英仏百年戦争

英仏百年戦争

748円 (税込)

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それは、英仏間の戦争でも、百年の戦争でもなかった。イングランド王、フランス王と、頭に載せる王冠の色や形は違えども、戦う二大勢力ともに「フランス人」だった。また、この時期の戦争は、むしろそれ以前の抗争の延長線上に位置づけられる。それがなぜ、後世「英仏百年戦争と命名され、黒太子エドワードやジャンヌ・ダルクといった国民的英雄が創出されるにいたったのか。直木賞作家にして西洋歴史小説の第一人者の筆は、1337年から1453年にかけての錯綜する出来事をやさしく解きほぐし、より深いヨーロッパ理解へと読者をいざなってくれる。【目次】序、シェークスピア症候群/前史 一、それはノルマン朝の成立か/二、それはプランタジネット朝の成立か/三、第一次百年戦争/本史 一、エドワード三世/二、プランタジネットの逆襲/三、王家存亡の危機/四、シャルル五世/五、幕間の悲喜劇/六、英仏二重王国の夢/七、救世主/八、最終決戦/後史 一、フランス王の天下統一/二、薔薇戦争/結、かくて英仏百年戦争になる

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英仏百年戦争 のユーザーレビュー

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    Posted by ブクログ 2022年04月29日

    英仏百年戦争
    それはイギリスとフランスの戦争でも、百年の戦争でもなかった。
    戦う二大勢力はともに自身を「フランス人」であると認識。
    領地の感覚が優先し、国の感覚が希薄だった時代に、イギリスという国とフランスという国の戦争など、設定できない。

    しかし、英仏百年戦争は、イングランド王、フランス王にそれ...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2021年03月20日

    大学の一般向け講座を受講した際に勧められた著作。

    非常に読みやすく、わかりやすい。

    概説書としての側面もありながら、専門性もある。

    『百年戦争』の考え方、国民国家を基軸とする歴史の考え方をもう一度捉え直す著作である。

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    Posted by ブクログ 2020年11月17日

    フランスを舞台にした歴史小説を得意とする佐藤賢一氏による百年戦争の概説書である。

    百年戦争は、現代の主権国家体制に馴染んだ我々からすると、つい安直にフランスとイングランドが戦った戦争である、と思い込みがちである。
    そう思い込むと、大変分かりづらくなるのが百年戦争である。

    本書は、百年戦争以前には...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2019年12月20日

    いわゆる英仏百年戦争を前史・後史含めた全体を叙述した一冊。戦争を通して変容する国家観についての考察や、ジャンヌ・ダルクについての詳述など興味深い点が多い。前に読んだヴァロワ朝と記述がかぶる点も多いけれど面白かった。

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    Posted by ブクログ 2019年03月29日

    ドーバー海峡を挟んで隣国であるフランスとイギリスが、最近まで剣呑の仲であることは承知していましたが、歴史をたどっていけばその謎も解けるというものです。

    この戦争を機に現在のイギリスとフランスの地盤が出来たといっても過言ではないでしょう。
    フランス王家から分かれたイングランド。
    フランス王家といえど...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2018年10月07日

    歴史は後から俯瞰してみると、最初から間違った意識のまま見誤ってしまうことが多い。今回もそうでした。

    歴史じゃないんだ。
    生きた人間が一人ひとり動いて、そこに出来た何かが残っていくんだという事が良く分かった一冊に。

    英仏百年戦争。
    フランス人のイングランド領主と、フランス人のフランス領主との戦いで...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2014年04月18日

    「王妃の離婚」や「物語フランス革命」などヨーロッパを題材とした小説で有名な佐藤賢一。エンターテイメント小説を手掛けているためか、大変読みやすく100年戦争が描かれている。
    100年戦争が終結する以前のヨーロッパは、地方領主がひしめく中、ローマ教皇や神聖ローマ皇帝が歴史を動かす軸として存在感や影響力を...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2013年07月18日

    古本で購入。
    これは久々の目からウロコ本。

    高校世界史レベルの知識だと、「百年戦争」の図式は
     イギリスVSフランス
    てなところだが、実際は
     フランス人のイングランド王VSフランス人のフランス王
    という、フランス人同士の王座を巡る闘争だった。まず、ここで「おぉ」と思わされる。

    いや...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2012年05月09日

    「英仏百年戦争はあったのか?」と問うところから、終章まで一気に駆け抜け、概念の再構築をしてくれる。

    「イギリス」「フランス」の成立を、制度と文化から描いているが、なぜ「英仏百年戦争」なのか、それがぴしりとわかる明晰な内容。

    この本を読んでから年表を見たり、記号にしか見えなかった王や諸侯、諸領をみ...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2022年06月04日

    国民と国家という意識が当たり前では無いという前提から考えると納得がいくことも多く、今は当たり前だけど当時は、と何事も疑ってみることは大切だと感じた。
    また、なぜ英語の中にフランス語由来の単語が多いのか、の理由の一つが分かったような気がする。

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