新潮社作品一覧

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  • ドキュメント小説 ケーキの切れない非行少年たちのカルテ(新潮新書)
    4.0
    精神科医の六麦克彦は、医局から派遣された要鹿乃原少年院に勤務して5年になる。彼がそこで目にしたのは、少年院に堕ちてきた加害者ながら、あらゆる意味で恵まれず、本来ならば保護されてしかるべき「被害者」と言わざるを得ない少年たちの姿だった――。累計100万部を超えたベストセラー新書の世界を著者自ら小説化、物語でしか伝えられない不都合な真実を描きだす。
  • ベンチャーキャピタル全史 無料お試し版
    無料あり
    4.0
    アメリカでGAFAが次々と花開いたのは偶然ではない。その背景にはスタートアップにリスクマネーを供給してきた連綿たる「意志」があった。19世紀の捕鯨船から連続起業家たるエジソン、そしてジョブズやベゾスまで、ビジネスの革新者たちを国家規模でインキュベートしてきた歴史を紐解く、スタートアップ元年に読むべき決定的現代経済史。話題書の第1章を読むことができる無料試し読み版。

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  • スクイズ・プレー(新潮文庫)
    4.0
    私立探偵マックスが受けた依頼は、元大リーガー、チャップマンからのものだった。キャリアの絶頂時に交通事故で片脚を失い、今は議員候補となった彼に脅迫状が送られてきたのだ。殺意を匂わせる文面から、かつての事故にまで疑いを抱いたマックスは、いつしか底知れぬ人間関係の深淵へ足を踏み入れることになる……。ポール・オースター幻のデビュー作にして正統派ハードボイルド小説の逸品。
  • ぼくの死体をよろしくたのむ(新潮文庫)
    4.0
    うしろ姿が美しい男に恋をし、銀色のダンベルをもらう。掌大の小さな人を救うため、銀座で猫と死闘。きれいな魂の匂いをかぎ、夜には天罰を科す儀式に勤しむ。精神年齢の外見で暮らし、一晩中ワルツを踊っては、味の安定しないお茶を飲む。きっちり半分まで食べ進めて交換する駅弁、日曜日のお昼のそうめん。恋でも恋じゃなくても、大切な誰かを思う熱情がそっと心に染み渡る、18編の物語。※本書の解説は紙の本にのみ収録されています。電子書籍版には収録がございませんのでご注意ください。
  • 二人のクラウゼヴィッツ(新潮文庫)
    4.0
    ナポレオン戦争も終結し、士官学校校長となったクラウゼヴィッツ。取り組んだのは『戦争論』の執筆だった。宮廷女官長を務めた聡明な妻マリーに、六つの戦場を語っていく――。見えてくる戦争の変貌と軍事の要諦。国民皆兵制か傭兵か、制限戦争か絶対戦争か……。戦争について問い続けた夫と、理解者だった妻。二人で成し遂げた〈名著誕生〉の舞台裏を描く画期的小説。『フラウの戦争論』改題。(解説・佐藤賢一 )
  • 悪党たちの中華帝国(新潮選書)
    4.0
    後周の世宗・明の永楽帝ら、虐殺を重ねた支配者たち。安禄山・馮道ら、権力に執着した裏切者たち。王安石・梁啓超ら、独り善がりな改革者たち。李卓吾・康有為ら、過激な教えを説いた思想家たち。12人の生涯をたどり、彼らが「悪の道」に堕ちた背景を解き明かす。現代中国の悪党も射程に入れた、圧巻の1400年史!
  • 悶絶スパイラル(新潮文庫)
    4.0
    作家の一日は忙しい。「シャツがイン」のあるべき姿を考察し、脳内政界ラブロマンスに思いを馳せ、ジョジョTを着て打ち合わせにむかう。タクシー運転手さんにはモテ女を演じ、野球場のゲイカップルをやっかみ、天丼を求め夜の町を彷徨う……。キャラの濃すぎる家族や友人たちに囲まれて、妄想アドレナリンは今日も絶賛分泌中! 愛と笑いで読者を包む、情熱的ミラクルエッセイ。(解説漫画・松苗あけみ)
  • 桃色トワイライト(新潮文庫)
    4.0
    生まれて初めての合コンで『新選組!』を語る、クリスマスイブに実家でイモの天ぷらを食す、非常にモテる男友だちの失恋話に相槌を打つ――思わず自分でツッコミを入れてしまう微妙さに懊悩しつつ、それでもなぜか追求してしまう残念な感じ。異様にキャラ立ちした家族や友人に囲まれ、若き作家は今日もいろいろ常軌を逸脱中。爆笑と共感がこみ上げる、大人気エッセイシリーズ!(解説・岸本佐知子)
  • 人生激場(新潮文庫)
    4.0
    気鋭作家の身辺雑記、だけに終わらぬ面白さ! プレーンな日常を「非日常」に変えてしまう冴えた嗅覚。世間お騒がせの事件もサッカー選手の容貌も、なぜかシュールに読み取ってしまう、しをん的視線。「幸せになりたいとも、幸せだとも思わないまま、しかし幸せとはなんだろうと考えることだけはやめられない」。美しい男を論じ、日本の未来を憂えて乙女心の複雑さ全開のエッセイ。
  • 下駄の上の卵 (新潮文庫)
    4.0
    昭和21年7月。憧れのまっ白な軟式野球ボールを手に入れるため、山形から闇米抱え密かに東京へと向かった国民学校六年生の野球狂の少年たち。その大冒険は、疲弊と混乱の極みに達した東京の街を舞台に、一進一退のシーソーゲームとなって展開していく。眼前に広がる敗戦の実像、しかし人々はなおしたたかに生きている。戦後とはいったい何だったのかを少年たちの視点から繙(ひもと)いた永遠の名作。(解説・井筒和幸)
  • 大久保利通―「知」を結ぶ指導者―(新潮選書)
    4.0
    旧君を裏切り、親友を見捨てた「冷酷なリアリスト」という評価は正当なのか? 富国強兵と殖産興業に突き進んだ強権的指導者像の裏には、人の才を見出して繋ぎ、地方からの国づくりを目指した、もう一つの素顔が隠されていた。膨大な史料を読み解き、「知の政治家」としての新たなイメージを浮かび上がらせる、大久保論の決定版。
  • 無駄学(新潮選書)
    4.0
    話題の『渋滞学』が進化した! トヨタ生産方式の「カイゼン現場」訪問などをヒントに、まったく新しい学問が誕生。無駄とは何か? そのメカニズムとは? 実践篇では社会や企業、家庭にはびこる「無駄」を検証、省き方も伝授し、さらにポスト自由主義経済の新経済システムまで提言。ビジネスパーソンも家庭人も必読の書。
  • ぼくらは人間修行中―はんぶん人間、はんぶんおさる。― 無料お試し版
    無料あり
    4.0
    「おとうさん、むしって日本語しゃべれないの?」「おかあさん、ちょっとまぶしいから太陽へらして」「てきに食べられないように、おおきくなりたい」――記録魔の小説家が、天然成分100%の妻、かわいすぎる4歳児ちんたん、豆粒のような0歳児タッとともに歩むのは「人間への道」。ありふれた家族のスペシャルな日常を実況中継いたします。2022年7月刊行の本編のなかから、たっぷり1万字を一気に読ませる「はじめに」と、こころをわしづかみにされる「第1章」を丸々収録した無料お試し特別版!

