと僕は考えている」
これは主人公の小説家の小説感として描かれていますが、筆者自身の小説感ではないかと思うのです。
文章そのものの質。
それがこの人の特徴なんだと。