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平安の都は荒れ果てていた。親に名前もつけてもらえず、一生消えぬ傷痕を背負ったイチにとって、盗みも人を殺(あや)めるのも生き延びる手段だった。そこに聞える空也上人の念仏。反発しながらも上人に従うイチは、ある時瀕死の遊女(あそびめ)を救う。初めて感じる人のぬくもり、娘との平穏な時。だがそこに現れたのは……。悪夢、慟哭、人生の再生。地べたに生きる人々を描く著者の傑作。京都文学賞受賞作。(解説・細谷正充)
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Posted by ブクログ 2024年04月08日
夜勤明けにいっきに読みました。 歴史の教科書に、サラッと書いてある悲田院。 ほかにも、山椒大夫でだまされ、さらわれた親子を思い出すマムシ屋敷。 などの脇役も十分に濃い。
Posted by ブクログ 2024年04月15日
これは、かなりきつい作品だ‼️心が晴れる場面がほとんどないし、主人公が救われる兆しが感じられない。最後の赤ん坊の成長には、一縷の望みはあるけれど、彼女が真実を知った時の愁嘆場が予想されて、気が塞ぐ。読んでしまったものは仕方ないから、受け止めなければ。
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