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Posted by ブクログ
鬱病だった長女が自殺、それが遠因となり妻と離婚、その後会社を早期退職した主人公が、咄嗟の思いつきでウラジオストクからリスボンまで、鉄道を乗り継いでユーラシア大陸を横断。
ユーラシア大陸の最西端で自殺をするために、主人公よりも5日間早く同じ経路を進むエリカの存在をウラジオストクで知り、エリカの自殺を止めるためにその後を追う物語です、やっぱり一文では書けない。。
>学生時代からそう大きな問題意識も持たず、ただ流されるように就職し結婚し家庭を設け、二人の娘を育て、ほとんど何も考えることなく会社や派遣先と自宅を通う生活を三十年近くも続けてきた。
>その生活は人間らしい感覚のどこかの神経を圧迫しブロックし続けていたに違いない。
>自分の人間としての感情豊かなどこかの部分が完全に痺れて、やがて疼痛も感じなくなってしまっていった。
何も感じない考えないようにしてきたサラリーマン生活、それでも長女を死なせてしまったことへの絶望と後悔。
長い長い鉄道旅に相応しく、これらを振り返り、折り合いや意味をつけていく過程がゆっくりとゆっくりと描かれています。
本文は非常に長く、とにかくゆっくり進んでいきます。
大崎さんのファンや、大崎さんの表現を受け入れられる人じゃないとつらいかもしれません。
とは言え、自身の再生や再出発のために長女の自殺を見つめ直し、エリカに相対する主人公の姿は心に迫るものがあります。
なお驚くほど唐突に性描写が出てきます、その唐突さが全体を通して唯一解せないポイントです。
でも私はリアリティ一辺倒ではない大崎さんの表現が大好きです。
>まるでそこから何かが溶け出てしまうのではないかと思えるほどのキスをした。
>それはキスというよりも粘液と粘液の融合といってもよかった。
Posted by ブクログ
シベリアを越え舞台はヨーロッパ。死ぬために旅をするエリカをついに捕まえる。エリカと会い同じ部屋を共にしたりするのに、なぜあくまで「後から追う」ような旅をするのか。一緒に行こう、とはなぜならないのかが不自然に感じてしまう。それに行ったことがあればわかるが、エンリケ航海王子のモニュメントから身を投げようとしているけれど、モニュメントの先は海ではなく川だしそれこそ都会の中の観光地。日本でいえば京都の鴨川に身を投げようとする感覚。旅の最終地点としては、最西端のロカ岬か深夜特急のサンビセンテ岬がよかったのではないか。
終わり方ももっと何かあったのではないかと思ってしまう…。
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