芝木好子の作品一覧
「芝木好子」の「下町の空」「京の小袖」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
- 作者をフォローする
- フォローすると、この作者の新刊が配信された際に、お知らせします。
無料マンガ・ラノベなど、豊富なラインナップで100万冊以上配信中!
「芝木好子」の「下町の空」「京の小袖」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
Posted by ブクログ
今はもう全く遊郭の名残はない界隈だから、どんな街だったのだろうと想像しながら読んだ。
愚かで可愛い女や強くしたたかな女。
黒い激情をうちに秘めた女、狂気の中に生きる女…。
どこか諦めて、哀しさ、絶望しながら生きているのに、女であることを悔やんだり怨んだりしていない。
とにかく最後の「須崎の女」は救いがなくて辛かった。
もう少しで誰かとどうにかなれそうだったけど、もうすべてが遅かった。
じわじわと水が迫ってきて、いられる場所がどんどん狭まってゆくような生き方をしていた女は、水に飲まれて息絶える。
しかし死をもってしか彼女を救えなかったのではないか、と思うほど救いのない女の人生を描いているのに
Posted by ブクログ
呉服問屋生まれの冴子は、幼き頃は小児喘息で身体が弱かった。大人になり妻子ある夫と内縁関係という不安定な立場ながらも、夫の生家の商う「香月」で組紐を作っている。
序盤は、冴子が幼馴染の俊男に再会するところから始まっている。
今の生活や組紐を作ることに魅せられている様子を描いているのがあまりにも緩やかなので、少し物足りなさを感じていたのだが、3分の2を過ぎた頃から冴子の心の内が熱を帯びたかのような烈しさになってゆくので、こちらまで熱くなる。
葛藤と大胆さが交互になり、それに加えて幼馴染の俊男の読みにくかった感情までも見えてくる。
俊男の染める糸には艶と色気があると言ったのは、夫の父真造であ
描写に唸る。
湯葉、洲崎パラダイス、青磁砧を収録。中でも青磁砧が一番好きだった。群青の湖もそうだったが、芸術が生まれる場所の描写がとてもいい。本作では高能の釜焚きのシーンはが出色の出来で、思わず乗り出してしまうほどの臨場感があった。やきものに取り憑かれた父・隆吉の背を見て育った娘・須恵子は、やがて自身も父のあとを追っていく。そんな娘が嬉しいような心配なような隆吉。天才・高能が生み出す青磁の魅力に夢中になっていく須恵子。彼女が引き寄せられているのは青磁なのか、それとも高能自身なのか。妻子のある高能に近づきすぎている娘を心配する気持ちと、何にも邪魔されず陶芸だけに打ち込んでもらいたいと高能を気遣う気持ち。須恵子