ちくま文庫作品一覧

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  • なつかしい本の話
    5.0
    「本とは、むしろ存在である」。『アーサー王騎士物語』『モンテ・クリスト伯』『谷崎潤一郎集』…。自身の虚弱さや母との死別といった、堪えがたい現実から幼き著者を解放してくれたのは、病床の枕元に積み上げられた本だった。昭和を代表する文芸評論家が、第二次世界大戦の戦中から戦後の重苦しい空気とともに、本だけが支えであった自身の幼少期から青年期を回想する。
  • 女ともだち ――靜代に捧ぐ
    3.0
    ある日から、音楽活動も執筆も全てやめた。妻・靜代の病気が判明したから。大学一年生のときに、赤いワンピースを着た靜代と出会い、結婚。著者には他に恋人たちができるが…。やがて、かけがえのない最高の女ともだちであることに気づくまで。『たましいの場所』の著者が妻に贈る鎮魂エッセイ。
  • ミステリー食事学
    3.0
    昭和24年に江戸川乱歩を唸らせデビューした小説家・日影丈吉のもう一つの顔は、名だたる有名ホテルの料理人たちに仏語を教えた料理研究家であった。伝説の毒薬から悪食珍味に絶品フレンチ、メグレやホームズ、クイーンら名探偵が口にしたはずの各国の味の裏側まで、世界の「食」と「謎」をたっぷりと語る。グルメ文化史としての魅力も輝く名エッセイ、待望の復刊。
  • 老人は荒野をめざす
    4.5
    「不良定年」を標榜してから幾星霜。西行、芭蕉、きだみのる…「荒野をめざしたひとびと」を想いながら、今も歩み続ける日々。すぐ隣にある死を意識しつつ、亡くなった友を悼み、いっそ「死ぬ気」で生き切ってみようと自身も読者も励ます。終刊した「週刊朝日」で26年間続いた人気連載「コンセント抜いたか」最後の3年間より精選した老年エッセイの粋。文庫オリジナル。
  • ニッポンの思想 増補新版
    4.8
    80年代の浅田彰・中沢新一・柄谷行人・蓮實重彦がもたらした知の衝撃、90年代における福田和也・大塚英志・宮台真司の存在感、ゼロ年代を牽引した東浩紀、テン年代と切り結ぶ國分功一郎と千葉雅也―。およそ半世紀にわたるこの国の思想と批評の奔流を一望したベストセラーに、二つの新章を加え更新して文庫化。
  • 石狩少女
    4.1
    明治末の北海道札幌、主人公・野村悠紀子は、文学を愛し、空を眺めることやリンゴ畑に出かけることが好きな女学生。彼女は人から多くの関心を持たれる一方で、偏見、勝手な噂、男子学生からの執着、決められた結婚、家族の無理解などに悩む。そんななか内地の親戚の家に行くことになるが…。北海道の自然も美しい、著者の半生を反映した1940年刊行の傑作少女小説。
  • 結婚とわたし
    4.0
    同棲生活を経て34歳で結婚した著者は、パートナーが家事を3倍にするモンスターなのに絶望し、家庭内男女平等をめざす。春闘を起こして家事分担を叫び、フェミニズム教育に励んだ果てに、夫と親友のような関係を築くことはできるのか? 結婚の欺瞞と幻想を打ち砕く、日記エッセイ5年分。単行本未収録&後日談を増補した完全版!
  • 山梔
    5.0
    幼く純粋な妹や身を犠牲にする母と姉への愛、暴力をふるう父への愛憎、読書への切なる欲求、古代ギリシャ神話・中世ヨーロッパ伝説への憧憬、海や美しい女への畏敬の念…主人公・阿字子をとりまく家父長制や結婚への圧力など不自由な世界と、葛藤する誇り高く瑞々しい少女の精神を描く野溝七生子の自伝的小説。1926年に刊行された孤高の名篇、待望の復刊。
  • ひみつのしつもん
    4.2
    「セキュリティ対策で訊かれる子供の頃の親友の名前が思い出せない」(「ひみつのしつもん」)、「部屋のなかに見知らぬネジが落ちている」(「ネジ」)、「自尊心を保つため家のなかで自分よりダメなやつを探す」(「哀しみのブレーメン」)、「花火で打ち上げられる夏の思い出」(「花火大会」)etc. 日常の裂け目から広がる奇想天外、抱腹絶倒のキシモトワールド! 『ちくま』名物連載、文庫化第3弾!! イラストはクラフト・エヴィング商會。
  • 絵本とは何か
    4.0
    子どもは早くから文字を読むようにしむけられ、親は熱心に文字を覚えさせようとする。はたしてこれで読書のたのしみを知るだろうか? ―良質の絵本とはどういうものか、子どもはどんなふうに絵本の世界へ入ってゆくのか。福音館書店で数々の名作絵本を世に送り出し、日本の児童出版文化の礎を築いた著者による絵本の本質と魅力をまとめた第一論集が初の文庫化。
  • やわらかい頭の作り方 ――身の回りの見えない構造を解明する
    3.9
    誰にでも「考え方の癖」があり、「これが常識だ」と思いこんだり、物事を片側しか見ていなかったり、自分の価値観が絶対だと思いがちだ。そのために、新しいアイデアが出なかったり、周りの人と認識のギャップを埋められなかったりして、仕事にも悪い影響があるかもしれない。目に見えない構造を理解することで、全く別の見方ができると気づいてほしい。ヨシタケシンスケさんのイラストも満載!
