佐藤亜紀の作品一覧

「佐藤亜紀」の「黄金列車」「吸血鬼」ほか、ユーザーレビューをお届けします!

作品一覧

  • 喜べ、幸いなる魂よ
    3.8
    1巻1,034円 (税込)
    【第74回読売文学賞(小説賞)受賞作】18世紀ベルギー、フランドル地方の小都市シント・ヨリス。ヤネケとヤンは亜麻を扱う商家で一緒に育てられた。ヤネケはヤンの子を産み落とすと、生涯単身を選んだ半聖半俗の女たちが住まう「ベギン会」に移り住む。彼女は数学、経済学、生物学など独自の研究に取り組み、ヤンの名で著作を発表し始める。ヤンはヤネケと家庭を築くことを願い続けるが、自立して暮らす彼女には手が届かない。やがてこの小都市にもフランス革命の余波が及ぼうとしていた――。女性であることの不自由をものともせず生きるヤネケと、変わりゆく時代を懸命に泳ぎ渡ろうとするヤン、ふたりの大きな愛の物語。
  • 吸血鬼
    3.0
    1巻858円 (税込)
    1845年、オーストリア帝国の支配下にあるポーランド。寒村ジェキに赴任した役人ゲスラーは、若き妻を伴い陰鬱な地にやってきた。かつて文学青年だった彼は、愛国詩人でもある領主との交流を心待ちにしていたのだ。だがその矢先、村で次々に不審な死が発生し、人々は土俗的な迷信に怯え始める――独立蜂起の火種が燻る空気の中、人間の本質と恐怖の根源を炙り出す、恐ろしくも美しい物語。皆川博子氏と作者による解説を収録。
  • 黄金列車
    3.6
    1巻880円 (税込)
    ※本書は、角川書店単行本『黄金列車』を加筆修正のうえ、文庫化した作品となります。重複購入にご注意ください。 ハンガリー王国大蔵省の職員・バログは、現場担当としてユダヤ人の資産を保護・退避させるべく「黄金列車」に乗り込む。財宝を狙い近づいてくる悪党らを相手に、文官の論理と交渉術で渡り合っていくが――。
  • ミノタウロス
    3.5
    1巻990円 (税込)
    ロシア革命直後のウクライナ地方。成り上がり地主の次男坊ヴァシリの書物に耽溺した生活は、父の死後一変した。生き残るために、流れ者のドイツ兵らとともに略奪、殺戮を繰り返し、激動の時代を疾走する。
  • 天使・雲雀
    4.4
    1巻1,298円 (税込)
    生まれながらに特殊な「感覚」を持ったジェルジュは、オーストリアの諜報活動を指揮する権力者の配下となる(「天使」)。特殊な「感覚」を持つ工作員たちの闘いと青春を描く、姉妹篇2冊をまとめた決定版。
  • バルタザールの遍歴
    4.0
    1巻1,012円 (税込)
    「私の筆跡にやや乱れが見えるとしたら、それはバルタザールが左手で飲み、私が右手で書いているからだ」 1906年、ウィーンの公爵家に生まれたメルヒオールとバルタザール。しかし二つの心に用意された体は一つだった。放蕩の果てに年若い義母との恋に破れた彼らは酒に溺れ、ウィーンを去る。やがてナチスに目を付けられ、砂漠の果てに追い詰められた二人は――。 双子の貴族が綴る、転落の遍歴。世界レベルのデビュー作。 解説 石井千湖
  • スウィングしなけりゃ意味がない
    -
    1巻902円 (税込)
    1939年ナチス政権下のドイツ、ハンブルク。15歳のエディが熱狂しているのは頽廃音楽と呼ばれる”スウィング”だ。だが音楽と恋に彩られた彼らの青春にも、徐々に戦争が色濃く影を落としはじめる――。
  • 陽気な黙示録 ――大蟻食の生活と意見~これまでの意見編~
    4.0
    1巻1,100円 (税込)
    「賢くあることで大損するくらいなら、我々は愚かなままでいるべきなのだ」(『我々は愚民である』)、「アメリカの大統領選、あれくらい全世界に迷惑を及ぼすものはない」(『アメリカに帝政を!』)……。戦争、9・11、メディア、論客、文学から現代美術まで、本音で語り尽したエッセイ集。文句のある奴は前へ出ろ!

