高橋和海のレビュー一覧

  • 傘の自由化は可能か

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    「パイロットフィッシュ」「アジアンタムブルー」「孤独かそれに等しいもの」を書いた作者のエッセイ集。

    著書にはノンフィクションもあるらしいのですが、私はもっぱら小説のファンです。

    小説について、将棋について、禁煙について様々な切り口で作者のものの捉え方を知る事ができます。

    特に、二十代を感性の世代として、三十代、四十代を記憶の世代として語るくだりは印象的です。

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    2012年10月25日
  • ロックンロール

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    ネタバレ

    作者の自伝とまではいかないまでも、私小説的な作品だと思います。
    パリで執筆中の駆け出しの作家が主人公。
    上質な日記を読んでいる感覚に近いです。

    この作家が後半、酔って「小説とは」を語りだすのですが、これが個人的にあまり共感できませんでした。
    「適切な言葉を使って表現する、その枝葉の積み重ねの先にある樹が小説」……「一つ一つの場面を書き連ね、その先に結果的にストーリーや感情がある」……
    この書き方では、主人公の望むような大作は書けないと思わずにはいられません。

    この小説は、まさにこの主人公が語った手法そのまんまの書き方をしたんでしょう。その場その場でカッコいいフレーズは出てきて読み心地もいい

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    2012年09月19日
  • 傘の自由化は可能か

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    初めて読む大崎さんのエッセイ集。
    それにしても小説の世界から想像する作家像と、この本で語っている人物が同一だとは思えない。
    大学に行かずに将棋に没頭していた大学時代と挫折、その流れで将棋関連の仕事につき・・・意外にも結婚したのは40代。パチンコが好き、釣りもする・・・意外な一面ばかり
    今度はドキュメンタリーを読んでみようかな。
    小説とはまた違った大崎さんを見つけられるかもしれない。

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    2012年06月24日
  • ロックンロール

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    小説執筆のためパリのホテルに滞在していた作家・植村は、なかなか筆の進まない作品を前にはがゆい日々を送っていた。しかし、そこに突然訪れた奇跡が彼の感情を昂らせる。透き通るような青空の下で、恋が動き出そうとしていた。ポケットに忍ばせたロックンロールという小さな石ころのように、ただ転がり続ければいい。作家は突き動かされるように作品に没頭していくー。欧州の地で展開される切なくも清々しい恋の物語。

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    2012年01月15日
  • ロックンロール

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    ロックンロールという題名だけで購入したので、音楽関係の話かと思ったら、ロックを愛する小説家の話だった。
    けっこうゆったりした印象だったかな〜。嫌いじゃないけどそこまでひきこまれませんでした。

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    2011年06月29日
  • ロックンロール

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    お得意の、舞台はパリ。おなじみの、過去の切なさみたいな空気はあるのだけど、繊細なものを触れるような脆さ、みたいなものよりも、濃厚な大人の空気というか、重厚な雰囲気が強くて、あまり好みではなかったかも。

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    2011年05月22日
  • 傘の自由化は可能か

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    大崎善生さんのエッセイ。

    大崎さん自身のこと、小説に対する思い、考えを知ることができます。
    この本を読んでからもう一度小説を読み直してみても良さそう。

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    2011年02月05日
  • ロックンロール

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    久々の大崎善生さん。
    『パイロットフィッシュ』『アジアンタムブルー』が好きだったため
    期待しすぎてしまった。。。

    主人公が作家というだけあって

    大崎さん自身のものを書く事への考えだとか書く事への姿勢が随所に感じられたところがよかったです。

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    2010年09月06日
  • ロックンロール

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    恋愛小説のように見えて、実はそうでもない、
    大崎さんの人生観のようなものが垣間見られる本。

    小説を書くということはどういうことか、
    駆け出しの小説家・植村の口を通して語られるのが興味深かった。

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    2012年10月01日
  • 傘の自由化は可能か

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    デビューしてから6年分のエッセイ集。
    聖の青春・パイロットフィッシュ・ドナウよ静かに流れよの時期が中心。


