無料マンガ・ラノベなど、豊富なラインナップで201万冊以上配信中!
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。
Posted by ブクログ
「自分」の壁
著:養老 孟司
紙版
新潮新書 576
最初の主題はいわゆる「自分」という問題です。
残りはなんとなくそれにも絡んだ、さまざま話題です
気になったのは、以下です
・戦後、日本人は、「自分」を重要視する傾向が強くなりました
これは欧米からの影響によることころが大きいでしょう
その結果、個々人の「個性」「独創性」が大切だとさんざん言われるようになったのです
教育現場ではもちろんのこと、職場などでも「個性の発揮」を求める風潮が強くあります
・そんなものがどれだけ大切なのかは疑わしい。これまでにもそのことを繰り返し書いて、話してきました。
・個性は放っておいても誰にでもあります。だから、この世の中で生きていううえで大切なのは、「人といかに違うか」でなくて、人と同じところを探すことです。
・世間に押しつぶされそうになってもつぶれないものが、「個性」です
結局、誰しも世間と折り合えない部分は出てきます。それで折り合えないところについては、ケンカすればいいのです。それで世間が勝つか、自分が勝つかわかりません。でも、それでも残った自分が、「本当の自分」のはずです
・弟子入りの最初の段階から、「個性を伸ばせ」などと言っても意味がない
・外国にも「顔色を読む」といった表現があるのかどうか、少なくとも私は知りません
日本語には他にも、「血の巡りが悪い」、「人の痛みを感じる」といった言葉があります
・20世紀の終わりに、多くの科学者を対象にした調査をまとめた「The End of Science」(科学の終焉)という本が出版されました。ここで科学者のほとんどが、「科学はすべてを解明しない」と答えています。
・すんなり馴染めないからこそ、私は世間を関心の対象としてきました。そして、わからないからこそ、何とかそのルールを明文化したいと考えた。
・日本には世間というものがあります。世間のメンバーではない人はメンバーとは別の扱いを受けます
しかし、これは差別意識の産物ではありません。あくまでも会員制クラブのメンバーかどうか、ということです
・日本にとって必要な思想は、全部、無意識のほうに入っているのです
「それはまずいでしょう」
それがなぜ、どういう理由で、どのへんがどう、まずいか。
その理屈は、いちいち言語化されない。誰も説明しない。でも、まずい、のは、当たり前、なのです
それは、無意識で共有されている
・江戸時代も同じで、合議制がベースとなっていました
将軍は決して独裁者にはなれなかった
・豊かさのなかの自殺
不況のせいで日本人の自殺が増えている、という考え方は少し違うのではないか、と思います
・世間といじめ
あんなものなくなるわけがない。それが結論です。
むしろ考えておくべきなのは、いじめられたときの対処法です
軍隊のいじめが過酷なのは、逃げ場がつくれないからです
・人を信用するとコストが低く済むのです
相手を信用していないと、何でもいちいちたしかめなくてはいけなくなります。これは手間暇、すなわちコストがかかることです
・だから本当は、契約書なんて交わさなくて、なにか問題が起きて、どうしても解決できないときにだけ弁護士が出てくる、くらいでいいのです
・絶対反対、と、絶対賛成、が二項対立という、構図になると、コストがかかるし、具体的な話ができなくなります
・しかし、もともと私は、選挙というものについて、あまり期待をしていません。
いつも次のように言ってきました。
紙に名前を書いて箱に入れるだけで、ないか変わると本気で皆さん思っているのですか、それはおまじないと同じではないですか、と。
・日本が国際化することは、日本人がもっとウソつきになるということです。
ああいうウソつきは、外国には昔から当たり前にいるからです
・国があなたに何をしてくれるかではなく、あなたが国に何ができるかだ ケネディ大統領
・かっては、そんなに簡単に変わらないことがわかっていたし、そのほうがいいことも常識でした。その変わらないものが、「世間」であり、「大和魂」だったのです。
「世間はそう簡単にかわらないよ」これが世間の常識だったのです
・ある程度年を取ってからでいい。大器晩成でいいのです
・一生役に立たないこともあるかもしれません。それを中国では、「英雄時を得ず」と言ったのです
・パソコンやケータイに限らず、人は便利なもの、面白いと思うものに慣れていく。
