集英社新書作品一覧

  • ルバイヤートの謎 ペルシア詩が誘う考古の世界
    5.0
    『ルバイヤート』とは、11世紀のペルシアに生まれた天才オマル・ハイヤームが作った四行詩の総称であり、その詩集の名称である。ペルシア文化の精髄の一つと言われるこの詩集は19世紀、英国詩人フィッツジェラルド訳で注目を集め、今や世界中で翻訳されている。著者は、深い諦観と享楽主義が同居するこの詩の世界に触れることで、西域探検史、特に探検家ヘディン研究の第一人者として、中央アジア史と東南アジア史の調査研究を続ける道を拓いた。謎に満ち、今も人々を魅了する『ルバイヤート』。長年の研究調査で知り得たエピソードをまじえ解説し、その魅力と謎に迫る、誘いの一冊。【目次】はじめに/第一章 『ルバイヤート』とは何か/第二章 万能の厭世家、オマル・ハイヤーム/第三章 『ルバイヤート』と私の奇妙な旅/第四章 『ルバイヤート』をめぐるエピソード/おわりに
  • イランの野望 浮上する「シーア派大国」
    5.0
    2015年7月、欧米諸国との核開発問題協議が劇的な「合意」に達した。これによって、イランは国際社会のキープレイヤーとして大きく浮上する。シーア派イスラム大国として中東地域の「勝ち組」となり、「反米」というスタンスを利用しながら諸外国としたたかに渡り合い、シリア情勢の「黒幕」として暗躍するイラン。特派員として現地に駐在し、政治状況から庶民のメンタリティにまで精通する著者が、世界情勢を読み解くポイントとなるこの国の「素顔」と「野望」について詳細にリポートする。【目次】はじめに/第1章 シーア派大国への野望/第2章 核開発問題協議――「合意」へのプロセス/第3章 うごめく諸外国の思惑/第4章 「反米」の表と裏/第5章 等身大のイラン社会/第6章 日本はイランとどうつき合うべきか/おわりに
  • 西洋医学が解明した「痛み」が治せる漢方
    3.5
    日本国内で出されている処方せん総数のうちで、漢方薬が占める割合はわずか2%程度である。その理由は「科学的根拠が不明確」というものだ。しかし、漢方薬も西洋薬と同じように科学的なエビデンスに基づいた処方が可能である。著者はそれを「サイエンス漢方処方」と名づけ、薬剤としての特性や有効性を現代薬理学に拠って解説する。また、本書では、多くの現代人の悩みである「痛み」に特化し、腰痛や頭痛、歯痛など、様々な痛みの症状別に処方を紹介する。【目次】はじめに/第1章 漢方薬の薬剤としての正統性/第2章 漢方薬と西洋薬は構造と作用が違う/第3章 「サイエンス漢方処方」とは何か/第4章 痛みと鎮痛薬の正体/第5章 漢方薬を使った痛み治療の実際/第6章 ここが知りたい漢方薬 Q&A/おわりに/主な参考文献/巻末資料 サイエンス漢方処方に賛同する医師リスト
  • 自民党と創価学会
    3.0
    90年代前半、自民党は機関紙『自由新報』において、池田大作創価学会名誉会長による金銭・権力の掌握構造や、政教一致問題を焦点に徹底的な批判を展開した。しかしそのわずか数年後には掌を返すように公明党と連立、「自公政権」は現在に至るまで続いている。権力の座を死守するためなら、かつての政敵とも簡単に手を握る自民党。政権与党に居座るためなら「平和・福祉の党」の看板を汚す公明党=創価学会。この両党の親和性と癒着の構造を、膨大な資料、証言をもとに徹底追及する。【目次】はじめに/第一章 「自由新報」の激しい創価学会批判/第二章 禁じ手だった「自公連立」/第三章 自民党の変質/第四章 創価学会・公明党の体質とゆくえ/おわりに/『自民党と創価学会』関連年表/参考文献
  • 野生動物カメラマン
    3.9
    世界的動物写真家・岩合光昭。今やライフワークとも言えるネコの写真でその名前を知る人も多いだろう。だが、彼の真骨頂は野生動物の撮影にある。サバンナでライオンの母子が鼻をくっつけ見つめ合う姿、中国奥地で80センチの至近距離から撮ったジャイアントパンダの授乳シーン、アラスカの海でザトウクジラが見せた迫力のバブル・ネット・フィーディング…。なぜそんな劇的な瞬間が彼にだけ訪れるのか。世界中の人々を魅了してやまない数多の写真と共に、驚きの舞台裏と野生動物への尽きせぬ想いを綴る。【目次】第1章 アフリカ・サバンナの狩人たち/第2章 北極圏の大物たち/第3章 南極圏に営巣する海鳥たち/第4章 人気者の知られざる野生/あとがき
  • すべての疲労は脳が原因
    3.6
    疲労回復物質の存在が明らかになって以来、疲労に関する科学的調査が進んでいる。その結果、私たちが日常的に使う「体が疲れている」とは、実は「脳の疲労」にほかならないことがわかった。疲労のメカニズムとは何か、最新のエビデンスをもとに解説する。また、真に有効な疲労対策や乳酸、活性酸素、紫外線、睡眠との関係なども明らかにし、疲労解消の実践術を提示する。【目次】はじめに 疲労を科学することとは/第一章 疲労の原因は脳にあり/第二章 疲労の原因物質とは/第三章 日常的な疲労の原因はいびきにあった/第四章 科学で判明した脳疲労を改善する食事成分/第五章 「ゆらぎ」のある生活で脳疲労を軽減する/第六章 脳疲労を軽減するためにワーキングメモリを鍛える/あとがきにかえて
  • 赤ちゃんと脳科学
    3.7
    極端な育児観をもつ親が増えている。赤ちゃんが集中しているからと1日7時間もテレビを見せる、手当たりしだいに育児教室に通わせる、赤ちゃんが思いどおりにならないからと自信喪失する。これらの行き過ぎた現象の背景には、20世紀的な右肩上がりの成長、発達観があるのではないか。「子どもの成功」にこだわりすぎることで、子どもからの自然な成長のメッセージを無視しているのではないか。本書では、脳科学、発達行動学を専門とする小児科医が、親を駆りたてる早期教育、臨界期等の“科学的根拠”をもう一度科学的に検証しなおすことで、「普通の育児」こそが今まさに重要であると説く。新しい「赤ちゃん学」の誕生である。【目次】序章 悩める母親の育児事情/第1章 誤解を生んだ「科学的根拠」/第2章 胎児の能力の不思議/第3章 生後二ヶ月革命/第4章 神経ダーウィニズムと子育て/第5章 テレビと育児/第6章 育児の目的と目標/第7章 子どもの発達を幅広く「見る」/あとがき/参考文献・引用出典
  • 安倍官邸とテレビ
    3.0
    安倍官邸は、時にはハードに、時にはソフトに、さまざまな手管を駆使しながら「免許事業」であるテレビ局を揺さぶり続けている。NHK人事への「介入」、選挙報道に対する「お願い」、番組内容に関する呼びつけと事情聴取、各局経営幹部との頻繁な会食、総理出演局の露骨な選別、放送法の解釈をめぐるBPOとの対立、スポンサーへの圧力を広言する議員、「キャスター個人攻撃」の意見広告、「電波停止」に言及する大臣――などについて解説し、政権に翻弄されるテレビ報道の実態を示す。【目次】はじめに 安倍政権にとってのテレビとは?/第一章 自民党とテレビ/第二章 安倍晋三氏とテレビ/第三章 NHKと民放/第四章 第二次安倍政権によるメディア介入/第五章 「表現の自由」は誰のために/おわりに
  • 悲しみの子どもたち ――罪と病を背負って
    4.0
    罪と病という二重の試練を背負った子どもたち。医療少年院で、精神科医として彼らと向かい合う著者が、多くのケースとの関わりを通して、異常な行動の根底にある問題に迫っていく。なぜ、彼らは自らを傷つけ、他人を害さねばならなかったのか。想像もつかない冷酷な犯罪を犯してしまったのか。損なわれた心は回復できるのか。人との絆は取り戻すことができるのか…。だが、そこに浮かび上がるのは、決して特別な子どもたちだけの問題ではない――。圧倒的な事実の重みと、子どもたちの悲しみが胸をつく、臨床現場からの痛切なメッセージである。【目次】はじめに 社会を映す鏡としての医療少年院/第一章 回避空間の病理/第二章 親という名の十字架――愛情飢餓と命がけの自己アピール/第三章 劣等感に塗れて/第四章 運命を分けるもの――非行発現のメカニズム/第五章 社会が生み出す非行/第六章 壊れた心は取り戻せるのか?/第七章 本当の希望を取り戻すために/おわりに 明るい未来は明るい子ども時代がつくる/参考文献
  • 語学で身を立てる
    3.9
    老若男女を問わず、多くの人が語学を学び始めている。英語だけでなく、さまざまな言語に関心が拡がっている。そして、そうした人たちの多くが、外国語を習得したのち、それを仕事に生かしたいと考えている。しかし、実際に語学力を仕事に結びつけていくには、どのような方法があるのだろうか。本書は、通訳や翻訳家といった代表的な職業だけでなく、初心者向けに、何のために語学を学ぶのか、学んだ語学をどう仕事に生かすのかについて、指針を与える。【目次】はじめに/一 語学力を生かす三つの道/二 語学スペシャリストの三つのタイプ/三 語学エキスパートになるための資質/四 分野別キャリアアップ戦略/五 現状分析~いまなにをすべきか/六 語学専門家になるための勉強法/七 語学学習メソッドの種類と特徴/八 各国語翻訳市場概観/九 プロモーション戦略~いかに仕事を獲得するか/十 ケーススタディ~語学で身を立てている人々の実際/十一 FAQ~頻繁に受ける質問
  • ひらめき教室 「弱者」のための仕事論
    3.9
    コミックスの売り上げが累計2000万部を超える『暗殺教室』の漫画家、松井優征。デザインオフィスnendoを率い、プロダクトから建築まで、デザイナーとして世界的に高い評価を集める佐藤オオキ。「ものづくりに関して考えることが、ほとんど共通している」という二人のクリエイターの対話から明らかになる、創作活動でのひらめきの法則と、仕事や人生における問題解決のスキルとは? 「才能」ではなく、自分の「弱さ」を自覚することから始まる、あらゆる職業に通じる驚きの仕事論。【目次】はじめに/第一章 漫画の時間/第二章 デザインの時間/第三章 ひらめきの時間/おわりに
  • 普天間・辺野古 歪められた二〇年
    5.0
    「仲井眞知事の豹変と魂の飢餓を訴える翁長知事登場の謎を解く。普天間・辺野古問題の行方を考える必読の書」(鳥越俊太郎氏)。普天間基地移設と辺野古新基地建設を巡り、政府と沖縄県の対立が深刻化している。そもそも長年の過重な基地負担を軽減し、沖縄と“本土”の紐帯を取り戻すための「返還合意」が、なぜ民意を踏みにじる辺野古新基地建設の強行に転じてしまったのか。「普天間返還」を引き出した橋本首相の「トップダウン」は本当か? 突如浮上した「海上基地」の謎。「最低でも県外」を葬った「六五海里」の出所は? 不可解さに覆われた「普天間・辺野古二〇年」の実相に迫る。【目次】関連地図/はじめに 渡辺 豪/第一章 橋本龍太郎の「賭け」と「代償」/第二章 小泉純一郎政権下の「普天間」/第三章 鳩山由紀夫政権と「最低でも県外」/第四章 「粛々と実行を」――安倍晋三政権/終章 「歪められた二〇年」/おわりに 宮城大蔵/註/関連年表
  • イスラームとの講和 文明の共存をめざして
    3.7
    イスラームへの無理解と差別に根ざした欧米社会における軋轢。混迷を深める中東情勢。「文明の衝突」への憂慮から、これまで諸宗教や世俗主義者間の対話が様々な所で行なわれてきたが、現状を見る限り「対話」は残念ながら現実の紛争を止める力にはなりえなかった。イスラームと欧米の原理は、もはや「お互いを理解し合い、共約することは不可能である」という前提に立ち、これ以上の犠牲を避け、共存をめざすために「講和」を考える段階に来ているのではないか。中東研究の第一人者とイスラーム学者が、イスラーム法をふまえ、その理路と道筋を世界に先駆けて語り合う。【目次】はじめに 「文明の衝突」を超えるために 内藤正典/序章 世俗主義とイスラームの衝突/第一章 難民/第二章 新覇権主義時代の到来/第三章 講和という方法/第四章 日本がイスラーム世界と向き合うために/補遺 イスラーム法の講和規定について 中田 考/おわりに 西欧の「普遍理念」という偶像の時代の終焉 中田 考
  • 漱石のことば
    3.6
    ミリオンセラー『悩む力』の著者が、夏目漱石没後100年の年に、満を持して“名言集”に挑戦。漱石の平易な言葉は、今なお私たちに深い智慧をもたらしてくれる。「可哀想は、惚れたという意味」「本心は知り過ぎないほうがいい」「すれ違いは避けられぬ」「みんな淋しいのだ」「病気であることが正気の証」「嘘は必要」「一対一では、女が必勝」「頭の中がいちばん広いのだ」「片づくことなどありゃしない」。半世紀以上にわたり漱石全集を愛読してきた姜尚中が、密かに会得したこれらの“教訓”とともに、148の文章を紹介。本書は、混迷の21世紀を生き抜くための座右の書である。【目次】序章 残念な人生へのやさしい讃歌/第一章 かくも「私」は孤独である 【自我】/第二章 「文明」が人を不幸にする 【文明観】/第三章 たかが「カネ」、されど「カネ」 【金銭観】/第四章 「人の心」は闇である 【善悪】/第五章 「女」は恐い?! 【女性観】/第六章 「男」は男らしくない?! 【男性観】/第七章 「愛」は実らぬもの?! 【恋愛観】/第八章 「美」は静謐の中にあり 【審美眼】/第九章 とかくに「この世」は複雑だ 【処世雑感】/第一〇章 それでも「生きる」 【死生観】/終章 上り坂の向こう側へ/あとがき
  • 9・11ジェネレーション ――米国留学中の女子高生が学んだ「戦争」
    4.0
    2001年9月11日に起きた同時多発テロ。それは世界を震撼させ、戦争やさらなるテロへのきっかけとなっていく。ニューヨークの隣、コネチカット州のプレップスクールで学んでいた著者は、超大国アメリカの激震を身をもって体験した。街にはためく星条旗、混乱する教師や生徒、パールハーバーの再来という声、底なしの恐怖を利用する政府……。なぜアメリカは、アフガニスタン空爆からイラク攻撃へと続く、途切れることのない憎しみの連鎖へと突き進んだのか。歴史的事件を肌で感じ、「9・11世代」と名づけられた女子高生が、超大国アメリカの本質と日本の未来を問い、平和への願いを綴る。【目次】はじめに/プロローグ/第1章 変わりゆくアメリカ/第2章 アメリカとは/第3章 イラク攻撃は避けられたか/第4章 教育現場(キャンパス)からみた戦争/エピローグ/おわりに
  • 偶然のチカラ
    4.0
    人生に起こるさまざまな事柄――それらは、偶然のようにもみえ、一方では運命とも思える。不確実な現世のなかで、身に降りかかる幸不幸を、私たちはどう考えるべきなのだろう。未来が見えないとき、いったいどうしたらよいのだろうか。ストレスなく、楽しく暮らすためには、何が必要なのだろうか。占い、確率、宗教、スピリチュアルを超え、偶然のしくみを知ることから始める、幸せに生きるための新しい方法論。【目次】はじめに 偶然とは何か/1 自分で選択するべからず/2 世の中にはどうにもならないこともある/3 自分の身に起こったことはすべて必然と考える/4 たかが確率、されど確率/5 思いは全部どこかでつながっている/6 いい流れには黙って従う/7 すべてはなるようになる/注/あとがき
  • 「間」の悪さは治せる!
