大崎善生のレビュー一覧
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短編が6作入っていて、どれも面白かった。外れがなかったという印象。表題作と空っぽのバケツが特にお気に入り。切ないけど温かい雰囲気が好きです。
ただ、話はどれも素敵だったんだけど、登場人物の設定がどの作品も似たり寄ったりなのが気になった。仕事は編集かデザイン、出身地は北海道。話はいいのに登場人物の魅力が半減している気がした。三作目くらいから「え?また?」と思い出したので………。もうちょっといろんなカラーの登場人物が出ていれば面白かったと思う。まあ、北海道出身じゃなきゃ広がらない話もあったけどさ。もしかしてそういうコンセプトだったのかしら。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ5篇の短編集
「八月の傾斜」
「孤独か、それに等しいもの」
心に留まりました
八月~ではピアスのエピソードが好きです
大切なものを失くしてしまうよ
という大久保君の言葉が胸に染みました
耳たぶには大切な神経が通っているかららしいです
迷信かもしれないけれどこの考え方いいなぁと思います
主人公は最後にはピアス穴を開けてしまうけれど
孤独か~は双子のおはなし
最後の
茜を一緒にもらってくれないかな?
という言葉にじーんとしました
双子って普通の兄弟や姉妹より結びつきが深いらしいですね
「ソウルケージ」にはすごく共感する部分がありました
自分の感情や観念 -
Posted by ブクログ
大崎さんの小説を久しぶりに読みましたー!!またこの人特有の素敵なたとえ話や表現にうっとりする部分もあれば、他の人のレビューにも書いてあった通り、ちょっと主人公がモテすぎじゃない?という印象も受けました。だってなんで主人公がこんなに好かれて、しかもその愛してくれた2人の女性は彼を思って死ぬのか、そこまでの魅力が書かれていません。あえてそこは伏せているんでしょうか?読者に想像させようとしているんでしょうか?真相は分かりませんが、大崎さんの恋愛小説に出てくる男の人は最近廃人っぽいなんだか中身のよくわからない人ばかりだなと思います。まぁそういうところが私もすきなのかもしれないけど。今回の終わり方は特に
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Posted by ブクログ
所詮、恋愛は「エゴ」である。
3年社内恋愛していた彼女と別れ、アルバイトではいった女の子と付き合い始めた主人公。が、アルバイトの女の子は、精神を病んでいって…。
救いは、主人公が自分を卑下したり、言い訳したり、誤魔化したりはしてないことだろう。
が、結局は、この主人公の優柔不断さや頑なさが、二人の女性を不幸にしたとしか思えない。
人間が生きて行くには、自分の人生を立て直すには、「嘘」だって必要なのだ。が、主人公にはそういう優しさがない。
病んだ恋人に尽くす優しさはある。
が、だからこそ、結婚するという決断はできない。いや、せめて同棲しただけでも、彼女の気持ちは安定したんじ