高橋和海のレビュー一覧

  • ロックンロール

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    大崎善生作品の中で、一番のびのびとしたほんわかヒューマンラブコメディ。

    大崎作品の中で、これほどコメディ色が強い作品は珍しい。

    一番、大崎さん自身を生身で感じられる、まるで大崎善生さんと旅をしているかのような作品。

    大崎作品の中ではトップレベルに読みやすく、またふんわりとして温かい。

    それでいて、キュンキュンする。
    「スワン・ソング」とは正反対で、この登場人物である冴えないのか冴えてるのか分からない、"のしイカ"のようにヒラヒラとした"おじ"に、淡く鮮烈に恋する読者は少なくないのではなかろうか。


















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    2025年01月06日
  • ロックンロール

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    ネタバレ

    大崎善生さんの書くものが好きだ。
    読むのは12冊目になる。

    熱帯魚、出版業、環状線をぐるぐると回る、ヨーロッパ、音楽…
    そういう繰り返されるモチーフの中に、はっとする言葉がある。
    キャラクターとか関係性とか心情とかそういう物語の在り様ではなくて、
    言葉拾いをしながら読むような感じ。

    安定して流れる物語の中で、安心して自分のための言葉を探せる。
    小説の中で扱われたような意味合いでは見たことの無い言葉。

    今回は「くもの巣の修繕」、「窓」、「掘削機」がわたしに差し出された。
    「鍋」や「ノシイカ」、「ロバ」、「小石」、「中指」、それだって良かった。

    読みながら、沢山の知人を想起したこともおもし

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    2013年01月08日
  • ロックンロール

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    パリの街や音楽の美しさや、主人公のシンプルな考え方が、カッコよくおもえた。しっかりしたイメージのある哲学を持っているのに、謙虚だとおもった。シリアスじゃない登場人物たちが良い。

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    2009年10月11日
  • ロックンロール

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    私も趣味で小説を書きます。

    でも磨く鍋が……全然…足りない^^;
    まだまだ未熟であります故…精進精進。

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    2009年10月30日
  • ロックンロール

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    陽気で激しい、明るい大崎作品。珍しく陰気な話題は無い。George Harrisionの「All Things Must Pass」、Jeff Beckの「哀しみの恋人達」が物語の鍵となる。

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    2009年10月04日
  • ロックンロール

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    ネタバレ

    大崎善生さんの『ロックンロール』

    主人公の作家の植村は、第2作目の小説執筆のため、パリ近郊のポートオルレアンのホテルに滞在しています。そもそも彼は、熱帯魚の雑誌の編集長をしていたが、高井という編集者が彼を訪れ、口説き落とし、小説家にしたのだ。植村のデビュー作は評価が高かったが、2作目の筆が遅い。そのため、ヨーロッパに来訪し、小説を書くことにしていた。しかし、それでも筆が進まず、焦燥感に苛まれる日々を送っている。
    植村は、彼宛に送られてきたCDをふと思いだす。ジョージハリスンの『All things must pass』。送り主の名前に心当たりはない。
    ではあるが、20歳の頃、ジョンレノンが亡

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    2025年04月12日
  • ロックンロール

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    大崎善生を読むと小説の醍醐味は中身の内容だけではないことに気づかされる。

    このロックンロールというなんの中身の無い小説が面白く感じるのは、1行1行の文章がとても緻密で、計算されていて、繊細で、優しくて、突き刺さるような言葉の集合体だから。

    この小説の中でも語られていたが、
    「なんでもいいからひとつのことを、正確で美しい、ということはつまり適切な言葉を使って表現する。その枝葉の積み重ねの先にある樹が小説なんだ。」「犬の交尾を正確に描いていても泣くね。」

    とある。1つのことを洗練させる必要性。小説家でないがしろにしてはいけない要素。人にとっても何かを1つ正確に出来る人の方が、心を揺さぶるのだ

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    2012年04月27日
  • ロックンロール

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    なぜだろうか?この著者は私と同じ様な恋愛経験をしてきたのではないかな?と感じる。文章を読んでいると、言葉に共感でき、過去の甘酸っぱい思い出が甦ってくる。著者が言葉を磨いているからだろうか、文章を読んでいると癒される。文章を読むことが楽しいと思う数少ない著者一人。でもこの本を読み終えた後、ストーリーは何だかなぁ、と思った。

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    2011年10月28日
  • 傘の自由化は可能か

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    エッセイ。大崎さんの小説は読んだことがないのですが、タイトルと表紙に惹かれて手にとりました。
    「ヨーロッパの空」「記憶の湖」「言葉の宇宙」「世界の端で」の4節にわかれています。
    ひとつひとつが短いので、移動時間に読むのもいいかも。
    将棋連盟の方なのですね…将棋がやりたくなりました。

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    2011年10月13日
  • ロックンロール

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    いつもの大崎さんの空気。大好きな雰囲気。
    中盤の物語の展開がとても好き。

