終わらぬ「民族浄化」セルビア・モンテネグロ

終わらぬ「民族浄化」セルビア・モンテネグロ

693円 (税込)

3pt

1999年のNATO軍の空爆により、コソボ紛争は公式には「終結」したことになっている。しかし現地では、セルビア系の民間人が3000人規模で行方不明になるなど、空爆前とは違った形で「民族浄化」が続き、住民たちは想像を絶する人権侵害の危機にさらされている。また、空爆による劣化ウラン弾の被害は甚大で、すべての回収には100年を要するという。本書は、空爆終了後6年間にわたって現地に通い続けた唯一のジャーナリストが、九・一一やイラク戦争の開始以降ほとんど報道が途絶えてしまったセルビア・モンテネグロの現状を告発した、渾身のルポルタージュである。【目次】まえがき/旧ユーゴスラビア全図/第一章 大コソボ主義(2001年~2002年)/一 消えた1300人――セルビア人拉致被害者たち/二 真っ先に見た事務局長/三 コソボへ/四 マケドニア潜入行/第二章 混迷の中で(2002年)/一 劣化ウランとユーゴスラビアの核/二 10月革命の裏側/第三章 セルビア・モンテネグロの誕生(2003年)/一 新憲章発布とモンテネグロ/二 新憲章発布とコソボ/三 誰がジンジッチを殺したのか/四 ボスニア・ヘルツェゴビナ/五 少年が殺された/終章 語り部(2004年10月)/柴宜弘教授との対話――あとがきに代えて/ユーゴスラビアとセルビア・モンテネグロに関する年表

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終わらぬ「民族浄化」セルビア・モンテネグロ のユーザーレビュー

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    Posted by ブクログ 2018年10月04日

    「ユーゴスラビア現代史」を読んで、そういえば昔ストイコビッチの本を読んだあとに関連本を買ったな!と本棚を探したらありました。まだ歴史的背景がキチンと頭に入っていなくて、少々ついて行くのに苦労しましたが、忌まわしい「民族浄化」のことを少しだけ理解できたように思います。

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    Posted by ブクログ 2019年05月06日

    ユーゴスラビア解体後の”セルビア・モンテネグロ”の戦慄する現状がレポートされている一冊。
    著者が直接現地に赴き、取材を重ねて、その現状を赤裸々に綴っている。

    セルビア人が他民族を「民族浄化」したことは間違いない、しかしその”逆”が現在行われているのが現実。。。
    「暴力」は絶対悪なのに、”される”側...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2016年02月20日

    現場からの取材から伝わってくる民族紛争の悲惨さ、やるせなさが痛々しい。冒頭は読み続けるのも辛い事実が続く、恨みの連鎖には言葉がない。

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    Posted by ブクログ 2014年01月04日

    あくまで現地取材にこだわった筆者のルポ。
    他民族国家の旧ユーゴとしてまとまっていた国が、あっという間にここまで分裂、崩壊してしまうとは...。民族の違いとは何なのかすら今ひとつ実感として刷り込まれていない自分のような日本人には、本質的に理解してない(出来てない)部分があるような気もする。

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    Posted by ブクログ 2012年06月07日

    数年前、ボスニアヘルツェゴヴィナを旅した。ヴィシェグラードという国境付近の街を目指して、スルプスカ側(セルビア人共和国側)に入ったとたん、旅行者の目にも何となく貧しさが感じられた。そういうものの背景に何があるのか、どういう事態が引き起こされていて、それに対しひとりひとりどんな気持ちでいるのか、じっく...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2012年04月15日

    1999年のコソボ空爆以来、西側には終わっていると報道されている現地の状況報告。何年も現地で丹念に取材した、ルポタージュ、報道(ジャーナリズム)とは、このようなことに原点があるのだと思う。

    アカデミズムとは一線をおいた現地の現状であるので、その評価は読者やそれを読んだ人にゆだねられていると思う。
    ...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2011年06月07日

    複雑な、ボスニア戦争のその後が分かりやすくまとめられてて読みやすかった。政治家たちと先進国の残した傷跡は、あまりにもひどい。。

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    Posted by ブクログ 2014年10月26日

    [ 内容 ]
    1999年のNATO軍の空爆により、コソボ紛争は公式には「終結」したことになっている。
    しかし現地では、セルビア系の民間人が三〇〇〇人規模で行方不明になるなど、空爆前とは違った形で「民族浄化」が続き、住民たちは想像を絶する人権侵害の危機にさらされている。
    また、空爆による劣化ウラン弾の...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2009年10月04日

    木村さんの現地取材主義は相変わらず。わたしはこの人の本を読まなければセルビア難民の存在も知らなかったかもしれません。内戦で一方の陣営からは被害が出ないなどということはあり得ないにも拘わらず。巻末の柴宜弘先生との対談も(短いですが)興味深いです。セルビア内の自治州としてやや影の薄いヴォイヴォディナが取...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2011年01月17日

    『悪者見参―ユーゴスラビアサッカー戦記』からさらに著者は旧ユーゴスラビア諸連邦・地域の取材を進める。
    民族同士の対立は、居住地域からの対立民族の(拉致・殺害を含む)強制排除を生んだ。
    もはやニュース・ソースとしては扱われない民族間の凄まじい“浄化”の実態を本書においてもその徹底した現場主義で伝えてい...続きを読む

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