    -
    ビジネス、日常生活、人間関係などで「間(ま)」の悪さゆえに苦い経験をした人は多いはず。「間」のいい人と悪い人、その違いはどこにあるのか? 本書は、「間」のよさ、悪さは自律神経のバランスに起因するものであり、努力や工夫次第で「間」をよくすることができると説く。アスリートのコンディショニング指導などにも実績がある第一線の医師が、「間」をよくするための具体的方法を詳述。ストレスだらけの現代社会を上手に生きるためのガイドブックである。【目次】第一章 人生の質を高める「間」の力/第二章 「間」がいい人に病気は寄りつかない/第三章 「間」がいい人の思考法/第四章 人生を成功へと導く「間」のつくり方/おわりに
  • 自分を生かす古武術の心得
    3.5
    日本古来より伝わる様々な古武術を学ぶことが、広がっている。古武術的な身体の使い方や意識の持ちようは、現代にも通じる知恵に満ちているのだ。では、古武術をたしなむとは、実際にどのようなものなのだろうか。老若男女の日常生活にも有効といわれる、古武術の考え方とは? 手裏剣術や柳生新陰流での自身の経験と実践をもとに、女性時代小説作家がわかりやすく論じる。【目次】はじめに/第一章 手裏剣術との出会い/第二章 指南法を工夫する/第三章 稽古者の心理と型の理解/第四章 武術で身体を見直す――軸と重心の話/第五章 身体内外の環境とストレス/第六章 古武術健康法/第七章 新境地を得る心の持ちよう
  • フィンランド 豊かさのメソッド
    3.9
    経済協力開発機構(OECD)による生徒の学力調査(PISA)で、フィンランドの子どもたちがトップの成績を挙げて以来、その教育のあり方に注目が集まっている。またフィンランドは、世界経済フォーラム(WEF)の国際競争力ランキングでも、何度も1位に輝くなど、経済的にも発展している。充実した福祉、女性の社会進出、透明性の高い税金の使途……日本とは対極的とも言える、その成長の秘密は、どこにあるのだろうか。現地の大学院留学など、フィンランドで過ごした貴重な体験をもとに語る、“不思議で豊かな国”の素顔。【目次】はじめに へえー、フィンランド? 日本人には馴染みの薄い国だが……/第1章 不思議でとても豊かな国~失業率二〇%から国際競争力一位へ/第2章 学力一位のフィンランド方式~できない子は作らない/第3章 税金で支えられた手厚い社会~独立心が旺盛でたくましい女性/第4章 日本と似ている? フィンランド文化~異文化コミュニケーション/おわりに
  • 生きるチカラ
    3.9
    われわれの人生は、気にすればきりがないような小さな課題の連続である。人は、無数の選択を強いられながら生きており、ときには大きな困難に出合うこともある。だが、少し見方を変えてみると、正しい選択や誤った判断があるわけではないことがわかる。また、ふりかかる災難が、人生のきっかけにもなることもあるのだ。生きるのに正しいも間違いもない―-。世界の聖地を調査してきた宗教人類学者だからこそ書ける、自分の生き方を手に入れる道とは何か。「生きるチカラ」が不足している現代日本人に必読の書。【目次】はじめに/1 生きるのに「正しい」も「間違い」もない/2 あらゆる選択は誤りを含んでいる/3 金持ちはみんな不幸?/4 ふりかかった災難こそ人生のきっかけ/5 人間は支離滅裂でかまわない/6 自分の身に起こることはすべていいことなのだ/おわりに
  • 天皇とアメリカ
    4.0
    日本の近現代史を振り返ったとき、天皇は、伝統、宗教、土着、愛国心などを表象し、アメリカは、近代、合理主義、外来文化などの代名詞であったことがわかる。しかし、両極端であるはずのこれらの二つのキーワード――「日本的なものの象徴・天皇」と「帝国・アメリカ」は、複合的に絡み合いながら日本と東アジアの20世紀に関与し続けてきた。時に、天皇こそ近代であり、アメリカこそ宗教であるという矛盾の中から、果たしてどのような歴史像が浮かび上がってくるのか? 二つの奇妙な力の場を拠点に、歴史的想像力の可能性を切り開く!【目次】プロローグ テッサ・モーリス-スズキ/序章 天皇とアメリカの二〇世紀/第一章 近代/第二章 現代/第三章 現在/エピローグ 吉見俊哉
  • 国家戦略特区の正体 外資に売られる日本
    3.3
    安倍政権が成長戦略の一つとして進める「国家戦略特区」。東京圏を含む全国10の指定地域で、医療、雇用、教育、農業など重要分野の各種「岩盤規制」を取り払い「世界で最もビジネスがしやすい国」を目指すという。だが、その実態は、特区で得られる利益は外国企業に持ち去られ、地域間、国民間の格差をより拡大させる「治外法権区域」「植民地」に他ならない。日本のGDPの半分以上を外資に売り渡さんとする亡国の経済政策。その危険性を暴く。【目次】はじめに/第一章 「国家戦略特区」とはなにか/第二章 「国家戦略特区」が生む理不尽/第三章 アジアの「特区」でなにが起きたか/第四章 「国家戦略特区」は日本の破滅を招く/あとがき 国家戦略特区への提言に代えて
  • 「文系学部廃止」の衝撃
    3.7
    2015年6月に文科省が出した「国立大学法人等の組織及び業務全般の見直しについて」の通知を受け、各メディアは「国が文系学部を廃止しようとしている」と報じ、騒動となった。これは事の経緯を見誤った報道ではあったものの、大学教育における「理系」偏重と「文系」軽視の傾向は否定できない。本著では、大学論、メディア論、カルチュラル・スタディーズを牽引してきた著者が、錯綜する議論を整理しつつ、社会の歴史的変化に対応するためには、短期的な答えを出す「理系的な知」より、目的や価値の新たな軸を発見・創造する「文系的な知」こそが役に立つ論拠を提示。実行的な大学改革への道筋を提言する。【目次】第一章 「文系学部廃止」という衝撃/第二章 文系は、役に立つ/第三章 二一世紀の宮本武蔵/第四章 人生で三回、大学に入る/終章 普遍性・有用性・遊戯性/あとがき
  • 医療再生 日本とアメリカの現場から
    3.5
    医師不足や医療不信が同時多発的に拡大し、社会問題化した「医療崩壊」は、その後どのような道を辿ったのか。本書では、繰り返される医療事故をはじめ、「医療崩壊」後の日本医療が今なお抱える問題を、独自の職業観や医局運営術も交えながら検討し、米国での無給研究員時代より続く著者自身の実践から捉え直す。新医療事故調査制度や新専門医制度などの相次ぐ制度改革や、アメリカ型医療の流入といった目まぐるしい変化について、日米両国の現場で外科医療に携わった体験を交えて考察した一冊。【目次】はじめに/第一章 米国医療の光と影/第二章 日本の医療はなぜ崩壊したのか/第三章 外科医療はトキメキの宝庫/第四章 意識改革で外科医局再生――トキメキと安らぎのある村社会/第五章 日本医療の未来像/参考資料 「読売新聞」連載コラム
  • ブームをつくる 人がみずから動く仕組み
    3.7
    「うどん県」や「ひこにゃん」など数々の地方PRを成功に導いてきた“国民的ブームの仕掛け人”が、自身がこれまでに手がけた事例を挙げ、独自のノウハウを公開。予算も実績もないブランドや商品を、社会的な「ブーム」や「文化」に導いていくプロセスを詳細に解説する。時代の読み方、消費者が共感するメッセージの配信方法、低予算で最大効果を狙う戦略など、PR業界のみならず、すべての働く人々に役立つ、具体的かつ実践的な“人を動かす”技術を明らかにする。【目次】はじめに/第一章 人が自ら動く――PRにおける「ムーブメント思考」とは何か/第二章 個人の単位から社会的な動きへ/第三章 クライアントを納得させるプレゼン術/第四章 メディアを動かす/第五章 狙いどおりに永続的に動かす/おわりに
  • 新・都市論TOKYO
    3.8
    景気回復の実感はいまだ薄い。にもかかわらず、東京では空前の大規模再開発が進行中だ。林立する高層ビル、変貌する街の風景。これは、本当に“東京の再生”につながるのだろうか? 「都市は失敗の集積にほかならない。失敗を重ねた都市ほど偉大な都市だ」と語る建築家が、21世紀TOKYOを象徴する、5つのスポットを巡った。汐留、丸の内、六本木ヒルズ、代官山、町田。そこに見えてきたのは、どんな「失敗」と「未来」の姿だったのか?【目次】都市開発の手法を概観する/第一回・汐留 悲しい「白鳥の歌」が響き渡る二一世紀の大再開発/第二回・丸の内 東京の超一等地に三菱の「余裕」がどこまで肉薄するか/第三回・六本木ヒルズ 森稔の執念が結実した東京の蜃気楼/第四回・代官山 凶暴な熊に荒らされる運命のユートピア/第五回・町田 「郊外」かと思っていたら「都市」だったという逆説/対話篇・そして北京/あとがき
  • テロと文学 9.11後のアメリカと世界
    4.5
    21世紀を占う上で大きな転機となった9.11は、対テロ戦争や宗教問題を通じて、今なお政治や文化に大きな影を投げかけている。テロリズムをアメリカ国民がどのように受け止めたのか知ることは、今日の国際情勢を考える際の大きな手がかりとなるはずだ。ドン・デリーロやフィリップ・ロスらの有名作品から、「グラウンド・ゼロ・モスク」を髣髴させる『サブミッション』やイラク戦争帰還兵の現実を描出した『一時帰還』などの問題作まで、作家たちが描いた9.11以降のアメリカと世界を徹底考察した一冊。【目次】序章 9.11をめぐる物語たち/第一章 生と死のあいだの瞬間――「落ちる男」をめぐる物語たち/第二章 想像不能な人間たちを想像する――テロリストをめぐる物語たち/第三章 権力の横暴と戦う――犯罪とスパイをめぐる物語たち/第四章 ステレオタイプに抵抗する――イスラム教徒をめぐる物語たち/第五章 できる限り正直に書く――対テロ戦争をめぐる物語たち/第六章 アメリカの未来を見つめる――メモリアルとモスクをめぐる物語/終章 ポスト9.11小説のこれから
  • 生存教室 ディストピアを生き抜くために
    3.4
    マンガ『暗殺教室』(松井優征・作)は、「担任教師の“殺せんせー”なる超生物を卒業までに倒すこと」「そのために殺傷技術に練達すること」「中学生たちを学校で教育し成長させること」という一見まったく相容れない課題と一風変わった学校生活をスリリングに描写した傑作SFコメディ。この作品に武道家であり思想家の内田と武術家の光岡が着目。このマンガに内在する「師を超えること」という極めて教育的かつ武術的なテーマをはじめ、社会が完全管理に向かいつつある今、生きることの本質と、古来人間を支えてきた「古の身体」の文化、生き残るための武術的知性とは何かを縦横無尽に語る。【目次】はじめに 「戦争の切迫」というアクチュアルな状況で考える生存の知恵 内田 樹/第一章 生存のための文化とはなにか/第二章 古の身体文化 能と武術/第三章 生存のための学びと教えの作法/第四章 古の身体に帰って見える未来/おわりに 生存のための文化の本質を求めて 光岡英稔
  • 非線形科学
    3.7
    自然界の秩序は、どのように生み出されているのだろうか。すべてのものがエントロピーを生成し崩壊に向かう物理法則のなかで、どのように森羅万象が形づくられているのだろう? 自然にでき上がる模様などのパターン、自ずと同期するリズムや振動――実は、意思を感じざるを得ないような不思議な自然現象にも、複雑で手のつけようのなさそうな現象にも、明解な法則・能動因が潜んでいる。そして、非線形科学は、これまでの科学とは異なる視点から、その動的な機構を明らかにする。私たちに新たな自然観を与える非線形科学について、第一人者が分かりやすく解説した、知的好奇心を刺激する入門書。【目次】まえがき/プロローグ/第一章 崩壊と創造/第二章 力学的自然像/第三章 パターン形成/第四章 リズムと同期/第五章 カオスの世界/第六章 ゆらぐ自然/エピローグ
  • 【カラー版】ヤマザキマリの偏愛ルネサンス美術論
    3.7
