科学者は戦争で何をしたか

科学者は戦争で何をしたか

ビジネス・実用
693円 (税込)

3pt

ノーベル賞科学者・益川敏英が、自身の戦争体験とその後の反戦活動を振り返りながら、科学者が過去の戦争で果たした役割を詳細に分析する。科学の進歩は何の批判もなく歓迎されてきたが、本来、科学は「中性」であり、使う人間によって平和利用も軍事利用も可能となる。そのことを科学者はもちろん市民も認識しなければならないと説く。解釈改憲で「戦争する国」へと突き進む政治状況に危機感を抱く著者が、科学者ならではの本質を見抜く洞察力と、人類の歴史を踏まえた長期的視野で、世界から戦争をなくすための方策を提言する。【目次】はじめに/第一章 諸刃の科学―-「ノーベル賞技術」は世界を破滅させるか?/第二章 戦時中、科学者は何をしたか?/第三章 「選択と集中」に翻弄される現代の科学/第四章 軍事研究の現在――日本でも進む軍学協同/第五章 暴走する政治と「歯止め」の消滅/第六章 「原子力」はあらゆる問題の縮図/第七章 地球上から戦争をなくすには/あとがき

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  • カテゴリ
    :
    ビジネス・実用
  • ジャンル
    :
    学術・語学 / 理工
  • 出版社
    :
    集英社
  • 掲載誌・レーベル
    :
    集英社新書
  • タイトル
    :
    科学者は戦争で何をしたか
  • タイトルID
    :
    338175
  • ページ数
    :
    192ページ
  • 電子版発売日
    :
    2015年10月16日
  • コンテンツ形式
    :
    EPUB
  • サイズ(目安)
    :
    1MB

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科学者は戦争で何をしたか のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    科学者「益川敏英」さんのことを深く知ることができる1冊。
    師匠である坂田昌一さんの影響が大きいことがほんとよく伝わってきた。

    「科学者である前に人間たれ」
    「科学者には現象の背後に潜む本質を見抜く英知がなければならない」

    科学者の部分は教員と置き換えることもできる。
    問題の本質を理解していない、あるいは関心がないという姿勢が透けて見えること、さらには、仲間と熱く議論することもなく、非常に個人主義的なことも、教員の世界でも当たり前のようになっているので…

    0
    2020年11月10日

    Posted by ブクログ

    GW課題図書その3。

    科学の戦争への寄与に関する話。
    言っていることには概ね同意で、戦争は悲惨なものであり、科学は戦争に転用されるのは良くないことであり。
    更に言えば、科学者はそのリスクについてある程度敏感でないといけないのかもしれないけど。

    引き続き考えていかなければいけないテーマではある。

    敢えて難癖をつけるとすれば、
    だからといって、「研究テーマが軍事転用されたことに対し科学者に責任の一部を追及する」のは100%間違っていて、それは、戦争を始めた政治と行政(軍政)と、そして実際にそれを使った軍隊(軍令)に100%の責任を押し付けるべきことかなー。そういうことに責任を取らせるためにそれらがあるんでしょうって話。それを科学者に押し付けるっていうのはそれこそ学問の自由を奪ったり、科学者が勝手に縮こまって野心的な研究をしなくなることに繋がる。

    あとできれば「戦争」と「軍事」は区別してほしい。

    0
    2019年02月16日

    Posted by ブクログ

    「自分の研究が社会でどんな役割を持つのか、悪用されるとすればどんな可能性が考えられるか、科学者ならばまずそのことを深く考えなければならない。」

    この一文に益川氏の考えが凝縮されているように思う。

    そして私たちはこの言葉を「科学者」というどこか特権的な人々へのメッセージだと受け止めてはならないのだろう。
    例えば上に引用した一文は次のように言い換えることが充分に可能ではないだろうか。