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  • 新潮文庫の100冊 2022
    無料あり
    4.0
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 約3000点の新潮文庫の中から「新潮文庫の100冊」として厳選した作品を、「恋する本」「シビレル本」「考える本」「ヤバイ本」「泣ける本」の5テーマに分類しておすすめします。かわいいキュンタの物語もお楽しみください! ※当コンテンツにはまだ電子化されていない作品の情報も含まれています。ご了承ください。

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  • チュベローズで待ってる AGE22(新潮文庫)
    完結
    4.0
    全2巻605~737円 (税込)
    就職活動に挫折した22歳の光太は、カリスマホストの雫にスカウトされ、歌舞伎町のホストクラブ「チュベローズ」で働きはじめた。夜の世界の苛烈な洗礼を浴び戸惑う光太だが、客としてやってきた女性、美津子が憧れのゲーム会社に勤めていることを知り、彼女を誘惑して自らの夢に近づくために利用しようとする――。野心と策略が渦を巻く、最も危険なノワール・エンタテインメント、開幕編。
  • 石川啄木(新潮文庫)
    4.0
    僧侶の「私生児」として生まれたのち、文学と恋愛に心を奪われて中学を中退。北海道を彷徨う漂泊の日々。転職につぐ転職。友から借銭して娼婦と遊んで妻を苦しめ、放蕩の限りを尽くしたかと思えば社会主義に傾倒する――。貧しさに喘ぎつつ、引き裂かれるほどの烈しい精神を歌に刻印した劇的な生涯。膨大な資料をもとに、感傷的な歌を残した夭折詩人というイメージを覆す生彩豊かな傑作評伝。(解説・平野啓一郎)
  • 石原家の人びと(新潮文庫)
    4.0
    作家・政治家の石原慎太郎を父に、昭和を代表する俳優・石原裕次郎を叔父に持った著者初の回想録。「飲め、さもなくばテーブルを去れ」。常に一家の中心で威張っている父。俳優業の大先輩でもあり、周囲から慕われつつ世を去った叔父。4人の個性的な兄弟と大家族を切り盛りした母典子。逸話と伝説に満ちた石原家の素顔を鮮やかに写し出す傑作エッセイ。父・慎太郎の散骨式を描く新原稿を追加。
  • ステージ4の緩和ケア医が実践する がんを悪化させない試み(新潮選書)
    4.0
    緩和ケアの第一人者が大腸がんを宣告された。抗がん剤治療を始めるが副作用が激しく、進行も止まらない。標準治療をいったん止め、高額な治療ではない方法を探すこと2年。自ら実験台となり、既存の療法を組み合わせ、可能な限り苦しくなく、大きく悪化もしない方法にたどりついた。がんとの共存をめざす医師による新提案。
  • 異論正論(新潮新書)
    4.0
    意見が対立することや面倒な議論を政治家は先送りにしてきた。経済、医療、安全保障等、すべてにおいてツケは溜まっていくばかり。次の世代がその負債を背負わされ、国が滅びていくのを見過ごして良いはずがない。ならば、どんなに煙たがられようとも、異議を唱え、信じる正論を語り続けるしかないではないか――政界きっての政策通が新型コロナ禍から国防まで直近のテーマをもとに正面から堂々と語る論考集。
  • 韓国民主政治の自壊(新潮新書)
    4.0
    文在寅大統領は在任期間中、一貫して民主政治を壊そうとしていた。三権分立を無視した検事総長の解雇、検事や裁判官を捜査するための「ゲシュタポ機関」創設、「メディア懲罰法」制定の試み……。そのすべては「従中・反米・親北」という政治路線と符合していた。文在寅にクビにされたその検事総長が新大統領に就任した今、果たして韓国は変わるのか。朝鮮半島「先読みのプロ」による冷徹な観察。
  • 苦役列車(新潮文庫)
    4.0
    劣等感とやり場のない怒りを溜め、埠頭の冷凍倉庫で日雇い仕事を続ける北町貫多、19歳。将来への希望もなく、厄介な自意識を抱えて生きる日々を、苦役の従事と見立てた貫多の明日は――。現代文学に私小説が逆襲を遂げた、第144回芥川賞受賞作。後年私小説家となった貫多の、無名作家たる諦観と八方破れの覚悟を描いた「落ちぶれて袖に涙のふりかかる」を併録。(解説・石原慎太郎)
  • お鳥見女房シリーズ(全8巻)合本版(新潮文庫)
    4.0
    1巻4,972円 (税込)
    将軍の鷹狩りの下準備をするお鳥見役には、幕府の密偵という裏の役割があった。江戸郊外、雑司ケ谷の組屋敷に暮らす矢島家は、当主が任務のため旅立ち、留守宅を女房・珠世が切り盛りしている。そんな屋敷に、ある日、子だくさんの浪人者が押しかけて来て……さまざまな難題を持ち前の明るさと機転で解決していく珠世。その笑顔と大家族の情愛に心安らぐ、人気シリーズ。 ※当電子版は新潮文庫版『お鳥見女房』シリーズ全8巻をまとめた合本版です。
  • 手のひらの楽園(新潮文庫)
    4.0
    父のことは知らない。物心つく前に死んだらしい。長崎県の離島・松乃島で母子家庭に育った友麻は、本土にある私立夕陽ノ丘高校エステ科に進学するため島を離れた。その数日後、母は失踪した。帰省の折に予期せぬ出会いから母の秘密を知り、足下がぐらりと揺れる友麻。だが厳しい現実を突きつけられても友麻は自分を信じ友人に支えられ歩んでいく。繊細な十代の姿を描き出す、感涙の青春小説。(解説・栗田有起)
  • 鳥と雲と薬草袋/風と双眼鏡、膝掛け毛布(新潮文庫)
    4.0
    「土地の名まえ」の背景には、いつも物語がある。そこに暮らす、人々の息遣いがある。峠や湖川など、地形に結びついた名まえ。植物や動物に由来する地名。街道や国境など、人の営みをめぐる地名。音やまなざしから付けられた名まえ。消えた地名、新たに生まれた地名……。空を行き交う鳥や風のように伸びやかに、旅した土地の名まえから喚起される思いを綴る、二作の葉篇随筆を合本した文庫版。(解説・吉田篤弘)
  • 「未熟さ」の系譜―宝塚からジャニーズまで―(新潮選書)
    4.0
    若さや親しみやすさで人気を得るアイドル、ジュニアから養成されるジャニーズ、音楽学校入試が毎年報じられる宝塚歌劇団……成長途上ゆえのアマチュア性が愛好される芸能様式は、いかに成立したのか。近代家族とメディアが生んだ「お茶の間の人気者」から日本文化の核心を浮き彫りにする、気鋭の社会学者による画期的論考。
