金森修の作品一覧
「金森修」の「科学の危機」「科学の名著 第2期」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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「金森修」の「科学の危機」「科学の名著 第2期」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
Posted by ブクログ
感動したかと言われれば、かなり感動した。
著者の息遣いを感じる。
ベルクソン初学で読み、唯物論的世界観に生きながら唯物論的ではない世界観に触れた。金森ーベルクソンの「唯心論」は現実的、常識的に感じる。全て数式で説明付けられるとは、必ずしも言えない、というのは僕には痒い所に手が届く意見。「必ずしも言えない」という控えめな主張に留め、科学的説明の価値は認める知的誠実さを残して、しかしその万能性に疑いを挟む。たしかに測定できる時間ではない時間感覚があるように思えるし、数字に置き換えられない瞬間瞬間の変化を自分に感じる。実体験に基づいて感じるところを起点とすると、唯物論よりも納得がいくオルタナティブ
Posted by ブクログ
「チフスのメアリー」症例がステレオタイプ化されてゆく過程をていねいに追ったモノグラフ。今回のコロナウイルス禍をうけて再版されたようだが、たしかに、いま読む意義は大きい。内容はポイントを押さえ、深いが、プリマ—新書のフォームで平易かつ簡潔、コンパクトにまとめられている。
二〇世紀初頭、アメリカ。移民のお手伝い女性メアリーが、チフスキャリアである可能性が判明し、自由を制限されて隔離される。当時の公衆衛生的状況もあいまって、キャリアであることがスティグマ化され、患者がひとりの個人であるという事実が消えてゆく。
これをみてなんとなく思い出すのは、最近のラノベなどで見かける著名作家などを用いた歴史
Posted by ブクログ
哲学者の考える科学の話だが,教えさせられる点が多い.科学者の仕事が個人で完結した時代から,次第に社会との接触が始まり,さらに社会から規制される過程を克明に描写している.「古典的規範」がCUDOS,さらにはPLACEになっていく.多くの科学者の事例を取り上げていることも理解しやすい構成だ.国家が主導する不適切な科学政策への抵抗として,P211に挙げている次のパラグラフが良い.「国家の中枢でなされる決定に参加できる成功した大科学者が,審議会や学術会議などの発言機会を利用して,自分の優雅な老後や帰属領域のことだけを考えるのではなく,科学の古典的規範に照らした上で少しでも健全な知識生産体制を整備するた