    大ヒット漫画『テルマエ・ロマエ』のヤマザキマリを、ただ古代ローマと風呂が好きなだけの漫画家だと思ったら大間違い。実は17歳で単身イタリアに渡り国立美術学校で美術史と油絵を学んだ筋金入りの美術専門家なのだ。そんな彼女が初の美術論のテーマに選んだのは、偏愛する「ルネサンス」。しかしそこは漫画家。あの大巨匠も彼女にかかれば「好色坊主」「筋肉フェチ」「人嫌い」と抱腹絶倒のキャラクターに大変身。正統派の美術論ながら、「変人」をキーワードにルネサンスを楽しく解読する、ヤマザキ流芸術家列伝! 電子版は、紙の書籍でモノクロにて収録されていた、美術作品の画像もカラーで収録! ルネサンスの美術作品を、カラーでお楽しみください。【目次】はじめに/第1章 フィリッポ・リッピとボッティチェリ――ルネサンスを爛熟に導いた二人/第2章 愛しのラファエロ、ミケランジェロ、レオナルド――秀抜した「変人」としてのルネサンス三大巨匠論/第3章 型破りで魅力的な各地の「変人」画家たち――シチリア、ヴェネツィア、北方の絵画/第4章 王様から小説家まで ルネサンスの礎となった「変人」――わが敬愛するルネサンス人たち/第5章 あらためて、「ルネサンス」とは?――多様性と寛容さが世界を救う
  • 消えたイングランド王国
    4.0
    1066年、いわゆる「ノルマンの征服」によって、王や貴族、上級聖職者などイングランド王国の支配者層はことごとく、アングロサクソン人から仏語を母語とする「フランス人」に代わった。顧みれば、その僅か142年前にアングロサクソン諸王国を統一し誕生したこの王国の短い治世は、北欧世界から襲来する侵略者との戦いの歴史だった。だが、それは戦場に斃れたアングロサクソン人たちのヒロイックな生き様と共に、ひときわ眩しい光彩を放った時代として、今なおイギリス人の心に深く刻み込まれている。本書は、歴史の狭間に消えゆく故国に命を賭した、誇り高き、最後のアングロサクソン戦士たちの史録である。【目次】イングランド王系図/ウィリアム征服王系図/エゼルレッド無策王とクヌートの子供たち/プロローグ ある日の国連安全保障理事会/第一章 襲い来るデーン/第二章 勇者たち/第三章 終焉への足音/第四章 最後のアングロサクソン戦士/エピローグ 現代イギリス人のルーツたち/附録 モルドンの戦い
  • 経済的徴兵制
    4.2
    SEALDs奥田愛基氏推薦!「遠い未来の話ではない。これが現代の「徴兵」のカタチ。自衛隊が良いとか悪いとか言う前に、まずこの現状について、私達は知らないといけない」。安倍政権が強引な手法で安保関連法案を成立させ、集団的自衛権の行使に付随する「徴兵制」導入への不安が高まる中、現憲法に反する強制的な兵役制度ではなく、グローバルに広がる経済格差の余波を受けた貧しい若者たちを軍隊(自衛隊)に志願させる「志願制」、すなわち「経済的徴兵制」が水面下で進行している。本書では自衛隊における経済的徴兵の歴史と現状の詳説に加え、海外派遣に伴う本当のリスクを明らかにし、貧困にあえぐ若者がカネと引き換えに戦場に立たされる、この構造的な“悪制”の裏側に迫る。【目次】はじめに/序章 「経済的徴兵制」の構図/第一章 徴兵制から「経済的徴兵制」へ――アメリカ・ドイツの場合/第二章 自衛隊入隊と経済格差/第三章 自衛隊「リクルート」史/第四章 「学校を開拓せよ!」――募集困難時代への対応/第五章 戦地へ行くリスク――イラクの教訓/第六章 「戦死」に備える精神教育/第七章 「政・財・軍」の強固なスクラム/おわりに
  • 性のタブーのない日本
    3.6
    「目が合う」ということと「セックスをする」ということの間に大きな一線がなかった古代。「優雅な恋物語の世界」と思われがちな平安時代ですら、文学や絵巻物からは、強烈な「人間生理」とともに世界を認識していた日本人の姿が浮かび上がる。歌舞伎や浄瑠璃の洗練されたエロチック表現や、喜多川歌麿の錦絵に見られる独特な肉体観など、世界に類を見ない、性をめぐる日本の高度な文化はいかに生まれたのか? 西洋的なタブーとは異なる、国民の間で自然発生的に理解されていた「モラル」から紐解く、驚天動地の日本文化論。【目次】タブーはないが、モラルはある Introduction――現代の日本に性表現のタブーはあるのか?/第一章 それは「生理的なこと」だからしょうがない/第二章 「FUCK」という語のない文化/第三章 男の時代 ※カラー口絵は未収録となります。
  • 孤独病 寂しい日本人の正体
    5.0
    社会構造の激変によって、人々を強くつなぎとめていたかつての血縁や地縁をベースにしたコミュニティの機能は衰退し、いまや個人はネットと現実の間に頼りなく浮かぶような孤独な存在になってしまった。この孤独が病理的な色彩を濃くしていけば、まぎれもない病になってしまう。これを防いだり、癒したりするにはどうすればよいのだろうか。気鋭の精神科医が現代日本人を悩ます孤独とその寂しさの正体に迫る。【目次】はじめに/第一章 「孤独病」の時代/第二章 「孤独病」の構造/第三章 人を「孤独病」に追い込む思考習慣/第四章 「孤独病」、その暴走の果て/第五章 「孤独病」を癒す処方箋/おわりに
  • 丸山眞男と田中角栄 「戦後民主主義」の逆襲
    3.5
    軍国ファシズムを告発した戦後民主主義の思想的支柱・丸山眞男と、憲法改正には目もくれず民衆の生活向上に邁進した“コンピューター付きブルドーザー”田中角栄。辺境の少数者や、共同体のはぐれ者まで含めた、庶民が担うデモクラシーこそ政治の根幹であるとし、戦争体験とその悔恨を原点に、戦後日本を実践・体現した二人の足跡を振り返る。右傾化への道を暴走する安倍政権が「戦後レジームからの脱却」を唱える今こそ、国家による思惟の独占を阻み、闘い続けるための可能性を問う、闘争の書。【目次】まえがき(早野 透)/第一章 戦争は罪である――丸山と角栄の二等兵体験/第二章 はみ出し者の民主主義――丸山学派と田中派/第三章 市民か庶民か有象無象か――丸山思想から角栄を解読する/第四章 精神のリレーと断絶――民主主義の実践者たちの系譜/第五章 民主主義の永久革命――「超国家主義の論理と心理」『日本列島改造論』そして未来へ/あとがき(佐高 信)/丸山眞男・田中角栄 対照年譜
  • おとなの始末
    3.6
    「自分の人生にどう決着をつけていくか」は、人生の終盤を迎えた中高年にとって大きな課題である。定年を見据えたうえでの仕事への向き合い方、避けては通れない家族問題、いつか必ずやらねばならない生活環境の整理、老いていく自分への対応……。いわゆる“終活”にとどまらない、リアリティを持った人生の締めくくり方、始末のつけ方とは何か。自身の死生観や倫理観に対峙しながら、「自分の人生にどうかっこよく幕を引くか」をテーマに新しい生き方を考える。【目次】第一章 おとなの始末とはなにか――そのうちきっと、と思っているだけでは、「そのうち」は決してこない。/第二章 仕事の始末――仕事は楽しいか。あるいは苦痛でしかないか。楽しいと苦痛の様々なグラデーションを往復しているのが、おおかたの現実というものだろう。/第三章 人間関係の始末――血縁がすべてか? 「家族」と呼ばれる人間関係で、「家庭」と呼ばれる空間で、傷ついているひとはいないか? 友人関係においてもまた。/第四章 社会の始末――自由に生きたい。平和に生きたい。差別は、したくも、されたくもない。「殺し、殺される」法律など、まっぴらごめん。だからわたしは、声をあげる。/第五章 暮らしの始末――暮らし、というこの愛おしくも懐かしくも、けれど、時に、うっとうしいもの。『Good Morning Heartache』でも聴きながら、暮らしと向き合ってみよう。/第六章 「わたし」の始末――第一章から第五章まで、なんとか辿りつけたとしても……。最も高いハードルがまだある。/あとがきにかえて
  • 英語屋さん ―ソニー創業者・井深大に仕えた四年半―
    3.9
    ソニーの平凡な一社員にすぎなかった著者は突然、会社創業者である井深大氏の「英語屋」=通訳兼カバン持ちに任命される。だが帰国子女でもなければ留学経験さえない著者は、海外の超一流のVIPを相手に自己流の英語術で奮闘する羽目に。井深氏の持論である幼児教育論や東洋医学のやたら難しい専門用語に冷や汗をかいたり、創業者らしい“格調高い”英語のスピーチの原稿を書き上げるのに四苦八苦したり…。本書はそのような著者の四年半にわたる経験を、井深氏およびその周辺の人々とのエピソードや、そこでつちかった英語力育成のノウハウを交えながら書き綴ったものである。【目次】第1部 新米英語屋の勉強帳/第1章 社内「英語屋」ハンティング/第2章 英文レターへのこだわり/第3章 悪戦苦闘の駆け出し通訳/第4章 キーワードは「創造」/第5章 アメリカへ!/コラム 忘れ得ない人々・その1 井深さんを支えた若手スタッフ/第2部 汝の主を知れ/第6章 どこでもついて行くカバン持ち/第7章 東洋医学と0歳教育/第8章 「井深さん流」英語上達法/第9章 井深さんへのファンレター/コラム 忘れ得ない人々・その2 大企業トップの秘書/第3部 英語屋の卒業論文/第10章 お客様、ご案内~!/第11章 VIPが会社にやってくる/第12章 ボクの通訳プレイバック/第13章 国王陛下を笑わせろ!/第14章 たかが英語屋、されど……/あとがきにかえて
  • 英語屋さんの虎ノ巻
    3.0
    あの『英語屋さん―ソニー創業者・井深大に仕えた四年半』の著者は、英語にどう取り組んできたのか――読者から寄せられたその疑問に応えるために、本書では、帰国子女でもなければ留学経験もない著者が、「英語屋さん」を経て産業翻訳者になるまでに編み出したコミュニケーション技術のノウハウを一挙に公開する。豊富な語彙を身に付けたカード学習法から、ビジネスで役立つ電子メールのコツ、プレゼンでの受け答えのヒント、インターネットの活用法など、実用的な情報がぎっしりつまった「虎ノ巻」が満を持して登場! 【目次】はじめに/第一章 日本人は「英語ができない」のか?/第二章 「英語屋さん」の勉強法/第三章 効果的なビジネス英語術/あとがき
  • 宇宙背景放射 「ビッグバン以前」の痕跡を探る
    3.7
    138億年前、宇宙が誕生して僅か一兆×一兆×一兆分の1秒後に発せられた光を捉えることができたとしたら……。著者が率いる宇宙背景放射、原始重力波の観測プロジェクトは、ビッグバン以前の宇宙を描き出すインフレーション理論を実証する壮大な計画である。宇宙開闢の謎を解き明かすべく、本書は「波」「空間」「スペクトル」など物理学の基礎から「Bモード偏光」など最新の概念までを分かりやすく説き起こす。理論研究者たちが解説する数式の世界では味わうことのできない、最先端実験のスリリングな魅力が明らかに! 【目次】まえがき/第一章 宇宙の「ルールブック」を求めて――素粒子実験から宇宙誕生の瞬間を撮る実験へ/第二章 ビッグバンとCMB/第三章 「空っぽ」の空間/第四章 インフレーション仮説/第五章 原始重力波とBモード偏光/第六章 ポーラーベアの挑戦/第七章 戦国時代のBモード観測――ライバルとの競争、そしてライトバード衛星へ/あとがき
  • 奇跡の村 地方は「人」で再生する
    4.0
    少子高齢化と人口減少により「地方消滅」が叫ばれて久しい。そんな中、長野県下伊那郡下條村は、全国の自治体関係者から「奇跡の村」と呼ばれている。少子化対策に目覚ましい成果をあげてきたからだ。「陸の孤島」と揶揄される人口約4000人の山村が、1998~2002年の5年間平均出生率で長野県トップを記録。現在でも、全国平均1.43人を上回る1.88人(2013年)と、トップクラスの高い出生率を誇る。その秘密はどこにあるのか? この下條村を中心に、独自の移住促進策で「消滅論」に抗う各地の山村を取材。この先の社会に光を点す、希望のルポルタージュである。【目次】はじめに/第一章 奇跡の村「下條村」/第二章 消滅可能性ナンバーワン? 「南牧村」を訪ねて/第三章 人をつなげる役場職員「旧・藤野町」/おわりに
  • ガンジーの危険な平和憲法案
    4.1