  • 世界最強の研究大学 ジョンズ・ホプキンス
    4.0
    追随を許さぬ新型コロナ追跡システムで各国政府や国際機関の対策を支えるだけではない。コロナ禍を予言、ウイルスの配列をいちはやく解析、重篤な状態に陥った米大統領の命を救い、フェイク情報と戦う先頭に立つ――専門家を育てながら、専門分野の横断を奨励する研究環境は、人類を疫病から守る砦だ。読み応え満点のパワーレポート。
  • 一汁一菜でよいと至るまで(新潮新書)
    4.0
    料理に失敗なんて、ない――レストランで食べるものと家で食べるものとを区別し、家庭では簡素なものを食べればよい、という「一汁一菜」のスタイルを築いた料理研究家・土井善晴。フランス料理、日本料理の頂点で修業を積んだ後、父と同じ家庭料理研究の道を歩む人生、テレビでおなじみの笑顔にこめられた「人を幸せにする」料理への思い、ベストセラー『一汁一菜でよいという提案』に至るまでの道のりを綴る。
  • 子子家庭の身代金(新潮文庫)
    4.0
    パパは会社の罪をかぶって逃亡中。なんとママも同じ日に恋人と駆け落ちしてしまった! 両親に「家出」された律子と和哉の小学生姉弟は力を合わせて暮らすけれど、トラブルは次々と襲いかかる……。明日のごはんもない我が家なのに和哉が誘拐された? 弟を救うため、姉が謎解きに挑むが、犯人はあまりに意外な人物だった──。表題作はじめ、驚きの結末の連打が魅せる短編全8編。
  • 緋の河(新潮文庫)
    4.0
    1巻1,045円 (税込)
    釧路に生まれた秀男は、色白小柄で人形のように愛らしく、幼少期から「女になりかけ」とからかわれた。父に殴られ兄に蔑まれ教師に抑圧されても男らしくなどできず、優しい母と姉、初恋相手の同級生男子が支えだった。やがて家を飛び出し、札幌、東京、大阪の夜の街、そして芸能界へ道を切り拓いていく。自分らしく生きるため逆境で闘い続けた先駆者が放つ、人生の煌めき。心奮う傑作長編。(解説・仲野徹)
  • 野村萬斎―なぜ彼は一人勝ちなのか―(新潮新書)
    4.0
    野村萬斎は、今では子どもから大人までその名を知る人気俳優であり、演出家としても活躍する、狂言方・和泉流の能楽師。だが、多くの伝統芸能の役者の中で、なぜ彼だけがそうなれたのか。萬斎個人の軌跡、政官界から作家・永井荷風らともつながる華麗なる家系はもちろん、能・狂言の歴史を丁寧に紐解き、それぞれの流派の背景や、明治維新から戦後、そして現代までの流れをわかりやすく解説する。古典芸能の教養書。
  • 図書委員界
    4.0
    「どんな悩みでも解決します。放課後17時に日本文学の棚にお越しください。」少女の元に届いた、一通の招待状。おそるおそる図書室の扉を開くと、そこには悩みを解決してくれる「図書委員界」の面々がいた――。YouTubeチャンネルでのコラボ企画をきっかけに生まれた、生駒里奈&古屋兎丸、夢の狂宴!
  • 木(新潮文庫)
    4.0
    樹木を愛でるは心の養い、何よりの財産。父露伴のそんな思いから著者は樹木を感じる大人へと成長した。その木の来し方、行く末に思いを馳せる著者の透徹した眼は、木々の存在の向こうに、人間の業や生死の淵源まで見通す。倒木に着床発芽するえぞ松の倒木更新、娘に買ってやらなかった鉢植えの藤、様相を一変させる縄紋杉の風格……。北は北海道、南は屋久島まで、生命の手触りを写す名随筆。(解説・佐伯一麦)
  • 流れる(新潮文庫)
    4.0
    1巻605円 (税込)
    梨花は寮母、掃除婦、犬屋の女中まで経験してきた四十すぎの未亡人だが、教養もあり、気性もしっかりしている。没落しかかった芸者置屋に女中として住みこんだ彼女は、花柳界の風習や芸者たちの生態を台所の裏側からこまかく観察し、そこに起る事件に驚きの目を見張る……。華やかな生活の裏に流れる哀しさやはかなさ、浮き沈みの激しさを、繊細な感覚でとらえ、詩情豊かに描く。(解説・高橋義孝)
  • 父・こんなこと(新潮文庫)
    4.0
    父・露伴の死にゆく姿と、続く葬儀の模様を綴り、刻々の死を真正面から見つめた者の心の記録とした『父―その死―』。掃除のあとで、念を入れるために唱えなければならない呪文「あとみよそわか」のことなど、露伴父子の日常の機微を伝えるエピソード七話からなる『こんなこと』。誠実に生き、誠実に父を愛し、誠実に反抗した娘が、偉大な父をしのんで書き上げた、清々しいまでの記録文学。
  • 太陽・惑星(新潮文庫)
    4.0
    太陽は毎日輝いている。そりゃそうだ。けど、輝き果てた後には何が残るのか? 金か、それともカネかーー。新宿の安ホテルで、アフリカの赤ちゃん工場で、パリの蚤の市で、インドの湖畔で、我ら人類は飽くなき欲望をスパークさせ、挙げ句の果てに太陽による錬金術が完成。ついには不老不死が実現する。バンザーイ!……なのかどうかはあなたが決める。異能の芥川賞作家の伝説的デビュー作。(解説・町田康)
  • かがやき荘西荻探偵局(新潮文庫)
    4.0
    1~2巻737円 (税込)
    西荻窪のシェアハウスで暮らす、葵、美緒、礼菜。お金も色気もないアラサー女子三人組が、探偵やるなら滞納家賃は相殺という話に飛びついた。杉並大豪邸の事件、深夜に回る洗濯機の怪、週末だけの秘密ミッション、「西荻向上委員会」からきた紳士……。謎解きは時々ぐだぐだ酒宴と化すけれど、あれ? 解決のヒントが! ゆるめな推理が心地よいミステリー。『かがやき荘アラサー探偵局』改題。(解説・香山二三郎)
  • マツダとカープ―松田ファミリーの100年史―(新潮新書)
    4.0
    マツダの実質的創業者・松田重次郎は、傑出した技術屋であり、「尖った経営」を貫いた実業家であった。二代目・恒次は世界初のロータリーエンジン搭載車の販売にこぎ着けるも、三代目・耕平は不本意な形で会社を追われる。カープのオーナーに転じた松田家は、四代目・元の下で「育成のカープ」の礎を築き、国内屈指の人気球団を育て上げたが……。「不屈のDNA」を受け継ぎし者たちのファミリーヒストリー。
  • 妖怪博士―私立探偵 明智小五郎―(新潮文庫nex)
    4.0
    ある春の夕暮、曲角に奇妙な印を書き残す老人が向う先には一軒の洋館。そこに捕らわれていたのは、手足を縛られた美少女だった。彼女を救うため屋敷に潜入した少年探偵団員、相川泰二は帰還後、原因不明の奇行に走り、三人の仲間は行方不明に。なぜ彼らばかりが狙われるのか? 事件は天才・明智に託されたが、謎の探偵・殿村弘三の参戦により、団員は新たな渦に巻き込まれていく。(解説・北村薫)