    また読み返します。

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    2010年05月06日
  • ロックンロール

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    うーん、やっぱり私はこの人の小説が好きだ。
    世界観とか、そんな大袈裟なものじゃないかもしれないけど
    ちょっとしたところでとっても近いものを感じ、嬉しくなる。

    ロックンロールの教え。
    諦めないこと、悔やまないこと、振り向かないこと。

    転がり落ちる石ころのように、運ぶままに身を任せる。
    ずっとそうなわけじゃない。
    けど、石が転がり始める瞬間って誰にもある。
    そんな瞬間を意識してしっかり心に刻み、
    思いっきり楽しんで前を向いて転ぶような生き方がしたいと思う。

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    2015年11月12日
  • ロックンロール

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    他の作品でもちょくちょく目にしますが、フランス(特にパリ)・ドイツなどのヨーロッパ、ツェッペリン、ジョン・レノン、ポリス、クラプトンなどのロックが著者はお好きなようです。
    関係していく女性がおまじないみたいに繋がるっていうのが今までにない感じでスキです。他の大崎さんの作品と比べて、暗くないのが新鮮。

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    2009年10月04日
  • ロックンロール

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    最近の作家さんで唯一読み続けているのが大崎善生です。
    作品のトーンは毎回似ているんですが、でも、読み出すとしみこむように文章が頭の中に入ってきて、さくさくと読み続けることができます。

    この作品の主人公が語った言葉にそのヒントが。

    「僕にとっての小説の感動は、ストーリーや感情の起伏というよりも、もっと単純で文章そのものということが多いんだ」

    「何でもいいからひとつのことを、正確で美しい、ということはつまり適切な言葉を使って表現する。その枝葉の積み重ねの先にある樹が小説なんだと僕は考えている」

    これは主人公の小説家の小説感として描かれていますが、筆者自身の小説感ではないかと思うのです。

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    2009年10月04日
  • ロックンロール

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    思春期に読み、今も心に残っている。

    あんまり文体は好きではないですし、さして深みも感じられなかったです(何様なんだ俺w)。

    ですが
    「凡人だけどなんとか抗いたい、小さなロック魂をいつまでも持ち続けたい」
    というわかりやすいメッセージが、なぜか頭に残ってます。何か自分の心にひっかかるものがあるのでしょう。

    まさに、ポケットの奥の隅の隅の方に、糸にひっかかって取れずに、いつまでも入ってる小石のように。。。

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    2021年01月31日
  • ロックンロール

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    パリのホテルに缶詰めになって、ノートパソコンの画面をにらみながら執筆活動をする、という主人公の小説家のスタイルは、まさに著者の大崎氏のエッセイで見た情景そのもの。

    まったく言葉の通じない異文化のなかで、言葉をあたかも「ごしごしと鍋を磨くように」磨いて日本語を紡いでいく。

    その情景を描写するのに「正しい」言葉を探しだし、選び出す地道で根気強い作業。
    そういう雰囲気は割と好きだなぁ。

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    2020年10月04日
  • 傘の自由化は可能か

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    小説家になるために中学の時から綿密なカリキュラムを組んで、それを実行していたという。しかしいざ書くとなると何も書けない。結局41歳まで何も書けなかったという。結局「炎」が必要だったと。小手先の器用さではなく、必死さ。これが自分にも欠けている。

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    2015年05月22日
  • 傘の自由化は可能か

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    同じネタが何度も繰り返されているが、作家って1つの出来事をこんな風に膨らませて物語にしていくんだなぁと、創作の過程が分かって興味深かった。

    優しさとは、気持ちではなく行動である
    なるほどなぁ、と感じた一文でした。

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    2013年12月22日
  • ロックンロール

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    主人公が熱帯魚関係の本を書いているところが大崎氏とかぶり、半分自伝的作品のような印象を受ける。
    でも人物や舞台の設定に必然性が感じられず、可もなく不可もなくという中途半端な感想しか浮かびませんでした。

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    2013年08月04日
  • ロックンロール

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    ベックの「哀しみの恋人達」がず~~と流れている。

    《本文より》
    小説を書いてみませんか、と高井の言葉は小さくて性能のいいマグネットのように僕の心にピッタリと吸いついた。
    何をしていても、何を考えていても気がつくとふくらはぎや肩甲骨あたりに、離れずに張り付いているそのマグネットの存在を感じる。

    僕はこれは恋に似ているなと思った。そう、この感情の揺れは確かに恋に似ている。
    それからこう考えた。
    恋に似ている感情なんてあるのだろうか。恋に似た感情をも含めて、それを恋と呼ぶのではないか。
    そうだとすれば、薔薇窓からの光の輪の中に立ち、それに手をかざしている久美子に、僕は恋をしているのだ。そう思うと

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    2013年06月12日
  • ロックンロール

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    現実逃避でパリ住まいなんて贅沢だな。
    それほどにも生みの苦しみというのは
    つらいものなんでしょう。

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    2013年02月26日