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冷戦後、世界の安全保障の枠組みが激変するただ中で、カンボジアPKOやボスニア紛争の調停をはじめ、国連が主導した1990年代の平和活動を指揮した日本人がいた。もっとも困難な立場に立たされた交渉人―-明石康は、シアヌーク、ミロシェヴィッチ、カラジッチといった現代史に名を残す政治家・ナショナリストたちと、どのように対話し続けてきたのか? バルカン半島の現場を熟知するジャーナリスト木村元彦が、1年間にわたって連続インタビューを敢行。誰よりも苛烈な現場を潜り抜けてきたミスター・アカシの交渉テクニックに迫る!【集英社新書『「独裁者」との交渉術』改題】【目次】本書の読者のために(木村元彦)/第一章 反抗児/第二章 初の日本人国連職員/第三章 国連的アプローチ/第四章 文民統制/第五章 カンボジアPKO(一)/第六章 カンボジアPKO(二)/第七章 ボスニア/第八章 人を見る目/第九章 食事術/第十章 スリランカ問題/第十一章 スリランカ和平調停の裏側/終章 職業としての交渉者/インタビューを終えて(木村元彦)/あとがき(明石康)/カンボジアPKO関連資料(略年表・主要人物・地図)/旧ユーゴスラビアPKO関連資料(略年表・主要人物・地図)/スリランカ和平調停関連資料(略年表・主要人物・地図)/用語解説
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Posted by ブクログ
平明で読みやすい文章であったが、盛り込まれた内容は非常に充実している。国連という立場からの平和構築について、現場的な観点から生々しく回想されている。カンボジア、旧ユーゴ、スリランカにおける、私でさえ知っているような政治リーダーたちとの和平交渉の記録は、極めて貴重なものだと思う。明石さんの鋭い観察眼により捉えられた指導者像は、興味深かった(特にシハヌーク、ミロシェヴィッチ、カラジッチ、ムラディッチについて)。
明石さんは、特定の主体に対して肩入れしないポリシーを貫徹し、しかしながら相手の言い分・立場・背景を尊重しながら交渉を行った、慎重、冷静、柔軟、相対的、戦略的、現実主義的な調停者であったことが伝わってくる。終盤に語られる交渉者論についても、読者にとって一社会人としても非常に参考になるものだろうと思った。また、明石さんの決断力、多角的な行動力、思考の明晰さと一貫性、そして高潔な人柄については、個人的には大いに尊敬したいと感じた。
(一応、自分用のメモとして補足する。本書はあくまでインタビュー形式により行われた「回想録」であり、学術的な観点から資料として用いるには困難が伴うことは否定できず、使用する場合には細心の注意が必要とされると思う。あくまでPKOや和平交渉の舞台裏についてと、明石康さん(の個人的な考え方)について、大まかに知るための予備知識的ツールに過ぎないことに留意しておきたいと思う。)
Posted by ブクログ
[ 内容 ]
冷戦後、世界の安全保障の枠組みが激変するただ中で、カンボジアPKOやボスニア紛争の調停をはじめ、国連が主導した一九九〇年代の平和活動を指揮した日本人がいた。
もっとも困難な立場に立たされた交渉人―明石康は、シアヌーク、ミロシェヴィッチ、カラジッチといった現代史に名を残す政治家・ナショナリストたちと、どのように対話し続けてきたのか?
バルカン半島の現場を熟知するジャーナリスト木村元彦が、一年間にわたって連続インタビューを敢行。
誰よりも苛烈な現場を潜り抜けてきたミスター・アカシの交渉テクニックに迫る。
[ 目次 ]
反抗児
初の日本人国連職員
国連的アプローチ
文民統制
カンボシアPKO
ボスニア
人を見る目
食事術
スリランカ問題
スリランカ和平調停の裏側
職業としての交渉者
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[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ]
Posted by ブクログ
* 私は敵を想定しない
紛争調停や平和維持のために行動しているからこそ、敵を想定しない交渉が生まれる。当事者同士は複雑な利害関係で動いており、譲れない点も多く一見欧米のメディアのように善悪二元論を持ち出す方がわかりやすいのだろうが、それでは力関係で物事が動いてしまう。平和を一時的にもたらすのではなく、長持ちさせるためには、当事者たちの納得が必要。信頼の構築には一般的に長い時間が必要だと思うが、それを一年半程度で成し遂げる明石さんはすごいと思う。
* 明石さんがなぜ信頼を獲得できたのか
* 相手を悪者として扱ったりせず、常に中立の立場にたって対話した
* 時間があるときは個人的にあったり、食事をしたり、いろんなチャネルを使う
* 時間がないときはなりふりかまわず必死に(声涙ともに下る)訴える
* 利害関係の外にいる人間のそんな姿が当事者たちの心を売ったのではないだろうか
しかし、明石さん自身がモチベーションをよく高いレベルに保ってこれたものだ。
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