  • 日本依存から脱却できない韓国(新潮新書)
    4.0
    上下関係に厳しい韓国は、日本より上位に立つあらゆる機会をうかがっている。日本人が謝罪するか、反論できなくなって白旗を上げる姿を上から目線で見たいと考える。昨今、韓国で吹き荒れた「日本不買」は「日本製品を買わない、使わない、日本に行かない」を掲げたが、実際に困ったのは韓国の方だった。日本にマウントを取りたいが、依存せずには立ち行かない彼らとどう付き合うか。目からウロコの現地報告――。
  • 日本の近代建築ベスト50(新潮新書)
    4.0
    建築は、時代と人々を映す鏡である――日本で近代建築が始まって約100年。この間、数多くの建築が作られ、また破壊・解体されてきた。本書では、半世紀以上にわたり専門誌・書籍の編集に携わってきた著者が、ル・コルビュジエから丹下健三、磯崎新や隈研吾まで、現存するモダニズム建築の傑作50を選び、写真やエピソードとともに徹底解説。戦前から戦後の高度成長期、さらに現代まで流れる建築思想をたどる。
  • 異邦人(新潮文庫)
    4.0
    母の死の翌日海水浴に行き、女と関係を結び、映画をみて笑いころげ、友人の女出入りに関係して人を殺害し、動機について「太陽のせい」と答える。判決は死刑であったが、自分は幸福であると確信し、処刑の日に大勢の見物人が憎悪の叫びをあげて迎えてくれることだけを望む。通常の論理的な一貫性が失われている男ムルソーを主人公に、理性や人間性の不合理を追求したカミュの代表作。(解説・白井浩司)
  • 管見妄語 大いなる暗愚
    完結
    4.0
    郵政民営化も時価会計も医療改革も市場主義万能論も米国の策略である。Jリーガーよ、紳士たれ。政治家は国民に迎合するな──国を憂えるプロフェッサー藤原は、日本人に警鐘を鳴らす一方でギョウザ、英国人の美風、文語、浮世絵、健気な教え子、ひばりの歌……素晴らしいものは褒めちぎる。勿論、自らの魅力に満ちた風貌と人格を自覚し、ハニートラップへの注意も怠りないのであった。
  • 辞表―高杉良傑作短編集―(新潮文庫)
    4.0
    1巻693円 (税込)
    この会社には将来があるのか――組織を見限り別の道に挑戦する男を描く「エリートの脱藩」。病魔に倒れた社長の後継人事に奔走する男の秘策「社長の遺志」。人員解雇に忙殺される人事部長を描く「人事部長の進退」。社内抗争に巻き込まれた男と同期の友情を描く「エリートの反乱」。社長の劇的な退任劇「社長、解任さる」。己れの矜持を賭けた決断の瞬間を経済小説の巨匠が鮮烈に描く名作。(解説・杉田健二)
  • 無限の網―草間彌生自伝―(新潮文庫)
    4.0
    果てしない無限の宇宙の神秘を量り、一個の水玉である自分の生命を描きたい──。長野県の生家を飛びだし、1950年代に単身渡米。ニューヨークでの無名時代の生き地獄、襲いくる心の病にも負けず、社会の既成概念に挑み、芸術への尽きせぬ情熱を開花させた、日本が誇る天才アーティスト。その魂の軌跡と愛した人々、進化し続ける創作について、自らの言葉で綴った、勇気と感動の書。
  • 恋するランウェイ 分冊版第1巻
    完結
    4.0
    全25巻154~231円 (税込)
    月ヶ瀬るな、高校一年生。一見清楚な女子高生だが、実は「元ヤン」。そんな彼女の夢は、モデルになること!! だが道のりは険しくて……。そんな彼女に、ツンデレイケメンの樹が手を差し伸べる!? 【コミックニコラ】読むと恋がしたくなる。100%ピュアな胸きゅんラブストーリー♪ ※この分冊版には「太陽と月(きみとわたし)(1)」「太陽と月(きみとわたし)(2)」(作品本編の第1・2話分)が収録されています。
  • 8月の果て(上)(新潮文庫)
    完結
    4.0
    全2巻935円 (税込)
    日本統治下の朝鮮・密陽に生を受け、マラソンでの五輪出場を目指した亡き祖父・李雨哲。そのうしろ姿を追い、路上を駆けることを決意した柳美里。ふたりの息づかいが時空を越えて重なる瞬間、日本と朝鮮半島のあわいに消えた無数の魂が封印を解かれ、歴史の破れ目から白い頁に甦る。偉丈夫の雨哲と美丈夫の弟・雨根。血族をめぐる、ふたつの真実の物語が、いま日本文学を未踏の高みへ押し上げる。
  • 日本の聖域 ザ・コロナ(新潮文庫)
    4.0
    世界中で猛威をふるう新型コロナウイルス。人命を脅かす疫病を前に、己の利のみ追及し甘い蜜を吸う輩が存在する。感染症対策そっちのけでワクチン利権拡大に勤しむ国立感染症研究所。人流減しか提言できない専門家会議の実態。カネを独占するため異常に抑制されたPCR検査……。国民生活に密接する国の中枢で何が行われているのか? 25の組織や制度の裏面に迫り報じられない実情を暴く。(解説・柳田邦男)
  • うちのレシピ(新潮文庫)
    4.0
    チョコレートケーキ、すきやき、ミートソース。その味は、きっと生涯忘れない。小さなレストランを営む両親のもとに生まれた真衣。会社を辞めて店に入った啓太。ふたりの結婚は、頑固一徹の料理人と仕事命の敏腕ビジネスウーマンを結びつけた。当然そこには摩擦も起こって。私たちは、恋や仕事や子育てに日々悩みながらも、あたたかな食事に癒される。美味しさという魔法に満ちた6つの物語。(解説・瀧井朝世)
  • 方丈の孤月―鴨長明伝―(新潮文庫)
    4.0
    齢五十余にして粗末な庵で想う。私の一生とは何だったのか。下鴨神社の神職の家に生まれながらも、不運と挫折の連続。孤独を抱え、災禍に遭った都を悶々と歩き回る。やがて歌の才が認められ「新古今和歌集」に入撰するのだが――。晩年、独り方丈に坐し、筆を執る。「ゆく河の流れは絶えずして…」。人はどこから来てどこへ行くのか。世の無常と、生きる意味を見つめ続けた長明の不器用で懸命な生涯。(解説・細谷正充)
  • 職務質問(新潮新書)
    4.0
    「こんにちは、お時間いいですか!?」街頭で突然、警察官が声を掛けてくる。実際に職務質問をされた人にも、偶然そこを通り掛かった人にも、数多くの疑問が浮かぶはずだ。「どこをどう疑ったんだ」「任意なら拒否して帰れるだろ……」「持ち物検査なんて横暴だ」「何で同じ人間ばっかり!」善良な市民もそうでない人も、また現場警察官自身も必読。本邦初、元警察官の著者が赤裸々に描く〈街頭の真剣勝負〉の全貌。
