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Posted by ブクログ
生協書籍部のレジ前に置いてあったので、珍しく何も考えないでカートに放り込んで読んだ本。
人に手を引かれるのではなく、自分の思考力で飛ぶ人間になるための考え方。時々筆者の方法も紹介されている。将来創造性を要求される仕事に就こうがつかまいが(もしかしたらそんな仕事は無くなっているかもしれないが)日々のアイデアや思索を深める作業を自立的に行うことのできる力は、自らの生活を豊かにするだろうと思う。
忘却が人を人たらしめる、というのが面白かった。この前読んだとあるインタビューと対比させると面白そうだ。読書には30ページ前に得た知識情報が抜け落ちる悔しさを噛み潰す行為がつきもので、忘却を恐れて読書が続かなかったようなところがある。忘却に前向きになれたらいいな、、、
何もかも暗記すればいい、というのではない。ただし、どうせ忘却するからと何も勉強しないのは違う。思考の土台となる知識の必要性は認識した上で、知識に触れるタイミングがなければその土台は削れていくだけだから、そのうち重要だと感じたものが蓄積するだろう、と気長に色々なものを見てみると良いのだろう。
(本題とはややズレる、個人的感想だが)日頃漠然と数学や理科を勉強したいと思ってはいたが、ただ知識を得る、覚えていく作業をすることには違和感があり、目的があまり定まっていなかった。
本文を読む中で、従前理科系学問に惹かれていたのは、少ない公式を用いた論理的思考による創造的営みにあったことをふと思い出した。
もちろん知識を身につけることも楽しいだろうが、天文学や数学という領域の、知識の水で満たされた世界を泳ぐ体験を最も欲した上での「理科系を勉強したい」という思いだったのではないだろうか。
体についた水は蒸発するが、泳いだ爽快な体験はずっと感覚に残り続ける。その領域における知識やその体系の構築の方法や過程を楽しむ、というのが、理科系学問をこの期に及んでわざわざ勉強する上で、一番の目的になるのではないか?と思い至った。
読みながら色々なことを思い出したり考えたりできた良い本だった。
Posted by ブクログ
この手の本にしては非常に読みやすかったです。この講義面白くて当たりだったなというような感じでしょうか。
私はこの本でいうような記憶力だけはよくて学校の成績はほとほと良いけども、大学に入ってからはやりたい研究テーマが全く分からず進め方も考えることができないような典型的なグライダー人間に育っていたので大学生の時に読みたかったとすごく思いました。
ただ、社会人になってから読んで遅いということもなく、個人的に刺さった言葉は「見つめるナベは煮えない」です。根を詰めて考えて何か新しい考えが生まれるわけでもなく、時間をおいて考えを寝かせるのが重要だということらしいです。考えがまとまらないと焦りがちですが、たくさん書いて、何度も何度も吟味してという労力は惜しんではいけないようです。この地道な繰り返しで少しずつ思考の整理は進むとのことでした。
あと、全てをメモしてしまうと安心してしまい忘れるのでキーワードをメモするといいとか、同じことを続けていると疲労が蓄積して能率が悪くなってくるので休み休みやったり全く違うことをするのもいいというのも参考になりました。
ピグマリオン効果のことも面白く後輩に指導する時にも使えそうです。
Posted by ブクログ
「お前らは知識ばっかり教え込まれていて、自分で考える(飛ぶ)ことのできないグライダー人間だ!」と冒頭で突きつけられる。東大生とか京大生の秀才たちには効きそう。もしかしたら、彼らは既にそこを通り越した飛行機人間たちなのかもしれないけど。
我が身を振り返ると、考えるということが少なくなった自覚がある。特に最近、というか会社員になって以来。本を読んでいるばかりではいけない。ただ、考えるためには余裕が必要な気もする。ともかく、考えるという行為は、歩いたりランニングしたりする時にヘッドホンを着けるような行為とは真逆なのだろう。
知識を忘れることを恐れてはいけないというアドバイスは心強いが、なんだかベースラインが違っているような気もする。著者の言う知識と自分が思っている知識とでは開きがあるというか。
章の並べ方が上手。前を引いて、今言いたいことを言う。
表紙の、瓶から水を流している女性の絵が、遠目から見るとガイコツに見えるんだけど、自分だけだろうか。
Posted by ブクログ
学生時代にこの本と出会えてたらまた違う人生観を持ってたかもな〜と思わされました。
考えることはぜいたくなことだと納得。
人間の持つ上等な機能は忘却による知識の重要さの整理だけど、近年のAIの台頭のことを思うと、産業革命やコンピュータの登場と同じかそれ以上に危機感を持つべきかもしれない。
AIはコンピュータと同じく忘れないのに、情報の重要さのラベリング学習が高速で終わるし、何度も対話することで個人個人の重要度の価値観すらある程度カスタマイズして反映する。こんなに優秀で便利なものがあるのに、わたしが自分自身で思考・判断するプロセスを行うためにかける時間にどれくらいの価値があるのか?無駄ではないか?と考えることが最近あったんだけど、この本を読んで少し考えがまとまった気がする。
結論を出せる段階にないのでまだ"寝かせる"けど、わたしがわたし自身のために思考することはやめないようにしたいと思う。
良い読書体験だった!
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