    「自分の『言動』が社会でどんな役割を持つのか、悪用されるとすればどんな可能性が考えられるか、『市民』ならばまずそのことを深く考えなければならない。」

    おもしろい本というのは、必ずそれを「自分のこと」として読むことができると思う。
    その意味で本書がとてもおもしろい本であることは間違いない。

    0
    2017年01月21日

    Posted by ブクログ

    科学者だけでなく、全ての人に読んで欲しい。年齢に関係なく。しかし、若い人に読んで貰えれば嬉しいですね。

    0
    2017年01月03日

    Posted by ブクログ

    著者の益川敏英は2008年にノーベル物理学賞に輝いた理論物理学者だ。益川は米軍機による大空襲の中を逃げまどった体験があり、ノーベル賞記念講演でも自らの戦争体験に触れるなど積極的な反戦平和活動を行ってきた。現在の安倍政権が日本を「戦争のできる国」に導こうとしていることに強い危機感を抱いた著者が、科学者が大量に動員された戦争の歴史を振り返り、平和に使われるべき科学が軍事利用されないための方策を提言しているのが本書だ。
    ドイツ軍のために毒ガスの開発に没頭したフリッツ・ハーバーの行いや日本に投下された原子爆弾を開発したアメリカのマンハッタン計画は、科学者がどのように国家権力に取り込まれて戦争に加担してきたかを物語っている。著者は、現在の日本でも科学技術の軍事利用が進み、政治的な動きの中で科学者の動員が巧妙に進められていると危機感を募らせている。
    「九条科学者の会」に参加する著者は、「日本は憲法九条の歯止めがあり「戦争ができない国」であるからこそ、知恵を絞り外交政策などでこの70年間危機を乗り越え平和を維持してきたことに思い至るべきだ」と訴え、それを今「戦争のできる国」にしようとしている安倍首相の暴走を非難している。
    著者がテレビ番組で特定秘密保護法を批判したらすぐに外務省の役人が研究室に説得に来たりとか、「軍事研究をしない」と誓った名古屋大学の平和憲章が国会議員に非難されたりというエピソードには、日本の社会に戦争が現実問題として迫ってきていることを改めて実感させられ、著者の危機感が納得できる。
    科学の発展は文明の進歩に大きく貢献するものだが、ひとたび戦争となった場合にはその科学技術は兵器を開発するために使われ、多くの人間の命を奪うものとなる。そして国家権力に動員される科学者は軍事開発への協力を拒むことはできないのだ。
    恩師と仰ぐ理論物理学者坂田昌一の「科学者は科学者として学問をするより以前に、まず人間として人類を愛さなければならない」という言葉を胸に刻む著者は、科学の発展は平和利用にも軍事利用にもつながる諸刃の剣だからこそ、科学者は自分の研究にのめり込むのではなく、ひとりの生活者として社会と向き合わなければいけないと訴える。この社会を守り後の世代に残していくために、科学者を含む私たち皆が世の中に対して広い視点を持ち、今日本や世界で何が起こっているのか、どこに進んでいるのかを見極め、正していく知性が必要なのだ。
    戦争体験をもつ著者が、一流の科学者だからこそ強く感じる戦争への危機感と、どんなことがあっても戦争は避けるべきだとの強い信念をもって訴えている反戦平和の呼びかけが心に響く一冊だ。

    0
    2016年07月18日

    Posted by ブクログ

    2006年のノーベル物理学賞受賞者である益川敏英・名古屋大学名誉教授がしたためた、警世の書である。
    科学技術は人類の生活を大幅に向上させたが、それは同時に兵器の発達を促したことは、皆様もご存じだと思う。「世紀の発見・発明」といわれるものが、時代が下るにつれて平気に使われるようになった事例は、枚挙にいとまがない。戦前のノーベル賞受賞者で、科学の進歩が兵器に転用されることを危惧する科学者は多かった。化学薬品然り、レーダー然り。これらはもともと民生用に開発されたものだが、いつの間にか兵器にも使われるようになった。
    著者が本書で繰り返し書いてることは、科学者は自分の研究が、社会に与える影響を考えなくてはいけないということ。科学者は研究室という「蛸壺」の中に閉じこもることが多く、社会と関わることが少なくなりがちだからだ。
    一つ残念なのは、益川氏は原発の可能性を捨てていないということ。益川氏は物理学者であり、原発は物理学理論の集合体であるから、自分がこれまで培ってきた世界を否定されるのはイヤなのだろう。

    0
    2016年05月14日

    Posted by ブクログ

    ノーベル物理学賞を受賞した益川敏英教授の著書。
    益川さんと言えば、ノーベル賞受賞時のユニークなキャラクターの印象しかなかったが、このような本も書かれていたことを初めて知った。

    本書のテーマは「科学と社会の関係」だ。現代科学の世界は商業化が進んでいて、純粋な学問ではなくなってきていること、自分の専門研究にばかり熱中して、社会問題に無関心な科学者が増えてきていること、そして科学が戦争の技術として利用されるようになってきていること、などに警鐘を鳴らしている。

