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ある大学で「養老さんじゃないですか、もう死んだと思ってました」と話しかけられた著者。「要するにすでに死亡済み。そう思えば気楽なもの」と嘯き、超越した視点で「意識」が支配する現代社会の諸相を見つめる。人工知能が台頭する時代に「コンピュータは吹けば飛ぶようなもの」と語り、平成においては「万物が煮詰まった」と述べ、人口や実体経済の限界が見えた時代の生き方を考える。現代の問題は「一般論としての人生と、個々の人生の乖離」と述べ、一般化からこぼれ落ちた個々の生へ眼差しを向ける。真理は0と1の間に落ちる。宙ぶらりんの立場で、現代人の盲点を淡々と衝く一冊。 【目次より】●人文学で何を教えるか ●禁煙主義者として ●永遠の杜 ●人工知能の時代に考える ●虫と核弾頭 ●人口が減る社会 ●状況依存 ●米軍の「誤爆」 ●意識をもつことの前提 ●老人が暮らしにくい世の中 ●地味な仕事への対価 ●「平成」を振り返る
...続きを読むPosted by ブクログ 2020年03月22日
初めて養老さんの本を読んだ。この本を読むまで恥ずかしながら養老さんのことは知らなかった。本書は2回読んだ。父に勧められて本書を読んでみて、難しいと思いながらも、養老さんらしい表現の仕方に感心し、勉強になる部分も多かった。自分とは全く違う視点で日本の問題や世間を見られているなあという印象だった。
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Posted by ブクログ 2020年02月04日
人は昔から自然に暮らし、自然の一部だった。しかし、今や道具に囲まれて人工的な環境に暮らしている。人はただのデータと化している。
確かに、若者の私は虫が嫌いだし、自然の風より冷房の方が気持ちいい。
人工的、効率的に生きることを目指している癖に、宗教やファンタジーを捨てられないとは、なんて人間らしい...続きを読む
Posted by ブクログ 2019年01月06日
色々多方面のエッセー…に近い?
冷静と淡々とテレビでは話している印象がある養老先生ですが、若い時はなかなか湯沸かし器だったようですね。
普段腹を立てている自分がおかしいのか?と悩む場面もありましたがちょっと安心しました。
この書のおかげで、竹村光太郎さんをしれたのが良かったです。竹村光太郎さんの...続きを読む
Posted by ブクログ 2022年02月06日
養老さんの本を読むと、アタマがほぐれてすっきりする。
いつも刺激をくれた橋本治さんがいない現実がつらい。
これは2018年の本だけど、コロナ禍の中、
すでに世の中はあちこちで煮詰まっていたことが分かる。
白か黒かの2択、あるいはゼロか1か、
個別の現実の事例を、統計を取り平均化して、データとして扱え...続きを読む
Posted by ブクログ 2019年04月24日
養老節が心地よい。もう流れる様に書いているんだろうな。言葉で世の中は変えれないから、安心して書いているそうだ。なるほど。
一般論は具体よりも優越する。その理由は人間にとって楽だから。人は易きにつくもの。現代社会の楽は一般化にある。楽をするとどこかで元がとられる。シッペ返しがくることになる。それは言...続きを読む
Posted by ブクログ 2019年01月03日
失礼ながら「生きていたんですか、もう死んだと思ってました」と言われたエピソードに笑いながらもドキリとした。養老さんまだご存命だったのか。と。隠居生活をおくる偏屈爺さんのつぶやきといった体だが、隠居生活ゆえに忌憚なく述べられるあれやこれや。驚くべきことはいつのお年になっても本を読み、山を歩き、趣味の昆...続きを読む
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