ちくま文庫の検索結果
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日本語の外へ
湾岸戦争をアメリカのTV放送だけで追ってみる、という試みから始まった本書は、アメリカを突き動かす英語という言葉の解明へと焦点を移していく。母国語によって人は規定され、社会は言葉によって成立する。たえず外部を取りこみ攻撃し提案していく動詞中心の英語に対し、日本語とは自分を中心とした利害の調整にかまける言葉だと著者は結論付ける。言語にはそれぞれ美点と歪みがある。日本語のなかで生きる私たちは日本語という「歪み」を通してしか考えられない。「戦後」という時空間は、実はその「歪み」そのものなのだ。ではその歪みから自由になることはできるのだろうか。「歪み」を熟知したうえで「歪み」を駆使すれば、日本語の外へでていくことはできる、と著者は書く。英語と日本語への熟考が、やがて読み手を世界の認識の根源まで導く鮮やかな思考の書。 1997年は加藤典洋の『敗戦後論』と片岡義男のこの本の出現で画期的な年として記憶されることになるだろうと思った。(高橋源一郎『退屈な読書』より) -
ヤンキーと地元 ――解体屋、風俗経営者、ヤミ業者になった沖縄の若者たち
生まれ故郷が嫌いだと吐き捨てるように言った、一人の若者。その出会いを原点に、沖縄の若者たちをめぐる調査は始まった。暴走族のパシリとなり、建設現場で一緒に働き、キャバクラに行く。建設業や性風俗業、ヤミ仕事で働く若者たちの話を聞き、ときに聞いてもらう。彼らとつき合う10年超の調査から、苛酷な社会の姿が見えてくる──。補論を付した、増補文庫版。 -
天文学者たちの江戸時代 増補新版
江戸時代、天文学者たちは星を見上げ、暦に命を懸けた。鎖国下の日本で外国の知識やことばと必死で格闘し、研究に身を捧げた人びとを描く情熱の天文学史。/・渋川春海による「日本独自の暦」を作る苦闘/・西洋天文学の導入を目指した徳川吉宗と麻田剛立/・地動説、彗星、星座は当時どう考えられていたか? /・伊能忠敬の全国測量異聞――幻となった間重富の測量計画/・オランダ語を独力で習得し、命がけで「ラランデ暦書」を翻訳/・最新情報を求めシーボルト事件で獄死した高橋景保 etc. /現役の科学館学芸員である著者が、江戸時代の天文学者たちの思索と、ドラマにあふれた人生をたどる。待望の増補文庫化! 解説 渡部潤一 -
世界マヌケ反乱の手引書 増補版 ――ふざけた場所の作り方
金持ち優先社会で働きまくるのはもう飽きた! 面白い店や場所でとんでもない人々と繋がり、楽勝で生きよう! 第1章は基本の仲間の作り方。第2章は儲からない店の開き方。第3章では国内&海外のオルタナティブスペースのやり方を紹介。第4章では独自のパスポートや通貨を作り国境を超えて祭りを行う。文庫版は25頁分増補、スペースリストも増強! 解説 柄谷行人、ブレイディみかこ -
ルポ アフリカに進出する日本の新宗教 増補新版
コンゴ、ウガンダ、ガーナ、ブルキナファソ、コートジボワール……アフリカ各国で著者が出会ったのは、なんと日本の新宗教を信じる現地住民たちだった。統一教会、創価学会、真如苑、崇教真光、幸福の科学、ラエリアン・ムーブメント、天理教などを信じる彼らの生活や思い、現地での実像や人気の理由に迫る、唯一無二のルポ。その後の情報を追記し、新章を増補。解説 安田峰俊 -
ヘルシンキ 生活の練習
フィンランドの子育てに、目からうろこ。「母親は人間でいられるし、人間であるべきです」二人の子どもと海を渡った社会学者による現地レポート。「考え方が変わる」と大反響。待望の文庫化! -
桃色じかけのフィルム ──失われた映画を探せ
日本映画界が観客動員数激減に直面していた昭和30年代後半から、弱小プロダクション製作の成人指定映画が量産される。所謂「ピンク映画」である。世のヒンシュクを買いながらも、熱気溢れる現場からは山本晋也、若松孝二、高橋伴明、和泉聖治など名監督も生まれている。しかし、その作品の多くが失われてしまった。今や忘れ去られた映画人や作品を追う傑作ルポ。 -
