1498年フランス。時の王ルイ12世が王妃ジャンヌに対して起こした離婚訴訟は、王の思惑通りに進むかと思われた。が、零落した中年弁護士フランソワは裁判のあまりの不正に憤り、ついに窮地の王妃の弁護に立ち上がる。かつてパリ大学法学部にその人ありと謳われた青春を取り戻すために。正義と誇りと、そして愛のために。手に汗握る中世版法廷サスペンス。第121回直木賞受賞の傑作西洋歴史小説。
Posted by ブクログ 2023年05月01日
この作者は本当に日本人かしら…そう疑うほどの歴史認識と西洋理解、モンマルトルを歩く学生はほぼ坊さんで、血の気は多いは理屈っぽいはにはじまって、苦悩の先に離婚裁判。でも、ちょっと待って?!フランスってカトリックだよね、離婚できたっけ??
こんなお話を面白く地についた物語に仕立てるって、出来る?もう、一...続きを読む
Posted by ブクログ 2021年06月08日
これは面白かった!!
佐藤賢一氏の小説は初読み。歴史書である新書『テンプル騎士団』が面白かったので読んでみました。
ヨーロッパの歴史を舞台にしたエンタメ小説。
ちょっと下ネタ満載なのでR15指定してもいいくらいですね。
でも面白い。
この時代ってキリスト教がすべてにおいて優先されるので裁判も教...続きを読む
Posted by ブクログ 2019年03月29日
原告:フランス王ルイ12世ことルイ・ド・ヴァロワ
被告:ジャンヌ・ド・フランス
申し立て内容:婚姻の無効
ナント地方の弁護士であり、かつてはカルチエ・ラタンの伝説の男であるフランソワ。
離婚裁判を傍聴にいき、ある事情から王妃の弁護を引き受けることになります。
絶望的とも思える瀬戸際から、現場の手練...続きを読む
Posted by ブクログ 2015年10月21日
佐藤賢一の第121回直木賞受賞作品。Eテレ「100分de名著(2013年2月)モンテクリスト伯」の指南役として登場したので、彼がどんな作品を書いているのか読んでみることにした。
著者の佐藤賢一氏は鶴岡市生まれ、東北大学で歴史学やフランス文学を研究し、大学院の博士課程を出ているそうだ。だからこそ...続きを読む
Posted by ブクログ 2013年12月27日
1498年のフランスを舞台に王のルイ12世と王妃ジャンヌの裁判劇を、ジャンヌの顧問弁護士となるフランソワの活躍から描いた小説。
西洋史については全くの知識ゼロで、『ルイ』という名詞意外に思い当たるものがない状態で読み始めたのですが、それにもかかわらずとても楽しんで読むことができました。
当時の法...続きを読む
Posted by ブクログ 2017年08月15日
日本の歴史小説ばかり読んでいた自分に、西洋の歴史小説の面白さを教えてくれた思い出の本です。
十五世紀末のフランスである離婚裁判が始まります。原告はフランス国王ルイ十二世、そして被告は王妃ジャンヌ。キリスト教徒は離婚は認められていませんが、例外もあります。夫婦間に肉体関係がもたれなかったとすれば...続きを読む
Posted by ブクログ 2019年01月16日
小説として、純粋に面白い!!あらすじにあるように「中世フランスの法廷サスペンス」という触れ込みだったので、歴史蘊蓄が中心の堅っ苦しい本なのかなー、と思っていたんですがとんでもない誤解でした!確かに、必要十分な中世フランスの歴史知識は書かれていましたが、くど過ぎない程度で、むしろフランス史に興味がわき...続きを読む
Posted by ブクログ 2021年10月20日
表紙のデザインから予想するより面白かった。
中世近世?ヨーロッパ の背景に明るくないので、気後れせずに読めるのか少し心配しつつ、面白く思えたら読書をするのに好きな時代背景が増えていいなぁと期待して読んだ。
主人公の人物像は、現代日本男性なのではないかと思うぐらい、現実よりに思えた。不利な裁判をオ...続きを読む