作品一覧

  • 動物に魂はあるのか 生命を見つめる哲学
    4.2
    動物に霊魂はあるのか、それとも動物は感じることのない機械なのか――。アリストテレスに始まり、モンテーニュを経て、デカルトの登場によってヨーロッパ哲学界で動物をめぐる論争は頂点に達した。古代ギリシャ・ローマ時代から二〇世紀のハイデッガー、デリダまで、哲学者たちによる動物論の系譜を丹念に跡づける。動物/生命へのまなざしの精緻な読解によって「人間とは何か」を照らし出す、スリリングな思想史の試み。
  • 病魔という悪の物語 ──チフスのメアリー
    3.6
    1巻770円 (税込)
    料理人として働いていた彼女は、腸チフスの無症候性キャリアとして、本人に自覚のないまま雇い主の家族ら50人近くに病を伝染させた。「毒婦」「無垢の殺人者」として恐れられた一人の女性の数奇な生涯に迫る。
  • 高校生と考える日本の問題点 桐光学園大学訪問授業
    3.3
    1巻1,650円 (税込)
    「いまの日本の指導者にいる大人たちの中に、君たちの将来の幸福なんて考えている人間はほとんどいません」―内田樹 豪華講師20人が、中高生に向き合いながら、日本の問題点を語り尽くした白熱1800分! この社会の仕組みはいつまで続くのか? わたしたちはどうやって現代を生き抜くべきか? 文学・社会学・歴史・科学・芸術・政治などさまざまな分野から考えます。 豪華講師が、中高生に向き合いながら、日本の問題点を語り尽くしました。 この社会の仕組みはいつまで続くのか? 白熱1800分!
  • ベルクソン 人は過去の奴隷なのだろうか
    3.9
    君のなかの<純粋持続>を探せ! 日常生活をおおい尽くす<空間的なかさぶた>の下から聞こえてくる<純粋持続>の声。溢れ出るような持続のつぶやきに耳を澄まし、難解なベルクソンの時間論を読み抜き、あらたな解釈の地平を開く。 [内容] 第一章 純粋持続を探せ 『創造的進化』にまつわる間奏曲 第二章 押し寄せる過去と、自由の行方 ベルクソン小伝 読書案内
  • 科学の危機
    4.0
    1巻748円 (税込)
    かつて毒ガス兵器の開発者がノーベル賞を受賞した。その後も科学の軍事利用は止まるところを知らず、原子力、遺伝子ビジネスなど、研究はさらに未知の領域へと踏み込んでいく。本書は科学史と思想史を手がかりに、〈科学の古典的規範〉がいかに崩壊したかを明らかにする。さらに、専門家ではない人々が、科学の暴走に歯止めをかけるために必要な〈感覚〉について論じる。危機に瀕する科学に対し、どこに問題の本質があるのか核心を突く画期的論考。【目次】まえがき/第一章 科学の自覚/第二章 科学の変質/第三章 ある科学者の肖像/第四章 科学批判の諸相/第五章 科学の文化的批判に向けて/あとがき
  • 科学の名著 第2期<1> インド医学概論 : チャラカ・サンヒター
    -
    1~10巻7,150円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 インドの伝統医学体系はアーユルヴェーダと呼ばれ、今日なおその命脈を維持している。『チャラカ・サンヒター』は二千年にも亙って、アーユルヴェーダを伝えてきた実用的医学書。

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ユーザーレビュー

  • 病魔という悪の物語 ──チフスのメアリー

    Posted by ブクログ

    コロナ禍の時に発売された理由がわかった。
    付箋をしながら読んだ本。
    これはかなりの勉強になりました。
    知らずに人に病気をうつしている……無症状のコロナ患者さんもいたよね。

    0
    2024年02月25日
  • ベルクソン 人は過去の奴隷なのだろうか

    Posted by ブクログ

    感動したかと言われれば、かなり感動した。
    著者の息遣いを感じる。

    ベルクソン初学で読み、唯物論的世界観に生きながら唯物論的ではない世界観に触れた。金森ーベルクソンの「唯心論」は現実的、常識的に感じる。全て数式で説明付けられるとは、必ずしも言えない、というのは僕には痒い所に手が届く意見。「必ずしも言えない」という控えめな主張に留め、科学的説明の価値は認める知的誠実さを残して、しかしその万能性に疑いを挟む。たしかに測定できる時間ではない時間感覚があるように思えるし、数字に置き換えられない瞬間瞬間の変化を自分に感じる。実体験に基づいて感じるところを起点とすると、唯物論よりも納得がいくオルタナティブ

    0
    2021年04月24日
  • 病魔という悪の物語 ──チフスのメアリー

    Posted by ブクログ

    公衆衛生と個人の自由の問題は難しい.この本はチフスのメアリーとして世界中に固有名詞のように知れ渡った女性個人に光を当て,健康ではあるが保菌者であったために35年間も隔離されて生きたことについて問題提議し.読者に問いかけている.新型コロナウィルスの脅威にさらされている今,切実な問題だ.文章もわかりやすく簡潔でしかも奥深い.たくさんの人に読んで欲しいと思った.

    0
    2021年02月12日
  • 病魔という悪の物語 ──チフスのメアリー

    Posted by ブクログ

    「チフスのメアリー」症例がステレオタイプ化されてゆく過程をていねいに追ったモノグラフ。今回のコロナウイルス禍をうけて再版されたようだが、たしかに、いま読む意義は大きい。内容はポイントを押さえ、深いが、プリマ—新書のフォームで平易かつ簡潔、コンパクトにまとめられている。

    二〇世紀初頭、アメリカ。移民のお手伝い女性メアリーが、チフスキャリアである可能性が判明し、自由を制限されて隔離される。当時の公衆衛生的状況もあいまって、キャリアであることがスティグマ化され、患者がひとりの個人であるという事実が消えてゆく。


    これをみてなんとなく思い出すのは、最近のラノベなどで見かける著名作家などを用いた歴史

    0
    2020年05月31日
  • 科学の危機

    Posted by ブクログ

    哲学者の考える科学の話だが,教えさせられる点が多い.科学者の仕事が個人で完結した時代から,次第に社会との接触が始まり,さらに社会から規制される過程を克明に描写している.「古典的規範」がCUDOS,さらにはPLACEになっていく.多くの科学者の事例を取り上げていることも理解しやすい構成だ.国家が主導する不適切な科学政策への抵抗として,P211に挙げている次のパラグラフが良い.「国家の中枢でなされる決定に参加できる成功した大科学者が,審議会や学術会議などの発言機会を利用して,自分の優雅な老後や帰属領域のことだけを考えるのではなく,科学の古典的規範に照らした上で少しでも健全な知識生産体制を整備するた

    0
    2015年12月01日

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