    その膨大な講和の中から、憲法にかかわる部分をまとめた『自由インドのためのガンジー的憲法案』が、60年前のインドで刊行されていた。しかし、建国の父とまで謳われた聖人の憲法案は、今日に至るまで黙殺されたままである。それは一体なぜなのか? その謎を解く鍵は、産業資本主義の生産方式とライフスタイル、および国民国家の存立根拠とは相容れない幻の憲法案を、もう一度精査することにある。日本国憲法第9条とはまったく異質なその戦争放棄思想は、金融資本主義が壊滅しつつある現在、異様なリアリティをもって我々に迫ってくる!【目次】はじめに/第一章 最大のタブー/第二章 幻の憲法論の全貌/第三章 起こったことと、起こらなかったこと/補論 ガンジー思想の可能性/おわりに
  • 「狂い」のすすめ
    3.8
    今の世の中、狂っていると思うことはありませんか。世間の常識を信用したばかりに悔しい思いをすることもあるでしょう。そうです、今は社会のほうがちょっとおかしいのです。当代きっての仏教思想家である著者は、だからこそ「ただ狂え」、狂者の自覚をもって生きなさい、と言います。そうすれば、かえってまともになれるからです。人生に意味を求めず、現在の自分をしっかりと肯定し、自分を楽しく生きましょう。「狂い」と「遊び」、今を生きていくうえで必要な術はここにあるのです。【目次】I 「狂い」のすすめ/II 人生は無意味/III 人間は孤独/IV 「遊び」のすすめ/あとがき
  • 悪の力
    3.5
    川崎市中一男子生徒殺害事件、群馬大病院事件、名古屋大女子学生の殺人・傷害・放火事件、酒鬼薔薇聖斗、ルフトハンザ系航空機墜落……。周囲では日々、「悪の力」が増大しているように映る。そして、ひとたび「悪」を見出したとき、人々は心の奥底からどす黒い感情が湧き出すのを感じるだろう――“こいつだけは許せない”、と。しかし、そうした憎悪のエネルギーは、実のところ「誰かと繋がりたい」という叫び声でもある。現代人を苦しめる「悪」はどこから生まれるのか。私たちはそれとどう向き合えばいいのか。100万部のベストセラー『悩む力』の著者が、人類普遍の難問に挑む。『教団X』の中村文則氏推薦!【目次】プロローグ/第一章 悪意に満ちた世界/第二章 悪とは何か/第三章 なぜ悪は栄えるのか/第四章 愛は悪の前に無力か/エピローグ/後書
  • 愛国と憂国と売国
    3.5
    山紫水明、天壌無窮の祖国が、原発事故によって穢された。この未曾有の国難に、われわれが闘うべき、本当の敵は誰か――? 被災地を救った天皇陛下のお言葉と自衛隊のこと、脱原発デモと街宣車、故郷・東北への想い、右翼人の目覚め、憲法改正問題、左右両派の傑人との親交、三島由紀夫が問い続けるもの…など、かつて行動派、今は理論派右翼として半世紀近くにわたって日本を見つめてきた著者が、日本人に伝えたい想いのすべてを綴る。【目次】序章/第一章 右翼人の憲法論/第二章 右翼人の作られ方/第三章 右翼人の生活と意見/第四章 私が出会った素晴しい人々/第五章 右翼人と左翼人/第六章 右翼人にとっての三島由紀夫/あとがき
  • 原発訴訟が社会を変える
    3.7
    ビジネス弁護士として、バブル期に数々の大型経済事件を手掛けた著者が、原発訴訟でも徹底して勝敗にこだわり、ついに高浜原発三・四号機の運転差し止め訴訟で画期的勝利を収めた。その法廷戦術や訴訟の舞台裏を初公開する。さらに、脱原発を実現するために著者自ら監督・製作した映画『日本と原発』の重要シーンや製作秘話についても解説。本書は、日本からすべての原発をなくすための闘いの記録であり、原発推進派の巧妙な手口に対抗するための強力なツールとなる!【目次】はじめに/第一章 原発事故で「裁判所」が変わった/第二章 なぜ「脱原発」にこだわるのか/第三章 映画を通して原発と闘うための「武器」を配りたい/第四章 司法の場で「脱原発」を勝ち取る/第五章 「脱原発」のためにできること/おわりに
  • 宇沢弘文のメッセージ
    4.0
    宇沢は走り続けた。走りながら考えた。社会を本当によくするためには何が必要か――。ノーベル経済学賞にもっとも近いと評された宇沢は、その評価を自ら否定する形で自動車の社会的費用、成田闘争、地球温暖化、教育問題等々、20世紀後半に日本社会が直面していた困難な課題に立ち向かっていった。本書では、宇沢理論とマルクス経済学との関係を始め、これまで語られることのなかった側面にも言及。およそ30年間、宇沢の仕事に伴走してきた岩波書店の名編集者が、“人間が真に豊かに生きる条件”を求め続けた天才経済学者の魂のメッセージに肉薄する! 初の宇沢思想入門。【目次】はじめに/序章 数学から経済学へ/第一章 アメリカでの活躍とベトナム戦争の影/第二章 自動車の社会的費用/第三章 近代経済学の再検討―宇沢思想の出発―/第四章 「豊かな国」の貧しさ/第五章 「成田」問題とはなにか/第六章 地球温暖化に抗して/第七章 著作集の刊行、そして教育問題への提言/終章 社会的共通資本という思想/あとがき
  • 【カラー版】江戸の経済事件簿 地獄の沙汰も金次第
    4.0
    【電子特別版・カラー画像多数収録!】赤穂浪士に始まり、歌舞伎や近松門左衛門の文楽、落語などに出てくる、江戸時代に日本各地で起きた様々な金銭がらみの事件や出来事。江戸文化研究家が、それらが描かれた歌舞伎、文楽、落語、浮世絵などを取り上げながら近代資本主義以前の江戸の経済について多角的な視点でわかりやすく解説する。豪商から貧乏サムライ、遊郭の遊女、賄賂に宝くじまで、お金をめぐる江戸の人間模様を通じて、資本主義の行き詰まりがささやかれる今、経済と金の実相を江戸に学ぶ。【目次】まえがき/序 金が敵の世の中――『忠臣蔵』が描いたもの/第一章 江戸経済の流れ/第二章 庶民の暮らし/第三章 商人の興亡/第四章 武士のふところ事情/第五章 江戸時代の金融と商習慣/参考文献
  • 「朝日新聞」問題
    3.0
    現役の朝日新聞社員である著者は、若手記者時代、阪神支局襲撃事件やサンゴ損傷事件を間近で体験し、その教訓をジャーナリスト活動の原点とした。しかし、慰安婦報道(吉田証言)、原発報道(吉田調書)をめぐって明るみに出た朝日新聞の「誤報」は、過去の事件に勝るとも劣らない衝撃的な出来事であった。「もう一度、原点にもどって考えなければならない」という思いで書き下ろされた本書では、当時の記事や第三者委員会の報告書等を仔細に分析し、“当事者”の立場から、厳しく、真摯に一連の問題を検証する。【目次】はじめに/第1章 そもそも慰安婦報道問題とは何か/第2章 記事を取り消しながら謝罪なし――慰安婦報道の2014年検証記事/第3章 池上コラム問題と元朝日記者へのバッシング/第4章 衝撃的な吉田調書報道とその取り消し/第5章 「重大な誤り」――吉田調書報道への見解/第6章 「読者の信頼を裏切るもの」――慰安婦報道への報告書/第7章 朝日新聞は原点に帰れ/おわりに/「慰安婦報道」関連 参考記事・資料/「吉田調書」関連 参考記事/慰安婦問題をめぐる関連年表
  • 科学者は戦争で何をしたか
    4.1
    ノーベル賞科学者・益川敏英が、自身の戦争体験とその後の反戦活動を振り返りながら、科学者が過去の戦争で果たした役割を詳細に分析する。科学の進歩は何の批判もなく歓迎されてきたが、本来、科学は「中性」であり、使う人間によって平和利用も軍事利用も可能となる。そのことを科学者はもちろん市民も認識しなければならないと説く。解釈改憲で「戦争する国」へと突き進む政治状況に危機感を抱く著者が、科学者ならではの本質を見抜く洞察力と、人類の歴史を踏まえた長期的視野で、世界から戦争をなくすための方策を提言する。【目次】はじめに/第一章 諸刃の科学―-「ノーベル賞技術」は世界を破滅させるか?/第二章 戦時中、科学者は何をしたか?/第三章 「選択と集中」に翻弄される現代の科学/第四章 軍事研究の現在――日本でも進む軍学協同/第五章 暴走する政治と「歯止め」の消滅/第六章 「原子力」はあらゆる問題の縮図/第七章 地球上から戦争をなくすには/あとがき
  • 出家的人生のすすめ
    4.0
    「出家」は僧侶の特権ではない。そして出家者の集団であるサンガは世俗社会から隔絶された存在ではない。2500年前、釈迦が本来説いた仏教によれば、出家とは世を捨てることではなく、社会からの支援を前提に同志とやりたいことを一生かけて追求することを意味した。そして、この出家の教えは現代の一般社会の様々な職業でも生かせる視点を内包している。南方仏教国のサンガの間で守られてきた釈迦伝来の法律集「律」を通して仏教学者がわかりやすく解説する、精神的成熟を実現するための「出家的」生き方。【目次】はじめに 生き方の多様性を求めて/第一章 自己鍛錬で生きる苦しみを消す/第二章 修行の道――働かずに好きなことだけをして生きる/第三章 「生きがい追求の集団」サンガを組織する/第四章 誰でも出家的に生きることはできる/第五章 自分の力で自分の生き方を変える/第六章 出家的人生を実現するために/おわりに 自分が決めた道を真っ直ぐに歩いていく/あとがき
  • 沖縄の米軍基地 「県外移設」を考える
    4.4
    圧倒的多数が日米安保体制を容認する本土国民に対して、また“本土の平和・護憲運動”と“沖縄への基地封じ込め”の不幸な癒着関係に対して、著者はヤマトの知識人としてはじめて「県外移設」という論争的な問題提起を行う。2014年の沖縄県知事選と衆院選では、本土とは異なる沖縄県民の明確な民意が示され、米軍基地移設問題が争われるなか、「日本よ、在沖米軍基地を引き取れ!」と訴える沖縄の声にアクチュアルに応答した、画期的な論考。【目次】はじめに/第一章 在沖米軍基地の「県外移設」とは何か/第二章 米軍基地沖縄集中の歴史と構造/第三章 県外移設を拒む反戦平和運動/第四章 「県外移設」批判論への応答/終章 差別的政策を終わらせるために/あとがき
  • 盗作の言語学 表現のオリジナリティーを考える
    3.1
    学者の論文に第三者が書いた論文からのコピー&ペースト(コピペ)が散見され、ツイッターには他人の文章を丸写ししたパクリツイート(パクツイ)が溢れる時代。小説など文芸作品には「盗作」騒動がしばしば持ち上がるが、そもそも表現におけるオリジナリティーとは何か? 読者は「同じ」と「違う」をどこで感じ分けるのか? オマージュ、パロディー、パスティーシュといった表現形態から、寺山修司、北原白秋の詩、短歌・俳句、さらには辞書の語釈まで、表現におけるオリジナリティーの意味を、日本語学の第一人者が多様な視点から考察する異色の「言語&表現論」。【目次】序章/第一章 テキストを分析する/第二章 詩的言語の表現――俳句・和歌の添削/第三章 寺山修司「チエホフ祭」/第四章 北原白秋の短歌と詩と/第五章 辞書の語釈――辞書にも盗作はあるのか?/おわりに/あとがき
  • 犠牲のシステム 福島・沖縄
    3.9
    福島の原発事故は、原発推進政策に潜む「犠牲」のありかを暴露し、沖縄の普天間基地問題は、日米安保体制における「犠牲」のありかを示した。もはや誰も「知らなかった」とは言えない。沖縄も福島も、中央政治の大問題となり、「国民的」規模で可視化されたのだから――。経済成長や安全保障といった共同体全体の利益のために、誰かを「犠牲」にするシステムは正当化できるのか? 福島第一原発事故で警戒区域となった富岡町などで幼少期を過ごした哲学者による、緊急書き下ろし。【目次】はじめに/第一部 福島/第一章 原発という犠牲のシステム/第二章 犠牲のシステムとしての原発、再論/第三章 原発事故と震災の思想論/一 原発事故の責任を考える/二 この震災は天罰か――震災をめぐる思想的な問題/第二部 沖縄/第四章 「植民地」としての沖縄/第五章 沖縄に照射される福島/あとがき
  • 奇食珍食 糞便録
    3.8
    世界には「トイレがない」環境で生きる人々が26億人以上存在すると言われている。タクラマカン砂漠、チベット、パプアニューギニア、シベリア、フォークランド、モルジブなど、世界の辺境を長年めぐってきた著者ならではの視点で、「人間が何を食べ、どう排泄してきたか」をテーマに余すところなく、赤裸々にルポルタージュする。カバー写真はモルジブ、マレの伝統漁法。横木に釣り師が座って魚を狙う。人間の糞が魚のエサに、魚は人間の飯に。これぞ見事な食物連鎖だ。【目次】第一章 世界糞便録/第二章 奇食珍食/最悪なるもの(あとがきにかえて)