  • 独身偉人伝(新潮新書)
    4.0
    非婚や少子化は国家の将来にとっては難題だが、個人の生き方とは別の話だ。恋多き人生を全うした男女もいれば、世を正しく導くため、あるいは社会を作り変えるという使命感とともに単身を貫いた人もある。エリザベス一世、マザー・テレサ、ニュートン、カント、津田梅子、小津安二郎……直接の子孫こそなくとも、偉大な事績を遺した「おひとりさま」19人の言行と信念から見えてくる、本当の「自分らしさ」とは。
  • 星夜航行(上)(新潮文庫)
    4.0
    1~2巻1,100~1,155円 (税込)
    天正三年、三河国下和田村の馬飼い・甚五郎は、類稀なる馬扱いで家康の嫡男・三郎信康の小姓に取り立てられる。祖父と父はかつて家康に反旗を翻し、甚五郎は逆臣の遺児として生きてきたのだった。だが武士の日々は短く、家康の命により三郎信康は自害。甚五郎は出奔し、堺、薩摩、そして博多へ。活況の商都で船商いを営むが、そこへ秀吉の野望が――。歴史小説の巨星が掘り起こす不屈の男とは。
  • イルカと心は通じるか―海獣学者の孤軍奮闘記―(新潮新書)
    4.0
    イルカと話したい。しかし、著者には大きな弱点があった。大小かまわず船がダメ、泡を吹き、気絶したことも。これでは大海のイルカは追えない。ならば、「陸」のイルカの知能に迫ろう。水族館に通い続ける日々が始まった。ことばを教えるには、音か視覚か? シャチが実験に飽きた? そしてついに、シロイルカが「私」の名を呼んだ!?――孤軍奮闘の三十余年、変わり者扱いされながらたどりついた「夢のはじまり」を一挙公開。
  • 最後の読書(新潮文庫)
    4.0
    目はよわり、記憶はおとろえ、蔵書は家を圧迫する。でも実は、老人読書はわるいことばかりではないよ――。鶴見俊輔、幸田文、須賀敦子……。長い歳月をたずさえて読む本は、豊かで新鮮なよろこびに満ちている。親しい仲間や敬愛する先達との別れを経験しながら、それでも本と出会い続けよう。本を読み、つくり、書いてきた読書人が、その楽しみを軽やかに綴る現状報告。読売文学賞受賞作!(解説・鈴木敏夫)
  • 中国「見えない侵略」を可視化する(新潮新書)
    4.0
    研究費は五年で二億円――「千人計画」に参加する日本人研究者は破格の待遇をこう明かす。激しさを増す米中対立を背景に、中国がいま狙うのが、「軍事アレルギー」が根強い日本が持つ重要技術の数々だ。中国人留学生による知的財産の収集、殺戮ドローンやゲノム編集攻撃といった新たな軍事技術の開発など、経済安全保障を揺るがす専制主義国家の脅威を総力取材で明らかにする。
  • 日本大空襲「実行犯」の告白―なぜ46万人は殺されたのか―(新潮新書)
    4.0
    第二次大戦末期、わずか一年足らずの空爆で約46万人もの命が奪われた。すでに敗色濃厚の日本に対して、なぜそれほど徹底的な爆撃がなされたのか。最大の理由は、空爆を実行したアメリカ航空軍の成り立ちにあった。当時、陸軍の下部組織という立場にあり、時に蔑まれてきた彼らが切望するものは何だったのか。半世紀ぶりに発掘された将校ら246人の肉声テープが浮き彫りにする「日本大空襲」の驚くべき真相とは。
  • 「私」を受け容れて生きる―父と母の娘―(新潮文庫)
    4.0
    それでも、人生は生きるに値する。彫刻家・舟越保武の長女に生まれ、高村光太郎に「千枝子」と名付けられる。大学を卒業後、絵本の編集者となり、皇后美智子様の講演録『橋をかける』を出版。だが、華々しい成功の陰には、幾多の悲しみがあった。夫の突然死、息子の難病と障害、そして移住した岩手での震災……。どんな困難に遭っても、運命から逃げずに歩み続ける、強くしなやかな自伝エッセイ。(解説・山根基世)
  • 中学生に読んでほしい30冊 2021
    無料あり
    4.0
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 3000点の新潮文庫の中から、若い世代が新たに読書に親しんでいく際の指針となる作品を編集部が選定! もちろん、すべての大人にもおすすめの30点を紹介する小冊子です。 ※当コンテンツにはまだ電子化されていない作品の情報も含まれています。ご了承ください。

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  • オリンピア1996 冠〈廃墟の光〉(新潮文庫)
    4.0
    近代オリンピック百年の節目となった1996年大会は、父祖の地アテネを押しのけ、グローバル資本を背景にもつスポンサーとテレビ局によってアメリカ・アトランタに持ち去られて開幕。著者は全日程をつぶさにレポートしつつ、五輪はいまや「滅びの道」を歩んでいるのではないかという仮説を抱くのだった……。一見華やかだが、巨体に悶え、岐路に立たされる五輪の姿を見出した最前線傑作ルポ。(解説・阿川佐和子)
  • 魔法学校の呪術師 1巻
    完結
    4.0
    全3巻792~836円 (税込)
    魔法族としての潜在能力を有する未成年者は国際魔法軽犯罪法により、魔法学校『Magical Education School』に通うことが義務付けられている。呪いの国・日本から訪れた少年は天敵から身を守り、不条理なき未来を描けるか――。
  • マザーズ(新潮文庫)
    4.0
    同じ保育園に子どもを預ける作家のユカ、モデルの五月、専業主婦の涼子。先の見えない育児に疲れ切り、冷めてゆく一方の夫との関係に焦燥感を抱いた母親たちは、それぞれに追い詰められてゆくが……。子どもへの愛情と憎しみに引き裂かれる自我。身も心も蝕む疲労、そして将来への深い不安――。不倫、虐待、流産などのタブーにあえて切り込み、女性性の混沌を鮮烈に描く話題作。
  • 明石家さんまヒストリー2 1982~1985 生きてるだけで丸もうけ
    4.0
    『ひょうきん族』での活躍によって、全国区の人気を獲得した明石家さんま。雑談芸の確立、「アミダばばあ」「ナンデスカマン」など人気キャラクター誕生秘話、ビートたけしやタモリとの火花散る攻防戦、悲しい別れと、人生観を大きく変えた大事故まで――。運命を分けた東京での大勝負。芸人としての覚悟を決めた4年間の全貌に迫る!