こういう流れは、逆に戻すことはできないものです
「ただ、考えておいたほうがいいのは、ではそれによって人がどう変わるのか、という点です」
・情報過多というのは、別の言い方をすれば、身はつかない情報ばかりが増えていくことです。
知っていても、役に立たない
・情報過多になり、知らず知らずのうちにメタメッセージを受け取り続けていくと、本当に何が大事なのか、そのバランスが崩れてしまうように思えます
・情報をたくさん仕入れたからといって、役に立つとは限らない
・先生によれば、「よくない教科書というのは、よくできすぎている教科書、説明が至れり尽くせりの教科書だ」
そういう教科書で学ぶ疑問が生じない
・なにかにぶつかり、迷い、挑戦し、失敗し、ということを繰り返すことになります。
しかし、そうやって自分で育ててきた感覚のことを、「自信」をいうのです
目次
第1章 「自分」は矢印に過ごない
第2章 本当の自分は最後に残る
第3章 私の体は私だけのものではない
第4章 エネルギー問題は自分自身の問題
第5章 日本のシステムは生きている
第6章 絆には良し悪しがある
第7章 政治は現実を動かさない
第8章 「自分」以外の存在を意識する
第9章 あふれる情報に左右されないために
第10章 自信は「自分」で育てるもの
ISBN:9784106105760
出版社:新潮社
判型:新書
ページ数:224ページ
定価:800円(本体)
発行年月日:2014年06月
2014年06月20日発行
2014年08月20日7刷
Posted by ブクログ
大好きな養老先生の本。個人主義と日本について、個性とは何か、情報との関わり方、悪化している日本をどうしたら変えられるか、の話だった。
特に面白かったのは、
◯自分、自己、自我、自意識等々、それは結局のところ、(地図上の)「今自分はどこにいるかを示す矢印」くらいのものに過ぎないのではないか。
という見方。このくらいの自意識が個人的には好きだ。若い世代の方々を見ていると、びっくりするほど自意識が過剰になってきているのがわかる。子供がいる世代ですら、自己主張ばかり強くなっていっているのを感じる。そういった流れの中で、自己をこのように捉える感覚はなかなか浸透はしないだろうが、浸透することを切に願わずにはいられない。
他に、参勤交代をすると良い、という考えが面白かった。
◯世の中を動かすにはビックピクチャーが必要。参勤交代はビックピクチャーの1つ。都市に住む人に、年間数ヶ月は田舎に住むことを義務づける。まずは官僚から実践させる。そうすれば日本は確実に変わる。
また、仕事は状況込みのものという考えが印象的でした。
◯確かにその頃、(養老先生が当時働いていた)東大にいるのは面倒でした。本来の仕事である研究とは別の厄介事が常にたくさんついてまわる状況でも、そういう状況にある大学と向き合うことも、仕事の1部だから、そこから逃げてはいけない。そう考えたのです。
労働者の権利とか、働き方改革とかが叫ばれている世の中の風潮に、この考え方は逆行するように思います。実際に、今の職場は、最初に契約したこと以外の仕事をどんどん振られ、◯時間以内に労働時間を収めないといけない(書類上)、賃金もそれ以上は出ない、という規則の中、やる気が出ず、仕事も質も下げてやっていました。でも、養老先生の言葉を考えると、そういう心持ちで働いても、自分の人としての成長はないと反省した。心身ともに疲弊していてやる気は正直出ませんが、養老先生の言葉を念頭に仕事に向かうと、何か変わっていく気がする。
◯自分のことが嫌いで、自殺を考えているような人であっても、本能的には自分を「えこひいき」して、世界よりも自分の方を大事に考えています。
これは、最近自分をとても可愛がったり大切にしている人を見て、なんか嫌だなぁとモヤモヤしていた気持ちに突き刺さった。先日読んだ鳥羽和久さんの本の中で、「自分の弱さを自分で囲い込んで、それを守ることで、かえって外に出られなくしている人が増えた」というようなことが書かれていた。この考え方も確かに、、と思った。
自分を「えこひいき」する、量の程度の問題は大いにあると思うが、本能的に人はそうするものだと改めて頭に置いておけば、他人の気になる(自分過保護)も少しは許容できるようになりそうだ。
他に、原発事故の話で、原発問題が政治問題になっているから、安全対策がうまくいかないという話がとても印象的だった。参議院を長期的な問題を話し合う機関に変えてしまえば、自然環境などをもっと議論でき、良い方に向くという考えが書かれていた。