  • 出久根達郎の古本屋小説集
    3.8
    古本屋店主にして作家となった出久根達郎。その古本小説のなかから傑作を選び出したアンソロジー。少年時代の本との出会い、下町の古本屋での修業時代、独立後の苦労など、著者自身の体験を作品化したもの。本に憑りつかれた人々の妄執の凄まじさ、一冊の本に込められた思い、人と本が織りなす様々な人生模様を描いた作品23編を収録。オリジナル・アンソロジー。
  • 京都食堂探究
    3.6
    きつねうどん、しっぽく、けいらん、のっぺい、ちゃんぽん、衣笠丼、木の葉丼、カレー丼……京都の食堂は歴史の中で、「麺類・丼物」を中心にして独自の発展を遂げてきた。うどんも丼物も中華もある京都食堂の魅力とは? 食いしん坊の地理学者たちが店に足を運び、味わい、観察し、文献を渉猟して、謎多き京都食堂文化に迫る。待望の研究書が、文庫書き下ろしで、ついに登場。
  • 日本の台湾人 ――故郷を失ったタイワニーズの物語
    4.5
    戦前まで日本であった台湾。戦後政治に翻弄される台湾。政界、経済界、学界、そして芸能界、文芸分野まで、広く活躍する台湾出身者たちがつないできた日本と台湾の深い絆をたどる。蓮舫、安藤百福、羅邦強、ジュディ・オング、余貴美子、東山彰良、温又柔、辜寛敏とリチャード・クー、そして陳舜臣、邱永漢……。彼らのファミリーヒストリーから、日台関係の光と暗部を浮き彫りにする。
  • ゼロから始めるジャック・ラカン ――疾風怒濤精神分析入門 増補改訂版
    4.2
    20世紀における思想的な震源地のひとつであるラカン。その理論は、思想としての側面と、実践臨床としての側面の二面性をもち、両者が渾然一体となっていることに難しさがある。本書は、著者みずからの精神分析の体験にもとづき、実践臨床の側面からラカンの本丸に迫る。ラカンの核心を読み解く超入門の書、『疾風怒濤精神分析入門』増補改訂版。
  • 水鏡綺譚
    4.5
    著者にとって「自分の仕事の中で一番好きな漫画だった」という代表作。時は戦国の世、狼と行者に育てられ、立派な人間になるべく修行をする少年ワタルと、記憶をなくした少女・鏡子の物語。鏡子の家を探す旅の途中、護法童子、白比丘尼、外道丸……などによるさまざまな妖しい事件に出会う。そして、二人は……。完結版、待望の文庫化! 解説=南伸坊 推薦文=高橋留美子
  • 狂言サイボーグ 増補新版
    3.5
    700年の歴史を背負って舞台に立つ狂言師の身体は、どのようにつくられたのか? 師父・野村万作の一言一句を繰り返し、先祖先達から伝わる「型」を獲得した自身の稽古を振り返ることで、伝統芸能の本質に迫る。二十代の武司時代から萬斎襲名まで、狂言を生きることを率直に語った原点の書。
  • 橙書店にて
    4.1
    熊本にある本屋兼喫茶店、橙書店の店主が描く本屋と「お客さん」の物語。石牟礼道子さんが逝った日「ただただ悼みたい」と訪れた人。“書くこと”を焚きつけた渡辺京二さんの言葉。縁あって催した“村上春樹朗読会”の夜。雑誌『アルテリ』に寄稿するハンセン病患者「関さん」と交わした握手――。文庫版のための書き下ろし・単行本未収録エッセイを増補する。
  • 新版 慶州は母の呼び声 ――わが原郷
    4.4
    人間の業を映す独自の作家活動を続けた森崎和江は、日本統治下の朝鮮に生まれた。大邱、慶州、金泉、現地で教師を務める父、温かな母と弟妹、そして「オモニ」たち――歴史的背景を理解せぬまま己を育む山河と町をただひたすら愛した日々に、やがて戦争の影がさす。人びとの傷と痛みを知らずにいた幼い自身を省みながら、忘れてはならぬ時代の記憶を切に綴る傑作自伝。
  • 原理運動の研究
    3.5
    安倍元総理銃撃事件を契機に注目を集めた統一教会。日本での活動の歴史は60年以上もさかのぼる。1970年代には統一教会の影響下にあった原理研究会が全国の大学で組織活動を広げ、大きな社会問題となった。強引な勧誘、募金、集団生活……。それは家族も巻き込んで多くの悲劇を生んだ。本書はいち早く原理運動に警鐘を鳴らし、社会に衝撃を与えた歴史的名著といえる。
  • 見習い天使 完全版
    4.0
    小説の面白さを追求し続けた作家・佐野洋。人間の尽きることのない欲望を無駄のない描写とテンポのよい運びで読ませる物語は、古びることのない魅力を持つ。さらに、その全てには予想を裏切る結末も――。人間世界を見つめる“見習い天使”が全23篇の案内役を務める構成も洒落た連作ミステリが完全版で甦る。巻末には編者日下三蔵の詳細な解説に加え、星新一による解説も特別収録する。
  • 新版 思考の整理学
    4.2
    「東大・京大で1番読まれた本」として知られ、刊行以来40年以上読み継がれる〈知のバイブル〉の増補改訂版。2009年の東京大学での特別講義を新たに収録し、文字を大きく読みやすくした。自分の頭で考えたアイディアを軽やかに離陸させ、思考をのびのびと飛行させる方法とは?――広い視野とシャープな論理で自らの体験をもとに提示し、圧倒的支持を得る「思考法」入門書が「新版」で登場。
  • 娘の学校
    4.0
    10歳から下4人の幼い娘たちを相手に、世界を学校に見立て、「音楽」「文学」「政治」「人類学」「哲学」などを題材に、ユニークで独創的な授業を展開する。常識を疑い、自分の頭で考えてたたかえば、善悪や道徳は変えていけると伝える。呪いの言葉に縛られず自分らしく生きることを尊ぶすべての人へ、1969年刊行のベストセラー待望の復刊。
  • むしろ幻想が明快なのである ――虫明亜呂無レトロスペクティブ
    4.0
    三島由紀夫、大島渚、寺山修司が絶賛したスポーツ評論をはじめ、映画、音楽、文芸など幅広いジャンルをテーマに上質で官能な文章を書いた異才、虫明亜呂無。戦前の職業野球への追想、岩下志麻や太地喜和子の軽妙なスケッチ、栄光と悲劇のランナー円谷幸吉・人見絹枝の美しいポルトレ、巨匠内田吐夢監督の撮影現場レポート……単行本未収録作や代表作から精選した珠玉のエッセイコレクション。
  • 枯れてたまるか!
    4.5
    還暦でスイッチを切りかえてから、はや二十年。老人の毎日は思ったより忙しい。まだまだ元気に老年を楽しむエッセイ集。「……年をとると男も女も体力が落ち、若いころのようなパワーが薄れる。しかし、薄れたぶん、柔道の受け身のような技を得て、余計な情報を捨てて、神髄がわかり、新しい発見がある。……」。巻末に「あとがき」にかえ、大幅に加筆改稿した「瀬戸内寂聴さんのこと」を収録。
  • 虐殺のスイッチ ――一人すら殺せない人が、なぜ多くの人を殺せるのか?