  • 骨を撫でる
    4.0
    1巻1,980円 (税込)
    「きょう日、みな金、金、金や。けったくそ悪い」どの家にもそれぞれ汚点となる人間がいた。そこから家族にがたがくるのか、家族にがたがきているから勝手をする人間が出てくるのか。わりを食うのは優しく、弱い立場の人間だ――。土地と血縁に縛られ、しぶとく、したたかに生きる人間の姿を描き出す表題作ほか一篇収録。
  • 火のないところに煙は(新潮文庫)
    4.0
    1巻693円 (税込)
    「神楽坂を舞台に怪談を書きませんか」突然の依頼に、作家の〈私〉は驚愕する。心に封印し続けた悲劇は、まさにその地で起こったのだ。私は迷いつつも、真実を求めて執筆するが……。評判の占い師、悪夢が憑く家、鏡に映る見知らぬ子。怪異が怪異を呼びながら、謎と恐怖が絡み合い、直視できない真相へとひた走る。読み終えたとき、それはもはや他人事ではない。ミステリと実話怪談の奇跡的融合。(解説・千街晶之)
  • その病気、市販薬で治せます(新潮新書)
    4.0
    「風邪を引いたらまず医者へ」そんな常識は過去のものに!? 国のセルフメディケーション政策で、おなじみの病院薬は次々に市販化、処方薬と市販薬の間の壁は融解しつつある。解熱鎮痛剤、花粉症薬、胃腸薬など定番の常備薬から、水虫薬、痔の薬、発毛剤、精力剤など人には言いにくい薬まで、最新の成分と実際の効能を解説。激変する市販薬事情をふまえ、薬局と薬剤師を大活用する方法を分かりやすく伝授する。
  • 夜の側に立つ(新潮文庫)
    4.0
    その夜、親友が湖で命を落とした。二十二年前に高校で組んだバンドのメンバーが集まった宴での出来事だった。生徒会長の信明、副会長だった昌子、元バスケ部の壮介、吹奏楽部の君香。彼らは当時、スターのように輝いて見えた。歳月を行き来しつつ語られる、恋、別れ、喪失。そして秘密。人生を歩む道程であなたが味わう喜怒哀楽、そのすべてがここにある。作家としての成熟を表す、記念碑的長篇小説。(解説・澤田康彦)
  • 日本を寿ぐ―九つの講演―(新潮選書)
    4.0
    日本人は島国根性ではない、なぜか? アイヌの人びとを尊んだ松浦武四郎とは? 岩倉具視を団長とする米欧使節団は何を見たのか? 明治天皇の覚悟とは? アメリカの小学生はなぜ俳句をつくるのか? 石川啄木の喜び、泉鏡花文学の美しさ……忘れ得ぬ人びとと文化への深い愛惜を語る9編を精選収録。解説:尾崎真理子
  • 勝てる民泊―ウィズコロナの一軒家宿―
    4.0
    朽ち果てる寸前の実家をリノベーションし著者自身が始めた「ヤマグチハウス アネックス」は、コロナ禍にも負けず千客万来。オンラインでチェックイン、滞在中も「三密」とは無縁。創意工夫のホスピタリティで、庭でバーベキューを楽しんでもらったり、プロポーズに使われたり! 1日1組限定の「小さな民泊」、人気の理由を明かします。
  • 国家の尊厳(新潮新書)
    4.0
    尊厳ある国へ――令和の時代、日本が誇りある国として生き延びるには、この道筋しかない。憲政史上最長に及んだ安倍政権を引き継いだ菅政権は、国家観を持たず、危機管理能力に疑問符が。世界ではグローバリズムが浸透し、中国に象徴される「力」が横行、アメリカの「自由」と「民主主義」は大きく揺らいでいる。混沌とした状況下、国は、個人は何に価値を置くべきなのか。ポストコロナを代表する堂々たる国家論の誕生。
  • シルクロード―流沙に消えた西域三十六か国―(新潮新書)
    4.0
    シルクロード――それはなぜ、日本人にとって懐かしさを感じさせるのか。あの「NHK特集 シルクロード」取材班団長として、ブームの立役者の一人となった著者が、タクラマカン砂漠の謎や、楼蘭の美女と呼ばれる美しいミイラの秘密、さまよえる湖として有名なロプ・ノールの真実の姿、楼蘭の消えた財宝の行方、そして敦煌はなぜ捨てられたのかなど、今なお多くの謎が眠るシルクロード、西域三十六か国を案内する。
  • 絶滅魚クニマスの発見―私たちは「この種」から何を学ぶか―(新潮選書)
    4.0
    1940年、秋田県田沢湖だけに生息した魚が環境改変で絶滅した――。だが、生きていた。遠く離れた山梨県西湖で。なぜ西湖に? なぜ誰も気づかなかったのか? クニマスという魚の驚くべき生態から生まれた疑問が発見を導き、分類学、ダーウィン進化論、そして絶滅に向きあった人々の歴史へと広がってゆく。「種」を巡る壮大な物語。
  • マスクをするサル(新潮新書)
    4.0
    マスク着用の標準(デファクト)化は、すでに受け入れざるを得ない社会の現実だ。しかし、誰もが顔の半分以上を蔽い隠すという習慣は、動物間の認知とコミュニケーション、さらにはヒトの性にかかわる意識をも、大きく変えてしまうかもしれない。コロナ禍の象徴・マスクは人類史上、パンツにも匹敵する行動変容をもたらすのか。霊長類学と人類学、社会学や文学など多様な視点から考える、ポスト・コロナ文化論の試み。
  • 古代史の正体―縄文から平安まで―(新潮新書)
    4.0
    「日本文化の基層は弥生人が作った」「大化改新で悪玉の蘇我氏が成敗された」――。この種の「通説」は旧態依然のまま半世紀前と変わらない。それを乗り越えるためには、考古学の知見を生かした上での、大胆な推理が必要となる。「神武と応神は同一人物」「聖徳太子は蘇我入鹿」「壬申の乱は親蘇我と反蘇我の闘い」など、透徹した目で古代史の真実に迫ってきた筆者のエッセンスを一冊に凝縮した、初めての通史。
  • 辰巳八景(新潮文庫)
    4.0
    手をつないだわけでもない。好き合っていたのかもわからない。それでも祝言を挙げると知ったあの時、涙がどうしても止まらなかった……。遠い日の思い人と再会する女性の迷いと喜びを描く「やぐら下の夕照」。売れない戯作者がボロ雪駄の縁で一世一代の恋をする「石場の暮雪」。江戸深川の素朴な泣き笑いを、温かで懐かしい筆が八つの物語に写し取る。著者の独擅場、人情の時代短編集!(解説・縄田一男)
  • 流転の海 読本(新潮文庫)
    4.0
    宮本輝畢生の大作「流転の海」は実に37年の歳月をかけて全九巻で完結した。松坂熊吾、房江、伸仁、三人の戦後20年間を描いたこの大河小説には、実に1500人を超える人物が登場する。この物語の世界に調査の達人・堀井憲一郎が果敢に挑む。熊吾・房江両家の系図、それぞれの前史、舞台の地図、各巻あらすじ、主要人物370人の紹介、人物相関図等……。未曾有の文学的感動のお供に必携の一冊。
