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植物は身近な存在ながら、人間とは姿形も生態もまったく違う。一見頼りなげにも見える彼らの生きかたとは? 昆虫とのかけひきと飽くなき攻防、乾燥に強い植物の高性能システム、葉のつきかたに隠された数列や黄金比、早春の花の色が黄色いわけなど、不思議だが卓抜、たくましく賢い、納得の生存戦略が見えてくる。
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Posted by ブクログ
身の回りの植物が、色々な工夫をして生きていることが分かり、益々好きになりました。本の表紙にはたくさんの言葉が隠れています!
植物の生存戦略に関する雑学を詩的に・擬人化を活用して(人の営みに例えて)説明されている。稲垣先生の著作らしく文章が面白くて読みやすい。 本書は文章表現を楽しむ読み物としての性質が強く、植物の詳しい解説は比較的少なかった。過去に別の本で読んだことのある話が多かったため、本書の表現を楽しむことはできたが...続きを読む、知識の積み上げはあまり多くなかった。 59ページ 雄と雌とで子孫を残す有性生殖であれば、必ず親とは違う子孫が作られる。つまり、変化し続けることができるのだ。たとえ親の世代の防御法を破る病原菌が現れたとしても、その子孫はさまざまな新しい防御法を持っているので病原菌の感染を防ぐことができる。 →VUCAの時代なので柔軟に変化するべし、などという言葉が巷では飛び交うが、ヒトや有性生殖の生物たちは大昔から柔軟に変化することをしていたのである。ただしこれは世代を跨いだ変化であり、VUCAの文脈で要求されているのは同一個体の変化なので実は別の話である。 65ページ つまり、根粒菌を体内に住まわせることによって、大気の主成分である窒素を獲得することを可能にしたのである。 →昔、社会科の授業で学んだ輪作についての知識を深掘りしている。マメ科が良いという話は知っていたが、そのメカニズムについてはあまり知らなかったので本書を読んだことで学びがあった。 84ページ せっかく芽生えても、まわりがすでに強大な植物によって覆いつくされていたら、小さな芽生えは育つことができない。逆に光が地面まで射し込んでいるということは、地上に障害となるライバルがなにもないことを意味している。 →この知識は好き。別の本で読んだことあり。 85ページ むしろ、緑色の光だけが射し込んできたということは、まわりに生い茂る植物があるということなのだ。だから、緑色の光では種子は発芽しない。 →この知識も好き。別の本で読んだことあり。意外と簡単な話ではない。 133ページ そこで、多くの植物は、蜜の量が多い花と蜜の量が少ない花を交ぜ合わせている。 ここのさじ加減が難しい。蜜の量が多い花は、昆虫が長居して移動しないという問題があるものの、あまり蜜の量が少ない花ばかりだとケチな店だと評判が落ちて他の花に客を奪われてしまう危険もある。 →この知識も好き。別の本で読んだことあり。ヒトの営み、仕事でのコミュニケーションに応用できるところがある。みんなも見習ってほしい。
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