    4.6
    ナチスのホロコースト、クメール・ルージュの大量殺戮、関東大震災の朝鮮人虐殺、インドネシア政権による虐殺、ルワンダ・フツ族のツチ族虐殺……、歴史を、世界を見渡すと、虐殺事件は繰り返し起き、あふれている。なぜごく普通の善良な市民が、同じように普通の人をいとも簡単に殺すのか、しかも大量に。キーになるのは、集団と同調圧力。集団が熱狂し変異して起きる虐殺のメカニズムを考える。
  • 羊の怒る時 ――関東大震災の三日間
    4.5
    1923年9月1日11時58分32秒、関東大震災が発生。関東一帯の大地が激動し、東京は火の海になった。突然起こった惨禍に、人々は動揺し、流言蜚語が発生。「朝鮮人が暴動を起こす。火をつける」というデマにより、多くの朝鮮人が虐殺された。自らの衝撃的な体験をもとに書かれ、震災の翌年から連載が開始された記録文学の金字塔。巻末に石牟礼道子によるエッセイを収録。
  • ふらり珍地名の旅
    4.5
    「浮気」「見物」「瓦葺」「駅部田」「昼飯」「未明」……難読だったり、およそ地名とは思えない地名の数々。味あるそれら珍地名をたずねる旅に出る。地形図片手に、場所を眺め、地名を声に出して読み、土地の人と語り継がれる歴史や生活について話をする。珍地名と過去・現在・未来を生きる人の物語を辿る旅の記録。
  • 関東大震災と鉄道 ――「今」へと続く記憶をたどる
    4.0
    1923年9月1日、関東大震災。10万人以上の死亡・行方不明者数を記録した日本史上最大規模の天災だが、人々の生活の動脈であった「鉄道」の被害に焦点が当てられる機会は存外少ない。カオスそのものの限界状況下、列車に載せた命を救うべく奮闘した鉄道員たち、互いを助け合った乗客たち―その機転と智恵から何を学ぶか? 残された声を丁寧に追う貴重な災害史。
  • 熊の肉には飴があう
    4.0
    飛騨の古川に、全国から舌の肥えた客が詰めかける一軒の名料理茶屋がある。その名は「右官屋権之丞」。飛騨の匠の末裔が、匠の心はそのままに、鑿を包丁に持ち替えて開いた店だ。扱う食材は、鳥獣、川魚、山菜など周囲にある自然の恵みや、塩鯨など歴史的に用いられてきた素朴な食材のみ。しかし、その素材を活かし切る技法が想像を絶する一皿を生む。ちくま文庫オリジナル。
  • 子どもをおいて旅にでた
    3.3
    「名探偵ミルキー」シリーズで人気の児童書作家・杉山亮が妻と二人の幼児を残し出かけた若き日の旅の記録。徒歩・野宿・行き先未定・1ヶ月間。そんな風変わりな旅で何を見つけるのか。「子どもをおいて」出る旅は一見、無責任のようだが、家族の結びつきを確認する行為でもある。家族といることが好きなのに、一人にもなりたくなってしまう矛盾を抱えた全ての人に。
  • うんこ文学 ――漏らす悲しみを知っている人のための17の物語
    3.7
    うんこ。だれでもうんこをする。日々のことだから、ときには失敗もする。でも、みんなそれを隠す。うんこは下品、汚いと嫌がられる。下ネタとして笑話にするのがせいぜい。人前で漏らしたりしたら、それだけで多くを失ってしまう。それはなぜなのか? 生きるかなしみとしての排泄、漏らしたときのせつなさ、それを見事に描ききった文学作品を、自身も漏らしたことのある編者が集めた、渾身の名作選!
  • 増補 戦う姫、働く少女
    4.0
    ポップカルチャーには現代女性の働きかたが反映されている――。異性愛と家父長制を否定した『アナと雪の女王』や、アイデンティティの労働がいかなるものかを示した『魔女の宅急便』、「無賃家事労働」の問題をラブコメにおとしこんだドラマである『逃げるは恥だが役に立つ』など、数々の映画やドラマを縦横無尽、クリアに論じた文芸批評を大幅増補・改訂して文庫化。
  • 洲崎パラダイス
    3.5
    「橋を渡ったら、お終いよ。あそこは女の人生の一番おしまいなんだから」(「洲崎界隈」より)。江東区にあった赤線地帯「洲崎パラダイス」を舞台に、華やいだ淫蕩の街で生きる女たちを描いた短篇集。男に執着する娼婦あがりの女の業に迫る表題作「洲崎パラダイス」、満洲帰りで遊郭に身を落とした老女の悲しみをとらえた「洲崎の女」を含む全6篇を収録。
  • 「悪所」の民俗誌 ――色町・芝居町のトポロジー
    3.0
    「“悪”という言葉の裏側には、だれきった日常性を破壊するデモーニッシュな力が潜んでいた」(「あとがき」より)。都市の盛り場は、遊女や役者など賤視された「制外者」たちの呪力が宿る場所だった。なぜ、ひとは「悪所」に惹かれるのか。芸能を業とする人びとは、どのように暮らし、どんな芸を生み出したのか。「遊」「色」「悪」の視座から日本文化の深層をさぐる。
  • 世界がわかる宗教社会学入門
    4.0
    宗教なんてうさんくさい。うっかりハマったら怖い。だから近づかない。多くの日本人はそう思っている。だけど、どんな国でも地域でも、宗教はすっかり日常に溶け込んでいる。文化や価値観の骨格であり、それゆえ紛争のタネにもなる。宗教を知らなければ、世界の人びとを理解することはできないのだ。この本では、世界の宗教を理解するための基礎中の基礎を紹介。「人類の叡智としての宗教」のエッセンスが詰まった、小さいながら充実の入門書。
  • 身近な植物の賢い生きかた
    3.7
    植物は身近な存在ながら、人間とは姿形も生態もまったく違う。一見頼りなげにも見える彼らの生きかたとは? 昆虫とのかけひきと飽くなき攻防、乾燥に強い植物の高性能システム、葉のつきかたに隠された数列や黄金比、早春の花の色が黄色いわけなど、不思議だが卓抜、たくましく賢い、納得の生存戦略が見えてくる。
  • すべての雑貨
    3.3
    「世界がじわじわと雑貨化している気がする。これは豊かになって物の種類が増えたから、ってだけじゃない。それまでは雑貨とみなされてなかった物が、つぎつぎと雑貨に鞍がえしているせいなのだ」 ひとりで雑貨店を営む著者は、この社会のあらゆる事物を手がかりに「雑貨とは何か」を帳場で考えた。雑貨、消費社会、店の経営、人生についての、とても面白いエッセイ。
  • 無言板アート入門
    3.6
    誰かがなにかの目的で立てたはずなのに、雨風や紫外線などの影響で文字が消えてしまった街角の看板たち。そんな“もの言わぬ看板”=「無言板(Say Nothing Board)」を、作り人知らずのストリートアートとして鑑賞する。美術評論家である著者が、まち歩きの道すがらに発見、収集した路上の芸術をカラーで約200点収録&解説。これを読めば、いつものさんぽ道がまったく新しい美術館に見えてくる!