  • 心が折れた夜のプレイリスト(新潮文庫nex)
    4.0
    人生初の彼女に振られた。そして、俺の部屋の窓は閉まらなくなった。怪奇現象? あるいは、メンタルの問題? 悩みを抱える俺に「彼」は飲み会で声をかけてきた。濃見秀一。誰もが振り向くイケメン。しかし、変態。この男、俺の話を聞いてくるかと思いきや……。元カノと窓。最高に可愛い女の子とラーメン。笑って泣ける、ふしぎな日常をエモーショナル全開で綴る、最旬青春小説。
  • 迷子の龍は夜明けを待ちわびる
    4.0
    1巻1,705円 (税込)
    余命わずかな老人のために、天空語で書かれた日記を読んでやってほしい。天空族のセイジはその依頼を受けることに。しかし、訪れた山の屋敷には、ある家族を襲った哀しい事件の真相と、天空族の秘密が眠っていた。過去を打ち明けないまま消えていこうとする龍と、さまよう少年の亡霊を救うために、セイジはある決意をする。
  • あしたの官僚
    4.0
    1巻2,090円 (税込)
    厚生労働省キャリア技官の松瀬は、個性的過ぎる部下や同僚の尻拭いに奔走しながら、国会議員、関係省庁との板挟みに苦悶する日々を送っていた。そこに突如、新潟県で謎の公害病が発生。孤立無援のまま原因究明に追われるが、ある謀略により「忖度官僚」として国民の非難の的となり……。切実すぎる新時代の官僚小説。
  • われもまた天に
    4.0
    1巻2,200円 (税込)
    インフルエンザの流行下、幾度目かの入院。雛の節句にあった厄災の記憶。改元の初夏、山で危ない道を渡った若かりし日が甦る。梅雨さなか、次兄の訃報に去来する亡き母と父。そして術後の30年前と同じく並木路をめぐった数日後、またも病院のベッドにいた。未完の「遺稿」収録。現代日本文学をはるかに照らす作家、最後の小説集。
  • 生きるとか死ぬとか父親とか(新潮文庫)
    4.0
    母を亡くして約二十年。私にとって七十代の父はただ一人の肉親だ。だが私は父のことを何も知らない。そこで私は、父について書こうと決めた。母との馴れ初め、戦時中の体験、事業の成功と失敗。人たらしの父に振り回されつつ、見えてきた父という人、呼び起される記憶。そして私は目を背けてきた事実に向き合うーー。誰もが家族を思い浮かべずにはいられない、愛憎混じる、父と娘の本当の物語。(解説・中江有里)
  • 性の歴史III 自己への配慮
    4.0
    性行為の実践には、危険で抑制しがたい代償が伴う。愛が精神的価値を保ちうるために、社会は如何に対応してきたか。快楽の活用から節制へ、その変容の歴史を辿る。
  • わたしが行ったさびしい町
    4.0
    泡粒のように浮かんできては消えてゆく旅先の記憶。ペスカーラ、名瀬、シャトー=シノン、台南、トラステヴェレ、コネマラ、タクナ、長春、中軽井沢……。日常を離れた旅の途上で、人は凝り固まってしまっていた観念や思い込みを脱ぎ捨て、心も躯も身軽になる。こんな時代だからこそ読みたい、活字で旅する極上の20篇。
  • リリアン
    4.0
    1巻1,815円 (税込)
    街外れで暮らすジャズベーシストの男と、場末の飲み屋で知り合った年上の女。スティービー・ワンダーの名曲に導かれた二人の会話が重なりあい、大阪の片隅で生きる陰影に満ちた人生を淡く映し出す。表題作の他、女性のひとり語りの短篇「大阪の西は全部海」を収めた、話題の社会学者による哀感あふれる都市小説集。
  • 検閲官―発見されたGHQ名簿―(新潮新書)
    4.0
    敗戦後の日本では、手紙、電話、雑誌、映画まであらゆる言論がGHQによって検閲された。その職を担ったのは、英語を解する日本人エリートたちだ。著者が発掘したGHQ名簿をはじめとした資料、時を経て口を開き始めた経験者たちの証言によって浮かび上がってきたのは、日本人検閲官たちの葛藤、待遇、そしてその経歴を隠し続けた意外な著名人の名――第一級史料をもとに、今日にも通じる問題を炙り出す戦後裏面史。
  • 雑貨の終わり
    4.0
    疫病に街がすっぽりと覆われてしまう前、店内を眺めた。専門店にあったはずの工芸品も本も服もみな雑貨になった。物と雑貨の壁は壊れ、自分が何を売っているのか、いよいよわからなくなっていく。これからどうしたら物の真贋の判断を手放さずに済むだろうか。広範な知識と経験を交えて雑貨化の過去と現在地を探る画期的な論考。
  • アトラス―天命探偵 Next Gear―(新潮文庫)
    完結
    4.0
    全1巻825円 (税込)
    次の犠牲者は、警察庁警備局公安課のトップ、そして、これまで共闘してきた上司――。眠り続ける志乃の予知夢を可視化する〈クロノスシステム〉の映像に、真田らは絶句した。忌まわしい未来を変えるべく、真田や黒野ら〈次世代犯罪情報室〉の面々は危険な作戦に身を投じる。そこへ因縁の敵・アレスが姿を現し……。冴え渡る頭脳戦と怒濤のアクションが加速する大人気シリーズ、堂々完結!!(解説・大矢博子)
  • ふだん使いの言語学―「ことばの基礎力」を鍛えるヒント―(新潮選書)
    4.0
    1巻1,815円 (税込)
    「言った、言わないが起こるのはなぜ?」「SNSの文章が炎上しやすい」「忖度はなぜ起こる?」……理論言語学の知見を使い、単語の多義性や曖昧性、意味解釈の広がり方や狭まり方、文脈や背景との関係などを身近な例から豊富に解説。文の構造を立体的に摑む視点が身につき言葉の感覚がクリアになる、実践的案内。
  • シズコさん(新潮文庫)
    4.0
    四歳の頃、つなごうとした手をふりはらわれた時から、母と私のきつい関係がはじまった。終戦後、五人の子を抱えて中国から引き揚げ、その後三人の子を亡くした母。父の死後、女手一つで家を建て、子供を大学までやったたくましい母。それでも私は母が嫌いだった。やがて老いた母に呆けのきざしが──。母を愛せなかった自責、母を見捨てた罪悪感、そして訪れたゆるしを見つめる物語。(解説・内田春菊)
  • さよなら、エンペラー
    4.0
    1巻1,760円 (税込)
