先日「イスラエル」という本を読み、ユダヤ教とヨーロッパの関係について理解を深めたので、次はこちらでイスラームとの関係について知ろうと思った。
まずイスラーム、イスラム教の教えについて、私もご多分に漏れず過激なイメージがあったので、そこが訂正された。弱者を救済する、心に平穏をもたらす。宗教はみなそう
...続きを読むゆうものだと思っていたけど、作者曰く、その他の宗教よりもその作用が大きいように書かれていると理解した。
ジハードで銃を持ちテロを起こす人たちはイスラーム世界の中でもごく一部。
また、ヨーロッパ社会各国の異文化、異民族への考え方も新たな知識となった。フランスのライシテ、ドイツの血統主義など、ヨーロッパと一口に言っても、それぞれの主義主張は違うし、イスラームへの対応も異なる。日本人は排外主義=極右と捉えがちだけど、リベラル層も排外主義に傾いている。
しかしながら、いずれの国も排外的な政策に傾倒していることは間違いない。
そしてそうしたヨーロッパやアメリカ、その他社会の排外的な政策や、イスラームは危険という決め付け、欧米的ポリコレなどの思想などなどが世俗的だったムスリムさえもイスラームに再覚醒させたのではという筆者の指摘は納得だった。
このところ、イスラエル、ロシアプーチン大統領に関する本を読んでいて、共通するところは、欧米諸国が自分たちの考え方を正として、相手のことを理解しようともせず、押し付けていることが火種となっている、ということだと思う。
流行りの言葉でメタ認知の重要性をより感じる本(たち)だった。