  • あの頃、忌野清志郎と ──ボスと私の40年
    4.2
    忌野清志郎の元マネージャーによるリアル清志郎伝。中学生の頃、テレビで見て以来熱烈なファンになり、ついには所属事務所に入社。衣裳係、マネージャーとして音楽活動を支えた著者が、40年間見つめてきた清志郎の素顔を愛情溢れる言葉で回想する。清志郎直筆の手紙やイラストに加え、文庫化に際して清志郎亡きあとのエピソードをボーナストラックとして収録する。
  • 牧野植物図鑑の謎 ――在野の天才と知られざる競争相手
    4.0
    1925年、牧野富太郎『日本植物図鑑』と同時に『大植物図鑑』を刊行した元・教師がいた。かつては牧野博士を頼り、その後の編集活動では博士の図鑑と当時の人気を二分しながらも、現在はほぼ忘れ去られた村越三千男とは一体何者だったのか? 二冊の刊行日から本国の図鑑黎明期における出版競争を見出した著者が、魅力溢れる「在野」二人の仕事と植物図鑑の歴史を探る。
  • 小津安二郎と七人の監督
    3.0
    若くして映画の道に入り、撮影助手を経て助監督となり、24歳で監督となった小津安二郎。移動撮影やオーヴァーラップやパンをせず、ローアングルから撮ったショットを積み重ねる静的映像をどのようにして確立していったのか。憧れのルビッチ、同時代に影響し合った溝口健二や五所平之助、清水宏、成瀬巳喜男、木下惠介、加藤泰ら7人の監督との関わりを軸に小津安二郎の映画作りの極意を描きだす。
  • 台所から北京が見える ――36歳から始めた私の中国語
    4.4
    36歳で著者が中国語を学び始めたとき、人は「ハダシでアルプスに登るようなものだ」「やめろ」と言った。「語学は若いうちに始めるほうがいい」かもしれない、しかし…。有言実行。学習を開始し4年、40歳で通訳になり、生涯中国語を仕事にした著者が、語学没頭の日々、効果的な学習法、人との出会い、言葉や文化の魅力を語る。語学学習者、必読の名著。新たに1章を増補。
  • ワイルドサイドをほっつき歩け ――ハマータウンのおっさんたち
    4.1
    人生という長い旅路を行く大人たちへの祝福に満ちたエッセイ。EU離脱投票が原因で喧嘩になった妻への仲直りタトゥーが思わぬ意味になっていたおっさんや緊縮財政にも負けないおっさんの話など。笑って泣ける21編。第2章では世代・階級等について解説。『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』と本書は同じコインの両面だと著者が記す必読書。単行本10万部突破! 解説=梯久美子 推薦文=國分功一郎
  • 父の時代・私の時代 ――わがエディトリアル・デザイン史
    4.3
    「anan」「BRUTUS」「POPEYE」日本の出版文化の一時代を築いた雑誌を生み出したアートディレクターであり、数々の名作絵本の作者としても知られる堀内誠一。エディトリアルデザインの先駆者であり、天才と呼ばれた著者が、戦前から1980年代までの雑誌と絵本作りの現場を生き生きと語る唯一の自伝が初の文庫化。各方面で活躍したクリエイターたちとの交遊録も必見。
  • 空芯手帳
    4.0
    「だから私は嘘を持つことにしたの」―日々押し付けられる雑務にキレてつい「妊娠してます」と口走った柴田が送る奇妙な妊婦ライフ。第36回太宰治賞受賞作にして、昨年刊行された英語版がNYタイムズやニューヨーク公共図書館の今年の収穫に挙げられるなど話題となり、現在、世界14カ国語で翻訳進行中の鮮烈デビュー作が待望の文庫化!
  • 忘却の整理学
    4.1
    知識は「盾」である。仕事や試験において時間を削り取ろうとする敵から自分を守ってくれる。知識によってタスクは効率化され、浪費は防がれる。では「矛」は? ……それは「忘却」である。なぜなら、常識やルールといった自分の内なる暗黙知、さらには時間すら忘れて物事に打ち込んだとき、そこから得られる成果物は、きっとあなたにとって代えがたい武器となるからだ。
  • 子どものことを子どもにきく
    3.5
    父親が息子に年に1回インタビューをする――3歳から10歳になる子どもの成長をとらえた新鮮な試み。1年ごとに新しい価値観と言葉を獲得していく過程をこれほど豊かに切り取った記録があるだろうか。意表をつく受け答えは驚きと笑いの連続。知る人ぞ知る子育てエッセイが待望の復刊。ちくま文庫化に際し、刊行から20年以上を経て、著者と息子・隆さんの現在と当時を語る「あとがき」を収録。
  • 十六夜橋 新版
    5.0
    南九州・不知火(しらぬい)の海辺の地「葦野」で土木事業を営む萩原家。うつつとまぼろしを行き来する当主の妻・志乃を中心に、人びとの営み、恋、自然が叙情豊かに描かれる傑作長編。作者の見事な筆致で、死者と生者、過去と現在、歓びと哀しみが重なり、豊饒な物語世界が現れる。第三回紫式部文学賞受賞作品。
  • できない相談 piece of resistance
    3.7
    夫の部屋の掃除はしない。マッサージ店で指名をしない。“ワンちゃん”呼びはしたくない。バリウム検査で作法を貫く。結婚指輪はどこかに消えた。くだらないような気もするし、ちいさい事とわかってもいる。「だけどコレだけは譲れない」、そんな何かが誰にもきっと一つはあるはず―。こだわりを許して生きていくのは、なかなか案外悪くなさそう。38篇の物語に文庫版限定の2篇を追加収録!
