佐藤亜紀の作品一覧
「佐藤亜紀」の「天使・雲雀」「黄金列車」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
- 作者をフォローする
- フォローすると、この作者の新刊が配信された際に、お知らせします。
無料マンガ・ラノベなど、豊富なラインナップで201万冊以上配信中!
「佐藤亜紀」の「天使・雲雀」「黄金列車」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
小説・文芸
小説・文芸
小説・文芸
Posted by ブクログ
第二次大戦下のドイツ、ハンブルク。
恵まれた環境に生まれながらも頽廃音楽たるスウィング・ジャズに魅せられたエディ。ピアノの天才であるマックスやユーゲントのスパイ、クーらを巻き込みながら、スウィングで踊り狂うパーティーを開催したり、海賊盤レコードを売り捌いたりする日々。刻々と悪化する戦況にも軍部の締め付けにも背を向けて、時に憲兵の裏をかき、時に手痛いしっぺ返しをくらいながらも、ただひたすら享楽的に情熱的に狂騒的に退廃的に刹那的に、ただし用意周到に生き抜いて行く...
ドイツ国内に住む少年、のちに青年の視点から第二次大戦を描いた作品。
イデオロギー、戦争の悲惨さ、ナチスの暴虐などを声高に訴えるのではなく、目の前に立ち塞がる災厄として、不平を垂れながらもただ頭を低くしてやり過ごすふてぶてしさ。後半はさすがにかなり凄惨な光景が繰り広げられるが、精神が麻痺しようと壊れようと、ただ淡々と日常を前へ進めて行く。そして高らかにスウィングが鳴り響くような解放的なラスト。
「戦争の法」を思わせるシニカルな一人称が楽しい傑作。
Posted by ブクログ
18世紀ベルギーフランドル地方
商家の娘ヤネケと幼馴染のヤン
とてつもなく賢いヤネケに実験され、
ヤンは彼女を慕い、ヤネケは子を身籠る
そして、ヤネケは「ペギン会」に入って好きなように生きていく
また次なる興味のために
ヤンのその後は波瀾万丈
あれよあれよと市長になる
2人の妻は尽くし続けて早くに亡くなる
寂しく残された男ばかりの食卓風景は
なんだかせつないばかり
時代の流れの中で、ヤネケやヤン
そして息子のレオ
それぞれが駆け抜けていく!
読むにあたり
歴史にも触れざるを得ないだけに
なんだか賢くなった気分になれる(笑)
女性としての生き方の多様性
男性の女性への考え方の多様性
今も昔もあまり変わらないような気がする
どう生きていくのか
個人として、人間として
どうありたいのか
改めて思いを巡らせたい
Posted by ブクログ
大好きな作家さんの佐藤さん、今回は、ドイツ第三帝国下のスウィングボーイズの物語。
佐藤亜紀さんは、不幸な事件のせいもあって、あまり話題にはされてませんが、実は好きな人がメチャ多い作家さんです。最近だと黄金列車もすごく良かった。
ナチスに頽廃音楽とレッテルされた音楽や美術作品は多々あるなか、ドイツに浸透していたスウィングジャズにハマった悪ガキの物語、ゲシュタポの排斥が進むなかで、隠れてスウィングスウィング、ある意味楽しい青春譚が繰り広げられるものの、時代の流れは暗雲立ち込め、ハンブルク大空襲を山場に生活瓦解となるなかで、そのような陰鬱さを感じさせないスピードで悪ガキが走り続けた物語。悪ガキベースだからポジティブな文調であまり気分が重くならずに一気に読める。角川文庫版の須賀しのぶさんの解説の最後がよかった。
「心から自由を失った時、人は人でないものになりさがる。疑問も持たなくなるから楽かもしれないが、そんなものになりたくはない。
スウィングしなけりゃ、人生に意味はないのだ。」
最新作の「喜べ、幸いなる魂よ」は18世紀フランドルの物語。積読からいつ取り出そうか、楽しみです。