    苦悩の多い過去の話の中でポンとおちゃめな日常の話が混ざってたりするので、
    なかなか油断できないエッセイ集である。

    自伝的な要素が結構強め・・・あと地味に重いです。

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    2010年01月29日
  • 傘の自由化は可能か

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    【内容】
    駅やコンビニや飲み屋に、使いたい人がいつでも使用できる「自由な傘」を置いておく―パリのカフェで、札幌に向かう寝台列車で、日曜日の西荻窪の路上で、泡のように浮かんでくる思い。小説デビュー作『パイロットフィッシュ』で主人公の青年も夢みたシステムは、現実でも可能なのか?表題エッセイのほか、旅や言葉、本や大好きな周囲の人々など、作家ならではの思索的日常をさりげなくスケッチしたエッセイ集。

    【感想】

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    2010年01月06日
  • ロックンロール

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    小説執筆のためパリのホテルに滞在していた作家・植村は、なかなか筆の進まない作品を前にはがゆい日々を送っていた。しかし、そこに突然訪れた奇跡が彼の感情を昂ぶらせる。透き通るような青空の下で、恋が動き出そうとしていた。ポケットに忍ばせたロックンロールという小さな石ころのように、ただ転がり続ければいい。作家は突き動かされるように作品に没頭していく―。欧州の地で展開される切なくも清々しい恋の物語。


    2年前にこの小説を読んだとき、「大人の恋愛だなぁ。」ぐらいの感想しか持てませんでした。描写もかなり”大人”な感じで、思わず顔を赤らめてしまう場面も。 2年経った今、不思議とこの小説を素直に読むことができ

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    2009年11月24日
  • ロックンロール

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    なぜ人はこんなにも苦しみ、悶えるような思いで、石ころとなり坂を転がり続けなくてはならないのだろう。
    転がっていった先にはいったい何が待っているというのだろう。

    僕にはわからない。
    正直にいって、僕にはわからない。

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    2009年10月07日
  • ロックンロール

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    コレ読んで、私が大崎さんの小説が好きな理由が分かりました。ロックンロールという話自体にも思い入れはありますが、それ以上に後半に書かれていた主人公の語る小説の評価の方法に凄く共感しました。共感というか、自分が小説に求めること・言葉への姿勢がそのまま形になってました。

    「パリのカフェに夕陽があたっているというシーンがあったとする。文章を書くということはその場面を描写するための言葉を選ぶということでもあるわけだ。たったそれだけの場面を描写するにしても、言葉とその組み合わせは、きっと信じられないほどの数になるだろう。そのときにその組み合わせの中から、ピッタリと嵌った言葉を抽出して、過不足なく書ければ

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    2009年10月04日
  • ロックンロール

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    大崎善生らしい、リリシズムに満ちた私小説っぽい小説。
    ただ、どことなく、抑制が効いていず、『パイロットフィッシュ』などに比べると凡庸な出来だと思う。

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    2009年10月04日
  • ロックンロール

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    「僕達は、ただ欲望の坂道を転がっていけばいい。」

    ロックンロールをBGMに。

    大崎善生いいな。

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    2009年10月04日
  • ロックンロール

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    大崎善生の恋愛小説は主人公の設定など、どことなく似通っていると思うのは、自分だけだろうか・・・?小説単体として見た場合は、良質な恋愛作品に仕上がっています。ロックンロールを口ずさみながら、恋は転がってゆきます。

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    2009年10月04日
  • ロックンロール

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    大崎さんは読者にとって結構好き嫌いが激しい作家さんだと思います。
    シチュエーションや雰囲気の綺麗さ切なさは素晴らしいのですが、そこに行き着くまでの必然性や登場人物の心理の変遷には納得できない所が多い。前者を強く評価する人は好きで、後者が気になる人は嫌いなのではないかと思っています。そして私は前者だったのですが、本作は。。。
    劇的なシチュエーションは減少し、一方でなんだかんだと説明が多いのです。不確かな比喩というべきか。なんだかウダウダしていて乗り切れない。そんな感じがします。一方で妙にユーモリスティックで思わずニヤリとしてしまう所が随所に有るのも今までの作品に無かった傾向です。
    全体としては「

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    2016年08月16日