感情タグBEST3
Posted by ブクログ 2024年03月21日
彼の人生が決して綺麗に繕うことなく日常的に淡々と綴られているからこそ、将棋の世界で生きるということが、そして病と共に生きていかなければならない現実が、彼にとって当たり前であったのだと強く感じさせられた。「面白かった」と軽々しく言葉には出来ない。ただ、ひたすらに、彼の強い信念と人間味のある生き方に強く...続きを読む心動かされた。将棋の知識は全くなかったけれど、一気に読み進められた。涙なしには読めなかった。
Posted by ブクログ 2024年03月20日
あまりに純粋に生きた生涯。
神格化される部分だけでなく、不器用な男の子人間味ある部分に惹かれる。
幼い頃から病気により自由のない世界にいたが、将棋に出会い、将棋を通して世界を広げていく。
Posted by ブクログ 2023年12月14日
病気を抱えながら生きる自分が自分自身であり、それは切り離して考えるかとはできない。病気が自分の将棋を強くし、ある意味では自分の人生を豊かにしているのだと考えた
土に還る
単行本は2000年2月の出版。表紙の写真の眼光は鋭い
2002年5月に講談社文庫として刊行
文庫本には、父伸一さんの「聖のこと」の...続きを読む文書が載っている
残した言葉
1年1年この思いを込めて生きて参りました。
生きる事は時の積み重ねです。年月日時分秒入院時、時計を病室に自分の目線で置いてなくなるまで
今日は何日今は何時と時を確認することが生きている証であるかのように
「土に還る」言葉を残して
残した物を整理する中でメモが出てきました。そこには、
人間は、悲しみ、苦しむために生まれてきた。それが人間の宿命であり、幸せだ。僕は、死んでも、もう一度人間に生まれたい。
と記されてありました
Posted by ブクログ 2023年10月31日
苦しい病で、きっと思うようにいかない人生。
それでも聖さんは、将棋に打ち込み、
またその生活で、
ありのままに強く生き、人に愛され、時にはぶつかり、
そして羽生さんとの名勝負を繰り広げた。
人生なにが幸せ、なにが成功か、わからないが、
聖さんの生きた軌跡を知れば大きな感動を覚える。
Posted by ブクログ 2023年09月08日
こんなに最初から最後までずっと胸を熱くさせ続ける本があったのかと驚いている。
まったく将棋のルールはわからないのに。
今まで出会ってきた本の中で一番好きだと言える。
しかし絶対に麻雀仲間には教えたくない。スイッチ入って勉強でもされたら困る。
すごい本に出会ってしまった。
Posted by ブクログ 2023年08月20日
村山聖さんの病気と戦う姿、将棋への情熱、勝ちへのこだわり、純粋な人物像に衝撃を受けた。
そして森さんとの関係性にとても心を打たれた。
P.180寒い冬の深夜にばったりと会って、森さんが村山さんの手をさするシーンがとても好き。泣きそうになるくらい美しいやりとり。
村山さんのように、自分のやりたい事が...続きを読むはっきりしていてそれに向かって迷いなく突き進む人生に憧れを感じている。
でも自分には出来ないと感じて、立ち止まってしまった時、この本を再び読むことでまた勇気をもらえる。
何回も読み返している、自分にとってすごく大切な本。
Posted by ブクログ 2022年02月16日
これは星5
いや評価することがおこがましい
400ページ近くもある本をちゃんと全部読んだの初めてかも
さとしさん知らなかったけどすごい人だった
自分ももっと生を命を大事にしないとと思った
Posted by ブクログ 2022年01月11日
映画を観に行って、観終わったら周りのお客さんが原作を読むべき、といってたのでなんとなく手に取ってみたけど、本当に名著だった。
文章がめちゃめちゃ上手いのと(雑誌編集の人みたいやから、作家よりもある意味読みやすく書くのが上手いのかな?)、なにより村山聖への愛が凄い。
読んでみて、この人に本当に会ってみ...続きを読むたくなる。
この人はどんだけつらくて、本当に死ぬ気で生きてたんやろう。今の自分なんて死んだように生きてるなと本当に思った。程度こそ違うけど、今ヘルニアが本当につらいなかで、それを理由に逃げてしまうことが多いけど、この人はネフローゼっていう大病すら糧にする。本当にすごい。
ここまでキャラを描いてここまで会ってみたくなるなんてことはなかなかない。
映画でなんでそこに拘る?みたいなんがわかる部分もあって、読んで良かった。本来はこういうのやったんや、というのをどうしても映画は見せなあかんから多少変えてたのが、原作やとまた違ってぐっとくる。
ご家族も師匠や親い人たちは本当に大変やったやろうな・・・