  • 秘密保護法――社会はどう変わるのか
    3.5
    多くの異論や懸念にもかかわらず国会で強行採決された「特定秘密の保護に関する法律」――通称「秘密保護法」が施行される。この「秘密保護法」は、誰が、何の目的でつくったのか。法に違反したらどんな裁判が行われるのか。そもそも「特定秘密」とは何なのか? 本書は、秘密保護法の内実とそれがもたらす影響について、刑法学の見地、知る権利との関係、憲法との整合性など多様な視点から概説する。【目次】第一章 誰が、何のために秘密保護法をつくったのか 堀敏明/第二章 超監視社会への道 足立昌勝/第三章 「知る権利」の妨害と闘う 林克明/第四章 憲法と秘密保護法 宇都宮健児/巻末資料「特定秘密の保護に関する法律」条文
  • 終わらぬ「民族浄化」セルビア・モンテネグロ
    3.9
    1999年のNATO軍の空爆により、コソボ紛争は公式には「終結」したことになっている。しかし現地では、セルビア系の民間人が3000人規模で行方不明になるなど、空爆前とは違った形で「民族浄化」が続き、住民たちは想像を絶する人権侵害の危機にさらされている。また、空爆による劣化ウラン弾の被害は甚大で、すべての回収には100年を要するという。本書は、空爆終了後6年間にわたって現地に通い続けた唯一のジャーナリストが、九・一一やイラク戦争の開始以降ほとんど報道が途絶えてしまったセルビア・モンテネグロの現状を告発した、渾身のルポルタージュである。【目次】まえがき/旧ユーゴスラビア全図/第一章 大コソボ主義(2001年~2002年)/一 消えた1300人――セルビア人拉致被害者たち/二 真っ先に見た事務局長/三 コソボへ/四 マケドニア潜入行/第二章 混迷の中で(2002年)/一 劣化ウランとユーゴスラビアの核/二 10月革命の裏側/第三章 セルビア・モンテネグロの誕生(2003年)/一 新憲章発布とモンテネグロ/二 新憲章発布とコソボ/三 誰がジンジッチを殺したのか/四 ボスニア・ヘルツェゴビナ/五 少年が殺された/終章 語り部(2004年10月)/柴宜弘教授との対話――あとがきに代えて/ユーゴスラビアとセルビア・モンテネグロに関する年表
  • 「独裁者」との交渉術――ボスニア カンボジア スリランカ国連和平調停の舞台裏
    3.9
    冷戦後、世界の安全保障の枠組みが激変するただ中で、カンボジアPKOやボスニア紛争の調停をはじめ、国連が主導した1990年代の平和活動を指揮した日本人がいた。もっとも困難な立場に立たされた交渉人―-明石康は、シアヌーク、ミロシェヴィッチ、カラジッチといった現代史に名を残す政治家・ナショナリストたちと、どのように対話し続けてきたのか? バルカン半島の現場を熟知するジャーナリスト木村元彦が、1年間にわたって連続インタビューを敢行。誰よりも苛烈な現場を潜り抜けてきたミスター・アカシの交渉テクニックに迫る!【集英社新書『「独裁者」との交渉術』改題】【目次】本書の読者のために(木村元彦)/第一章 反抗児/第二章 初の日本人国連職員/第三章 国連的アプローチ/第四章 文民統制/第五章 カンボジアPKO(一)/第六章 カンボジアPKO(二)/第七章 ボスニア/第八章 人を見る目/第九章 食事術/第十章 スリランカ問題/第十一章 スリランカ和平調停の裏側/終章 職業としての交渉者/インタビューを終えて(木村元彦)/あとがき(明石康)/カンボジアPKO関連資料(略年表・主要人物・地図)/旧ユーゴスラビアPKO関連資料(略年表・主要人物・地図)/スリランカ和平調停関連資料(略年表・主要人物・地図)/用語解説
  • 上野千鶴子の選憲論
    3.5
    「護憲」VS「改憲」。いまや70歳に届こうとしている私たちの憲法は、これまで手つかずのままにきた。それを変えようという改憲派のほうが勢いがあり、護憲派は分が悪そうに見える。というのも改憲派のほうが改革派の旗を掲げるのに対し、「護憲」派こそが「守旧」派に見えるからだ。そんななかに、著者は、第三の選択肢を提示する。すなわち「選憲」――現行の憲法を功罪共に検討したうえで、もう一度選び直しましょう、という提案である。横浜市弁護士会主催の「憲法講演会」において、斬新な切り口で憲法を論じた講演をもとに、社会学者・上野千鶴子が書き下ろした!【目次】はじめに/第一章 憲法の精神/第二章 自民党の憲法草案を検討する/第三章 護憲・改憲・選憲/おわりに/註/日本国憲法と自民党改憲草案の対照(抄)/琉球共和社会憲法C私(試)案 川満信一
  • ナポレオンを創った女たち
    4.0
    フランス革命からナポレオン第一帝政にかけての時代は、われわれが暮らしている現代社会の出発点にあたる。世界の覇者として大胆に近代史を塗り替えたナポレオンは、『ナポレオン法典』によって今日の男社会の根幹を築くことにもなった。しかし、天才的軍人、鉄の意志を持つ男というイメージが強いナポレオンだが、意外と女性に影響されやすい面があり、その運命は女性との関わりによって大きく左右されたのであった。日本の民法にまで影響を及ぼしている『ナポレオン法典』を一つの軸に据えて、現代男社会の原点を探りつつ、人間ナポレオンの知られざる側面に新しい光をあてる。【目次】序章 英雄ナポレオン/第一部 今日の男社会の根幹を築いたのはナポレオンである/第一章 ナポレオンとフランス革命/第二章 フランス革命期の女性たち/第三章 人間は自由にして平等、しかし女性は別/第二部 ナポレオンの運命は女性たちによって大きく左右された/第一章 母レティツィアと社交界の女性たち/第二章 勝利の女神、ジョゼフィーヌ/第三章 ハプスブルク家の姫君、マリー-ルイーズ/終章 ナポレオンとわれわれ現代人/あとがき/註/ナポレオンおよびフランス革命関係略年表
  • 14歳〈フォーティーン〉満州開拓村からの帰還
    3.6
    「昭和」を見つめ、一貫して戦争や国家を問うてきた著者の原点となったのは、1945年、14歳での敗戦体験だった。家族と渡った満州・吉林。敗戦後の難民生活は一年に及ぶ。「棄民」ともいうべき壮絶な日々、そして一家での日本への引き揚げ……。14歳という多感な少女が軍国少女となり、日に日に戦争に巻き込まれていく様を、自身の記憶と膨大な資料から丁寧に回顧し綴る。【目次】少女の行程/澤地家家系図/吉林市の街中の地図/はじめに/第一章 十四歳の少女/第二章 秘密/第三章 王道楽土/第四章 戸籍謄本/第五章 学徒動員・無炊飯/第六章 水曲柳開拓団/第七章 八月十五日・敗戦/第八章 いやな記憶/第九章 蟄居の日々/第十章 内戦下/第十一章 旧陸軍兵舎/第十二章 日本へ/おわりに
  • フランス反骨変人列伝
    4.0
    フランスの歴史を注意深くひもとくと、正史にはめったに登場しない魅力的な奇人・変人に出会うことが出来る。国王、国家、法制度等への反逆であったり、その逆に忠誠であったりと、その逸脱した人生は様々だが、彼らに共通しているのは、自分自身の生き方に徹した反骨の精神である。そして、世間に逆らって自分を貫いた人間たちには、どこかしら時代を超えた普遍性が感じられる。本書は、その中でも極めつきの、それでていて日本ではほとんど紹介されていない四人の人物、モンテスパン侯爵、ネー元帥、犯罪者詩人ラスネール、死刑執行人・六代目サンソンを取り上げる。【目次】まえがき/第一章 モンテスパン侯爵/第二章 ネー元帥の悲劇/第三章 犯罪者詩人、ラスネール/第四章 六代目サンソン/あとがき
  • 死刑執行人サンソン――国王ルイ十六世の首を刎ねた男
    4.4
    【荒木飛呂彦帯カラーイラスト付】敬虔なカトリック教徒であり、国王を崇敬し、王妃を敬愛していたシャルル-アンリ・サンソン。彼は、代々にわたってパリの死刑執行人を務めたサンソン家四代目の当主であった。そして、サンソンが歴史に名を残すことになったのは、他ならぬその国王と王妃を処刑したことによってだった。本書は、差別と闘いながらも、処刑において人道的配慮を心がけ、死刑の是非を自問しつつ、フランス革命という世界史的激動の時代を生きた男の数奇な生涯を描くものであり、当時の処刑の実際からギロチンの発明まで、驚くべきエピソードの連続は、まさにフランス革命の裏面史といえる。【目次】序章 呪われた一族/第一章 国王陛下ルイ十六世に拝謁/第二章 ギロチン誕生の物語/第三章 神々は渇く/第四章 前国王ルイ・カペーの処刑/終章 その日は来たらず/あとがき
  • 日本は世界一の「医療被曝」大国
    4.0
    日本は一定人口当たりの放射線検査件数が他国に比べても突出して多い。実際に、放射線検査の代表格であるCTの人口100万人当たりの設置台数は圧倒的に世界一であり、イギリスの調査によれば、エックス線検査による発がんリスクの推定値も世界一と言われている。健康な人が、病気を早期発見するために受ける医療行為によって、かえって発がんリスクを高めているという皮肉な事実――。しかも医療被曝には、原発作業員のような年間の被曝線量限度は設けられておらず、被曝線量は青天井となっている。これまで「がん治療」に警告を発してきた著者が、専門である放射線科の知識を駆使し、医療被曝の闇を暴く!【目次】はじめに/第一章 世界一の医療被曝大国、日本/第二章 低線量被曝の危険性/第三章 大人より深刻な子どもの被曝/第四章 放射線検査の種類/第五章 自分の被曝線量を知るには/第六章 無用な被曝を避けるために/第七章 日本で医療被曝が横行する理由/第八章 医療被曝の今後/おわりに/【資料】小児CTガイドライン―被ばく低減のために―
  • 日本とドイツ ふたつの「戦後」
    3.3
    日本とドイツは、物づくり大国・貿易立国として、ともに戦後めざましい復興を遂げた。だが戦後70年経った今、日独間には大きな違いが生じている。ドイツは高い競争力を背景にEUを牽引し、欧州のリーダーとなった。一方、日本は競争力を失い、貿易赤字が拡大、周辺国との関係も悪化して、原発事故以降のエネルギー政策も迷走状態にある。本書では、在ドイツ25年のジャーナリストの視点で、両国の歴史認識・経済・エネルギー政策などを論考。ドイツの戦後の歩みを知ることで日本が今後重視すべき問題を浮き彫りにする。【目次】まえがき/第一章 イスラム過激派の脅威とドイツ/第二章 ドイツ人はどのように過去と対決しているのか/第三章 歴史リスクを重視するドイツ、軽視する日本/第四章 ドイツ経済の奇跡/第五章 日独エネルギー政策の違い/日本への提言――あとがきにかえて
  • ナショナリズムの克服
    3.7
    在日の立場から、長年、「日本」について鋭い批判と分析をつづけてきた姜尚中と、オーストラリア在住の国際的博奕打ちで作家の森巣博という、異色の対談が実現しました。テーマは1990年代以降、日本に吹き荒れている、ナショナリズムの嵐です。第一部で、日本型ナショナリズムの歴史を通観。第二部で、グローバル化によって変質する国民国家像と、国境なき後の世界の未来について、刺激的な意見交換を繰り広げます。国家とは何か、民族とは何か、故郷とは何か。本書は、ナショナリズムを理解し、何者をも抑圧しない生き方を模索するための入門書です。【目次】第一部 ナショナリズム・自由をめぐる対話――東大教授、豪州博奕打ちに会いに行く/序章 石原慎太郎の「中国人犯罪者民族的DNA」発言を容認してしまう空気は何か?/第一章 姜尚中教授の特別課外授業スタート! 講座名はズバリ、「日本ナショナリズム小史」/第二章 知られざる在日韓国・朝鮮人二世の青春――経済ナショナリズム体制下の、姜尚中の個人的体験/第二部 グローバリズム・故郷をめぐる対話――豪州博奕打ち、東大教授に会いに行く/第三章 知られざる和製イージー・ライダーの青春――グローバリズムの渚における、森巣博の個人的体験/第四章 民族概念をいかに克服するか/終章 無族協和を目指して/あとがき/人物・用語解説/推薦図書、厳選二十一冊!
