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Posted by ブクログ
私もそうでしたが「世の中、無駄なことなんて無い。いつかきっと役に立つ!」と考えている人は、読んでみると面白いかもしれません。いい意味で裏切られます。
この本を読んでいて真っ先に思い出しのたのが、「計画停電」だ。
この経験はいかに私たちの社会が「電気」をを過剰に使っていたか、考えさせられた。
大量生産消費の社会は終わった。
これからは私たちは『無駄』と、どのように付き合うべきなのか。
本書の中では、科学者らしく『無駄』という物の定義を明らかにすることから始まり、『無駄』を3つの「無駄」「むだ」「ムダ」に分けるトヨタ生産方式の考え方を用いてムダとりの最前線を実例を用いて説明している。
また、後半部分では、家庭の冷蔵庫の話から、世界の食糧危機について、幅広く私たちが直面する『無駄』について考察されている。
この震災で起こった食料の過剰購入や電力問題を考える上で、今読むべき本のような気がした。
Posted by ブクログ
渋滞学を作った物理学者の本。
この本では、無駄とは何か、ということを論じている。
トヨタの改善から、無駄を科学するためのヒントを得ている。
物理学者がこういうテーマを扱うと強い。
失敗学の畑村洋太郎教授をはじめ、自分の得意な武器を持って、
さらに幅広い興味を持っている人はやっぱり面白い。
この本から気付いたのは、どうやって新しい学問を生み出すのか、
というメカニズム。
I. テーマの設定
? 気付き
II. 博物学
? 関連する現象の収集
? 情報の分析
? 情報のフレームワークによる整理
III. 理学
? パターン毎にメカニズムの解明
IV. 工学
? 現実への応用 (改善など)
という段階を経るのではないか、と思う。
I-?では、まず、疑問を持つことから始まる。ここがない場合は、先には進まない。
II-?〜?において、情報を集め、分類・整理することが求められる。
経営コンサルタントとしてソリューションの開発をしているが、
いかに整理のための切り口(=フレームワーク)を見つけられるか、が鍵だと思っている。
研究者時代も、結局やっていたのは、このパターン化だった。
縦横の2軸がどうなるか(=フレームワーク)を試行錯誤し、
データをプロットする。
多くの研究者は、既存のフレームを使って、グラフを作るけど、
フレームが作れる人こそ本物だと思う。
これにより、情報がパターン化され、それぞれのメカニズムを考えるヒントになる。
III-?では、パターン毎に、なぜ、そうなるのか、を考える。
IV-?では、メカニズムが解明されたことに対する応用(=ソリューション)を提案していくことになる。
書いていた気付いたけど、これって、コンサルタントの思考プロセスでもあるんだな。
やっぱり、コンサルタントの基本スキルと科学者のスキルは通じているのかもしれない。
理系が有利っていうのは、こういうことなのかもしれない。
Posted by ブクログ
よくある「○○学」的なトンデモ本ではなく、科学として真剣に研究・調査された「無駄学」。中身の多くの部分トヨタの生産方式を説明しながら、社会のいろいろな場面に潜む無駄を無くして行こう、的な内容なので、特に製造業、ものづくり関連の職種に従事している人には新鮮味に欠ける感じは否めない。むしろ本書のキモは、最後の30ページほどの部分、資本主義経済と無駄について論じた部分にある。
「経済評論家の多くは、経済成長率の低下を問題視し、いかに景気を回復して3%台にするか、などという議論を展開している。しかし年3%成長とは、ちょっと計算すれば分かるが、23年で経済が2倍近くになることを意味している。(中略)どれをとっても実現できそうにない」という一文に始まり、持続可能な社会という考え方と現在の資本主義経済との矛盾を指摘し、現在の資本主義経済のありかたを転換するための議論に真剣に取り組むべきと述べる。
「渋滞学」から「無駄学」へ、そしてその先の我々の生き方への問いかけがこの本の本質だと思う。そういう意味ではタイトルでちょっと損をしている気もするのだが、できるだけ分かり易く伝えようという著者の想いは伝わってくる。理系的視点からスタートして社会学的地点に着地するような感じなので、理系の人にも文系の人にお薦めです。
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