Posted by ブクログ 2021年06月27日
村山聖という将棋士について予備知識もなく、ただ、1冊の本として読んだのだけど、号泣してしまった。
なんと言っても、同じ1969年生まれということ。
私がのほほんと、人並みに育てられ、勉強して、就職して、恋愛して、結婚して、子どもを授かるという29年をすごしているまさにその時に、この壮絶な人生を平行し...続きを読むて生きていたのか!というショック。
そして、お父さんが聖の注文の品を日々探して買いに行く姿、お母さんの思い、もう涙するほかなくて、
そして、幼い頃から病とともに生きた聖の生き様にとにかく畏怖の念を抱かずにはいられない。
Posted by ブクログ 2021年04月05日
末期の広島で、休みだったレストランに親子2人で入って1時間も座ってまっていたシーンが切ない。聖の将棋への想いと、周りの人達の優しさが印象的。
伊集院静さんからのメッセージにぐっときた。
Posted by ブクログ 2021年03月20日
天才羽生善治に対し、怪童と呼ばれた一人の棋士がいました。
幼い頃ネフローゼという難病にかかり、癌を発症してからも将棋に命を懸けた〝村山聖(さとし)〟の物語です。
父親に勧められ療養所のベッドで将棋にのめり込みます。
将棋は彼の翼になりました。
時には無謀な情熱で、真っ直ぐに名人を目指します。
親を...続きを読む責めることもなく、愚痴ることもなく、ボランティアや寄付を続けたのは、彼の死生観がそうさせたのでしょう。
将棋以外無頓着ながらも、周りの人を惹きつける可愛さと優しさ、夢に向かう純粋さで友情も育まれていきます。
10年間同居生活をした師弟愛にも心打たれました。
全てを受け止めてくれた家族に支えられ、29年間の青春を駆け抜けたのです。
最後の『聖のこと』は、親目線で父親の思いに胸が強く締め付けられました。
将棋の知識のない私でも、人生のベスト10冊に入れたい本です。
Posted by ブクログ 2021年03月14日
A級在籍のまま29歳で亡くなる時まで、人生の最後まで、名人になるという夢に向かって、将棋を追求し、努力を続けていた、ということには、言葉がない。尊敬とか、脱帽とか、素晴らしいとか、そんな程度の言葉は軽すぎるのでは。そして、そんな風に追い求める目標を持って、努力できるのか、やらなければ、という気持ちに...続きを読むなる。
純粋さ、素直なところ、そして何よりも強い気持ちで夢を追い求める気持ち。何度目かの再読だが、いつも力をもらうことができる。
村山聖(さとし)は、5歳で腎ネフローゼを発症。入院中の気晴らしにと、父がいろいろと教えてくれたゲームの中で将棋に興味を持ち、6歳の頃から将棋の本を読んで独学で強くなったという。(お父さんは初心者だと)小学3年生頃に初めて大人と対局、もっと強くなりたい、そして勝ちたいと思うように。
中学1年でプロ入りを希望、師匠の森信雄六段と運命の出会い。故郷の広島を離れ、大阪で師匠と暮らし始めるも、症状が悪くなって広島暮らしに戻ることも。
プロの将棋の過酷さも描かれている。昇級に年齢制限があり、到達しなければ辞めなければならない。昇級にはリーグ戦で勝つしかなく、対局は半日を超えることも当たり前。対局前に食べられなくなったり、敗戦後に体調を崩す棋士も多いとか。村山聖は、敗戦後には症状が悪くなり数日間動けなくなることが何度も。それでも名人を目指して挑み続けた村山聖。入院中に周りで亡くなった人を思い、誰かに勝って自分が登るしかない世界に悩んだことも。
Posted by ブクログ 2023年08月13日
一切の予備知識もなく手に取った本なので、この本がまさかノンフィクション作品であったとは知りませんでした。
また恥ずかしくも、私は将棋の世界についてほとんど知識もなく、駒の動かし方くらいしか将棋については分かりません。なので、当時騒がれていた、棋士の羽生善治という名前だけは聞いて知っている程度の貧弱な...続きを読む将棋知識です。
棋士、羽生善治が頭角を現してきたその同時期、もうひとりの棋士、村山聖という人間がいたことを初めて知りました。
その彼が、どのような人物でどのような生涯を送ったのかをこの本によって知ることができたことは、とても価値がありました。
Posted by ブクログ 2023年08月04日
3月のライオンを読んでいるので、モデルの方、ということは知っていて、映画にもなっていて気になっていたので購入。しばらく積読でしたが読み始めたら止まらなくなりました。
母という立場からみてしまうと、腎臓の病気なのに定食屋のご飯毎日食べてて大丈夫かな…とかお酒飲み過ぎやめて…とかちゃんと入院して…と思...続きを読むうことが多々あり。
