「昭和」を見つめ、一貫して戦争や国家を問うてきた著者の原点となったのは、1945年、14歳での敗戦体験だった。家族と渡った満州・吉林。敗戦後の難民生活は一年に及ぶ。「棄民」ともいうべき壮絶な日々、そして一家での日本への引き揚げ……。14歳という多感な少女が軍国少女となり、日に日に戦争に巻き込まれていく様を、自身の記憶と膨大な資料から丁寧に回顧し綴る。【目次】少女の行程/澤地家家系図/吉林市の街中の地図/はじめに/第一章 十四歳の少女/第二章 秘密/第三章 王道楽土/第四章 戸籍謄本/第五章 学徒動員・無炊飯/第六章 水曲柳開拓団/第七章 八月十五日・敗戦/第八章 いやな記憶/第九章 蟄居の日々/第十章 内戦下/第十一章 旧陸軍兵舎/第十二章 日本へ/おわりに
Posted by ブクログ 2017年06月01日
1930.9.3生まれ(俵萠子さんと同じですね)ノンフィクション作家澤地久枝さんの「14歳 満州開拓村からの帰還」(2015)を読みました。敗戦後外地からの引き揚げがいかに大変かは、藤原ていさん(1918.11.6~2016.11.15)の「流れる星は生きている」などで伺ってますが、この作品は、著者...続きを読む
Posted by ブクログ 2022年05月22日
戦争についての著書はいくつもありますが
満州からの引き上げについての本というのを
私は読んだ事がなかったので読んでみたいと思っていました。
この本は著者が優しい口調で(少女の目線)書かれていたので 読みやすかったです。
読み終わって
しみじみ 子供がどれだけ洗脳されやすかったのか
本土と違う 終...続きを読む
Posted by ブクログ 2016年01月02日
14歳の頃の自分と社会を書くというから、自伝的な小説で、中高生にも薦められる内容かと思ったが、書き方はあくまで大人向けで、中高生にはちょっと難しい。
著者は当時としてはごく普通の軍国少女だし、恐ろしい目にあったとはいえ、比較的恵まれていた方だと思う。
だから、凄まじい体験を期待すると肩透かしにあう。...続きを読む
Posted by ブクログ 2015年08月09日
著者自身の14才当時の満州での日常が語られている。
どんな生活をしてたかが如実にわかる。
著者自身がソ連兵にレイプされそうになったシーンも描かれていてその後の人生にも影響があったとある。
中国人の家に住み込んで働き手として労働したり。
シラミだらけの体でいても平気になっていたり…。
下の弟たち(?...続きを読む
Posted by ブクログ 2018年10月29日
文字通り、また、筆者が自ら語った通りの「覚え書き」による体験記。その名の通りの「覚え書き」であるため時系列の前後が多々あり少し読みにくさを感じるが・・・、内容については何の不満も無し。
無知な少女が大本営発表や軍国教育のために思想を染められてゆく様が、気味悪いくらいにリアルに伝わってきた。
エ...続きを読む