感情タグBEST3
Posted by ブクログ
感動したかと言われれば、かなり感動した。
著者の息遣いを感じる。
ベルクソン初学で読み、唯物論的世界観に生きながら唯物論的ではない世界観に触れた。金森ーベルクソンの「唯心論」は現実的、常識的に感じる。全て数式で説明付けられるとは、必ずしも言えない、というのは僕には痒い所に手が届く意見。「必ずしも言えない」という控えめな主張に留め、科学的説明の価値は認める知的誠実さを残して、しかしその万能性に疑いを挟む。たしかに測定できる時間ではない時間感覚があるように思えるし、数字に置き換えられない瞬間瞬間の変化を自分に感じる。実体験に基づいて感じるところを起点とすると、唯物論よりも納得がいくオルタナティブな立場であると感じる。
詳しくはわからないから、金森が勧める本を少しずつ読むといいのかもしれない。それか科学史家である金森を追っていくのがむしろ正攻法かも知れない。
とにかく分量的には小さい本だが内容は厚く、感じるところが多かった。
Posted by ブクログ
ベルクソンの哲学を「純粋持続」をキーワードに読みほどく。薄いけれども単なる要約ではなく、大変わかりやすく、また読んでいると明るい気持ちになる。個人的には記憶が身体に蓄積されているというふつうの空間的イメージを否定しているところが面白かった。それならどこにどう存在しているのか、それはいろいろ想像の余地があるのがよい。
Posted by ブクログ
とても平易な解説だし、著者の熱い思いがあふれ出してきそうな良書。
哲学というとただ形而上の小難しい概念を小難しい顔してこねくり回しているという印象があるかもしれないけど、本来はこんなふうに、熱い衝動から生まれるべきものなのだと思う。
が、しかし。。。
それでも僕には「純粋持続」の概念がわからない。いったいこれはなんなんだーー!!
Posted by ブクログ
「純粋持続」-時間を考える上(かつ私が生きる上で)で重要なこの概念を丁寧に本書は解きほぐしている。私自身、ベルクソンはかじった程度なので、これを機に原著を深く読み込んでみようという気になった。
以下、気になった記述。
・「要するに純粋持続は、質的変化が次々に起こること以外のものではないはずであり、その変化は互いに溶け合い、浸透し合い、正確な輪郭を持たず、互いに対して外在化するといういかなる傾向もなく、数との近親性もない。それは純粋な異質性のはずだ。」
・それは日常の功利的要請や実際的価値のせいで空間化されている、心の比較的表層の部分を突き抜けて、判断し、情愛を感じ、決心するといった、心の中でも最も重要な部分を、より純粋な形で見出すということでもある。
・「因果性と同一性は完全に合体することはない。」
・(概念は)検証とは違う性質を持つ生産性なのである。
・知覚とは、なによりも対象の固定であり、対象の省略的で概略的な把握、対象の形骸化を意味している。
・ことばは、世界を固定し安定させるための、この上ない武器なのだ。
・年をとればとるほど先細りふうに選択肢が減っていくという表象自体、きわめて空間的な表象。
Posted by ブクログ
[ 内容 ]
日常生活をおおい尽くす「空間的なかさぶた」。
その下から聞こえてくる持続のつぶやきに耳を澄まし、自分自身を発見する旅へと誘う。
[ 目次 ]
第1章 純粋持続を探せ(量と質との戦い;純粋持続とはなにか)
『創造的進化』にまつわる間奏曲
第2章 押し寄せる過去と、自由の行方(知覚という謎;記憶のありか;自由の泉)
[ POP ]
[ おすすめ度 ]
☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)
[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ]
Posted by ブクログ
感覚と時間を数量的にとらえることの限界を指摘し、自然科学一元論的な考えを批判することがベルクソンの目的で会ったようだ。ささっとベルクソンの知識を付けるのにはよかった。
概念整理
〈純粋持続〉数量的にとらえられない、確かにあるとしかいえない時間の流れ。人間のみに存在する。
〈物的な持続〉時計、暦などで時間を均質的に「区切る」
〈純粋知覚〉理論的にのみ存在する瞬間的な知覚
〈純粋記憶〉記憶心像として記憶の中に待機している物を、知覚として捉えると同時に記憶から取り出している。現在性の否定、人格性の否定?(私の知覚はある意味で過去の人々の知覚でもある)。
最後はやや自己啓発的な内容だったので星3にしています。