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Posted by ブクログ
動物に魂があるかどうかの話をしていない(0_0)
話しているのは「人間が」動物の地位についてどう考えてきたかということ。それにペタッと「魂」というサブテーマを貼ってあるような感じだった。
メインテーマは動物機械論。この動物機械論というのが、動物たちの喜びも苦痛もすべて単なる機械的な反応であり、意に介する必要のまったくないもの、というかなり人でなし感ふんぷんのゲス理論。マルブランシュ許せない。
序章。著者が以前は昆虫についてほとんど機械のようなものだと考えていたこと、ゆえに昆虫は「死んだ」ではなく「壊れた」と述べても良いのだ、と自分の講義で発言して反感を買ったエピソードを読んで、自分もこの人無理だわと思った。
(その後自分でも違和感を感じて考えを変えたことも書いてある)
続いて第一章でまずアリストテレスを引用して霊魂(魂)の定義をするんだけど「アリストテレスは『霊魂論』でものをそのものたらしめる本質的なものを霊魂とし、さらにそれだけじゃなくて、ものの存在を生みだす要因(始動因)でありその存在を意味付ける目的(目的因)でもあるとしている」と述べたあと
となると、こうもいえるはずなのだ。
Aという生物がいる場合、Aの霊魂はAの運動がそこからくるところのそれ(始動因)であり、Aがそのために存在するところのそれ(目的因)、なおかつ、AがまさにそのゆえにAであるところのそれ(形相因)なのである。
と言い換える。
???
言い換える必要あった?
なんでわざわざこんな難しくいう必要あるの、と言いたくなるところはここだけじゃない。
さらに、頻繁に、この先は私の仕事じゃないので、本のバランスが崩れるので、紙面の都合があるので、と話を切り上げまくるし、著名な哲学者たちの著作と思想の紹介に徹するばかりでほとんど持論やまとめを出してこないのでおい哲学者仕事しろ、という気持ちにもなる。
サラッと切り上げるのは理由があって、「本書が行う中心的作業は、特定の思想家の思想を掘り下げることではなくある概念(動物は機械のようなものである論と、いやいや魂あるよ論)の命運とその消長をラフに描くことであり、それ以上のものではない」と終章付近で著者自身が述べている。
でもそれを踏まえても、この哲学者風を吹かしつつ本題に迫ってくれないフワフワ感にものすごく読む気力を削られ続けるので、もしかしてこの人持論がないのかしらと思ってしまう。
さらにさらに。
最終章になってタイトルのことを思い出したのか、著者自身が動物に魂があると思ってるのか否かについてやっと言及するんだけど、その段階になってこの人はするりと哲学者の皮を脱ぎ捨てて、何の根拠も考察もしめさずに「あ、ぼくは動物に魂はあると思うよ!あるある!だからみんな動物を大事にしようね」と言って終わるのである。
たまたま人気アニメの銀魂をちらっと見たときに、オバQのような宇宙生物について「こんな思想もないもの(宇宙生物)を好きも嫌いもなかろう」と言っているのを見て、ふと、思想=魂と言えるのではないだろうか、と興味をもって読んでみたけど、この本ではその手がかりすら見つけられなかった。
いろいろ突っ込みどころがあり、テーマとズレてると感じる部分も多いが面白くはあった。斜め読みでいいから3回くらい読んでみると、第一印象に惑わされずに内容を楽しめるのではないかと思う。
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