ユーザーレビュー

  • 天使・雲雀

    Posted by ブクログ

    第一次世界大戦前後オーストリアの超能力を持ったスパイたちのお話し

    途中までは抽象的な表現で書かれてるなという印象だったが
    〈感覚〉という目に見えない能力を読者が汲み取れるように書かれていて
    その事を自覚できた瞬間からこの小説は劇的に面白く感じるようになった

    これまで色々な小説を読んできたが
    正直、文体の面白さというのをハッキリと自覚できたのは今回が初めてだと思う

    この感動は一生こびりつきそう

    0
    2025年11月24日
  • 喜べ、幸いなる魂よ

    Posted by ブクログ

    18世紀ベルギーフランドル地方
    商家の娘ヤネケと幼馴染のヤン
    とてつもなく賢いヤネケに実験され、
    ヤンは彼女を慕い、ヤネケは子を身籠る
    そして、ヤネケは「ペギン会」に入って好きなように生きていく
    また次なる興味のために
    ヤンのその後は波瀾万丈
    あれよあれよと市長になる
    2人の妻は尽くし続けて早くに亡くなる
    寂しく残された男ばかりの食卓風景は
    なんだかせつないばかり

    時代の流れの中で、ヤネケやヤン
    そして息子のレオ
    それぞれが駆け抜けていく!
    読むにあたり
    歴史にも触れざるを得ないだけに
    なんだか賢くなった気分になれる(笑)

    女性としての生き方の多様性
    男性の女性への考え方の多様性
    今も昔も

    0
    2025年03月11日
  • バルタザールの遍歴

    Posted by ブクログ

    再読。
    一度目に読んだときが佐藤亜紀作品デビューだったので、落ち着いて読めていない部分も多かったと思う。
    一度目も楽しかったんだけど世界観への順応とか歴史の知識とかにエネルギー使ってしまい本編を純粋に楽しむ余裕なかったかもしれない。双子であるにも関わらず身体がひとつという設定にいちいち興奮していたみたい。

    そういう基本設定と話の筋もわかった上で改めて読んでみたら、メルヒオールとバルタザールはじめ登場人物をより深く理解することが出来たと思う。
    注釈もないまま当たり前のように引き合いに出される馴染みのない文学作品とか演劇の台詞とかには「分からないやつは読むな」と言われているような気持ちになるけど

    0
    2021年08月29日
  • 天使・雲雀

    Posted by ブクログ

    舞台は第一次世界大戦前後のヨーロッパ。
    サイキック集団が跋扈する魑魅魍魎の中を泳ぐように生き、したたかに漂流するゲオルクエスケルス。
    登場人物が全員オーストリア人とかロシア人とかだから名前が覚えにくい事おびただしい。
    人物相関図付けてあげようとは誰も思わなかったのか。
    何回もコイツ、誰だっけ?と読み返した。
    でも読み返すことで面白さは倍増する。
    ギゼラが最後の最後に出てきた時は快哉を叫んだ。
    初登場から一体何年経ってる設定なの?
    そしてちゃんと結ばれるのね。
    ハッピーエンドなんだ。其れにも吃驚。
    読み応えあります。
    読んだら疲れます。でも心地よい疲れです。
    500頁以上有りますがオススメです。

    0
    2021年05月22日
  • 天使・雲雀

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    エネルギーを要する作品でした。歴史的な背景がわからないと迷子になる。知らない用語が当然のようポンポン出てきて「ちょっとまって、これ何のこと言ってんの?」ってなる。検索しながら読んだ。

    主人公たちの使う特殊能力を脳内で再現するために五感を総動員して第六感的な感覚を何とかして創り上げるという作業が必要だったんだけど、これが癖になるほど楽しかった。(私としては泥酔したときの感覚がいちばん役立った)

    登場人物がやたら多いがみんな魅力的なのでさほど混乱しなかった。小狡いキャラクターすら心から憎むことができない魅力を持っており2作品を通してそれがジワジワ漏れ続けいつの間にか何となく好きになっている。

    0
    2021年04月29日

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