養老先生の考え方は、どの本を読んでも斬新でありながら理にかなっていて、欲深くなく、個人的にとても好きな考え方だと余計に好きになってしまう。今度、隣の市に講演に来てくださる予定なので、人生初の、推しに会いに行くような心待ちになっている。
以下備忘録
第1章 「自分」は、地図上の現在地の矢印に過ぎない。自分よりも他人を知ったほうがいい。意識は自分をえこひいきする。
第2章 本当の自分は最後に残る。
第3章 私の体は私だけのものではない。
体内はウィルスだらけ、シロアリとアメーバの関係
第4章 エネルギー問題は自分自身の問題
長期的な議論をする場が必要。長期的テーマ(エネルギー、自然など)を国家レベルで議論する役割を参議院が担えば良いのではないか。参議院を国政のアドバイザーのような位置づけにする。
第5章 日本のシステムは生きている。
政治問題化の弊害、江戸の不思議な人材登用、いじめなど
第6章 絆には良し悪しがある。
第7章 政治は現実を動かさない。
参勤交代の勧め。
第8章 「自分」以外の存在を意識する
親孝行の本当の意味
親高校は、子供に対して、「お前はお前だけのものじゃないよ」と言うことを実は教えていた。
第9章 あふれる情報に左右されないために
情報過多の問題、メタメッセージの怖さ
第10章 自信は「自分」で育てるもの
厄介だから生きている、仕事は状況込みのもの、人生はゴツゴツしたもの、自分の胃袋を知る
Posted by ブクログ
私は自分に自信を持てずにまごついてしまうことが多い。そんな中、『バカの壁』を読み、次にどの本を読もうか検討していた時に、同著者の本で自信を養うことに関して記されている点に気づいたことがこの本を読むに至った経緯である。
この本を読んで学んだことは、「周りに流されたり楽をしようとしたりせずに、多くの人との出会いや挑戦が真の自信に繋がる」ということである。
今まで行ったことがない環境に足を一歩踏み入れて新しい人と出会い人脈や自分の視野を広げて、どんどん挑戦し続けていくことが自分の成長に結びつくと解釈した。
私は、「新しい経験に一歩踏み出す勇気が欲しい時」にこの本を再度読むだろうと思った。
Posted by ブクログ
6冊目
「自分」を主軸にいろんな話(ミトコンドリア、原発、デモ、昔の日本の登用制度)が展開されていく
途中で見失う、、、
けどひとつひとつの話がおもしろい
じぶんの考えはどこにあるのかとインプットしてるだけだと思うけど、
読んでいるときっと他の人種に比べると日本人は
自分の考えを様々な場面でしっかりとアウトプットしているんだなと感じた。その場所を弁えているだけで
自分ってなにものかと考えたことがないという養老孟司さん。
最初の脳科学者が脳卒中を起こしたとき
壁との境が認識が出来ずに流動的になったようと表現したこと、
地図の中で矢印がないと自分を認識できなくなってしまうこと、
意外にもかんたんに「自分」がなくなるんだろうなと
ネガティブだけど、どこか諦観したように感じた。
何者かになりたい、自分は何者なのかと、
なんでもいいから答えやその一部になるものを現在進行形で探しているけど、なにかヒントにはなりそう。
あ、あと
✳️細胞の核とは別にミトコンドリアんの核が入っていること
(青酸カリを吸っちゃうとミトコンドリアが停止することで人間がエネルギーを生み出せなくなる)(後から書き出してみてシロアリ-アメーバと同じような関係じゃないか、!と気付いた)
✳️蝶は幼虫かチョウになるサナギの段階の時にすべてを作り替えていること
✳️シロアリだけじゃセルロースを分解できないけどお腹の中にアメーバがいるから分解でき木を沢山食べられること
共生している、運命共同体のキーワードがすんなり入ってきた
なにかに生かされていると微生物的な観点から教えてくれる
じぶんってむずかしい
まだ読み途中(今日2025/04/21の今08:52)
だいじなことを忘れていた
✳️経済成長とエネルギー消費は相関しているということ
おもしろいし、たしかにとなった話
エネルギーって有限
過去にオイルショックが起きたことは知っていたけど
エネルギーが枯渇するから急いで買い占めな~!って背景だったことは知らなかった
これらを踏まえて考えると今みんなでなんとなく向かっている方向はどこかおかしな方向、行き止まりになるのかもしれない
(今日の今09:11)
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。
ビジネス・実用
ビジネス・実用
小説・文芸
ビジネス・実用
ビジネス・実用
ビジネス・実用
ビジネス・実用