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東京や福岡の路線バス、コミュニティバス、高速バス、ツアーバス……詩人である著者は、ふらっとバスに乗り込むと、外の景色を眺め、本を読み、ぼんやりし、バス停の名前から物語を妄想し、乗客を観察する。終点まで行って、また同じ路線で折り返す。そんなバスの中の時間は、楽しく、心地よく、ちょっと寂しい。ユーモアと叙情を湛えた傑作バスエッセイが増補文庫化。解説 大竹昭子
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Posted by ブクログ
楽しい本。 目的地へ向かうためではなく、バスに乗ることを目的にバスに乗りたくなる。 中野に4年住んでいたので場所もわかるところが多くて、懐かしい気持ちになった。
土地勘のある場所も出てきたので、より楽しめた。とてもバスが好きな方なんだなと感じました。バスに乗りながら読みました。
私も作者と同じでバスが好きだ。 階段の上り下りをせず、しかも、目的地の近くまで連れて行ってくれる。時間が読めないことが玉に瑕だが、電車と違って、なぜかほっとする。 作者は都心を中心にした、京王、東急、小田急、西武などのバスの旅を満喫する。非常に共感がもてたのが、読者と目線が同じこと。難しい御託は無く...続きを読む、外の風景や、乗客への素直な感想を書いていて、私もそうそうと頷いた箇所がたくさんあった。
バスに乗車することになるいきさつから、終点までの紀行について、個性的な軽妙な語り口で、豊かな心情表現をふんだんに織り込んで書き上げられたエッセイ集。ほのぼのとした雰囲気を感じ取れて、気持ちがほぐれてほっこりする本。
平田俊子『スバらしきバス』ちくま文庫。 詩人である著者がバスに乗り続けた日々を描く乗り物エッセイの名著。 知らない土地でバスに乗るのは非常に勇気がいる。地方、特に田舎に行くと尚更で、バス停に貼ってある時刻表は平日に比べ、土日祝日はかなり間引きされ、果たしてそのバスが定刻通りに来るのか、或いは乗り...続きを読む継ぎのバスや電車に間に合うのか不安になる。何しろ田舎の場合は終点まで真っ直ぐ向かえば15分なのに、一つの路線で広範囲の地域を網羅しようとしてバス停をぐるぐる周るので、終点まで60分以上掛かるのはザラである。 首都圏でも渋滞などで定刻通りに目的地に着くのか、この路線は目的地を通るのかといった不安があるだろう。 著者もこうしたバスに乗ることの不安をデフォルメしながら面白可笑しく表現している。電車やタクシーに比べてバスは目的地までの時間が掛かる反面、その時間を景色を楽しんだり、読書や人間観察に使えるという面白さもあるようだ。 このエッセイを読んでいると、バスの車窓を眺めながら、或いはバス停の名前から妄想を膨らませたりする大らかなバスの時間を楽しむ著者の姿が目に浮かぶようだ。 昨年から書き始めた5年日記によれば、最後にバスに乗ったのは昨年の11月だ。郡山駅前のホテルで行われた会合に出席した帰り道、郡山駅からローカル線に乗り、最寄りの駅からバスに乗った。バスといっても利用者が余り居ないのでワンボックスカーである。どこで降りても一律200円。しかも、当日に限り乗り継ぎが出来るという優れモノなのだ。バスに乗客は自分1人で、見習い運転手1人にルートを教える先輩が1人乗るという多勢に無勢、余りにも不利な状況だった。田舎のポツンと一軒家に移住して来たばかりの自分はバスに30分程乗り、家から500メートル離れたバス停で降りた。真っ暗闇の中を橋を渡り、家に向かって歩きながら、こんな闇夜を歩いていてはタヌキかキツネに化かされそうだななどと考えていた。 本体価格840円 ★★★★
本の中で出てくる路線や場所を知っていると頭の中にその情景が広がってより楽しめる。 知らない路線や場所だと実際に乗って目で見て楽しんでみたくなる。 バスに乗ってから読んでも、読んでからバスに乗っても楽しむことができるエッセイでありガイドブックだ。
日常の路線バスを旅と冒険の手段としてつづったユーモアのあるエッセイ。 明治時代に来日したイギリス人が信州あたりの山々を見てヨーロッパのアルプス山脈に似ているというので日本アルプスと呼んだ。日本人はそれをありがたがって、日本アルプスという呼び名を使うようになった。パリに行った日本人が、隅田川に似てい...続きを読むるからとセーヌ川をフランス隅田川と名付けても、フランス人は絶対にそんな名前でセーヌ川を呼ばないだろうに。
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スバらしきバス
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