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Posted by ブクログ
はいっ!ということでシブがき隊の楽曲を文字ってタイトルとしたわけですが、この『カポネ(上)』という作品、渋い表紙とは裏腹に、どこか滑稽で人情に厚い一人の若者が、禁酒法時代のアメリカはシカゴでギャングスターへの階段を駆け上っていくサクセスストーリーとして読むことができるご機嫌な作品です。
人を押しのけて生きるより、ひっそり慎ましく生きたいとか、ナンバー1にならなくてもいい、もともと特別なオンリー1だからと、努力するまえにあきらめる癖のついちゃった人に是非読んでもらいたい、とびきりの1冊です。
この本を読めば、人生は強引にいかないと切り開けないという教訓を得られること請け合いです。
では、どうぞ、お読みください!
…ということで完全にふざけて書いてますが、作者もたぶん、カポネに対して愛着を持ってこの小説を書いていると思う。
確かにカポネは犯罪に手を染めていくわけだが、自分のためというよりは「ファミリー」を守るためという大義のために行動している。なんか国家に盾突いている義賊のようなところがある。まともな仕事の斡旋とか教育支援とか、食糧支援とかも積極的に行うし、悪いことして稼いだ金だけど、良いことにも使っている。どこまで本気だったかわからないが、シカゴにカポネを頂点とする治外法権国家を夢見ていたんじゃなかろうか。将門みたいな奴かな…
そう考えると、下巻であきらかになるが、カポネの最期はちょっと可哀そうに思える。悪行の報いと言えばそれまでだけど。
Posted by ブクログ
暗黒街の帝王、アル・カポネの成り上がっていくさまを描いていて、上巻では青年時代からファミリィを率いてシカゴを制覇するところまでが書かれている。
個人的に、この手の話の序盤は「我慢して読んでいく」ものだという印象があるのだけど、この小説では冒頭から面白い。話の構成から進めかたにいたるまで、巧妙で惹きつけられる。名の知れた人、モノを題材としているから、などではなく純粋に物語として楽しめる。ただ、緻密さは望めない。しかしこれはあくまでも小説なのだから、これでいいと思う。
ピカレスクということで「政府はクズだ」「警察はゴミだ」といったように作者が主張したり、あるいはカリカチュアライズされていたりといったこともなく、語り手は常に冷静であるところも非常にいい点だと思う。確かに読んでいると政府はクズで警察はゴミであるのだけど、それを声高に唱えず、事実を事実として書いているだけなので、読者は余計なことを考えずに読み進めることができる。
ここまで読んでいて気持ちのいい小説は久しぶりだった。
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