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疲労回復物質の存在が明らかになって以来、疲労に関する科学的調査が進んでいる。その結果、私たちが日常的に使う「体が疲れている」とは、実は「脳の疲労」にほかならないことがわかった。疲労のメカニズムとは何か、最新のエビデンスをもとに解説する。また、真に有効な疲労対策や乳酸、活性酸素、紫外線、睡眠との関係なども明らかにし、疲労解消の実践術を提示する。【目次】はじめに 疲労を科学することとは/第一章 疲労の原因は脳にあり/第二章 疲労の原因物質とは/第三章 日常的な疲労の原因はいびきにあった/第四章 科学で判明した脳疲労を改善する食事成分/第五章 「ゆらぎ」のある生活で脳疲労を軽減する/第六章 脳疲労を軽減するためにワーキングメモリを鍛える/あとがきにかえて
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Posted by ブクログ
【一口感想】
「あなたが感じるその疲れのすべての原因は、カラダやアタマじゃなく自律神経疲れだ」
【3行要約】
・カラダを動かすだけでも脳をめちゃくちゃに使っており、疲れたと自覚させられるのはカラダの疲れではなく、自律神経の中枢の疲れ
・アタマの疲れをカラダの運動で回復・リフレッシュさせることはできない。
・ポイントは、イミダペプチドとクエン酸の摂取と6時間以上の睡眠
【所感】
最近やたら疲れることが多くて、原因が睡眠不足にあることはわかっているのだけれど睡眠を確保し続けるだけで本当にこの疲れが回復するのか、疑心暗鬼になっていたところに書店で見つけてしまい即購入してしまいました。
自分はこの本をよむまでカラダの疲れとアタマの疲れはまったく別モノだと思っていて、もっというと、カラダの疲れは疲労回復できる食べ物をとって安息状態になれば休むことができ、アタマの疲れはカラダを動かしたりストレス解消することでリフレッシュし、その上で十分に寝れば良いと考えていました。しかし、脳科学の医学博士でもある著者の 梶本 修身 さんは、これらのうち睡眠をとること以外のほぼすべてを否定しています。
この本の中には数多くの「驚き」が含まれていますが、私が特に驚いたのは
長時間の活動後に最も疲れるのはカラダやアタマではなく「自律神経」である
ここにつきます。
●自律神経の疲労は活動限界の知らせ
自律神経は、24時間、秒単位で心臓や横隔膜、体温の維持管理といったあらゆる恒常性の維持のための司令を送り続けているそうですが、そもそもこの自律神経はあまりにも多忙であるために、他の機能、内臓や脳などに比べても極端に活動可能時間が短いんだそうです。
人間が疲れを感じるとき、本当に筋肉や脳が疲れたから疲れたと感じているのではなく、実は自律神経への負担が重なって活動限界が近づいてきたので「疲れた」という感覚が得られるよう自律神経が信号を送って、活動量を下げるようにしているのです。風邪をひいたときや熱が出たときにダルさを感じるのも、これらとまったく同じ機能によって生じているのだそうです。
つまりその時点では体力や脳力の限界を迎えてはおらず、むしろ「自律制御力」が限界を迎えていることになります。当然ですが、その状態で体力や脳力がまだ残っているからと無理に運動や頭脳労働を続けても、それらを制御するための自律神経が機能しないため、まったくパフォーマンスを出すことができないわけです。
●発達しすぎた脳がもたらす疑似麻薬
しかももっと恐ろしいことに、人間は大脳が発達しすぎたために自律神経の疲労を感じなくさせてしまうことがあるそうで(これを「疲労感のマスキング」と呼ぶ)、これが起きる条件がかなりありがちで、とても危ない。。。。
1) 同じ作業をずっと繰り返す
2) 集中力を高めて作業にとりくむ
3) 幸福感や意欲、達成感を感じるような状態
1)などは同じ作業によって苦痛を感じないように疲労感のしきい値をからだが勝手に上げてしまうからだそうで、慣れてくるとなんとも感じなくなるのですがそれがとっても危ない。
また2)のように、よく集中力をたかめるためにコーヒーやカフェイン飲料を取得したり、音楽やアロマオイルなどで雰囲気を作って連続作業に臨む場合がありますがこれも危険。単純に自律神経からの信号をごまかして作業を続けさせているだけです。疲労度が高まると情報入力の90%を占める視界を減らして自律神経を保護しようとするらしく、ねむくなったりするのもこの一環だそうですが、特に自動車を運転しているときなどはこの視界狭窄はかなり危険で、疲れを感じたり眠くなってきたら短い時間、それこそ5分10分でもいいので休憩し、自律神経を回復させるのは非常に効果的とのこと。
そしてこの中でも特に注目すべきは3)で、過労死や過労による心身の障害を受けた人の多くが達成感や幸福感のようなものを感じていたそうで、いくら満足感があるからといって長時間労働を繰り返すことは、自ら寿命を縮めに行っているようなもの。達成感や幸福感はもはや麻薬と同じだというわけです。
●自律神経の疲れを防ぐには?
