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「自分探し」なんてムダなこと。「本当の自分」を探すよりも、「本物の自信」を育てたほうがいい。脳、人生、医療、死、情報、仕事など、あらゆるテーマについて、頭の中にある「壁」を超えたときに、新たな思考の次元が見えてくる。「自分とは地図の中の矢印である」「自分以外の存在を意識せよ」「仕事とは厄介な状況ごと背負うこと」――『バカの壁』から十一年、最初から最後まで目からウロコの指摘が詰まった一冊。
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Posted by ブクログ
「自分」の壁 著:養老 孟司 紙版 新潮新書 576 最初の主題はいわゆる「自分」という問題です。 残りはなんとなくそれにも絡んだ、さまざま話題です 気になったのは、以下です ・戦後、日本人は、「自分」を重要視する傾向が強くなりました これは欧米からの影響によることころが大きいでしょう そ...続きを読むの結果、個々人の「個性」「独創性」が大切だとさんざん言われるようになったのです 教育現場ではもちろんのこと、職場などでも「個性の発揮」を求める風潮が強くあります ・そんなものがどれだけ大切なのかは疑わしい。これまでにもそのことを繰り返し書いて、話してきました。 ・個性は放っておいても誰にでもあります。だから、この世の中で生きていううえで大切なのは、「人といかに違うか」でなくて、人と同じところを探すことです。 ・世間に押しつぶされそうになってもつぶれないものが、「個性」です 結局、誰しも世間と折り合えない部分は出てきます。それで折り合えないところについては、ケンカすればいいのです。それで世間が勝つか、自分が勝つかわかりません。でも、それでも残った自分が、「本当の自分」のはずです ・弟子入りの最初の段階から、「個性を伸ばせ」などと言っても意味がない ・外国にも「顔色を読む」といった表現があるのかどうか、少なくとも私は知りません 日本語には他にも、「血の巡りが悪い」、「人の痛みを感じる」といった言葉があります ・20世紀の終わりに、多くの科学者を対象にした調査をまとめた「The End of Science」(科学の終焉)という本が出版されました。ここで科学者のほとんどが、「科学はすべてを解明しない」と答えています。 ・すんなり馴染めないからこそ、私は世間を関心の対象としてきました。そして、わからないからこそ、何とかそのルールを明文化したいと考えた。 ・日本には世間というものがあります。世間のメンバーではない人はメンバーとは別の扱いを受けます しかし、これは差別意識の産物ではありません。あくまでも会員制クラブのメンバーかどうか、ということです ・日本にとって必要な思想は、全部、無意識のほうに入っているのです 「それはまずいでしょう」 それがなぜ、どういう理由で、どのへんがどう、まずいか。 その理屈は、いちいち言語化されない。誰も説明しない。でも、まずい、のは、当たり前、なのです それは、無意識で共有されている ・江戸時代も同じで、合議制がベースとなっていました 将軍は決して独裁者にはなれなかった ・豊かさのなかの自殺 不況のせいで日本人の自殺が増えている、という考え方は少し違うのではないか、と思います ・世間といじめ あんなものなくなるわけがない。それが結論です。 むしろ考えておくべきなのは、いじめられたときの対処法です 軍隊のいじめが過酷なのは、逃げ場がつくれないからです ・人を信用するとコストが低く済むのです 相手を信用していないと、何でもいちいちたしかめなくてはいけなくなります。これは手間暇、すなわちコストがかかることです ・だから本当は、契約書なんて交わさなくて、なにか問題が起きて、どうしても解決できないときにだけ弁護士が出てくる、くらいでいいのです ・絶対反対、と、絶対賛成、が二項対立という、構図になると、コストがかかるし、具体的な話ができなくなります ・しかし、もともと私は、選挙というものについて、あまり期待をしていません。 いつも次のように言ってきました。 