    首都直下型大地震の正確無比な予告が、ひょっこり産み落とした異物。ロックダウン同然の東京で、退避を拒んだ住民を前に、山高帽の不思議な男が皇帝就任を宣言したのだ。その従者となることを申し出た奇特な青年。彼は秘めたる目的を忘れて風変りな施策にのめり込み、皇帝と共に破滅へのカウントダウンを待つことを選んだ……。
  • 43回の殺意―川崎中1男子生徒殺害事件の深層―(新潮文庫)
    4.0
    2015年2月20日未明、凍てつく風が吹きつける多摩川の河川敷で、上村遼太君は全裸で息も絶え絶えに草地を這っていた。カッターで全身を43カ所も刺されて――。後に殺人などの容疑で逮捕された3人の未成年者が法廷で明かした理不尽な殺意。彼らに反省の色はない。そして互いに責任を擦り付け、攻撃し合う被害者の両親……。無辜の少年はなぜ命を奪われたのか。緻密な取材を基に深層を炙り出す。
  • 小説 イタリア・ルネサンス4―再び、ヴェネツィア―(新潮文庫)
    完結
    4.0
    全1巻1,320円 (税込)
    国政に復帰したマルコは、再びトルコと対峙する。絶対君主スレイマンが没すると、両国間には戦雲が立ち込め、ついには誰も望まなかった全面衝突に発展してしまう。五百隻が海上で激突し、一万五千人が命を落としたレパント沖での大海戦は、その後の世界をたった一日で運命づけるのだった……。一人の外交官の人生を通して、ルネサンス世界の興亡を壮大に描いた傑作歴史小説、圧巻の完結編。
  • 赤いモレスキンの女
    4.0
    パリの書店主ローランが道端で女物のバッグを拾った。中身はパトリック・モディアノのサイン本と香水瓶、クリーニング屋の伝票と、文章が綴られた赤い手帳。バツイチ男のローランは女が書き綴った魅惑的な世界に魅せられ、わずかな手がかりを頼りに落とし主を探し始める。英王室カミラ夫人も絶賛、洒脱な大人のおとぎ話第二弾。
  • 性の歴史IV 肉の告白
    4.0
    我々はどのように自らを「欲望する主体」として形成したのか。生殖、貞節、結婚といった概念についての初期キリスト教の教父たちの文献を詳細に検討し、厳格な規則を背景にした自己への省察と告白に基づく「欲望の解釈学」の成立を見る。性に関する言説の氾濫を起点として始まったフーコーの考察が、この最終巻でついに完結する。
  • ねじまき鳥クロニクル(第1部~第3部)合本版(新潮文庫)
    4.0
    1巻2,970円 (税込)
    「人が死ぬのって、素敵よね」彼女は僕のすぐ耳もとでしゃべっていたので、その言葉はあたたかい湿った息と一緒に僕の体内にそっともぐりこんできた。「どうして?」と僕は訊いた。娘はまるで封をするように僕の唇の上に指を一本置いた。「質問はしないで」と彼女は言った。「それから目も開けないでね。わかった?」僕は彼女の声と同じくらい小さくうなずいた。(本文より) ※当電子版は新潮文庫版『ねじまき鳥クロニクル』第1部~第3部の全3巻をまとめた合本版です。
  • 1Q84―BOOK1〈4月-6月〉前編―(新潮文庫)
    完結
    4.0
    全6巻693~825円 (税込)
    1Q84年──私はこの新しい世界をそのように呼ぶことにしよう、青豆はそう決めた。Qはquestion markのQだ。疑問を背負ったもの。彼女は歩きながら一人で肯いた。好もうが好むまいが、私は今この「1Q84年」に身を置いている。私の知っていた1984年はもうどこにも存在しない。……ヤナーチェックの『シンフォニエッタ』に導かれて、主人公・青豆と天吾の不思議な物語がはじまる。
  • 海辺のカフカ(上)(新潮文庫)
    完結
    4.0
    全2巻1,045~1,100円 (税込)
    「君はこれから世界でいちばんタフな15歳の少年になる」――15歳の誕生日がやってきたとき、僕は家を出て遠くの知らない街に行き、小さな図書館の片隅で暮らすようになった。家を出るときに父の書斎から持ちだしたのは、現金だけじゃない。古いライター、折り畳み式のナイフ、ポケット・ライト、濃いスカイブルーのレヴォのサングラス。小さいころの姉と僕が二人並んでうつった写真……。
  • ねじまき鳥クロニクル―第1部 泥棒かささぎ編―(新潮文庫)
    完結
    4.0
    全3巻880~1,155円 (税込)
    「人が死ぬのって、素敵よね」彼女は僕のすぐ耳もとでしゃべっていたので、その言葉はあたたかい湿った息と一緒に僕の体内にそっともぐりこんできた。「どうして?」と僕は訊いた。娘はまるで封をするように僕の唇の上に指を一本置いた。「質問はしないで」と彼女は言った。「それから目も開けないでね。わかった?」僕は彼女の声と同じくらい小さくうなずいた。(本文より)
  • 友達100人切れるかな 分冊版第1巻
    完結
    4.0
    あなたのまわりにもきっといる、マウンティング友、群れたがり友、SNS依存友…最初は仲が良かったはずなのに、気づけば頭を悩ませる毒友たち。「一緒にいて苦しいけれど、それでも仲良くしなきゃ、友達は多い方がいい…」そんな呪いから解放される方法を、人間研究科・有馬亜土が指南します! 友達に悩むすべての人に贈る、友達関係デトックス・コミック! 分冊版第1巻!
  • 妻が夫で夫が妻で 1巻
    4.0
    1~3巻770~792円 (税込)
    共働きの夫婦、倉木ちとせと倉木堅には2歳の娘、ななせがいる。近所に住む、ちとせの母に子育てのサポートを受けつつ、仕事と育児をこなしていたある日、ちとせと堅の体が入れ替わってしまった!? 仕事、育児、ママ友トラブル――、妻、夫それぞれが初めて知るジェンダーバイアス。子供のためにどう乗り越える!?
  • 小説 イタリア・ルネサンス3―ローマ―(新潮文庫)
    4.0
    1巻1,100円 (税込)
    オリンピアの故郷ローマにたどり着いたマルコはシスティーナ礼拝堂の天井画を完成させたミケランジェロと知遇を得たり、古代の遺跡をめぐる日々を楽しむ。オリンピアの悲しい過去を知るが、ついに立場を越えた結婚を決意するものの、ヴェネツィアとトルコの関係が風雲急を告げ、二人の運命はふたたび歴史の波に翻弄されていくのだった。華麗なるルネサンス物語第3巻。『黄金のローマ』改題。

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