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Posted by ブクログ
著者の主著である『唯脳論』が書かれる以前に発表されたエッセイをまとめた本です。
著者は「文庫版あとがき」で、「はじめの部分は、『唯脳論』に至る軌跡をあるていど表わしている。こちらに収録した文章のほうが、私の最初の考えかたをよく示しているものもあるので、興味のある方は両者を並べてお読みいただくと、あるいはよく理解していただける点があるのではないか、と考えている」と述べています。ただわたくしの印象では、前著である『ヒトの見方』(1991年、ちくま文庫)のほうが、解剖学的な議論から『唯脳論』へとつながる著者の思索の軌跡がよく示されているように感じられます。
本書はむしろ、とりあげられているテーマの多様性に目を惹かれます。ゲーテの『ファウスト』の時間論や、モンテーニュの孤独論についてのエッセイもあり、著者は「勝手読み」だと謙遜していますが、著者ならではの斬新な視点が示されていて、個人的には興味深く読みました。かと思えば、「毛だまり」やウオノメの形成についての生物学的な解説もあり、ヴァラエティに富んだ内容となっています。
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