【感想・ネタバレ】別れの後の静かな午後のレビュー

あらすじ

それは僕に必要な静かな午後だった。風も波もない、まったく平静な宇宙空間にいるような時間が――恋人との別れから三年後、一本の電話が僕を直撃した。胸の痛みを抱えながらも、やがて心の奥底が暖かくなる時間が訪れる(表題作)。別れとはじまり、生きることの希望を描いた珠玉の短篇集。

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切なさという不思議な感覚

彼の小説は、疲れ果てた時に飲む一杯のウイスキーによく似ている。心地よい倦怠感、そんな独特の感覚が読了した自分を包むのである。この小説は短編集であるが、全ての話が日常の切なさを切り取ったような形をしている。戻らぬ少年時代の思い出、疎遠になった友人の現状、死にゆく者が残したものなど、誰もが経験したであろう切なさが一冊に纏められている。日常生活に疲れ、心がくたびれてしまった、そんな方に読んでもらいたい一冊。

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2013年08月26日

Posted by ブクログ

たまたま知り合いが『今のあなたに読んで欲しい』と言って貸してもらいました。

別れの後の静かな午後。この話とその時の私は驚く程設定が似ていたのもあってか泣いてしまいました。

この作品に出会わなければ、今の私はもっと弱かったかもしれません。
作品と出会えて考え方が変わりましたしかなり大きな影響を受けました。
今後、付き合っている方と遠距離恋愛する予定にある方、もしくは既に遠距離恋愛中の方は一度ページをめくってみると良いと思います。
ただその経験に遠い方が読むと入り方が違うかもなぁ…
体験したから分かる。。

いい作品です!
ランプコントロールも今から読みます。楽しみです。

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2010年12月23日

Posted by ブクログ

訪れるのは別れ。

後に訪れる静かな午後。

喪失はきっかけ以上なのか。




高校時代に揺れた本を読み返していく中で、

なぜ大崎善生に惹かれていたのか、

もう一度揺れて少しわかった気がする。

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2010年01月13日

Posted by ブクログ

大崎善生は好きだなぁ〜。何冊か読んでるけど、どれもせつなくて胸が痛むような、物悲しいような・・・。他の人のコメントを見て納得!村上春樹に似ているから私好みだったんだ。

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2009年10月04日

Posted by ブクログ

短編集。

ジャケ借りシリーズだったわけですが、大崎善生はいい!!
むお〜〜〜!むお〜〜〜!!>歓喜の叫び。

決して派手な話ではないのですよ、けど何か残る。
しかも暖かい何かが。泣かせよう泣かせようとする厭らしい
話ではなく、心の中で凝り固まってた澱のようなものが
ほぐれます。

「孤独か、それに等しいもの」よりも明るめの話が多いかな。


内容も素晴らしいけど、装丁が素晴らしい、本当に。
こういう仕事に携わりたいな〜。

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2009年10月04日

Posted by ブクログ

6話から成る短編集。
相変わらず美しい文章に、美しい情景でした。
男と女。別れと出会い。ありふれた題材なのにいつも心に沁み入ってくる。
ひとつひとつの文章を噛み締めながら、1個でもこぼれ落とさないよう読み進め、
自分に良く似た感情の揺れに共感したり、また共感できない部分でも
思いを巡らし想像力を高めていく。
普段早読みの私からは珍しいほど、丁寧に丁寧に読んでいます。
長編、短編にかかわらず大崎さんの作品を読んでいると、私はいつも
贅沢な時間を過ごさせてもらってるような気分になれるのです。

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2009年10月04日

Posted by ブクログ

静かな寂しさと、その中にある微かな暖かさを感じる作品。
緩く、少しの回りくどさがある文体が、ありふれた男女の日常の中にある機微を粒立てている。

旅先で日の出とともに目が覚めた時に感じる、ひんやりと心地よい空気感。そんな静かで暖かな短編集だった。

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2024年04月27日

Posted by ブクログ

ネタバレ

短編集でした。
あまり普段小説を読んでこなかったので的確な感想は書けないですけれど、個人的にこの人の比喩表現がとても気に入りました。
最初の話がやっぱり印象的。バーの常連客の、「共通の友人をさがす」やりとりが、思わず感心してしまった。

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2011年07月16日

Posted by ブクログ

恋の短編集。
なにこれ!ってくらい好き。びっくりした。
なんてことない設定のなんてことない恋愛話で
こんなに心地よい気持ちになれるってことに。
せつなくて、さらっとしてて、静かで、やさしい。

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2010年08月09日

Posted by ブクログ

自分の体調がいいからなのか
読むほどに映像が、イメージが、浮かんでいき、装丁にあるような淡くて深い心地よい緑に包まれているようでした。
そんな描写は一つもないのに。

気持ちよかった。


こんな短い短編でこんなにももってかれるかぁ

やっぱうまいなぁ。    



6つの話、どの始まりとどの別れを選びますか?

