Posted by ブクログ
2013年12月27日
1498年のフランスを舞台に王のルイ12世と王妃ジャンヌの裁判劇を、ジャンヌの顧問弁護士となるフランソワの活躍から描いた小説。
西洋史については全くの知識ゼロで、『ルイ』という名詞意外に思い当たるものがない状態で読み始めたのですが、それにもかかわらずとても楽しんで読むことができました。
当時の法...続きを読む律についての議論も面白いのですが、フランソワが王妃の弁護を始めてから、その面白さに拍車がかかった感じがします。
この裁判で一番の争点となるのはズバリ、セックスがあったかどうか! これを公開裁判で争うわけで、フランソワがいかに聴衆を味方につけて検事をやり込めるかが楽しみの一つのわけですが、聴衆のヤジの下品さといったら(笑)
不利な状況からの逆転劇も楽しみの一つですが、権力に屈しないフランソワの姿や、大衆の好奇の目に晒されながらも凛とした強さを失わない王妃ジャンヌの姿、男気のあるオーエンなど生き様や立ち振る舞いのかっこいいキャラがたくさんいたのも読んでいてすがすがしい。
そしてこの本のもう一つのテーマが「結婚とは」ということ。この本が示した一つの回答は、考えたことのないものでもあったのですが、なるほどと思わず納得もしてしまいました。
第121回直木賞