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Posted by ブクログ 2022年09月21日
「ぼくの眼に、彼女はすりガラスであっても、彼女の眼には、ぼくは単なる透明ガラスだったのだ。」(人魚伝)
人魚の彼女と「ぼく」の間にある言語・生物的な壁と、それに付随するもどかしさを端的に、そして叙情的に表す表現力。
安部公房の作品はいつも、どこにでもありそうな風景と人物である。なのに、何かが...続きを読む
Posted by ブクログ 2019年02月08日
安部公房のSFじみた短編小説群。純文学然とした冒頭作品で油断したが、2本目からは本領発揮の幻想なのかミステリなのかという話が続く。
帰宅し、アパートのドアを開けたら、見ず知らずの男の死体が転がっている。さてどうするか。警察に届けたら、自分が犯人にされてしまう。アパートの他の住人に押し付けるには、死...続きを読む
Posted by ブクログ 2018年08月27日
追っているはずが追われてた、人を嵌めようとしていたはずが自分で自分を追い込んでた、飼っているはずが飼われていた……というような状況の話が多い短編集だった。
相変わらず絶望的というか無慈悲な終わり方をする話ばかりだけどなんだか好き。
ただ、『なわ』だけはどうしてもだめだった。
犬好きの私はあの展開は...続きを読む
Posted by ブクログ 2014年03月05日
追うものが、追われるものになる。
無関係のものが、関係するものになる。
支配するものが、支配されるものになる。
他の安部公房の作品と同様に、この短編集の中でも立場の逆転が沢山起こっている。
恐ろしいけど、楽しい。
小さなきっかけ一つで、目に映る世界が大きく変わっていく。
「誘惑者」と「賭」が、個...続きを読む
Posted by ブクログ 2023年04月10日
幻想的というか不条理というか、とにかく訳のわからない10編。でも読み終えてしまった。
夢の兵士:脱走者の正体にニヤリとした。
誘惑者:駅での出来事。追う者と追われる者の逆転。立場の逆転好きだねえ。
家:死なない祖先。ホラー小説のようだ。
使者:嘘火星人の話。気が狂っているだけなのか?
透視図法:スル...続きを読む
Posted by ブクログ 2021年08月07日
物語の出発点が、果たして本当に出発点だったのか。
一体何を見せられているのか。
どこに向かうのか。
いずれの短編も、自分の今いる場所がわからなくなるような、
安部公房の言葉の魔法によって、
執拗に目をくらまされる。
いつだって夢のように無機質で遠い物語に聞こえるのに、
常に側にぴたりとくっつき離...続きを読む
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