自律神経はありとあらゆる「不随意運動」に対してコントロールを行っており、その限界を超えて活動を続ければ当然自律神経が壊れて恒常機能が失われます。菌に対する耐性だったり、回復能力だったり、自然治癒に必要となる能力にも多大な影響を及ぼします。結果的に、ありとあらゆる成人病、がん、突然死のリスクを飛躍的に高めることになります。
ではこれらを防ぐためにどうすれば良いのか?
いくつもの内容が本書には書かれていますが、ざっくりまとめていうと、
適切な食事(内容・質・時間)
と
適切な睡眠(環境・質・時刻)
をとり、
脳のサインを絶対に無視しないようにする
たったこれだけのことで疲れはたまらず病気にもなりにくいといった、それはそれはあまりにも当たり前の内容になります。
自律神経の疲労回復には特効薬的な栄養素があり、それの1つが「イミダペプチド」で、これは鳥の胸肉に多く含まれており、しかも持続性が非常に長く効果が高いようです。量としては1日100gで十分。
また即効性がある栄養素としては「クエン酸」があり、こちらは疲れの元を回復するというよりも自律神経の活動に必要となるエネルギーをミトコンドリアから産出するための触媒になるようです。こちらはレモン2個、黒酢大さじ1杯、梅干し2個のいずれかで十分とのこと。
睡眠に関しては取り立てて特筆すべき事は書いておらず、やはり6時間以上の睡眠が必要であることや、交感神経や副交感神経のコントロールが重要である点、また「いびき」が睡眠による自律神経の回復の大きな妨げになっている点に触れられています。横向きで寝続けることが最も回復につながるというのは驚きで、いびきや睡眠障害の影響がでている人の多くは仰向け寝をしている人なんだそうです。また、休息には眠ることがもちろん重要ですが、自律神経が外部からの情報入力や不必要な指令の出力を断つことで休まるということを考慮すれば、真っ暗で静かな部屋で目をつむり、横になってじっとしていればカラダは休まる、という昔の人の言い伝えはある意味正しい、ということになります。
●さいごに
本書の内容は、まとめてしまえばすごく当たり前のことしか書かれていないわけですがそれを科学的に裏付けをし、根拠のある数字とともに事実を知らされたことであらためて、「健康を維持するためには食事と睡眠が大切!」と気付かされました。
本書にはコレ以外にも、世の中の疲れやその回復に関しての俗説や都市伝説を徹底的に否定している内容が盛りだくさんであり、そちらも気になるようであれば本編を参照してみると良いと思います。
ちなみにこの本には続編の2もあるのですが、1が原理的な部分に注目した内容に対し、2は実践方法が書かれた内容になります。2つも原理のサマリが書かれているので、面倒なことをすっ飛ばして今すぐ実践したい人は、いきなり2から読んでも大丈夫と思います。
Posted by ブクログ
過労死するのは人間だけ
前頭葉が発達し意欲や達成感で本来の疲労を隠してしまう
疲労は痛み、発熱と並んで人間の生態アラームの1つ。
飽きる、疲れる、眠くなるは脳疲労の3大サイン。
疲労は自律神経のダメージで起きる。
疲労が蓄積すると視野が狭くなる。
視覚から90%情報を得ているので脳の負荷を減らそうと周辺注意視野が狭くなる。
疲労は睡眠で回復できる。ただし良質な睡眠。
疲労は乳酸のせい→現在では複数の反証実験で誤りと判明
活性酸素の攻撃を最も受けるのはミトコンドリア
ミトコンドリアは細胞のエネルギーの製造元。
サングラスで紫外線による疲労を最小限に食い止められる
日焼けは目から紫外線が入るだけで炎症反応から疲労する
ヒトヘルペスウイルスは人が疲れると逃げ出そうと活性化するが、人が元気になると再び潜伏する。
疲労回復成分イミダペプチド(渡鳥、マグロ、カツオ)は細胞の酸化と損傷を抑える抗酸化作用がある。
イミダペプチドは鶏胸肉100gで200mgのイミダペプチド(1日あたり)を効果的に摂取可能。
ミトコンドリアがクエン酸回路でエネルギーを生み出すので、クエン酸も疲労回復効果がある。
イミダペプチドとクエン酸を共に取ると良い。
疲労に強い脳を作るにはワーキングメモリを鍛えると良い。鍛え方は①物事を多面的にみる事②多くの人と会話してコミュニケーションを交わす③世の中の色々な事に興味を持ち多趣味になる