  • 生きていく絵 ──アートが人を〈癒す〉とき
    4.0
    精神科病院・平川病院にひらかれた“造形教室”。ここでは心を病んだ人たちが、アートを通じて、自らを癒し、自らを支える活動をしている。絵を描くことで生きのび、描かれた絵に生かされている――。4人の作家の作品と人生をつぶさに見つめ、“生”のありかたを考え、“生きにくさ”の根源を照らしだす。こうした思索のなかで“癒し”の可能性をさぐる希望の書。
  • 「最後の」お言葉ですが…
    5.0
    中国文学、日本語、漢字、書物等について辛口のエッセイを多数刊行し、一昨年、惜しくも亡くなった著者は『週刊文春』誌上で1995年から2006年まで「言葉の語源や、本来の正しい使い方、などについて」のエッセイ「お言葉ですが…」を連載した。この連載最後の58篇を初の文庫化。(目次より敬語敬語と言いなさんな・なんと読むのか「文科省」・ぼくはウンコだ・歴史の通し番号・豫言、預言、予言、ほか)
  • 韓くに文化ノオト ──美しきことばと暮らしを知る
    -
    ハングル、料理、宗教、文学、ソウルの街、ひとびとの暮らし…この小さな本には韓くに(韓国)のさまざまな文化についてのエッセイが収められている。読めば、韓くにの地に思いを馳せることができる。読めば、ひとびとのこころに触れることができる。読めば、その美を知ることができる。『韓国語はじめの一歩』を改題、大幅に増補して文庫化。韓国文化について知りたいひとは必読の一冊。
  • 長くて短い一年 ──山川方夫ショートショート集成
    3.5
    将来を嘱望されながらも34歳で亡くなった夭折の天才・山川方夫のショートショートを日下三蔵によって集成するオリジナル・コレクション第2弾。第2ショートショート集『長くて短い一年』、「EQMM」連載のエッセイをまとめた『トコという男』を完全収録。全集からも漏れていた未刊行作品2篇を加えてこの分野における成果を一望できる決定版作品集。小林信彦による「山川方夫のこと」も特別収録。
  • 自分の仕事をつくる
    4.2
    仕事とはなにか。「いい仕事」はどこから生まれるのか。仕事を「自分の仕事」にするためにはなにが必要か。八木保を、柳宗理を、ヨーガン・レールを、パタゴニア社を、ルヴァンを、象設計集団を、さまざまな「いい仕事」の現場を訪ねた貴重な記録。働き方が多様になってきた時代、迷ったら立ち戻りたい働き方のバイブル。文庫化にあたり10年後のインタビューを2本追加。
  • 箱の中のあなた ──山川方夫ショートショート集成
    3.8
    昭和30年代に星新一と都筑道夫が牽引したショートショートブームに純文学畑から参戦し強烈な存在感を示した山川方夫。交通事故死という不運に見舞われ活動期間こそ短かったものの、その作品は今なお多くの読者を惹きつけてやまない輝きを放つ。この分野での著者の成果を一望できる日下三蔵編集によるオリジナル・コレクション全2巻。第1巻は代表作“親しい友人たち”ほか41編を収録。
  • 暗闇のなかの希望 ──語られない歴史、手つかずの可能性
    5.0
    2003年、イラク戦争が始まった時期に、「希望を擁護する」ために本書は書かれた。あの時代は過ぎ去ったが、あらたな戦争が生じ、破壊的な気候変動が到来している。絶望と冷笑主義が残りつづける現代に、希望をもつことはいかに可能なのか。「希望は光を浴びた舞台の真ん中ではなく、周縁の暗がりにある」(本文より)。2016年に改訂され、直接行動と思想を往還する現代の名著を文庫化。
  • 地理学者、発見と出会いを求めて世界を行く!
    4.1
    一人っきりのキリマンジャロ最高峰、ペルー悪徳警官の罠、エチオピアの極寒の山で出会った人の温かさ、ドイツ留学生活……地理学者である著者が、アフリカ、南米、ヨーロッパなど世界各地の自然・文化を解説し、さまざまなトラブルや人々との印象的な出会いを綴る悪戦苦闘の調査旅行記。
  • O・ヘンリーニューヨーク小説集 街の夢
    4.0
    短編小説の名手O・ヘンリーの才能は、20世紀初頭のニューヨークで花開いた。浮浪者、探偵、ショップガールに恋人たち……その作品では、人びとの人生の一齣が見事に描き出され、120年前のニューヨークがいきいきと蘇る。「賢者の贈り物」「最後の一枚」を含む小説23編、さらにパヴェーゼ、ザミャーチンの評論も収録。時代背景がわかる解説や挿絵のほか、絵画もカラーで収録した充実の第2弾。
  • 世界はフムフムで満ちている ──達人観察図鑑
    4.5
    海女、石工、競馬評論家、コンビニ店長、左官、百貨店の販売員、ピアノ調律師……。スタッズ・ターケル著『仕事!』に憧れた著者が、街場の達人から仕事の極意を拾い集めた。ときに厳しく、ときにのんきな100の人生観が、それぞれの持ち場を明るく照らす。「長時間のインタビューからはこぼれ落ちてしまいそうな話を掬い取って煮詰めた、濃厚なダシのような本」
  • 虚妄の成果主義 ──日本型年功制復活のススメ
    4.4
    長引く不況によって、なぜか日本型人事システムが攻撃され、「年俸制」や「成果主義」が新たな活力を与えるとして競って導入された。しかしその結果、多くの企業で職場が荒廃し、機能不全が生じている。そもそも日本の経済成長を支えたのは「賃金による動機づけ」ではなく、仕事の面白さで報いる「仕事の報酬は次の仕事」というシステムであり、それが適材適所につながったのである。成果主義の実態を改めて検証し、日本型年功制の可能性を展望する。
  • 82年生まれ、キム・ジヨン
    4.0
    キム・ジヨンの人生を克明に振り返る中で、女性が人生で出会う差別を描き、絶大な共感で世界を揺るがした(事件的〉小説、待望の文庫化! BTSやRMらが言及、チョン・ユミ、コン・ユ共演で映画化。韓国で136万部、日本で23万部を突破。フェミニズム、韓国文学隆盛の契機となる。文庫化にあたり、新たな著者メッセージと訳者あとがき、評論を収録。
  • 神田神保町書肆街考
    4.3
    世界に冠たる古書店街「神田神保町」はいかにして出来上がったか。幕末から現代にまで至る一世紀半余、そこに蝟集した書店、出版社、取次、大学、語学学校、専門学校、予備校、映画館etc.の栄枯盛衰をさまざまな記憶と記録を召喚して描き出し、日本近代を育んだ“特異点”の全貌を明らかにした大著が、未来の“本の街”への扉を開く「文庫版あとがき」を増補して遂に文庫化!
