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Posted by ブクログ
小泉武夫『熊の肉には飴があう』ちくま文庫。
食のエッセイかと思って読み始めたら、まさかの料理小説。ちくま文庫オリジナル。
熊鍋、筍の鉄砲焼き、錆鮎の赤煮、冬泥鰌の筏焼きなど、馴染みの薄い鳥獣や山菜、自らが育てた野菜を使った食べたことのない料理が次々と登場する。こんな店があったら面白いと思うが、ここまで拘るのは難しいだろう。
料理は素材と料理人の感性でほぼ決まる。昔、野菜料理が評判というシェフのレストランで前菜の地野菜のグリルを食べたが、単純な調理方法であるにも関わらず、驚くほど美味かった。その後の料理も野菜中心で、初めて食べたライスコロッケなどは絶品だった。地方の小さなレストランでこんな凄い料理が味わえるとはと感心した。後にこのシェフはテレビ番組の『料理の鉄人』に登場し、あっさり鉄人に勝利したので驚いた。
タイトルの『熊の肉には飴があう』というのは『右官屋権之丞』秘伝の熊肉の臭味消しに生姜ニンニク飴を使うという技術のようだ。
ただひたすら鳥獣、川魚、山菜などを使った野趣あふれる見たことも聞いたこともない料理が紹介され、殆どストーリーらしいものは無い。
飛騨の古川に飛騨匠の末裔が開いた一軒の料理茶屋。藤丸誠一郎という伝説の料理人が腕を奮うその店の名前は『右官屋権之丞』。扱う食材は、鳥獣、川魚、山菜など自然の恵みや、塩鯨など歴史的に用いられてきた素朴な食材のみで、誠一郎の感性と素材を活かし切る技法が想像を絶する一皿を生むのだ。
本体価格800円
★★★★
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