    本書を読んで思い出したのは、グーグルやアップルのような企業が開発して話題となっている人工知能だ。ホーキング博士のような人が人工知能の危険性を訴えているが、それでも研究は進んでいく。原爆や水爆が生み出された時もそうだったが、高度な技術が悪用された時の被害は計り知れない。益川さんも、科学技術が軍事目的に転用されるリスクについて述べている。そして、それを防ぐことは難しいとも。

    だからこそ科学者達は社会や政治の動きなどにもっと目を向け、自分達の専門の枠を超えて行動を起こすべきであると主張している。益川さんはこうした問題について今まで深く考えてこられたようだ。本書を読むと、現代における科学・社会・政治を取り巻く問題が分かり、大変勉強になる。

    ちなみに、益川教授の恩師である坂田教授の名前がしばしば文中に出てくる。読めば読むほど素晴らしい人物だと感じる。このように人間的に立派で、信念を持った科学者が過去にいたのだと感心した。

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    2016年05月08日

    Posted by ブクログ

    2008年にノーベル物理学賞を受賞した益川敏英(1940-2021)。師の坂田昌一(1911-1970)は名古屋大学の教授で、湯川秀樹(1907-1981、1949年ノーベル物理学賞)や朝永振一郎(1906-1979、1965年ノーベル物理学賞)とともに素粒子物理学をリードした人物である。本書で何度も登場するのが、「科学者である前に人間たれ」という師の教え。その言葉の通りに、60年安保やベトナム戦争への反対運動を展開した。また近年でも、集団的自衛権や特定秘密保護法などに対する反対の声を上げてきた。
    科学者による反核運動の画期となったラッセル・アインシュタイン宣言(1955年7月)。アインシュタインがこの宣言に署名をしたのは1955年4月11日で、その一週間後の4月18日に亡くなることから、この宣言は「アインシュタインの遺言」とも呼ばれる。
    この宣言がきっかけとなって始まったのがパグウォッシュ会議であり、1995年にはノーベル平和賞を受賞しているが、益川氏はこれをも批判する。「平和へのメッセージを出したことは非常に意義のあることだったと思います。その重要性は私も認めます。」と言いながらも、「彼らの活動は『貴族』の運動に見えた』(P113)と述べている。益川氏は「民衆の運動」こそが大事だいう信念を持っていたし、「民衆の運動」の中に飛び込む方が好きだった。

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    2026年08月22日

    Posted by ブクログ

    10年以上前に書かれた本なので、ロシアのウクライナ侵攻も、イスラエルによるガザのジェノサイドもまだ起こっていないので、なんと楽天的な見通しだろうと思わずにはいられない。安倍政権の暴走を危惧しているが、自民党大勝と多弱野党、議論余地なし頑固一徹の高市首相という、さらに深刻化する現状は、益川氏の目にはどう映るのだろう。世の中の変化のスピードが速すぎて、本の賞味期限は未だかつてないほど短くなっているようだ。

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    2026年06月13日

    Posted by ブクログ

    今、政府による強引な法改正が迫り、科学者の代表機関である日本学術会議が骨抜きにされかねない危機にあるという。門外漢ながら非常に気になっており、参考のために本書を読んでみた。
    最初の2章が、タイトルにある「科学者は戦争で何をしたか」のまとめ。あとの4章は益川先生の思いと未来への提言のような内容。10年前の本なので、当時の安倍政権の暴走ぶりに対する懸念が前面に出ている。そんな中でも、世界はきっと良い方向に進むはずだと考える益川先生の、人間を信じる明るいご気性が感じられる。200年後には世界から戦争はなくなっているだろうと予想されている。10年後の今の世界の状況をご覧になったら先生はどう思われただろう。

    科学が戦争に利用されてはならないという思いには心から同意するけれど、それは人間生活のすみずみにまで科学が広がり発展している現代では、もはや実現不可能な理想にすぎないようにも思われ、非常に悩ましい。科学者の良心だけに頼っていてもおそらく無理なので、オープンな相互監視のルールを作るなど、新しいシステムが必要かもしれない(しかしそんなことをしても無駄かもしれない)。

    0
    2025年05月02日

科学者は戦争で何をしたか の詳細情報

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    :
    ビジネス・実用
  • ジャンル
    :
    学術・語学 / 理工
  • 出版社
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    集英社
  • 掲載誌・レーベル
    :
    集英社新書
  • タイトル
    :
    科学者は戦争で何をしたか
  • タイトルID
    :
    338175
  • ページ数
    :
    192ページ
  • 電子版発売日
    :
    2015年10月16日
  • コンテンツ形式
    :
    EPUB
  • サイズ(目安)
    :
    1MB

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