電子増補版 塩釜すし哲物語
おいしいマグロの握りを多くの人にたべてほしい。伊達藩の時代から続く長い歴史をもつ港町・塩釜で、すし屋を営む白幡さん一家の姿を描いた単行本刊行から12年。大震災・津波によって大きな打撃を受けながらも復興へ向けて動き出した塩釜の人々と共に歩む白幡さん一家。震災とその後の復興へ向けての活動を追加取材し増補した文庫版。さらに13年後の本電子書籍版では、新たに1章を増補した。 -
なつかしい本の話
「本とは、むしろ存在である」。『アーサー王騎士物語』『モンテ・クリスト伯』『谷崎潤一郎集』…。自身の虚弱さや母との死別といった、堪えがたい現実から幼き著者を解放してくれたのは、病床の枕元に積み上げられた本だった。昭和を代表する文芸評論家が、第二次世界大戦の戦中から戦後の重苦しい空気とともに、本だけが支えであった自身の幼少期から青年期を回想する。 -
京都食堂探究
きつねうどん、しっぽく、けいらん、のっぺい、ちゃんぽん、衣笠丼、木の葉丼、カレー丼……京都の食堂は歴史の中で、「麺類・丼物」を中心にして独自の発展を遂げてきた。うどんも丼物も中華もある京都食堂の魅力とは? 食いしん坊の地理学者たちが店に足を運び、味わい、観察し、文献を渉猟して、謎多き京都食堂文化に迫る。待望の研究書が、文庫書き下ろしで、ついに登場。 -
日本の台湾人 ――故郷を失ったタイワニーズの物語
戦前まで日本であった台湾。戦後政治に翻弄される台湾。政界、経済界、学界、そして芸能界、文芸分野まで、広く活躍する台湾出身者たちがつないできた日本と台湾の深い絆をたどる。蓮舫、安藤百福、羅邦強、ジュディ・オング、余貴美子、東山彰良、温又柔、辜寛敏とリチャード・クー、そして陳舜臣、邱永漢……。彼らのファミリーヒストリーから、日台関係の光と暗部を浮き彫りにする。 -
水鏡綺譚
著者にとって「自分の仕事の中で一番好きな漫画だった」という代表作。時は戦国の世、狼と行者に育てられ、立派な人間になるべく修行をする少年ワタルと、記憶をなくした少女・鏡子の物語。鏡子の家を探す旅の途中、護法童子、白比丘尼、外道丸……などによるさまざまな妖しい事件に出会う。そして、二人は……。完結版、待望の文庫化! 解説=南伸坊 推薦文=高橋留美子 -
「悪所」の民俗誌 ――色町・芝居町のトポロジー
「“悪”という言葉の裏側には、だれきった日常性を破壊するデモーニッシュな力が潜んでいた」(「あとがき」より)。都市の盛り場は、遊女や役者など賤視された「制外者」たちの呪力が宿る場所だった。なぜ、ひとは「悪所」に惹かれるのか。芸能を業とする人びとは、どのように暮らし、どんな芸を生み出したのか。「遊」「色」「悪」の視座から日本文化の深層をさぐる。 -
小津安二郎と七人の監督
若くして映画の道に入り、撮影助手を経て助監督となり、24歳で監督となった小津安二郎。移動撮影やオーヴァーラップやパンをせず、ローアングルから撮ったショットを積み重ねる静的映像をどのようにして確立していったのか。憧れのルビッチ、同時代に影響し合った溝口健二や五所平之助、清水宏、成瀬巳喜男、木下惠介、加藤泰ら7人の監督との関わりを軸に小津安二郎の映画作りの極意を描きだす。 -
父の時代・私の時代 ――わがエディトリアル・デザイン史
「anan」「BRUTUS」「POPEYE」日本の出版文化の一時代を築いた雑誌を生み出したアートディレクターであり、数々の名作絵本の作者としても知られる堀内誠一。エディトリアルデザインの先駆者であり、天才と呼ばれた著者が、戦前から1980年代までの雑誌と絵本作りの現場を生き生きと語る唯一の自伝が初の文庫化。各方面で活躍したクリエイターたちとの交遊録も必見。
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