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「私たちのこと、忘れないでね」――そのとき、風が吹いた。大地に咲く紫の花が、一斉に空へと舞い上がる。かつて黄金の草原で、少年が少女に誓った約束が、五千年の時と遥かなる距離を越え、いま果たされる。偽史と小説――父から託された奇妙な古文書に秘められた謎。壙(こう)とジ南、史伝に存在しない二つの国を巡る、空前絶後のボーイ・ミーツ・ガール。日本ファンタジーノベル大賞受賞作。(解説・杉江松恋)
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Posted by ブクログ
最初は三国志?のような字面が続いて、楽しく読めるのか不安になったが、すぐに作品の世界に引き込まれた。 挿絵がなかったこともあって、後半の文章を読んでそうだったのかと思うところもありとてもおもしろかった 途中から少しグロい表現がでてくる
3.9。面白かった!話のシンプルさを眩ませ先へ先へ導く構成が見事。実のところこの作品名も著者もまるで知らなかったのだが、ひょんな事から知って手を出した。大当たり。こういう事があるから小説読むのがやめられない、と改めて思わされた。
空前絶後のボーイ・ミーツ・ガール!! な~んて帯に書かれたら、もう駄目、気になっちゃって買ってしまったよね。 さすが、日本ファンタジーノベル大賞受賞作、作中の世界を理解するまでが難しい。これもまだまだ読み返したいシリーズ。 表現がとても儚くて美しくて好き。
すべての仕掛けを理解した上で、また読み返したくなる一冊。ただし初見時の感動は感動であったので、「時間を置いて」読み返したくなるというべきか。 アジテーションに利用される遺物、という話から始まることもあり、現実的な話かと思いきや、娯楽小説とされる作中作が思ったよりファンタジーにすっ飛んでいき、しかもそ...続きを読むれが何らかの比喩でもなんでもなく、恐らくは作中の歴史の真の姿であるというのは意外だった。「いくらなんでも王子多すぎやろ」「おっ、数が符合したってことはこれが何かのキーなのか?」「いやそういう話なんかーい!」となって忙しいのなんの。これで作中作の文体も違ったりしたら面白い反面、読むのが大変だったろうが、ある人物が訳してまとめ直したことがわかるので、文体の統一にも納得がいくよい趣向。 惜しむらくは識人たちの扱い。先代の地神代も炎能(正体を知った時にわかる素晴らしいネーミング!)らも、蟻はまあ報われるので別枠として、「花」以外は誰も彼も末路があんまりすぎる。
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