でも親元を離れて管理されずに自分のスタイルで生活すること、
医者に止められても将棋を打つこと、名人になるため努力し続けること、
が彼にとっての「生きること」だったんだろうなぁと感じた。
実際に親交のあった著者の方の温かい眼差しが終始感じられてよかったです。
Posted by ブクログ 2023年02月06日
淡々と聖の過ごした奇跡が時におかしく続いていく。
淡々と名人を目指し、一歩一歩歩む聖。
紛れもなく地道にそして着実に進化を遂げていくそれは本人の言葉では努力ではなく当たり前のことであろう。
それほど素直な愛された人。
全ての聖のエッセンスが
最後の方の
『生きているものを切るのはかわいそうじゃ』とい...続きを読むう聖によって使い古された言葉によって集約されていて号泣した。
Posted by ブクログ 2022年08月14日
3月のライオンの二階堂くんのモデルになっていると知って興味をもった口なので、カジュアルに読みはじめたのだが、かなり早い段階で引き込まれてしまい、すぐに真剣に読んでしまった。
Posted by ブクログ 2022年06月20日
将棋はルールをちょっと知ってる程度だけど、この人がどんな人だったのか気になって読んだ。
なんとも憎めないキャラで、みんなに可愛がられた愛すべき人だったんだなと思った。
そしてそれとは対照的なほど、将棋に捧げるエネルギーや、病気への複雑な感情がせつなかった。
死が間近な病室で棋譜を見ながら将棋盤に向か...続きを読むうシーンの描写が鮮やか。
こんなにも好きなことに打ち込めることが羨ましくなった。
Posted by ブクログ 2022年06月18日
幼くして腎ネフローゼという難病にかかり、入退院を繰り返す中で将棋に出会い、その魅力に魅了され棋士になる。将棋をさす事が自分の命を削っているようで痛々しい描写も。
難病と闘いながら、将棋でも戦う姿は、涙なしでは読めない。村山聖という棋士がいた事を忘れてはいけないと思う。
Posted by ブクログ 2022年05月31日
私個人は将棋を指さず、また将棋ファンでもありません。ただ、時々ノンフィクションを読み、小説とは違う、未知で実在した(する)人の生き様を知り、感銘を受ける機会も大切にしたいと考えています。
短い生涯を彗星の如く駆け抜けた天才棋士・村山聖(さとし)にまつわる本書は、出版から20年になるのですね。沢山...続きを読むの新しい感動をいただきました。そう言えば、松山ケンイチさん主演で映画化されました。
天才等の称号をもつ有名棋士の自伝は数多あるでしょうが、本書は『泣き虫しょったんの奇跡 サラリーマンから将棋のプロへ』(瀬川晶司 著)と対極をなすのでは? と個人的に思いました。一人の人間が見せる多面的な側面を炙り出す素晴らしい内容でした。
藤井聡太五冠(R4.5現在)の活躍で空前の将棋ブームのようですが、将棋だけでなく病気や年齢とも壮絶な闘いを繰り広げた棋士がいた・いる事実を、また陽の目を見ずに道を閉ざされた多くの棋士・奨励会員がいることをしっかりと胸に刻みたいと思います。
29年の生涯は、一般的尺度からすると短いのでしょうが、その中身は人の何倍も濃密で、生きること・将棋をし名人を目指すことの意味を問い続けた泥臭くも純粋な生涯は、決して色褪せることはないでしょう。
『聖の青春』という直接的で分かりやすいタイトルが、もっと多くの若い読者の獲得につながることを願います。
Posted by ブクログ 2022年05月21日
言わずもがなのノンフィクション作品。29歳で逝去した村山聖棋士の生涯を描いた感動作。なにげない、ふとしたところで死を意識した言葉や行動が描かれており、彼の置かれた状況がひしひしと伝わってくる。他方で、少女漫画やミステリー好きな一面やすさまじい部屋の状況など、人間味あふれるエピソードにも事欠かない。特...続きを読む段、将棋ファンではないが、この村山という人間にすっかり魅了されてしまった。
特に森先生との出会いと絆が印象に残っている。病気だとはいえで、誰もが森先生のように若かれ日頃の村山に接することはできないだろうと思う。森先生の存在、村山への接し方について、強く心に残った。また、自責の念を吐露する両親や兄の気持ちが胸に響く。病気があるかないかなんて関係なく、自分なら子供にどんな生き方をさせてあげられるだろうかと、考えずにはいられなかった。
Posted by ブクログ 2021年10月27日
命をかけるとはこのことを言うのか、とそんなふうに思った。いかに自分が甘く中途半端な人生を歩んできたのか、恥ずかしくなってしまった。羽生善治先生とのライバル関係は凄く熱いです!