  • それからの僕にはマラソンがあった
    4.3
    ストレスに押しつぶされそうになったある日、ふと思った、「ちょっと走ってみよう」。そうして始まったマラソンは、それからの日々の欠かせない営みとなる。怪我を乗り越え走り続けるためには?タイムや距離をどのようにとらえるか、何をめざして走るのか……、すべてのランナーに贈る、走ることで見つけた仕事や生き方へのヒント。EKIDEN NEWSの西本武司との対談も収録。
  • そこから青い闇がささやき ──ベオグラード、戦争と言葉
    4.3
    「最初は、死者が名前で知らされる。それから数になる。最後には数もわからなくなる……」。旧ユーゴスラビア、ベオグラード。戦争がはじまり、家、街、友人、仕事…人々はあらゆるものを失っていく。そして、不条理な制裁と、NATOによる空爆がはじまった。日本への帰国を拒み空爆下の街に留まった詩人が、戦火のなかの暮らし、文学、希望を描くエッセイ集。
  • 貸本屋とマンガの棚
    3.0
    60数年前、人々は貸本屋から本を借りて読むことが、ささやかな娯楽だった。とくに貸本マンガと呼ばれる作品群は、子どもや若い労働者たちの心をつかんだ。そのなかには若き日の白土三平、つげ義春、さいとう・たかを等の作品があった。戦後社会のあだ花のように咲いた貸本文化の全貌に迫る!『貸本マンガと戦後の風景』を改題・文庫化。
  • 快楽としてのミステリー
    4.0
    探偵小説を愛読して半世紀。ミステリーの楽しみを自在に語る待望のオリジナル文庫。ミステリー批評の名作として名高い『深夜の散歩』から最新の書評まで。ポー、ドイル、チェスタトンからクリスティー、フレミング、チャンドラーまで、そして、グリーン、バルガス=リョサ、エーコまで、さらには、松本清張から大岡昇平、大沢在昌まで、あっと驚く斬新華麗な名篇揃い。
  • 快楽としての読書 海外篇
    4.7
    中身があって、面白くて、書き方が洒落ている。そして、その本をすぐに読みたくなる。それが丸谷書評の魅力だ。海外の傑作を熱烈に推薦した114篇。聖書とホメロスの新訳を味わい、中世フランスの村の記録に驚く。ナボコフ、クンデラ、エーコ、カズオ・イシグロ、そしてマルケス、バルガス=リョサの魅力を語り、チャンドラー、フォーサイスを楽しむ。書評傑作選第2弾。
  • 快楽としての読書 日本篇
    4.3
    丸谷書評は、読むに価する本の魅力を、普通の読者に向けてすっきりと語る。そして読者を本屋さんまで走らせる。読書共同体のための本の評判記にして書物の買物案内―そんな見本が123本。石川淳、大岡昇平から池澤夏樹、村上春樹まで、王朝和歌から谷川俊太郎まで、広辞苑、日本国語大辞典から絵本まで。ジャンルを超えた最高必読の本を推薦する文庫オリジナル第1弾。
  • 北山耕平青春エッセイ集 ──抱きしめたい
    3.0
    1970年代『宝島』編集長として、『POPEYE』アメリカ特派員として、カウンターカルチャーの先駆者となり、ネイティブアメリカン文化を紹介してきた著者が、20代編集長時代までを描き、自由な生き方を伝える。『抱きしめたい』から60‐70年代の息吹を、『雲のごとくリアルに』から時代を切り開く編集者時代の話を収録。
  • ゴシックハート
    4.2
    「ゴシック」とは何か? それは生き方である。自己の必然に基づいた命懸けの好みである。そして永遠のレジスタンスである。強者が富み続け、優位者が一方的に決めた規範に支配される現実の不条理を憎み抵抗するとき、その扉は開く。小説、漫画、映画、アニメ、絵画、人形、信仰、哲学、歴史―現代日本的ゴシック文化論を切り拓いた一冊に、新章&書き下ろしあとがきを加えた増補新版。
  • 増補改訂版 「アニメ評論家」宣言
    3.0
    あの名作は、なぜ面白いのか? 『カリオストロの城』の「ルパン」像の新しさ、押井守監督作における乗り物の役割、『パーフェクトブルー』の背景美術はなぜリアルに描かれたか……。1968~2004年までに公開されたアニメ作品を中心に、ユニークな視点と、アニメの表現技法・製作現場・歴史への深い知識をもって語りつくす。アニメの見方を変える傑作評論、大幅に増補改訂して待望の復刊!
  • 無限の玄/風下の朱
    3.8
    ブルーグラスバンド「百弦」のリーダーにして一家の長である宮嶋玄は、家でひとり死んだにもかかわらず、なぜか毎日蘇っては死に続ける。その不条理な繰り返しに息子たちは苛まれていく――(「無限の玄」)。魂の健康を求めて野球部を作ろうとする侑希美さんの下に集った私たちは、しかし理想と現実の間で葛藤する――(「風下の朱」)。それぞれ三島賞受賞と芥川賞候補に輝く奇跡の中編集!
  • 名前も呼べない
    3.6
    元職場の女子会で恵那は恋人に娘ができたことを知らされる。かつての父との出来事や、異性装の親友メリッサに救われた大学の飲み会、保育園で誤解を受けた保護者との関係、自身の女性性をもてあまし、生きづらさを抱える恵那の支えとなっていた恋人の裏切りを知り、自暴自棄となった恵那が伸ばす手の先にあるものは―。第31回太宰治賞受賞作がついに文庫化!