  • リーダーは半歩前を歩け―金大中というヒント
    3.7
    政治も経済も未曾有の混迷期にある現在、私たちは「リーダーシップ」という古くて新しい問題を、問い直す必要がある。安全保障の激変期における政治家とは? 金融崩壊後の市場で持続可能な成長を実現し得る経営者とは? 明確なビジョンを示す上司とは? 本書は、古今東西の政治家や歴代の日本の首相に言及しつつ、悩める時代を突き抜ける「7つのリーダー・パワー」を提言する。韓国元大統領にしてノーベル平和賞を受賞した金大中氏との対談も収録。指導者不在が叫ばれる日本社会で、現代を代表する政治学者が思い描く、理想のリーダー像とは? 【目次】はじめに 私はリーダーになるのが怖かった/第一章 カギは「半歩前」だ――そろそろニュー・モデル/第二章 あなたも「リーダー」になれる?――リーダーシップ・ビジネス篇/一 多少、肉食系がいい/二 姜尚中流「七つのリーダー・パワー」/第三章 「見てるだけ」ではダメです――リーダーシップ・政治篇/一 何だったのか、「小泉劇場」/二 土壌を作ろう、参加しよう/第四章 【対談】幸いなる邂逅――アジアのリーダー、金大中氏に聞く/終章 歴史と勝負する――「責任力」もしくは「信じる力」/おわりに
  • デモクラシーの冒険
    3.6
    1100万人を超える人類史上最大の反戦運動もむなしく、アメリカとその同盟国は、ついにイラク攻撃に乗りだします。デモクラシーを高らかに謳いあげる国々による圧倒的な暴力は、人々の意志が政策に反映されることのない絶望的な光景を、かえって浮き彫りにしました。果たして、政治はひと握りの人間によって決定され、他の者たちは粛々とそれに従うほかないのでしょうか? 本書では、世界的に進行するデモクラシーの空洞化を多角的に分析しながら、私たちの政治参加の可能性を探ります。日豪屈指の知性による、深くて鋭い盛りだくさんの対話劇。「イラク戦争以後の民主主義入門書」を片手に、いっしょに考えてみませんか? 【目次】序章 ヤギさん郵便、あるいはデモクラシーの議論への誘い/第一章 デモクラシーの空洞化――冷戦構造崩壊後、自由は勝利し、それによって自由な選択肢はなくなった/第二章 グローバル権力の誕生小史・第二次大戦後50年――国家と企業の癒着、民営化/第三章 政党、世論、ポピュリズム――デモクラシーのブラック・ボックス/一 政党をめぐるおしゃべり/二 世論をめぐるおしゃべり/三 ポピュリズムをめぐるおしゃべり/第四章 直接民主主義と間接民主主義――デモクラシー思想の歴史と「外国人」/第五章 間奏曲「月夜の対位法」――デモクラシーは酸素なんだよね/第六章 ふたたび「暮らし」のなかへ――今、私たちに何ができるのか/一 想像力を奪うものへの抵抗/二 グローバル権力と、内なる無力感への抵抗/あとがき/人物・用語解説/みんなでつくるデモクラシー・マニフェスト
  • 【カラー版】あなたは誰? 私はここにいる
    3.7
    【電子特別版・カラー画像多数収録!】伊集院静氏、落合恵子氏、千住博氏推薦! ドイツ留学中の著者は、500年前のデューラーの<自画像>から啓示を受けた。「私はここにいる。お前はどこに立っている?」。絵の中の同じ28歳の男は、鬱々とした内面の森をさ迷う在日の青年に、宿命との対峙を突きつけたのだ。30年後、人気美術番組の司会を務めた著者は、古今東西の絵画や彫刻の魅力を次々に再発見していく。ベラスケス、マネ、クリムト、ゴーギャン、ブリューゲル、ミレー、若冲、沈寿官――。本書は「美術本」的な装いの「自己内対話」の記録であり、現代の祈りと再生への道筋を標した人生哲学の書でもある。※電子版に収録されている画像は紙の書籍のものとは一部異なります。【目次】はじめに わたしたちは今、どこにいるのか/第一章 おまえはどこに立っている アルブレヒト・デューラー《自画像》、ディエゴ・ベラスケス《女官たち》《ドンセバスチャン・デ・モーラ》、エドュアール・マネ《オランピア》、イワン・クラムスコイ《忘れえぬ人》ほか/第二章 生々しきもの ギュスターヴ・クールベ《石を砕く人》《世界の起源》、エドュアール・マネ《草上の昼食》ほか/第三章 エロスの誘い グスタフ・クリムト《ダナエ》、エゴン・シーレ《縁飾りのあるブランケットに横たわる二人の少女》、ポール・ゴーギャン《かぐわしき大地》ほか/第四章 白への憧憬 白磁大壺、長谷川等伯《松林図屏風》、純白のチマ・チョゴリほか/第五章 不可知なるもの マーク・ロスコ《シーグラム壁画》、パウル・クレー《想い出の絨毯》ほか/第六章 死と再生 ピーテル・ブリューゲル《死の勝利》《バベルの塔》《絞首台の上のカササギ》ほか/第七章 生きとし生けるもの 伊藤若冲《群鶏図》《貝甲図》、熊田千佳慕《メスを求めて》《恋のセレナーデ》《天敵》ほか/第八章 祈りの形 アルブレヒト・デューラー《祈りの手》、円空《尼僧》、ジャン=フランソワ・ミレー《晩鐘》ほか/第九章 浄土的なるもの 与謝蕪村《夜色楼台図》、ジャン=フランソワ・ミレー《春》、犬塚勉《暗く深き渓谷の入口I》ほか/第一〇章 受け入れる力 ルーシー・リーの白釉の陶器、ハンス・コパーのキクラデス・フォームの陶器、沈寿官《薩摩焼夏香炉》ほか/おわりに ここで生きる――デューラー《メレンコリア・1》に寄せて アルブレヒト・デューラー《メレンコリア・1》
  • 巨大災害の世紀を生き抜く
    -
    東日本大震災における地震・津波・原発事故という複合災害は、まさに巨大化する現代の災害を具現化した出来事であった。この大災害に遭遇して日本人の意識・心理も劇的な変化を遂げた。「私だけは大丈夫」という正常性バイアスにとらわれないこと、政府・マスコミ情報を鵜呑みにせず吟味する自己責任力、企業の危機管理の新しい形が求められているのだ。自然災害に未知のリスクが加わる現代を生き抜くために求められる行動指針について災害心理学の第一人者が検証する。【目次】はじめに/第一章 二一世紀型の災害とは何か――原子力災害を経験して/第二章 原子力発電所はなぜ事故を起こしたか/第三章 災害と情報/第四章 災害を乗り越えるには/第五章 三・一一の先にあるもの/おわりに
  • 海外短編のテクニック
    5.0
    長編小説が、人生という一本の木を、根から幹、枝から梢、花も葉もすべて描く営みであるならば、短編小説は、一本の枝を切り、切り口を示して生き方全体をうかがわせる試み。あらゆる技を駆使した作品はおもしろさも多彩だ。日本の短編の名手が、海外短編から厳選して、メリメの名作『カルメン』からインド系女性作家ラヒリの『停電の夜に』まで、バラエティに富んだ作品を俎上に載せ、実作者の立場になって想像し、分析し、ときには妄想までして、そのテクニックをたどる。カフカの作品は長編もあるけれど短編『変身』ひとつを読めばOK、という大胆発言も。
  • 短編小説のレシピ
    4.1
    800編もの短編小説を生み出してきたマエストロがみずから解説・案内する、短編小説の醍醐味。短いだけに、あらゆる技法を駆使した作品は、おもしろさも多彩。小説創りの源泉と技をも教えてくれる。向田邦子、芥川龍之介、松本清張、中島敦、新田次郎、志賀直哉、夏目漱石、ロアルド・ダール、エドガー・アラン・ポーなど10人の作家の、名作やユニークな作品を具体例として選んで特徴を解説し、短編の構造と技法に迫る。短編小説をより楽しく読むためにも、また書くためにも役立つヒントが満載。
  • 憲法の力
    4.1
    国民投票法が成立し、今後、憲法改正論議が活発化することは間違いない。世論調査では改憲容認派が過半数を超えると報道されているが、こと九条に限っていえば、「今のままでいい」という人たちも多数存在している。本書は、司法試験の受験指導で定評のあるカリスマ塾長である著者が、日本国憲法の特長や意義だけでなく、国民投票法、九条にまつわる議論についてわかりやすく解説。「今の憲法は捨てたものじゃない。憲法の力を見直そう」と語りかける。あなたの憲法論議のきっかけに、虎の巻に、本書をご利用ください。【目次】はじめに/第一章 このままで公正な国民投票ができるのか/第二章 美しい日本国憲法/第三章 そんなに九条を変えたいですか?/I 九条改憲賛成派の論理について/II 日本国憲法がめざす平和主義/おわりに
  • 災害防衛論
    -
    地球温暖化により巨大化する台風・ハリケーン、想像を絶する大がかりなテロや地球規模で頻発する地震…。21世紀はまさに「災害の世紀」である。きわめて甚大な被害を与える現代の災害からサバイバルするには従来の「防災」の考え方を大きく転換させなければならない。すなわち、災害を予防し、被害に耐え、そして回復する力、その三つの要素をあわせた「災害弾力性」を個人と社会が備える必要がある。そのためにわれわれが今、なすべきことは何か。多くの実例を踏まえて詳述する。【目次】はじめに/第一章 鉄壁の災害防衛線を築く/第二章 災害をビンのなかの魔神とする/第三章 災害をはねかえし、災害からはねかえる力/第四章 過酷な災害に生き残る/第五章 情報を収集し、分析し、判断する力をみがく/おわりに
  • 集団的自衛権と日本国憲法
    3.4
    2001年9月11日の米国同時多発テロ事件は、世界に衝撃を与えた。NATOは1949年発足以来初めて集団的自衛権の発動を決めた。日本政府はテロ対策特別措置法を成立させた。ここで改めて問われたのが「集団的自衛権」であり、「憲法との抵触」である。著者は、集団的自衛権の本質は「他衛」であり、自衛ではないと断言する。本書では国連憲章の規定する集団的自衛権について、歴史を踏まえ検証する。さらに、日本国憲法にこめられた平和の思想、戦後の日米関係を考察する。新しい国際の平和と安全、日本の役割に関わる、正確な認識をもつために。【目次】第一章 なぜいま集団的自衛権なのか――アメリカの軍事戦略と日米軍事関係/第二章 自衛権の歴史――集団的自衛権という考え方はどのようにして生まれたのか/第三章 国連と戦争――国連は国際の平和と安全を維持できるか/第四章 憲法と日米安全保障体制の歴史――保守政治はいかに憲法をゆがめてきたか/第五章 詭弁を弄するだけの日本の安全保障論議――保守政治はいかに日本を誤らせているか/あとがき
  • 人はなぜ逃げおくれるのか――災害の心理学
    3.9
    地震や洪水、火災などの災害に遭遇した時、身をまもるために素早く行動できる人間は驚くほど少ない。現代人は安全に慣れてしまった結果、知らず知らずのうちに危険に対して鈍感になり、予期せぬ事態に対処できなくなっている。来るべき大地震のみならず、テロや未知の感染症など、新しい災害との遭遇も予想される今世紀。本書では災害時の人間心理に焦点をあて、危険な状況下でとるべき避難行動について詳述する。【目次】プロローグ 古い「災害観」からの脱却を目指して/第1章 災害と人間/第2章 災害被害を左右するもの/第3章 危険の予知と災害被害の相関/第4章 「パニック」という神話/第5章 生きのびるための条件/第6章 災害現場で働く善意の力/第7章 復活への道筋/エピローグ 「天」と「人為」の狭間に生きる人間として
  • 英仏百年戦争
    4.1
    それは、英仏間の戦争でも、百年の戦争でもなかった。イングランド王、フランス王と、頭に載せる王冠の色や形は違えども、戦う二大勢力ともに「フランス人」だった。また、この時期の戦争は、むしろそれ以前の抗争の延長線上に位置づけられる。それがなぜ、後世「英仏百年戦争と命名され、黒太子エドワードやジャンヌ・ダルクといった国民的英雄が創出されるにいたったのか。直木賞作家にして西洋歴史小説の第一人者の筆は、1337年から1453年にかけての錯綜する出来事をやさしく解きほぐし、より深いヨーロッパ理解へと読者をいざなってくれる。【目次】序、シェークスピア症候群/前史 一、それはノルマン朝の成立か/二、それはプランタジネット朝の成立か/三、第一次百年戦争/本史 一、エドワード三世/二、プランタジネットの逆襲/三、王家存亡の危機/四、シャルル五世/五、幕間の悲喜劇/六、英仏二重王国の夢/七、救世主/八、最終決戦/後史 一、フランス王の天下統一/二、薔薇戦争/結、かくて英仏百年戦争になる
  • 日本の1/2革命
    3.6