Posted by ブクログ 2021年08月14日
村山聖さんの生涯における将棋との関わり。
親、家族、師匠、ライバル、著者などとの関わり。
とても魅力的な人だったんだろうなあ。
病をもつ体であっても、将棋のために。
全精神を費やしてきた。
ひとつのことに己を捧げられる集中力と心を見習いたい。
Posted by ブクログ 2021年06月16日
村山聖氏のこと、彼が28歳で亡くなったこと、あの羽生善治九段のライバルであったことはもちろん知らず、そもそも将棋についても全く知識のカケラも持ち合わせていませんでしたが、すっかり村山さんの生き方に引き込まれました。
幼い頃から入院生活を繰り返し、成人してからも自分の病気と付き合って行くことを強いら...続きを読むれながら、棋士として名人を目指していく。本書に書かれていること意外にも相当な苦労と困難があったのではと思います。遊びたい盛りに、同世代と同じように遊ぶことも出来ない。後期、ひたすらに友人や他の棋士たちと夜な夜な酒を飲みその度に病院へ担ぎ込まれるのはそれまでの不自由さへのせめてもの抵抗だったのではないでしょうか。
彼のように一途に、強く逞しく自分に嘘をつかない真っ直ぐな生き方ができる人間には自分は程遠いなあと、こんな風に無意識に他人の心を動かせるような人間になれるだろうかと、読んだ後はそんなふうに自分自身を省みずには居られなくなりました。
Posted by ブクログ 2021年05月02日
医療従事者なので、病気と闘う人達が身近にいる。本当に理不尽だと思うこともある。
でも、病気だけは本人にも、周りにもどうにも抗えないことがある。正直、あの子にこうしてあげた方が良かったんじゃないかと後悔の気持ちで思い出すことも中にはある。平気そうな顔をして日々働いているけど、それは考えないように訓練さ...続きを読むれてるからだ。なので、多分一般の人が読む感想とかなり違うんだと思う。
運命を受け入れて(受け入れてないのかもしれないけど)、大きな夢を持って、努力して、青春を謳歌して、人に愛されて、人の記憶に残って、棋譜という後世に残る作品を作り上げた強靭な精神。将棋というものに出会えて本当によかったんだろう。
あとがきのお父様の想いに胸をうたれる。私なら、自分の子どもにこの人生を歩ませることができるだろうか。
大人になってから読んだので、同世代で読みたかったなと思います。
Posted by ブクログ 2021年02月14日
村山聖という人間の余りにも太く短く、儚い一生を描く
病気の残酷さ 夢の尊さ 親、師の愛 人々の優しさ 友情
難病を患っていたからこそ持ち得る事の出来た豊かな感性、純粋さ
病気の苦しさを計り知る事は到底出来ませんが誤解を恐れず言うとある種彼の事が羨ましくも感じます
将棋の対決の場面の際の説明は正直言っ...続きを読むて全然わかりません 棋士としての凄みは恐らく私には完全には理解出来ていないでしょう
伝わるのは彼の人間としての魅力 こんな人間がいるのかと 映像の方も見てみたくなりました
Posted by ブクログ 2023年04月29日
将棋のことは何も分からない。 村山聖さんもこの本で初めて知った。 病苦を背負い短命だったけれど、彼は将棋と出会えて幸せだったんだろう。 「名人になる。」という強い信念が彼の命の源だったんだね。 一見、偏屈に感じる性格も含め、みんなに愛されていたことがよく分かる。 もっと早く彼と出会いたかったな〜。
Posted by ブクログ 2023年04月16日
29歳で夭逝した、将棋の天才村山聖の生涯を描いたノンフィクション小説。
彼の部屋には将棋の本があふれていて、若くして結果を残す人は圧倒的な量のインプットと演習が必要なんだと感じた
Posted by ブクログ 2022年08月13日
筆者と彼と親しいが故に文中に主観をぶっこんでくることから、途中迄うーんと思ってしまったが、最後の父親の手記を読み、この本は彼の生き様を広く伝える事が目的なのだいうことを見逃していたことから腑に落ちた。
正直共感はできないが、村山自身も、健常者が真に彼のような人の気持ちを理解することは出来ず、哀れみも...続きを読む同情もない、と述べている所から、そういうものなのだろうと思う。勿論知ろうとする努力が大切であるのは前提として。