僕には選べません。

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2009年10月07日

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【メモ】短編6編・北海道、東京、ヨーロッパ・〜負に向かうエネルギーが強かったのだとしたら、正へ向かうそれもまた同じくらいのパワーをもっているものなのかもしれない〜(「球運、北へ」より)・表題作はドラマチック過ぎ?・「空っぽのバケツ」寡黙な父の強さ

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2009年10月04日

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背表紙に惹かれて。
北海道に関係がある人の出てくる短編集。6つどれもよかった、かな。後半3篇(空っぽのバケツ、ディスカスの記憶、悲しまない時計)がよかった。
(06/11/30)

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2009年10月04日

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出版社/著者からの内容紹介
君を想えば、別れすら愛しくなる──痛みと哀しみが去りゆくとき、永遠に消せないぬくもりが胸に灯る。『パイロットフィッシュ』の作者が贈る〈別れとはじまり〉を描いた至高の恋愛小説集。

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2009年10月04日

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うん?と思う話もあるけれど、これはこれで良いのかも。個人的には「空っぽのバケツ」がしんみりとして好き。

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2009年10月04日

Posted by ブクログ

いろんな形の恋愛の様子を描いた短編集。
すべての話が、ハッピーエンドなのが、幸せだった。
特に最後の「悲しまない時計」は、こころにずっしりきた。悲しいときなんかにもう一回読み返したいかんじ。

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2009年10月04日

Posted by ブクログ

ネタバレ

初めて付き合った恋人、初めて別れた恋人。

亜希子は平凡な女性だったけれど、僕の人生に大きな幸福と底なしの孤独を教えてくれた。

それから3年経って、再会した彼女は事故で意識がない状態だった。
別れたあと、静寂の中をずっと漂っている彼女。
過去のクロスワードの文字は、一文字ずつ、繋がって言葉になった。

短編集。
前半は超のりのりで読めた、が、後半だらだらしてしまい、
時間かかりすぎて結局どの話も頭に残らなかったという(死
でもなかなかいい。うおー!!って気合が入る)^o^(

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2012年08月27日

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ドライで残酷な恋のお話。

ディスカスの記憶、が好き。
熱帯魚に固執する人物がよく登場するので、ちょっと熱帯魚の知識も学べるかも。

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2012年06月26日

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短編が6作入っていて、どれも面白かった。外れがなかったという印象。表題作と空っぽのバケツが特にお気に入り。切ないけど温かい雰囲気が好きです。


ただ、話はどれも素敵だったんだけど、登場人物の設定がどの作品も似たり寄ったりなのが気になった。仕事は編集かデザイン、出身地は北海道。話はいいのに登場人物の魅力が半減している気がした。三作目くらいから「え?また?」と思い出したので………。もうちょっといろんなカラーの登場人物が出ていれば面白かったと思う。まあ、北海道出身じゃなきゃ広がらない話もあったけどさ。もしかしてそういうコンセプトだったのかしら。

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2012年06月16日

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短編集です!大崎さんらしいお話でした。切なくてゆるやかに流れるお話。最後の話がいちばんすきです!なかなかお勧めです(^◇^)

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2011年07月22日

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「サッポロの光」「球運、北へ」「別れのあとの静かな午後」「空っぽのバケツ」「ディスカスの記憶」「悲しまない時計」
の6編からなる短編集。

おお、これよこれ!
大崎さんの、こういった恋愛小説が読みたかったのよぅ!
淡く切なく、でも夢見がちなところのない、大人の恋愛。
今回は特に「サッポロの光」がお気に入り。
あのラストは大変好みでした。
最近の著書にはここまで惹かれるものがないのですよね・・・。
やっぱり数年前の作品の方が好きだわぁ・・・。

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2010年10月26日

Posted by ブクログ

<2010.05.26>
大崎さんのほかの2作品(「パイロットフィッシュ」「アジアンタムブルー」)がすごくよかったので買った小説。うん、まぁよかった。また読み返してから考えよう。

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2010年05月26日

Posted by ブクログ

この本を読んでいた時期にちょうどいろいろあったので、
とても感情移入してしまい泣いてしまった。
悲しいけど、でも前を向いていかないとなって思う本。
短編集でどの本もせつない気持ちにさせられる。

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2009年10月04日

Posted by ブクログ

五篇から成る短編集。
主人公が落ちぶれるパターンが大崎作品には多いように感じられますね。
「空っぽのバケツ」、好きです。

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2009年10月04日

Posted by ブクログ

君を想えば、別れすら愛しくなる。
永遠に消せないぬくもりが胸に灯る。
〈別れとはじまり〉を描いた恋愛小説集。

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2009年10月04日

Posted by ブクログ

よく『ノルウェイの森』に似た雰囲気を持った作品と言われている。大崎善生の文体がそれに近いものがあるのかもしれない。「別れ」について書かれた短編集。ただ孤独感や悲壮感漂うものではなく、心温まる作品ばかり。

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2009年10月04日

Posted by ブクログ

・サッポロの光
  ・球運、北へ
  ・別れの後の静かな午後
  ・空っぽのバケツ
  ・ディスカスの記憶
  ・悲しまない時計        の6つの短編


どの物語でも、人と人のうえに同じように変わらずに流れつづける時間のやさしさを感じさせられる。
ことに、表題作でもある「別れの後の静かな午後」では、別れ別れになった二人に思いもかけない長い長い静かな午後の時が流れつづけている。

激しく流れる時間も、停滞するかに見える緩やかな時間も、その時その人々にとって必要な時の形なのだと静かに想う。

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2009年10月07日

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