  • 新版 レミは生きている
    4.2
    第二次世界大戦後、「混血児」を救う「レミの会」を結成した平野威馬雄は、自身もまたアメリカの父と日本の母の間に生まれた。「レミ」とは、僅かな時しか共にいられなかった父から贈られた子供時代の愛称だった。「日本人」って、誰のこと? 日本を愛しながらも差別を受ける少年・イマオは、葛藤とともに成長をする──。魂に問う珠玉の自伝小説、復刊。
  • 平成古書奇談
    3.2
    フリーライターをしながら作家を志す25歳の馬場浩一は、街の古書店、野沢書店に出入りしている。店主の野沢勝利と娘の玲子と懇意にしながら、趣味や仕事、執筆の資料として出会う古書を通じて不思議な事件や謎にぶつかる。古書マニアの著者が知る業界の事情を巧みに盛り込み、SF、ホラー、ファンタジーを横断する連作集。平成の隠れた古書ミステリが初書籍化。日下三蔵氏による編者解説も併録。
  • 20ヵ国語ペラペラ ――私の外国語学習法
    4.2
    終戦間もない北海道網走での少年時代。著者は、雑音まじりのラジオから聞こえる異国の言葉に胸をときめかせ、語学に邁進した。そして独学で英語を磨き日米交換留学生になり、教材が入手困難な中あらゆる方法を駆使して30歳で「20カ国語」をマスターした。語学上達のノウハウを惜しみなく開陳した名著であり、外国語の習得に熱中した一人の青年の青春記。
  • 見えない音、聴こえない絵
    -
    エネルギッシュに創作し続ける画家・大竹伸朗。創作に駆り立てる衝動とは何か? 東京都現代美術館での大規模回顧展「全景1955‐2006」、18歳の時に働いた北海道別海の牧場での個展、瀬戸内直島の銭湯など個性的な展示の続く日々。それらに向けての軌跡を描くエッセイ。原点と現在を繋ぐ書き下ろし「絵ビートの轍」、新作木炭線画30点を収録。
  • オンガクハ、セイジデアル MUSIC IS POLITICS
    3.6
    イギリスの出来事が、その先の未来と、今の壊れた日本を予見する。ロックと英国の社会・政治を斬りまくる初期エッセイ。『アナキズム・イン・ザ・UK』の前半部に大幅増補。著者自身が体験してきた移民差別と反ヘイト。拡大するアンダークラス。イギリスの音楽から労働者階級のプライドを自覚した著者にとっても、音楽と政治は切り離せない。
  • 病める母親とその子どもたち ――シック・マザーを乗り越える
    3.0
    うつや不安障害、パーソナリティ障害など、近年増加する子育て世代の心の病。不安定な親に育てられる子どもたちは、発達や人格形成において、どのような困難に直面しているのか。世代を超えて連鎖する悲劇を断ち切るには何が必要なのか。精神科医として、特に「愛着」の問題に取り組んできた著者が、生きづらさを抱える母と子、双方の葛藤に寄り添い、克服の道を探る。
  • すべての季節のシェイクスピア
    4.0
    2021年、シェイクスピア全集、個人全訳を完結した著者は、翻訳を開始する直前、年間100本以上のシェイクスピア劇を観続けていた。代表的14作品を、演じられた舞台に即して「男と女の力学」「闇の中の輝き」「この世は仮装パーティ」等のテーマに分類し、掘り下げていく。シェイクスピア劇が10倍楽しくなるエッセイ。文庫化にあたり、全集最終巻「終わりよければすべてよし」についての書下ろしと全作品翻訳開始後のインタビューを加えた。
  • プロ野球新世紀末ブルース ――平成プロ野球死亡遊戯
    4.0
    平成を彩った名選手から伝説の試合、球界の大事件、忘れられないバイプレイヤーや珍エピソードまで、“平成プロ野球”を総括したコラム集。文庫化に際して、とんねるず、ファミスタ、TVドラマ、女子アナなどの平成カルチャーと新世紀末プロ野球の危険な蜜月関係に迫る書下ろしコラム4編も新加入。平成の名場面を圧倒的偏愛でまとめた「球界年表」も収録する。
  • テュルリュパン ――ある運命の話
    3.0
    17世紀パリ、ルイ13世の宰相リシュリュー枢機卿は貴族勢力の一掃を決意し、陰謀をめぐらしていた。一方、運命がその企てを阻止するため選んだのは、自らを高貴の生まれと信じる町の床屋テュルリュパンだった。フランス大革命の150年前に画策された共和革命という奇想、時計仕掛めいたプロットがきりきり動いて物語は転がり落ちるように展開していく。稀代のストーリーテラーによる伝奇歴史小説。
  • ふしぎなお金
    3.5
    財布は拳銃や刀に似ている。護身用であり、権威にもなるからだ。財布は人を殺すための道具ではないけれど、「人は金のために人を殺したり、金のために自分の首を吊ったりして、金はやはり隠然たる凶器の光を忍ばせている」――。お金とはいったい何なのだろう? 「千円札裁判」で日本現代美術史に一石を盗じた赤瀬川原平が、お金の本質について考える。
  • すべてきみに宛てた手紙
    4.1
    人生は、「やめたこと」「やめざるをえなかったこと」「わすれてしまったこと」で出来ている。そうして結局、己のなかにのこったものは? 今の自分にのこったものから、あらゆることがはじまるのならば――。この本のページを開いた読者=「きみ」へと詩人はまっすぐ語りだす。贈られるのは39通の「手紙」たち。体温を帯びた言葉のすべてに胸が震える、珠玉のエッセイ集。
  • 四角形の歴史
    3.9
    犬は風景を見るのだろうか? 四角い画面。四角いファインダー。その四角形はどこからやってきたのだろう……。前衛美術家・漫画家・芥川賞作家である赤瀬川原平が、晩年に遺した「こどもの哲学 大人の絵本」第2弾。文明論的な考察にまで思索をめぐらせ、読者を「眼の冒険」にご招待します!
  • 真似のできない女たち ──21人の最低で最高の人生
    4.0
    シンガー、ダンサー、女優、作家、修道女、デザイナー、ピアニスト……「完璧な成功者」とは大きく異なる、鮮烈すぎた彼女らの一生の真似はできない。けれど不思議と、誰もが自分と「他人」ではないような気もする――。魂の命ずるまま、己の人生を思う存分、燃えるように生き抜いた女性たちの姿を紹介。各章の大幅な増補と書き下ろしを加えた完全版!
  • 新編 おんなの戦後史
    3.5
    フェミニズムを知るために必読。女性史研究先駆者の代表作を新編集。底辺の視点からの女性民衆史。「おんなの戦後史」の項では戦時中に女性たちが進んで戦争協力をしてしまったことを起点とし、戦後婦人運動、70年代ウーマン・リブの出現等。他の項では、古代の母権考から、米騒動、婦人労働者等について。平塚らいてうらの人物伝も。96歳著者の書き下ろしも収録。
  • 自分の謎
    3.7
    どうしてぼくは、ここにいるのか。誰とも違う・誰にでもある。自分は世界にひとつだけ。自分が自分であることの不思議について――。前衛美術家・漫画家・芥川賞作家である赤瀬川原平が、晩年に遺した傑作絵本。言葉からイメージへ、あるいは逆に、イメージから言葉へ。自在に往環し、読み手の思考を揺さぶる。「こどもの哲学 大人の絵本」第1弾!
