大崎善生のレビュー一覧
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2007年8月24日、名古屋市千種区の路上で当時31歳だった磯谷利恵さんが、インターネット闇サイトで知り合った男3人に拉致され、連れ去られたのちに殺害されるという痛ましい事件が発生しました。
本書前半は被害者の利恵さんの生い立ち、当時交際していた男性との出会いなど事件に巻き込まれるまでを追います。次に犯人3人が犯行に及ぶまでの背景をたどり、後半部では事件発生から利恵さん殺害までの経緯と、その後の犯人逮捕、犯人の裁判期間中に犯人の死刑を求めて署名活動に身を投じられた利恵さんのお母さんの姿を描いています。
幼稚園から小学校、中学、高校と成長の様子を描く前半部は子供を持つ親なら誰もが自分の子供の成長 -
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最近嵌っている大崎氏のデビュー作品です。
ノンフィクション、しかも将棋(私は出来ません)の話と言うことで、手を出す気は無かったのですが、本を鞄に入れ忘れた日に駅のコンビニで発見し、購入しました。
良かったです。いつもの大崎作品とは随分違いますが、これはこれで。
強烈な個性をもった主人公です。自分の命の短さを痛切に感じつつ、名人位と言う一点に目標を絞り生きた”純粋で強情でユーモラスで、わがままで優しく強くてそして弱かった”村山聖。作品中でも随所で紹介されるその我儘、傲慢ともいえる態度の一方で多くの人に愛されたという矛盾。特に師匠・森との本能的ともいえる師弟愛。
思わず、自分も何かしなけり -
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大崎善生の文章は 妙におもしろいところが
生み出されている。それは 人を語るのが
うまいということだろうか。観察力がある。
棋士に対して、適確なキャッチフレーズをつける名人である。
村上聖の青春で その筆力が発揮されたように思える。
このT君の謎は 週刊現代 に連載されたものを
本にまとめたもので、さらに おもしろさを実現している。
将棋を語りながら 人を語っている。
とりわけ、天才や神童と言われる人たちなので、
そのあり方や自らのアイデンティティの立て方も
実に、興味のある不思議な人間像が生まれている。
棋士の伴走者として長年走ってきたがゆえに、
将棋を愛し、棋士を人間として、また勝負師 -
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前作「パイロットフィッシュ」より前を描いたお話し
何というか、後出しジャンケン的なものを感じるなぁ
別に同じ主人公でなくともよかったのではとは思わないでもな
これ単体だったらもっと評価が高かったかも
ただ、この話があるからこそパイロットフィッシュにも深みが出るところもあるけどね
そうか、こんな経験をしてたからこそ、パイロットフィッシュでは博愛的な優しい面があったってことか?
ストーリー的には、恋人が亡くなる&その後の傷心っぷりを描いてるんだけど
そこいらにある恋愛ストーリーのような安っぽさを感じないのは、むしろ恋愛要素はサブでメインは死生観について語られているからだろう
性と生について -
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ネタバレ『パイロットフィッシュ』『アジアンタムブルー』に続く三部作、完結編。
山崎と七海のくすぐったい関係がすごく好きだったから、二人の別れから始まる今作は少し寂しい。
他のレビューにもあるように、村上春樹に似てるなあと思う部分があって、アイコンや、理不尽な悪や。
大崎善生自身、村上春樹を読み続けてるという所もあるんだろうか。
アルコール依存症に陥った森本が語る、感性の集合体から、記憶の集合体への変化がもたらす恐怖。
未来へと繰り広げていた毎日が、いつの間にか過去を向いていることに気付く瞬間。そのスイッチに耐えられなかった気持ちは、なんだかとてもよく分かる。
また、山崎は、殆ど記憶の集合体として -
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【本の内容】
今日一日をかけて、私は何を失ってゆくのだろう―。
高校三年の初秋、ピアスの穴を開けようとする私に、恋人がささやいた一言―大切なものを失くしてしまうよ。
あれから九年を経て、私は決まりきった退屈きわまりない毎日を過ごしていた…(「八月の傾斜」)。
憂鬱にとらえられ、かじかんでしまった女性の心を映しだし、灰色の日常に柔らかな光をそそぎこむ奇跡の小説全五篇。
明日への小さな一歩を後押しする珠玉の作品集。
[ 目次 ]
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今日一日をかけて、私は何を失ってゆくのだろう―。
孤独の先にあるものを指し示し、明日への小さな一歩をあと押しする珠玉作品集。
憂鬱に -
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泣いた・・・
すごくよかった。
前に「パイロットフィッシュ」を読んだのだけれど登場人物や設定が一緒なので「あれ???」とちょっと戸惑った。
でもお話は別のよう。
葉子という女性が最初は名前しか出てこなくて、山崎くんに深い悲しみだけを与えているから ひどい事があったんだろうと思って好感なんて持てなかったんだけど、想い出の中で葉子という人物が出てきてから、私は彼女が大好きになった。
そして彼が何故そんなにも深く悲しんでいるのかが とてもよく理解できた。
最後の方は涙が止まりません。
若い頃の過ちが年を重ねて大人になってからの自分にまだ深く影響を及ぼすって事、多かれ少なかれ誰にでもあるよ