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長い進化の時間の中で、ヒトは巨大な脳を手に入れた。取り出してしまえば、柔らかそうな、丸みを帯びた、灰色の物体に過ぎないこの器官が、ヒトを知る鍵であるらしい。私たちがものを考えるとき、そこでは何が起こっているのだろうか。真実とは一体どこに存在するのか。ゲーテからウオノメまで、自在な角度から論じ、脳とは何かに迫っていく。『唯脳論』へと続くエッセイ集。
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Posted by ブクログ
人は脳で生きている 時間での支配、孤独が人生 脳から西洋哲学、動物、昆虫... 様々な観点から述べる 結局は人間とはなにかにたどり着くような気がする
養老先生の本で、一番最初に買った本。 突き放したような文章のそこかしこにユーモアが見え隠れしている。のちに多くなる口述筆記の文章よりも、先生が実際に書かれているもののほうが、語り口は、好き。 先生が某国立大をお辞めにな(れ)るのが決まったとき、廊下をスキップしていたらしい、って逸話がなんともよい。
著者の二作目の一般向け著作で,唯脳論を出す前の作品。最近の著作と比べるとかなり丁寧な論の進め方をしている。また,この本を書いた当時は生物進化(進化論ではなく博物学的事実の方)に対して並ならぬ関心を抱いていたということも窺わせる内容。進化学徒(末席ではあるが)の自分にとって興味深い話題も,幾つかあった...続きを読む。
唯脳論以前の、そして唯脳論に至る雑文集。「馬鹿の壁」と云う言葉もすでに登場している。学問の本質、脳化していく社会など面白いテーマが盛り沢山。
著者の主著である『唯脳論』が書かれる以前に発表されたエッセイをまとめた本です。 著者は「文庫版あとがき」で、「はじめの部分は、『唯脳論』に至る軌跡をあるていど表わしている。こちらに収録した文章のほうが、私の最初の考えかたをよく示しているものもあるので、興味のある方は両者を並べてお読みいただくと、あ...続きを読むるいはよく理解していただける点があるのではないか、と考えている」と述べています。ただわたくしの印象では、前著である『ヒトの見方』(1991年、ちくま文庫)のほうが、解剖学的な議論から『唯脳論』へとつながる著者の思索の軌跡がよく示されているように感じられます。 本書はむしろ、とりあげられているテーマの多様性に目を惹かれます。ゲーテの『ファウスト』の時間論や、モンテーニュの孤独論についてのエッセイもあり、著者は「勝手読み」だと謙遜していますが、著者ならではの斬新な視点が示されていて、個人的には興味深く読みました。かと思えば、「毛だまり」やウオノメの形成についての生物学的な解説もあり、ヴァラエティに富んだ内容となっています。
見方三部作で二作目の本作品。Ⅴ綺想 の章が養老先生の生活について養老節が炸裂していて面白く読めた。ⅠからⅣは出版当時はどうだったか分からないが、でもそれを考慮しても凡庸な語り口でそれほど面白くないと思う。専門分野では個人的にはⅥの、発生における時間のずれと進化 が面白かった。 この本で印象に残った...続きを読む箇所は、 ・原則は一つが望ましいけれども、その原則は言わないので、頑固と言われる ・本を読むと馬鹿になる、たくさん読んだ、だから自分は馬鹿である というところ。
養老猛司の処世作「唯脳論」の直前に出版されているエッセイ集。あとがきにもあるように、唯脳論や近著「馬鹿の壁」に継がるエッセイが収録されており、興味深い。唯脳論は学生時代に読んだ記憶があるんだけど、内容をすっかり忘れいるので、近く読み返そう。
新規購入ではなく、積読状態だったもの。 購入詳細不明。 2013/1/21~1/25 恐らく20年ものの積ん読本。脳の見方、というタイトルだが、脳の話と言うよりは、氏の専門の解剖学を中心とするエッセイ集。もともと哲学書房という出版社から出たこともあるのか、多分に哲学的内容。後に氏の代表作ともなる「...続きを読む馬鹿の壁」という言葉が出てきたのが興味深かった。
前半の神経や解剖の話はあまり面白くはなかったが、中頃から、養老さんの面白い話が始まった。解剖学者がゲーテのファウストやモンテーニュのエセーを論じるとは思いも寄らなかった。
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