  • ジンセイハ、オンガクデアル
    3.6
    貧困層の子どもたちが集まるいわゆる「底辺託児所」保育士時代の珠玉のエッセイ。ゴシック文学的言葉を唱え人形を壊すレオ。「人生は一片のクソ」とつぶやくルーク。一言でわたしの心を蹴破ったアリス。貧窮、移民差別、DV。社会の歪みの中で、破天荒で忘れがたい子どもたち。パンクスピリット溢れる初期作品。『アナキズム・イン・ザ・UK』の後半部に大幅増補。映画・アルバム評、書評収録。
  • 日本語で書くということ
    3.0
    〈書く〉ことは〈読む〉ことからしか生まれない。小説には収まりきらない世界がここにある。水村作品を紐解くエッセイ&評論集、待望の文庫化。小説をこよなく愛した少女は、10代でアメリカへ移住、異国の地で大学院に進み文学に勤しむことになる。その生活は、おのずとグローバル(=英語)な世界で“日本語”を外から見るという経験となり、のちの作家活動へ多大な影響をもたらすこととなった。本書は、文筆活動最初期の文章から漱石や谷崎に関する文学論他、著者だからこそ描くことのできる日本の文字文化に対するエッセイ&批評文集。
  • 明治・大正・昭和 不良少女伝 ──莫連女と少女ギャング団
    3.2
    明治から戦前昭和の転換期に、社会の規範を超え、自由に生きた少女たちがいた。彼女たちは、不道徳と破廉恥の代名詞として「莫連女」「バッド・ガール」と呼称された。良妻賢母型の女性モデルが賛美された時代に、早熟な彼女たちは、何に反抗し、何に憧れたのか? すれっからしの不良少女たちが帝都を跋扈する様子を生き生きと描き、近代少女の真実に迫った快列伝。
  • 女と刀
    3.3
    「わたしという女は、子しか産むことのできぬ女なのか」「ひとふりの刀の重さほども値しない男よ」……。男尊女卑の因習、家の規範、愛なき結婚、第二次世界大戦、70代での夫との訣別……薩摩士族の娘であるキヲは、明治から昭和にかけて世のならいに抗い、「独立」の心を捨てずに生きた。自らの母をモデルに、真の対話を求め続ける一人の女性を鮮烈に描いた名著。
  • 野に咲く花の生態図鑑【秋冬篇】
    4.0
    英雄から暗黒の侵略者に転じた秋の七草のクズ、美しく高貴な衣装の陰に毒を秘めたトリカブト、水底の根に新鮮な空気を送る配管を発達させたガマ―。秋から早春にかけて野山を彩る植物の、知略に満ちた繁殖法を紹介。寒さが強まる過酷な季節にあえて花を咲かせ実をつける理由とは? NHKテレビやラジオでも人気の生態学者が、やさしい言葉で奥深い植物の世界を案内。
  • 世界の果てまで連れてって!…
    3.5
    第二次大戦後のパリの混沌、謎に満ちた突発的事件、齢七十九にして夜ごと男をあさり舞台に全てを賭ける伝説の女優テレーズの「とてつもない」生、恋愛、友情、狂気……。二十世紀パリで芸術に多大な影響を与え、世界を放浪した作家・詩人サンドラール。その横溢する言葉の力に圧倒される、伝説的怪作。
  • 私の脳で起こったこと ――「レビー小体型認知症」の記録
    4.3
    「若年性レビー小体型認知症」本人による、世界初となる自己観察と思索の記録。認知症、脳の病気とは一体何なのかを根本から問い、人間とは何か、生きるとはどういうことかを考えさせる。周りに理解されないための孤独と絶望の中にありながら、幻覚(幻視、幻聴など)、嗅覚障害、自律神経症状など自分に起きたことを日記形式で淡々と観察し、卓越した文章力で表現した希望の書。
  • 江戸衣装図絵 武士と町人
    4.0
    江戸の男たちの衣装は職業別の仕事服であった。そんな世の中で、男たちは、ときに歌舞伎の影響をうけながら、洒落を楽しみ、粋な装いを競い合った。武士から町人まで、その衣装、髪形、履物、旅姿などを紹介する。時代小説、歌舞伎、時代劇を楽しむために、デザインや創作の参考に、プロも一般読者も楽しめる、江戸の男たちの服飾カラー大全でもあり、職業案内でもある。
  • 江戸衣装図絵 奥方と町娘たち
    -
    徳川260年の間、江戸の女たちは装うために、チャレンジを続けた。江戸初期の武家婦人の晴れ着は重厚で豪華な衣装。一方、庶民は自分で手作りという時代。やがて、江戸中期になると色彩豊かで優美な世界が町方の富裕層のなかから生まれ出る。そして江戸後期は、「粋」で個性的な時代へと変化する。江戸の女たちの着物、髪形、化粧などを紹介する、服飾カラー大全。見て楽しい、読んで役に立つ。
  • 野呂邦暢 古本屋写真集
    3.6
    夭折の芥川賞作家・野呂邦暢が密かに撮りためていた古本屋写真が存在する。岡崎武志氏が遺族から託されたこの貴重な写真をまとめた『野呂邦暢 古本屋写真集』を再編集の上、野呂邦暢の古本にまつわるエッセイ、編者対談を増補し奇跡の文庫化。神保町・早稲田などの古本屋写真に加え、野呂邦暢自宅本棚写真も収録する。拙く清冽で執拗なカメラアイが1970年代の都市と古本屋を駆け巡る。
  • ベルリンは晴れているか
    4.0
    1945年7月、ナチス・ドイツの敗戦で米ソ英仏の4カ国統治下におかれたベルリン。ドイツ人少女アウグステの恩人にあたる男が米国製の歯磨き粉に含まれた毒による不審死を遂げる。米国の兵員食堂で働くアウグステは疑いの目を向けられつつ、なぜか陽気な泥棒を道連れに彼の甥に訃報を伝えに旅出つ――。圧倒的密度で書かれた歴史ミステリの傑作、待望の文庫化!

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