実話だからびっくり。
日本語教諭としてベトナムで暮らす著者が配偶者をなくした80代の認知症の母(Baちゃん)を引き取ることになったところから始まります。
越後の田舎で暮らし、飛行機にすら乗ったことのない高齢のBaちゃん。
初めての海外で、認知症にとって環境の変化は一般的に、混乱させ、認知症を悪化さ
...続きを読むせる恐れがあるとされており、周囲の反対もあるものの、娘である著者は、自分の生活拠点を変えることができないため、思い切って母(Baちゃん)をベトナムへ連れ出すのです。
ところが、ベトナムの風景は、Baちゃんにとって、その昔の日本を思い出させ、色んな事を思い出したり、一つ一つのことに感動したりと、良い刺激も与えてくれることが分かりました。
日本に比べ、発展に遅れがあったりで不便な面もあるけれど、そこはベトナムで暮らす日本人や現地の方たちの温かな気持ちによってカバーされ、地域の方たちにも温かく見守られて、Baちゃんは活き活きと生活し、娘と旅行に出かけたりと生活を楽しむ様子がよく伝わってきます。
Baちゃんは誰にでも方言丸出しの日本語で話しかけますが、ちゃんとそれが相手に伝わってしまうことが素晴らしい!
理解しようと心を尽くすベトナム人に、温かい気持ちになりました。
初めての国でいきなり暮らすことになっても、自然体で周りに溶け込むBaちゃんが素敵です。
1人でかってに散歩に行って行方不明になったり、怪我をして入院したりとハプニングもありつつ、周りの方たちに支えられながら暮らす母娘が素敵でした。
日本にはこういった助け合い、(自分も含めて)昔はあったのだろうけど、今は結構少なくなってきているから、読んでいて新鮮で、温かい気持ちになりました。