紙に名前を書いて箱に入れるだけで、ないか変わると本気で皆さん思っているのですか、それはおまじないと同じではないですか、と。 ・日本が国際化することは、日本人がもっとウソつきになるということです。 ああいうウソつきは、外国には昔から当たり前にいるからです ・国があなたに何をしてくれるかではなく、あなたが国に何ができるかだ ケネディ大統領 ・かっては、そんなに簡単に変わらないことがわかっていたし、そのほうがいいことも常識でした。その変わらないものが、「世間」であり、「大和魂」だったのです。 「世間はそう簡単にかわらないよ」これが世間の常識だったのです ・ある程度年を取ってからでいい。大器晩成でいいのです ・一生役に立たないこともあるかもしれません。それを中国では、「英雄時を得ず」と言ったのです ・パソコンやケータイに限らず、人は便利なもの、面白いと思うものに慣れていく。 こういう流れは、逆に戻すことはできないものです 「ただ、考えておいたほうがいいのは、ではそれによって人がどう変わるのか、という点です」 ・情報過多というのは、別の言い方をすれば、身はつかない情報ばかりが増えていくことです。 知っていても、役に立たない ・情報過多になり、知らず知らずのうちにメタメッセージを受け取り続けていくと、本当に何が大事なのか、そのバランスが崩れてしまうように思えます ・情報をたくさん仕入れたからといって、役に立つとは限らない ・先生によれば、「よくない教科書というのは、よくできすぎている教科書、説明が至れり尽くせりの教科書だ」 そういう教科書で学ぶ疑問が生じない ・なにかにぶつかり、迷い、挑戦し、失敗し、ということを繰り返すことになります。 しかし、そうやって自分で育ててきた感覚のことを、「自信」をいうのです 目次 第1章 「自分」は矢印に過ごない 第2章 本当の自分は最後に残る 第3章 私の体は私だけのものではない 第4章 エネルギー問題は自分自身の問題 第5章 日本のシステムは生きている 第6章 絆には良し悪しがある 第7章 政治は現実を動かさない 第8章 「自分」以外の存在を意識する 第9章 あふれる情報に左右されないために 第10章 自信は「自分」で育てるもの ISBN:9784106105760 出版社:新潮社 判型:新書 ページ数:224ページ 定価:800円(本体) 発行年月日:2014年06月 2014年06月20日発行 2014年08月20日7刷
自己を大切にすることは周りとの境界がはっきりすること メタメッセージ 行きすぎると疲れてしまう 自分を縛らず自然に触れること
470 結論、自分というものなんて無いんだって話なんだけど、脳の一部を損傷した人が自分が外界との境が無くなって、液体のような感覚になったって話凄いと思った。いかに自分探しの旅みたいなのが不毛か分かる。
養老さんがこう考えたよっていうのがわかる本。共感できるポイントが見つけられるかどうかで楽しめるかどうかが決まりそう。
解剖学者として培ってきた養老孟司さんなりの意見なので、評価自体は読む人の生き方や信念、思想に左右されてしまうんだろうけど、一つ一つの単元に対する考えを知ることができるというのは、一つの価値だし、そういう点で素晴らしい本だと思った。 特に、自殺者が増えている日本、自分は自分だけのものではないという共有...続きを読む思想の人格教育における重要性、師を徹底的に真似る本当の真意、人生の負荷をどこまで自分の胃袋は消化できるのか? また、現在の日本の姿、効率や成果主義、個人主義など1990年からIT業界を握ることのできた欧米の勝ち筋を真似るやり方に疑問を抱いていたのが言語化されていた。 日本には日本独自の強さや良さがあり、勝ちに行くにはそのルートを改めてルールから掘り起こし、考える必要がある。
自分のことがよくわかっている人が書いた本であった 自分に自信がない いろいろ挑戦してきたものが自信 人は自分が作り出すエネルギーの40倍を使っている。40人を雇ってるのと一緒 GDPが高くなると人と比較して不幸が出てくる。
