無料マンガ・ラノベなど、豊富なラインナップで201万冊以上配信中!
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。
Posted by ブクログ
境港の水木しげる記念館を訪問し、せっかくだからということで読んでみた。記念館で水木しげるの人生については一通り見ていたが、それでも幼い頃からの水木ファンとしては、長年の疑問が解けるうれしい本だった。
まず何より、「ゲゲゲの鬼太郎」のルーツについて。戦前の紙芝居『ハカバキタロー』が元になったというのは何かで読んだことがあったが、どこまでそれを踏襲していて、どこからが水木御大のオリジナルなのかは定かでなかった。
この本によれば、そもそも紙芝居というものは印刷をしない原本限り、そのため御大も「ハカバキタロー」を直接見たことはなく、話に聞いただけ。それも怪談の「飴屋の幽霊」のようなよくある話だったとのことで、それなら鬼太郎は100%御大のオリジナルだ。
鬼太郎はひょっとすると御大の作ったキャラクターではないのかも、などというのは幼い頃の僕の杞憂だったようでほっとした。
(他方で、血液銀行に血を売る鬼太郎の母や目玉の親父のルーツが「飴屋の幽霊」にあるというのは成程だ。これまた興味深い気づきだった)
それから、南方の「土人」との帰国後の交流について。これも子供の頃に、人気漫画家になった後の御大がラバウルの「土人」集落の親友トペトロにトラクターを贈った、と読んで首を捻ったことがある。御大は南方の、アクセク働かないのどかさに惹かれたはずなのに、自分が豊かになったからってトラクター買ってあげるってのはなんか違うんじゃないの。幼いながらにそんなようなことを思っていた。
これもこの本を読んで謎が解けた。御大がようやく再訪したラバウルは様変わりしていたそうだ。腹が膨れればそれで充分、というかつての呑気さは影を潜め、資本主義経済に飲み込まれたかつての「土人」たちはより良い暮らしのため金儲けに走るようになってしまっていたとか。
御大の落胆は推して知るべしだが、それでも命の恩人である彼らを見限ることはできない。きっとそんな葛藤の末、トラクターを贈ったのだろう。
かくして南方という「地上の楽園」を永遠に失った御大はいう。「ぼくにとって、空想の世界だけが、本当の生きる世界なのだ。」
ニーチェの「それでもなお」にも似た、悲壮でありながら気高い決意。「ねぼけ人生」なんてとぼけた書名には似合わないが、僕にはそう思えて仕方がない。
Posted by ブクログ
こんなに読み終えるのが惜しい本に出会ったのは、久しぶりだ。
『ゲゲゲの鬼太郎』でお馴染みの漫画家水木しげるの波乱万丈の人生を本人がのんび~りと苦しい時も前向きで、次から次へと起こる事件を可笑しくてゲラゲラ笑って、そして最後は涙する名著。
この本は4つの章に分かれている。
1章では、子供時代のガキ大将で皆をまとめた時代。
2章から大人の時代だが、左腕をラバウルで失うことになる辛い話で輸血の血液型を間違えそうになり、もう少しで命を失いかけたこともあった。
この戦場での経験が、のちの傑作『ゲゲゲの鬼太郎』を創作したキッカケではないだろうかという勝手な想像だが、こういう面白い出来事がある。
ラバウルでの日本兵は空腹で動けなかった。
しげるは、ある日、現地の土人の小部落を見つけた。
そこは、「天国の部落」であった。
南国の景色も綺麗で、女性も綺麗だし、さらに美味しそうなパンの実を焼いていた。
なんと、しげるはピジン語(土着語と英語の混合語)のカタコトで土人の少年と会話した。
お腹が空いていることをアピールして、食事をご馳走になり、2人分を食べてしまった。翌日、御礼にタバコを持っていったら喜ばれ、更に仲よくなっていく。
終戦になり、日本に帰るころには、土人ともすっかり仲よくなって、このまま、ここで生活しようかと考えたりした。しかし日本に帰る決心をするが、7年後に又再会することを約束した。
3章は、日本に戻って、漫画を始めるまでに、紙芝居をやったり、貸本屋をやったりして、本当に喰えない貧乏時代の話。この部分の話が、NHK朝ドラで話題になった、『ゲゲゲの女房』の奥さんからの視点で書いた自伝が面白いだろう。
そして、最後の4章が『ゲゲゲの鬼太郎』のヒットで超多忙の時代。
最後の部分で涙するエピソードが用意されている。
本当に、おススメの本だ。
Posted by ブクログ
2010年ni大ヒットした「ゲゲゲの女房」。こっちは水木しげる御大の自叙伝です。奥様の書かれた本とはまた違った味わいがあって、僕はこっちのほうがどちらかというと好きなのですが…。
2010年に大ヒットした『朝の連続テレビ小説』の『ゲゲゲの女房』。当然僕は物語は二の次で女房を演じる松下奈緒さんが目当てで見ていましたがドラマのできそのものは非常によろしゅうございましたね。それはさておいて、こっちは水木しげるの自伝的エッセイ集です。この本はずいぶん昔。確か、高校生ぐらいのころに一度読んで、今回この記事を書くためにもう一度読み直してみたのですが、こういう人生もいいというのかなんというのか。
ほのぼのとしたタッチで自分の人生をつづっていますが内容は結構壮絶な人生です。水木御大の少年時代をつづった「学校も仕事もままならない」という箇所で当時勤めた会社がどうしても勤まらなくてクビになるときに会社の社長から
「親を呼んでこい!!」
とまでいわれたことや、戦争に行ったときにボルネオでマラリアにかかったり、爆弾に被弾して左腕を失ったことや復員しての極貧生活、そしてマンガでの成功が描かれています。
僕はこれをなぜかとあるビジネス書と一緒に読んでいますが、なぜかこれでいいんだとさえ思っています。
Posted by ブクログ
『ゲゲゲの鬼太郎』で有名な水木氏の自伝。戦争に行ったり、極貧の暮らしをしたり、でも前向きに生きる水木氏の姿勢に心を打たれた。
水木氏の父親は「何とかなる主義」という奇妙な主義を信奉しており、周囲にもその同調者が多かったというが、きっと水木氏も「なんとかなる主義者」なのだろう。
「死後の世界」「霊的なもの」についてどう考えるかは人それぞれだが、『霊魂が肉体の衣を着る』という水木氏の考えには、成程なぁと思った。
真っ暗な境港から海峡を隔てた島根半島を見ると何か居そうな気がする、というのもうなずける。電灯なんてあまりない時代だから、闇に浮かぶ巨大な山の影に霊の存在を感じたこともあっただろう。
子供のころに、のんのんばあの影響もあって幽霊や妖怪が身近なものだった環境があっての「なんとかなる主義」なのだろう。
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。
少年・青年マンガ
少年・青年マンガ
少年・青年マンガ
小説・文芸
少年・青年マンガ
少年・青年マンガ
少年・青年マンガ
少年・青年マンガ