    人気No.1ジャーナリストと、西洋歴史小説の第一人者が、日本の政治的混迷について、熱く語り合う。振り返ってみれば、あの「明治維新」も、第二次大戦直後の「8.15革命」も、多くの若者たちが街頭に繰り出した「1968」の熱狂も、日本の革命はすべて不発に終わった――。果たして日本の近現代史は、革命の本家本元のフランスと比べて、どこが根本的に違うのか? また、東日本大震災後の未曾有の危機に直面する私たちは、ついに残り1/2の後半戦に挑むことになるのか? 本気で怒ることを忘れて久しい日本人の謎に迫る一冊。【目次】まえがき ロベスピエールの二分の一革命 佐藤賢一/序章 改革、変革、革命/第一章 日本人がフランス革命を語る意味/第二章 「半分」だった明治維新/第三章 「半分」だった戦後の革命/第四章 言葉の時代、あぶない後半戦/終章 日本は後半戦に臨むべきか?/関連年表/人および市民の権利宣言(一七八九年)/一七九一年九月三日の憲法(冒頭)/人物・用語解説/対談を終えて 「二〇一一中東革命」の嵐の中で 池上 彰
  • 巨大地震の日 ――命を守るための本当のこと
    3.0
    日本には地震予知のための組織が大きく分けても6つある。毎年、膨大な予算がつかわれる。しかし、マグニチュード7.3という巨大地震が予知された例は、いまだ世界にひとつしかない。1975年、中国遼寧省の地震ただひとつである。事前の警報はないと思ったほうがよい。そして、予知組織の発表する楽観的被害予測に惑わされることなく、自分の命は守らなくてはならない。本書にはそのための「よすが」となる貴重な情報と教訓が込められている。【目次】はじめに/(1)東京を襲う巨大地震/(2)巨大地震のあとに―湧き起こる多くの問題―/(3)海溝型巨大地震/(4)津波/(5)防災と減災/(6)政府が行なっていること/終わりに
  • B級グルメが地方を救う
    3.0
    地方の人口減少や不況の影響で、大都市に比べ地方経済の冷え込みは一段と厳しいものになっている。様々な地域振興策が国や地方自治体の主導で行われてきたが、それも成功したとは言い難い。そんな中、「食」をテーマにした地域おこしが注目されている。宇都宮市の餃子や富士宮市のやきそばは全国区の人気を博し、多くの観光客を集めている。値段も安く、それでいて美味なローカルフード、いわばB級ご当地グルメを地域振興にいかに活用していくか……。B級グルメをこよなく愛する自治体格差研究の第一人者が、各地の注目株を紹介しつつ具体的な方策を提言する。【目次】序章/第一章 各地で盛り上がるB級グルメフェスティバル/第二章 三大焼きそばの街/第三章 実は十大焼きそば?/第四章 餃子日本一はどこだ/第五章 とんカツ列伝/第六章 はばたけやきとり達/第七章 身も心も温まるおでんの街/第八章 個性いっぱいのコナモン達/第九章 麺もいろいろ/第一〇章 ご飯ものもいろいろ/第十一章 まだまだあるぞB級グルメ/第十二章 B級グルメを科学する?/第十三章 B級グルメが地方を救う!/第十四章 B級グルメ検定!/附録 都道府県別B級グルメ/おわりに
  • 自治体格差が国を滅ぼす
    3.7
    個人や企業間で格差の拡大が叫ばれて久しいが、格差は自治体・地域の間でも確実に広がりつつある。財政破綻した「負け組」自治体が住民サービスの質を下げる一方で、中学卒業までの医療費が無料など、住民が受益を謳歌している「勝ち組」自治体もある。自治体・地域の間の格差はなぜ生まれ、拡大し続けているのか。解決する方法はあるのか。本書では代表的な九つの自治体を取り上げ、その実態をつぶさに検証することで格差拡大の原因を分析し、是正に向けた具体的な方策を提言する。【目次】はじめに/第一章 拡大を続ける地域間格差/第二章 勝ち組自治体?/第三章 負け組自治体?/第四章 模索する自治体/第五章 新潟から見た格差/第六章 中央と地方、対立か、それとも共存か/おわりに
  • データの罠 世論はこうしてつくられる
    3.7
    巷にはデータが溢れている。「視聴率」「内閣支持率」「経済波及効果」「都道府県ランキング」等々…新聞、テレビ、雑誌に何らかのデータが掲載されていないことはまず無い。そして私たちは、これらのデータからさまざまな影響を受けている。しかし、肝心のそのデータにどれほどの客観性があるのだろうか。実は、かなり危ういデータが跋扈しているのである。本書は、さまざまなデータを検証することで、データの罠を見抜き、それらに振り回されない“正しい”情報の読み取り方―データリテラシーを提案する。【目次】序章 巷に氾濫する危ういデータ/第一章 世論調査はセロンの鏡か?/第二章 調査をチョーサする/第三章 偽装されたデータ?/第四章 「官から民へ」を検証する/終章 データの罠を見抜くためには/あとがき
  • 腸が寿命を決める
    4.0
    病気から身体を守るため、人間には「免疫」と呼ばれる機能が備わっているが、その「免疫システム」の約80%を「腸」が担っていることが最新知見で明らかになった。それは腸がさまざまな病気に関係し、腸の健康が身体全体の健康に直結することを意味する。本書では「腸管免疫」のメカニズムを説明。腸の知られざる機能や自律神経との関係、糖尿病・がん・アレルギーなどの病気との関連性なども丁寧に解説し、腸をきれいにするための食生活や生活習慣はもちろん、腸の汚れを取りのぞく新しい病気予防法(コロンハイドロセラピー)も紹介する。【目次】はじめに/序章 汚れた腸が健康を破壊する/第一章 腸は栄養素と水分を吸収する大切な臓器である/第二章 腸は病気を防ぐ「免疫システム」を備えている/第三章 大腸の汚れはあらゆる病気の引き金になる/第四章 大腸をきれいにすれば病気にならない/おわりに
  • 科学の危機
    4.0
    かつて毒ガス兵器の開発者がノーベル賞を受賞した。その後も科学の軍事利用は止まるところを知らず、原子力、遺伝子ビジネスなど、研究はさらに未知の領域へと踏み込んでいく。本書は科学史と思想史を手がかりに、〈科学の古典的規範〉がいかに崩壊したかを明らかにする。さらに、専門家ではない人々が、科学の暴走に歯止めをかけるために必要な〈感覚〉について論じる。危機に瀕する科学に対し、どこに問題の本質があるのか核心を突く画期的論考。【目次】まえがき/第一章 科学の自覚/第二章 科学の変質/第三章 ある科学者の肖像/第四章 科学批判の諸相/第五章 科学の文化的批判に向けて/あとがき
  • 荒木飛呂彦の漫画術【帯カラーイラスト付】
    4.4
    【帯カラーイラスト付】全く人気が衰えることなく長期連載が続く『ジョジョの奇妙な冒険』の作者、荒木飛呂彦。「漫画は最強の『総合芸術』」と言い切る彼が、これまで明かすことの無かった漫画の描き方、その秘密を、作品を題材にしながら披瀝する! 絵を描く際に必要な「美の黄金比」やキャラクター造型に必須の「身上調査書」、ヘミングウェイに学んだストーリー作りなど、具体的な方法論からその漫画術を明らかに! 本書は、現役の漫画家である著者が自らの手の内を明かす、最初で最後の本である。【目次】はじめに/第一章 導入の描き方/第二章 押さえておきたい漫画の「基本四大構造」/第三章 キャラクターの作り方/第四章 ストーリーの作り方/第五章 絵がすべてを表現する/第六章 漫画の「世界観」とは何か/第七章 すべての要素は「テーマ」につながる/実践編その1 漫画ができるまで――アイディア、ネーム、コマ割りの方法/実践編その2 短編の描き方――「富豪村」(『岸辺露伴は動かない』)を例に/おわりに
  • 実存と構造
    3.6
    二十世紀を代表する二つの思想――実存主義と構造主義。この「実存」と「構造」という概念は、実は表裏の関係にあり、人生に指針を与え、困難な時代を生きるための思考モデルでもある。同時代的に実存主義と構造主義の流れを体験してきた作家が、さまざまな具体例、文学作品等を示しつつ、今こそ必要な「実存」と「構造」という考え方について、新たな視点で論じていく。
  • マルクスの逆襲
    4.0
    かつてマルクスは、一つの世代を丸ごとかかえ込むほどのブームを巻き起こした。しかし、その後は過去の遺物と化し、社会主義国家もすでにほぼ崩壊している。だが今、資本主義もまた行き詰まりを迎え、日本でも格差が拡大し、社会のなかに自分を位置づけて生きがいを感じることが、難しくなってきている。マルクスが仕掛けた謎を考える意味は、むしろ高まってきているのだ。時代の熱狂を体験した作家が、現代日本の再生に向けて、マルクスの謎を読み解く。
  • F1ビジネス戦記 ホンダ「最強」時代の真実
    3.3
    アイルトン・セナ、アラン・プロストらを擁し、F1グランプリで無敵を誇った「マクラーレン・ホンダ」が2015年シーズンから復活する。その全盛期にホンダの広報・渉外スタッフとして現場の最前線で奮闘した著者が、サーキットの中だけではない、F1というビジネスを取り巻くさまざまな“戦い”をリアルに綴る。セナとの交情、プロストとの駆け引き、エンジン開発をめぐる攻防、現場を鼓舞した本田宗一郎の言葉……日本企業が「チーム」となって世界で戦う姿が、ここにある。【目次】はじめに/第1章 アイルトン・セナとの出会い/第2章 F1グランプリの内幕/第3章 F1が体現する欧州文化/第4章 日本がF1グランプリで戦うということ/終章 F1活動休止の決断/おわりに ホンダF1“再開”に寄せて
  • 資本主義の克服 「共有論」で社会を変える
    3.7
    資本主義の歴史を俯瞰し、著者はその歩みを、国民国家の膨張とその衝突と捉える。その中で、戦争や大恐慌などの歴史的転換期に起きる「非線形変化」と、経済循環による「波動」をつかむことで、危機的状況にある資本主義の病理を浮き彫りにする。税制や社会保障制度などの新たな枠組みは、今日のような歴史的転換期に更新されていく。そこに、これらの制度やルールの空白が生じ、「独占」が生まれる。「独占」に抗し、「失われた30年」とも言われる閉塞状況を打破するには、社会を変えていく原理として、制度やルールの「共有」が有効となる。個人の自由と平等を保障しつつ、新しい産業構造への転換を促す道を提示する。【目次】序章 ワンフレーズ化された経済政策/第一章 共有論のパースペクティブ/第二章 グローバリズムの歴史的意味/第三章 グローバリズムは何を強要するのか/第四章 資本主義はどう変化してきたか/第五章 社会保障制度における「自由と平等」/第六章 波動から資本主義を見る/第七章 新しい独占をめぐる対抗/第八章 地域民主主義の可能性/あとがきにかえて
  • 文豪と京の「庭」「桜」
    -
    「仙洞御所庭園」を“美しい老いた狂女”に喩えた三島、「糺(ただす)の森」に子規を失った“心の寒さ”を覚えた漱石、「平安神宮」の紅枝垂れ桜に“エロスへの憧憬と拝跪”を秘めた谷崎……。日本の近代文学を彩る文豪たちは皆、京都の情景に魅せられ、自らの作品にそれを描いてきた。本書は、祇園の夜桜や竜安寺の石庭など、誰もが知る京都の新たな魅力を、数々の名作を手がかりに描き出す。また、京の「庭」「桜」という新たな観点から文豪を捉え直すことで、彼らの知られざる本質を明らかにした一冊である。【目次】はじめに/第一部 桜/第一章 平安神宮<『細雪』の紅枝垂> 谷崎潤一郎 川端康成/第二章 円山公園<祇園の夜桜> 丸谷才一 九鬼周造/第三章 常照皇寺<九重桜> 福永武彦 芝木好子/第二部 庭(1)――社寺/第四章 下鴨神社<京に着ける夕> 夏目漱石 高浜虚子/第五章 青蓮院<楠の巨木> 永井荷風 芥川龍之介/第六章 竜安寺<石庭を読み解く> 志賀直哉 井上靖 立原正秋/第三部 庭(2)――御所・離宮/第七章 紫宸殿南庭<京の10日間> 森鴎外/第八章 仙洞御所<「静寂」の庭> 三島由紀夫/第九章 修学院離宮<帝王の庭> 大佛次郎/第十章 桂離宮<美の意匠> 野上豊一郎 和辻哲郎 井上靖
  • 亡国の集団的自衛権
    4.5
    安倍政権は、集団的自衛権の行使容認をめざして、着々と足場を固めている。戦後70年間続いてきた「憲法9条」体制も、大きく揺らいでいる。著者は、イラク戦争時に、小泉、安倍(第1次)、福田、麻生、の四代の総理大臣の下、自衛隊海外派遣のための法整備と現場指揮を主導した、元防衛官僚である。「立憲主義」への挑戦ともいうべき現政権の安全保障政策を、豊富な事例を挙げながら徹底批判。わが国でもっとも戦争を知る人物だからこその、国際紛争の現実に即した説得力のある議論を展開!
