ちくま文庫作品一覧
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4.4物干台で凧を揚げていて、東京初空襲の米軍機に遭遇した話。戦中にも通っていた寄席や映画館や劇場。一人旅をする中学生の便宜をはかってくれる駅長の優しさ。墓地で束の間、情を交わす男女のせつなさ。少年の目に映った戦時下東京の庶民生活をいきいきと綴る。抑制の効いた文章の行間から、その時代を生きた人びとの息づかいが、ヒシヒシと伝わってくる。六十年の時を超えて鮮やかに蘇る、戦中戦後の熱い記憶。
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4.0森に消えた母の姿を求める“母なしむすこ”りゅうと、不思議な霊力をおびた“銅のくし”を懐にした“口なし娘”たみは、闇の一族、菜の花一族、夢の衆たちが住み、悪と死のつかい“放れ熊”の支配する黒森へ旅立っていく。闇の世界、山の住人、森の精霊たちが、その生滅をかけて戦い、語りかける壮大なファンタジー。
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3.3たとえば「鬼門」、たとえば「十三日の金曜日」、あるいは「媚薬」。今となってはただコッケイな昔の話から、身近に残るちょっとこわいことがらまで、迷信のパワーはすごくて、魅力がある。―「どうでもいいことの力」「役に立たない知識の面白さ」をしみじみ感じさせる、変り種の百科全書。
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3.8
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4.0敗戦、占領を経て、復帰後は基地と観光の島と化してしまった沖縄で、女であるがゆえに負わなければならなかった過去に口を固く閉ざし、沖縄戦の深い傷痕をかかえて生きてきた女たちが、ひとりひとりの命こそが宝である世の中を願って、その胸のうちを語った。戦争の惨禍を知る人々が次第に少なくなる中、決して忘れ去られてはならない記憶の数々。
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3.7「人間が見たり聞いたりしたものは生命の糸である」(イエイツ) 自然界に満ち満ちた目に見えない生き物、この世ならぬものたちと丁寧につきあってきたアイルランドの人たち。詩人であり、劇作家・思想家であるイエイツは、自ら見たり聞いたりしてケルト民族に伝わる妖精や超自然的な生き物たちのフォークロアを採集した。そこには、無限なものへの憧れ、ケルトの哀しみにあふれ、不思議な輝きを放ち続ける。カットにケルト美術を用い、イギリス・アイルランドフォークロア研究者による的確な翻訳で、ケルト民族の情感を生き生きと伝える。
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-女斗見(みとみ)といわれる女相撲マニア、美女切腹(?)ファン、秘画秘本・ワイ本・ビニ本・大人のオモチャなどの各収集家、さらにはフンドシフェチ、犬なしでは生きられない男など、昭和を代表するスケベ人生を送った“変態”たちの姿を追う。性にまつわるコレクションに取り憑かれた彼らの集大成。
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3.0世界に稀有な「落語」という芸が、ひとつの頂点を極めていた昭和30年代中期。落語に淫した随筆の名手が、その楽しさを愛惜をこめて描く。客席から見た、昭和の名人たちとその芸。落語があざやかに人間を描く様。服飾や食べ物、特殊な言い方など、知っていればさらに落語鑑賞の愉しみが深くなる知識。現代の落語ファンも必読の一冊。
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4.3
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4.0男たちは家族を持ち、日々の仕事に打ち込み、日本の繁栄を支えてきた。何が原因で彼らの人生はなぜ挫折したのか? 何がきっかけで彼らの心はなぜ崩壊してしまったのか? 20年以上にわたって精神科の医師として治療を続けてきた著者が、心病める12人の不器用な男たちの人生の軌跡を描く「愛と冒険」の物語。
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4.0デンマーク国王が急逝。王子ハムレットが喪に服すなか、父の弟すなわち彼の叔父は早々に母を娶り、王権を引き継いでしまう。ある日、悲嘆に沈む彼の前に父王の亡霊が現れ、自分が弟に暗殺されたことを告げる。復讐を誓ったハムレットは苦悩を重ねながらも、徐々にその実現に近づくに見えたが、しかし、叔父は彼に対しさらなる姦計を仕掛けていた……。シェイクスピア戯曲の真髄を画期的な訳文で現代に甦らせた永遠の名著。訳者自身による詳細を極めた脚注を付す。
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3.9
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3.5イギリス風ペーソスとユーモアで繰りひろげられるクリスマスのお話二編。原書の持つ雰囲気を生かした落語調の翻訳で、また違った味が楽しめる名作「クリスマス・キャロル」。クリスマス本の二冊目として熱狂的に迎えられた「鐘の音」。風刺雑誌『パンチ』の画家として有名なジョン・リーチらの、幻想性に満ちた挿絵と現実が奇妙に溶けこんだ不思議なファンタジーをどうぞ。
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3.5
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4.0
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4.1独自の生活様式と思想を持ち、過酷な自然の中で生きる「大自然の民アボリジニ」。そんなイメージとは裏腹に、マイノリティとして町に暮らすアボリジニもまた多くいる。伝統文化を失い、白人と同じような暮らしをしながら、翻弄されて生きる人々……その過去と現在を描く。多文化主義オーストラリアのもうひとつの素顔。
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3.5死体清掃や盗聴、身元調査にブラックジャーナリズム、さらにはパンチラ、AV、風俗、ノーパン喫茶、女装にデブ専・フケ専、刺青、浣腸などなど……。オトナじゃないとわからない世界にハマる、いまいちオトナになりきれない人々の知られざるディープな生態を徹底的にリポートする。
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3.5
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4.5プレカリアート(不安定層)問題について運動、執筆し、注目される著者の自伝。激しいイジメ体験→ビジュアル系バンド追っかけ→自殺未遂→新右翼団体加入→愛国パンクバンド結成→北朝鮮、イラクへ→右翼をやめてから現在に至るまで。息苦しい世の中で死なないために。
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3.4
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-巨万の財宝が眠る伝説の宝島探検に向かう一行の行く手には恐ろしい海賊の陰謀が待ち受けていた。甲板を歩く船長の義足のコツコツという音、鉄の爪をつけた義手の隊長。樽の中でその陰謀を聞いた勇敢な少年ジムの活躍が始まる! 巨匠スティブンスンが毎夜こどもに読んで聞かせた後に刊行して評判になり、作家の名前を不朽のものにした冒険ロマン「宝島」と、身の毛もよだつ二重人格、分身の恐怖を描く「ジーキル博士とハイド氏」の二大傑作。翻訳は星の文人として著名な野尻抱影。
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4.019世紀前半のアメリカで、推理小説やホラー小説などの新たな分野を切り拓いた孤高の作家、エドガー・アラン・ポー。彼がつむぎ出した独自の世界がもつ圧倒的な想像力は、いまも多くの人に深く強い影響を与え続けている。40年という短く、また不遇な生涯を通して生み出された名作のなかから、その想像力のパワーを示す7篇をえらび、新訳で贈る。巻末に作家の小伝を付す。
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3.9
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4.4老王リアは退位にあたり、三人の娘に領土を分配する決意を固める。二人の姉は巧みな言葉で父を喜ばせるが、末娘コーディリアの率直な言葉にリアは激怒し、彼女を勘当、二人の姉にすべての権力・財産を譲ってしまう。ここから老王の悲劇は始まった。シェイクスピア四大悲劇の最高峰を第一人者による流麗の技で訳出。詳細を極めた脚注を付す。
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