久々の養老先生。私の体は私だけのものではない、と純粋さの危うさが、今の私に響いた。以前、読んでいた時と私の着眼点が異なっていて、その変化を発見出来たのも良かった。
私は自分に自信を持てずにまごついてしまうことが多い。そんな中、『バカの壁』を読み、次にどの本を読もうか検討していた時に、同著者の本で自信を養うことに関して記されている点に気づいたことがこの本を読むに至った経緯である。 この本を読んで学んだことは、「周りに流されたり楽をしようとしたりせずに、多くの人...続きを読むとの出会いや挑戦が真の自信に繋がる」ということである。 今まで行ったことがない環境に足を一歩踏み入れて新しい人と出会い人脈や自分の視野を広げて、どんどん挑戦し続けていくことが自分の成長に結びつくと解釈した。 私は、「新しい経験に一歩踏み出す勇気が欲しい時」にこの本を再度読むだろうと思った。
6冊目 「自分」を主軸にいろんな話(ミトコンドリア、原発、デモ、昔の日本の登用制度)が展開されていく 途中で見失う、、、 けどひとつひとつの話がおもしろい じぶんの考えはどこにあるのかとインプットしてるだけだと思うけど、 読んでいるときっと他の人種に比べると日本人は 自分の考えを様々な場面でし...続きを読むっかりとアウトプットしているんだなと感じた。その場所を弁えているだけで 自分ってなにものかと考えたことがないという養老孟司さん。 最初の脳科学者が脳卒中を起こしたとき 壁との境が認識が出来ずに流動的になったようと表現したこと、 地図の中で矢印がないと自分を認識できなくなってしまうこと、 意外にもかんたんに「自分」がなくなるんだろうなと ネガティブだけど、どこか諦観したように感じた。 何者かになりたい、自分は何者なのかと、 なんでもいいから答えやその一部になるものを現在進行形で探しているけど、なにかヒントにはなりそう。 あ、あと ✳️細胞の核とは別にミトコンドリアんの核が入っていること (青酸カリを吸っちゃうとミトコンドリアが停止することで人間がエネルギーを生み出せなくなる)(後から書き出してみてシロアリ-アメーバと同じような関係じゃないか、!と気付いた) ✳️蝶は幼虫かチョウになるサナギの段階の時にすべてを作り替えていること ✳️シロアリだけじゃセルロースを分解できないけどお腹の中にアメーバがいるから分解でき木を沢山食べられること 共生している、運命共同体のキーワードがすんなり入ってきた なにかに生かされていると微生物的な観点から教えてくれる じぶんってむずかしい まだ読み途中(今日2025/04/21の今08:52) だいじなことを忘れていた ✳️経済成長とエネルギー消費は相関しているということ おもしろいし、たしかにとなった話 エネルギーって有限 過去にオイルショックが起きたことは知っていたけど エネルギーが枯渇するから急いで買い占めな~!って背景だったことは知らなかった これらを踏まえて考えると今みんなでなんとなく向かっている方向はどこかおかしな方向、行き止まりになるのかもしれない (今日の今09:11)
確固たる「自分」というものはいるのか。 そんなのはいないのではないか。 というのが筆者の主張です。(養老氏は他の書籍でも同様のことを述べています) 「自分」なんてない。自分は他者と社会と他の生物と地球と繋がっているし、変化しているんだ。 大事なのは「人といかに違うか」ではなく、人と同...続きを読むじところを探すこと。世間と折り合いをつけて生きること。 しかし、戦後、「私」「個性」「独創性」ということを求められてきてからおかしくなってきた。 そのことを、世間との関わり、生物学としての面、江戸時代の日本などから説明しています。 その他、 政治に関わらない、世の中を変えようとしない話 意識は信用できない、言葉と現実は別ものの話 あふれる情報、情報過多に左右されないための話 人生は、ゴツゴツしたものである話 など、全体を通して、筆者の「人間はあくまでも自然の中の1つ」という考えが書かれています。 養老氏の切り口は「ゆったり」とした考え方、姿勢を与えてくれます。 よろしければ。
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