Posted by ブクログ
疲労と回復のメカニズムが科学的に説明されている。カギは自律神経や活性酸素にあるらしい。
安静時や軽い運動を行っている時は、体内に十分にある酸素を用いて脂質をエネルギー源としている。強度の高い運動を始めると、酸素がなくても消費できる糖質をエネルギー源とし、その結果として乳酸が産生されるが、酸素が供給され出すとエネルギー源として利用されるもので、老廃物や疲労物質ではない。
自律神経の中枢である視床下部と前帯状回は、心臓や横隔膜などに指令を出し続けており、発汗も調整している。運動を始めると、心拍や呼吸、発汗を制御するための処理が増加して、脳の細胞で活性酸素が発生する。
活性酸素は、呼吸で取り入れた酸素が体内で変化したもので、他の物質から電子を奪う性質を持つ。人体には、活性酸素の作用を抑えるための抗酸化酵素が備えられているが、その防御力を上回る大量の活性酸素が発生すると、細胞や遺伝子を傷つける。特に、エネルギーを生み出すために酸素を用いるミトコンドリアは、活性酸素が生じやすく、その機能が低下するとエネルギー不足に陥る。また、細胞内の核酸は、分解と合成を繰り返す新陳代謝をしているが、運動をすると新陳代謝が活発になりすぎると、分解される過程で活性酸素が生じる。
脳内の神経細胞が活性酸素で酸化され、自律神経の機能が果たせなくなる脳疲労の状態となると、細胞内から老廃物が排出される。それがシグナルとなって血液中に疲労因子が増加し、眼窩前頭野に送られると、疲労感として自覚される。疲労因子に対しては、疲労回復因子が備わっており、疲労因子の性質を中和して抑制する。疲労回復因子は、疲労因子が少ない状態が長く続くと反応性が低下するため、日頃から運動することが必要。
疲れやストレスが長期化すると、副腎皮質からステロイドホルモンが分泌され、ホメオスタシスを乱す抵抗をやめて、なすがままに任せるようにする。ステロイドホルモンは、大量に分泌されると血管を老化させて動脈硬化のリスクを高める。また、インスリンの効き目が悪くなるインスリン抵抗性を引き起こすため、肥満、糖尿病、高血圧などの生活習慣病にかかりやすくなる。
栄養ドリンク、ニンニク料理、ウナギ、焼肉は、疲労対策として科学的に認められていない。ビタミンA,C,Eやポリフェノールには抗酸化作用があるが、持続力が弱く、疲労回復の効果はない。抗酸化作用があるイミダゾールジペプチドには抗疲労作用が認められ、鳥の胸筋や魚の尾びれに近い筋肉に多い。イミダペプチドによる疲労回復効果は、鶏の胸肉を1日100g摂ることで得られる。
クエン酸もクエン酸回路を活性化することによる抗疲労作用が認められる。レモンやグレープフルーツなどの柑橘類、酢、梅干しなどに多く含まれる。ただし、活性酸素による酸化ストレスは取り除くことはできない。
青葉アルコールや青葉アルデヒドの香りも抗疲労効果が科学的に確かめられている。緑茶に含まれる。
Posted by ブクログ
疲労とは筋肉など抹消組織で知覚されるものではなく、自律神経、則ち脳が疲れているのである、という梶本先生の本。
その主張には賛同するものの、後半で自分の病院の宣伝に移るところには違和感があった。なので、この病院に行ってみてからレビューを書いてみようと思った。
新橋駅前の雑居ビルにあるその病院は、真新しく小綺麗で、従業員が多い。だから診察の前に尿検査に血圧に自律神経テストと、いろいろ検査をしてくれる。問診に頼らないこのスタンスは、なかなかのもの。
そして投薬にも頼らないのがもう一つのスタンスだが、それ以外の治療法となるとCPAPしかない。結局、睡眠時無呼吸症の検査を予約して本日の診察は終了。
やはり、きちんと寝るのが一番だが、病院の力で治すのは難しい。本人の自覚がまず大事だけど、自分に気づかせてくれたのはこの本なのかもしれない。
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ビジネス・実用
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