  • 地震は必ず予測できる!
    4.5
    地震学者は、目に見えない「地下」の動きを研究するのに対して、測量学の権威である著者は、人工衛星で測定した「地表の動きを記録した数値データ」を根拠とする、独自の地震予測法を開発した。そして、メルマガ発行を開始した2013年以来、伊予灘地震、伊豆大島沖地震、飛騨地方群発地震など震度5以上の地震を確実に“予測”し、警告を発してきた。画期的な地震予測のメカニズムが、本書で余すところなく明かされる!
  • NARUTO名言集 絆―KIZUNA―天ノ巻
    4.0
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 1999年の連載開始以来、日本、そして世界中のファンを魅了し続ける『NARUTO-ナルトー』の名言集が、満を持して登場。本書はジャンプ・コミックス『NARUTO-ナルトー』巻ノ一から巻ノ六十三までに登場する珠玉の“言ノ葉”を、十のテーマに分けてセレクト。「天ノ巻」と「地ノ巻」の二冊に収録した。天ノ巻のテーマは「信念」「激励」「宿望」「忍」「矜持」の五つ。過酷な忍世界の中、己の「忍道」を信じて生きる、忍達の魂のメッセージを、数々の名場面と共に堪能しよう。巻末には作者・岸本斉史先生の両巻にわたるロングインタビューを掲載。解説は漫画評論家・伊藤剛が執筆。【目次】NARUTO CHARACTERS/第一章 信念/第二章 激励/第三章 宿望/第四章 忍/第五章 矜持/言ノ葉番外編 自来也豪傑見栄切り集/アーイエー♪キラービーBEST RAP!!/岸本斉史先生独占インタビュー PART1/解説・伊藤 剛/出典
  • イスラーム 生と死と聖戦
    3.8
    絶え間ない緊張が続く、中東イスラーム諸国をとりまく情勢。「イスラーム原理主義」すなわち「過激」「危険思想」というイメージが再生産されるなか、本来は唯一神・アッラーの存在こそが、人間の人間による支配と国家の暴走、対立を食い止める秩序になりうると著者は説く。国境を越えて勢力を拡大する「イスラーム国」への評価も踏まえながら、ムスリムたちの死生観をわかりやすく解説する、必読の一冊。東京大学先端科学技術研究センター准教授・池内恵氏の解説付き。【目次】序章 イスラームとジハード/第一章 イスラーム法とは何か?/第二章 神/第三章 死後の世界/第四章 イスラームは政治である/第五章 カリフ制について考える/終章 「イスラーム国」と真のカリフ制再興/解説――自由主義者の「イスラーム国」論~あるいは中田考「先輩」について 池内 恵
  • 越境の時 一九六〇年代と在日
    4.6
    『失われた時を求めて』の個人全訳で名高いフランス文学者は、1960年代から70年代にかけて、在日の人権運動に深くコミットしていた。二人の日本人女性を殺害した李珍宇が記した往復書簡集『罪と死と愛と』に衝撃を受け、在日論を試みた日々、ベトナム戦争の脱走兵・金東希の救援活動、そして、ライフル銃を持って旅館に立てこもり日本人による在日差別を告発した金嬉老との出会いと、8年半におよぶ裁判支援―。本書は、日本人と在日朝鮮人の境界線を、他者への共感を手掛かりに踏み越えようとした記録であり、知られざる60年代像を浮き彫りにした歴史的証言でもある。【目次】プロローグ/第一章 なぜ1960年代か――アルジェリア戦争をめぐって/第二章 李珍宇と小松川事件/第三章 日韓条約とヴェトナム戦争/第四章 金喜老裁判/エピローグ/あとがき
  • 「おっぱい」は好きなだけ吸うがいい
    -
    数多くの古典翻訳で名高い英文学者にして、タオイストである著者が、D・H・ロレンス、フォークナー、マーク・トウェイン、幸田露伴など、偏愛する作家たちと老子思想とのふしぎな共通性に触れながら、今ここにいる喜びと、究極のエナジーの源泉について語った。齢九十一歳、「大自然(タオ)の母親のおっぱい」を追い求める旅は、終わることがない。政治学者・姜尚中による解説も収録。【目次】序章 大地の「おっぱい」を求めつづけた「先だつ」のことを語ろう/第一章 西欧の伝統精神と火花を散らした、ロレンスの自由精神――D・H・ロレンス/第二章 「タオ」につながるグレートなバランス感覚――ウィリアム・フォークナー/第三章 「初めの自分」につながる、ということ――マーク・トウェイン、ウィリアム・ジェイムズ、ラジニーシ、幸田露伴……/終章 タオの山脈の連なる解放区へ/加島祥造という人 姜尚中/略年表/主な著作/老子・TAO関連著作/主な翻訳書
  • イスラムの怒り
    4.2
    06年サッカー・ワールドカップ決勝戦で、ジダンは何に激怒してマテラッツィに頭突きをしたのか。この問いかけから、イスラム教徒(ムスリム)は、何に怒っているのか、そして我々のイスラム理解はいかに間違っているか、なぜ西欧はイスラムを執拗に嫌うのか、をわかりやすく解きほぐす。ムスリムに対してしてはいけないこと、そしてそれはなぜいけないか、なども豊富な実例つきで解説。異文化交流への道を探る。【目次】序章 ジダンは何に激怒したのか/第一章 「テロとの戦い」の失敗/第二章 隣人としてのムスリム/第三章 西欧は、なぜイスラムを嫌うのか/第四章 すれ違いの相互理解/終章 ムスリムは何に怒るのか/おわりに
  • イスラム戦争 中東崩壊と欧米の敗北
    4.0
    混迷を極める中東に突如現れたイスラム国。捕虜の殺害や少数民族への迫害が欧米経由で厳しい批判と共に報じられているが、その過激な行動の裏にある歴史と論理は何か? また、本書はイスラムそのものに対するメディアの偏見と、第一次世界大戦時に確立された欧米による中東秩序の限界を指摘。そして、集団的自衛権の行使容認で中東に自衛隊が派遣される可能性が高まる中、日本が今後イスラム世界と衝突することなく、共存するために何が必要なのかを示す。【目次】はじめに/序章 中東で起きていること/第一章 16億人のムスリムを見方にするか、敵に回すか/第二章 まちがいだらけのイスラム報道/第三章 イスラム世界の堕落とイスラム国の衝撃/第四章 日本人にとってのイスラム/おわりに 戦争は人の心の中で生まれる/あとがき
  • なぜか結果を出す人の理由
    4.4
    南海、ヤクルト、阪神、楽天など数々の球団で実績を築き、田中将大をはじめ数々の名選手を育ててきた著者。勝負と人間の機微を熟知した智将だけが知る、正しい努力とまちがった努力の違いとは? 野球のみならず様々な分野において、がんばっているつもりなのに結果を出せず悩みを抱える人々に、結果を出すための極意を語る。“監督”野村の人材育成、勝負論の集大成的一冊。【目次】はじめに/第一章 同じ努力でも、なぜ結果に差がつくのか?/第二章 努力は天才を上回るのか?/第三章 野村式“結果を出す技術”/第四章 チャンスを逃さない人はここが違う/第五章 結果を出す指導者の条件/おわりに
  • 騒乱、混乱、波乱! ありえない中国
    -
    これまで多くのメディアが中国問題を様々に取り上げてきた。しかし中国という国のリアルを客観的かつ正確に捉えたものはほとんどない。本書では当局に21回拘束されたテレビ東京の名物記者が、中国の現状を徹底的に明らかにする。初の民主選挙を勝ち取った小さな村の闘い、一人っ子政策というジレンマ、弾圧を受け続けるウイグル族の現状など――中国全土、事件の最前線を取材してきたジャーナリストならではの視点で描くルポルタージュ。そこには“日本人の知らない中国の姿”が描き出される。【目次】第一章 ウイグル騒乱――「民族団結」という虚しきスローガン/第二章 西部大開発――届かない恩恵/第三章 四川大地震、その後――被災した貧困の村で出会った人々/第四章 ゴーストタウン――林立する高層マンションには誰もいない/第五章 ウカン村の闘い――中国発の民主選挙の行く末/第六章 ハンカ東村の挫折――腐敗に染まった統治システム/第七章 薄熙来(はくきらい)の重慶――「唱紅」と「打黒」がウケた理由/第八章 重慶動乱――共産党権力闘争の裏側/第九章 一人っ子政策の限界――もはや産まない人たち
  • 儲かる農業論 エネルギー兼業農家のすすめ
    3.3
    「儲からない産業」と言われる農業。そこに追い討ちをかけるTPP。これに対抗するためには大規模集約化するしかないと思われているが、実は、小規模の兼業農業こそ生き残る可能性が高い。そう断言するのは、経済学者・金子勝と、食と農の政策アナリスト・武本俊彦。それぞれの専門を活かして、「儲かる産業」としての農業のあり方を提言する。そのカギとなるのは、農家が小規模の発電所を経営する“エネルギー兼業”というウルトラCである。すでに試みられつつある各地の事例を挙げながら、食料自給率の低下や地方の荒廃まで一気に解決する道筋を探る。農業関係者だけでなく、食やエネルギー問題に関心のあるすべての人に贈る必読の書!【目次】はじめに/第一章 食卓と農が崩壊する時/第二章 新しい兼業スタイルへ/第三章 日本の再生可能エネルギーと農村・農業/第四章 農村のエネルギー転換と課題/第五章 「地域分散・ネットワーク型」社会に向かって/おわりに

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