新潮社作品一覧

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  • ディア・グロリア―戦争で投函されなかった250通の手紙―
    5.0
    1巻1,320円 (税込)
    日米開戦から70年の時を経て、80歳の姉の家から見つかった45冊のノート。それは幼少期を過ごした米国での友人グロリアへ向けて書き続けた、手紙仕立ての日記だった。自由を満喫できた「敵国」に思いを馳せつつも連日の空襲に苦しむ日々……。戦後は戦犯裁判の通訳を務めた姉の人生をジャーナリストの著者が綴った感動の記録。

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  • ディスコ探偵水曜日(上)
    4.1
    1~3巻770~946円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 迷子専門の米国人探偵ディスコ・ウェンズデイは、東京都調布市で、六歳の山岸梢と暮らしている。ある日、彼の眼前で、梢の体に十七歳の少女が〈侵入〉。人類史上最大の事件の扉が開いた。魂泥棒、悪を体現する黒い鳥の男、円柱状の奇妙な館に集いし名探偵たちの連続死──。「お前が災厄の中心なんだよ」。ジャスト・ファクツ! 真実だけを追い求め、三千世界を駆けめぐれ、ディスコ!! ※この商品は固定レイアウトで作成されており、タブレットなど大きなディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。
  • ディノサンえほん きょうりゅうえんへいこう
    4.0
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 恐竜たちが飼育されている「江の島ディノランド」にやってきた、仲良し姉弟のゆかりとそうま。そこにはおばあちゃんティラノや怒りんぼうのスピノなど、個性的な恐竜がたくさん。二人が園内を回っていると、いつの間にか「大恐竜時代」に迷い込んで……。学説に基づいた緻密な描写と豆知識満載の一冊を親子で楽しもう! ※このコンテンツは固定レイアウトで作成されており、タブレットなど大きなディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。
  • Dの複合
    3.8
    作家の伊瀬忠隆は雑誌の依頼を受けて「僻地に伝説をさぐる旅」の連載を始めた。第一回浦島伝説の取材地丹後半島いらい、彼の赴くところ常に不可解な謎や奇怪な事件が絶えない。そして突然の連載打切り。この企画の背後に潜む隠された意図の存在に気づいたとき、伊瀬は既に事件の渦中に巻き込まれていた。古代史、民俗説話と現代の事件を結ぶ雄大な構想から生れた本格的長編推理小説。

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  • D菩薩峠漫研夏合宿
    4.0
    1巻1,584円 (税込)
    「ぜったい一緒に寝ようね。おにいさまより。」漫研の合宿に初参加した15歳の「わたし」は、出発前のバッグの中にメモを見つけて……。テレビもラジオもない漫画漬けの日々、熱愛カップルの復活、思いがけないおしおき、意外な告白、夜更けの甘いあえぎ声……。切なさに胸熱くなるひと夏の物語。著者初の自伝的BL小説。
  • デイジー・ミラー(新潮文庫)
    3.2
    青年はレマン湖畔の美しい町で運命の美女デイジーと出会い、一目で恋に落ちる。その奔放なふるまいは、保守的で狭量な人々からは嫌われていたが、青年は彼女のあとを追うようにして、マラリアの猖獗するローマへと向かう。婚約者と思しき男を紹介され、さらに翻弄されるが、二人の恋路は思いもしない衝撃的な結末を迎えるのだった――。ジェイムズの名声を高めた傑作中編、待望の新訳版。
  • デカルトの密室
    3.8
    ヒト型ロボットが実用化された社会。ロボット学者の祐輔と進化心理学者の玲奈は、ロボットのケンイチと共に暮らしている。三人が出席した人工知能のコンテストで起こった事件から、悪夢のようなできごとは始まった。連続する殺人と、その背後に見え隠れする怜悧な意思が、三人を異世界へ引き寄せる――。人間と機械の境界は何か、機械は心を持つのか。未来へ問いかける科学ミステリ。

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  • できそこない博物館
    3.8
    ある日、発見された正体不明の物体。ナメクジのような形のこの物体は、一体なんのために作られたのか。――こんなショートショート、あなたは読んだことがありますか?ショートショート1001編を達成した著者が、20年以上にわたって書きためた、誰にも見せたことのない創作メモ155編を公開。スペース・オペラから時代物まで、その発想の秘密を明らかにするエッセイ集。
  • できる会社の社是・社訓
    3.6
    「スピード!! スピード!! スピード!!」「決断なき上司は無能と思え。社長へ直訴せよ」。成長し続ける会社の成功のエッセンス、老舗企業の失敗しない秘訣は、社訓に凝縮されていた! 激情ほとばしるモーレツ精神から、創業者のきつーい戒めの言葉、会社の枠など飛び越え人類愛を唱えるワールドワイドな社訓まで。「こうした精神を見習えば我が社も」「同じ目標を持てば我々だって」――。思わずやる気が湧いてくる一冊。

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  • できる人の書斎術
    3.1
    雇用不安時代においてサラリーマンがキャリアアップするためにはどうしたらいいか。役職を目指しても将来の保証がない、という時代に必要なのは、専門家としての能力を日頃から高め、外部でも通用する市場価値を自分に与えることだ。そのためには、まず自分の書斎を持つことである。本書では、各界ビジネスマンの豊富な実例を紹介しつつ、自己の能力を高める具体的な方法とそれに不可欠なツール活用法を伝授する。

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  • できればムカつかずに生きたい
    4.0
    どうしたら自分らしく強く生きられるんだろう。14歳の頃からずっと、なんだかうまく生きられないなあ、と思って悩んできた。なんか自分としっくりこないなあ、どうやったら自分がやりたいことにまっすぐ突き進めるのかな。傷つきやすい思春期に体験し考えたことは、いまも現在進行形のままだ――生きにくいこの時代を生き抜くために、自分の頭で考えたヘヴィでリアルな「私」の意見。

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  • デジタル食品の恐怖
    4.0
    無数の「部品」を組み合わせて作られる現代の加工食品は事実上、スマホと同じ「デジタル製品」である。「産地不明」「成分不明」「正体不明」の「デジタル食品」に、カドミウムや水銀などの重金属、残留農薬、過剰な旨味成分や塩分などがどれだけ含まれているか、その実態を把握するのは不可能に近い。現代の食品が構造的に抱える問題点を指摘し、あわせて消費者が取り得る対策も伝授する。
  • デス・エンジェル(新潮文庫)
    3.2
    この病院には深い闇が潜んでいる――。北海道から研修医として東京の総合病院にやってきた森永慧介は着任早々、不審を抱く。入院点数の付け替え、いびつな診療体制、連続する高齢入院患者の不可解な急死、そして若い女性患者の自殺。同期の女医と共に真相解明に動きはじめた矢先、慧介にも魔の手が忍び寄る。神奈川での入院患者連続不審死事件を予見したと絶賛された医療サスペンス長編。(解説・堀井憲一郎)
  • デス・ストランディング(上下)合本版(新潮文庫)
    -
    死者が生者を呑み込み、絶滅に至らしめる謎の現象「デス・ストランディング」によって、国家は崩壊し、人々は分断され孤立して生きていた。死の世界から帰還する能力を持つ伝説の配達人、サム・ポーター・ブリッジズは、育ての母である合衆国最後の大統領・ブリジットから、都市や人々を繋ぎアメリカを再建する任務を託される。ゲーム『DEATH STRANDING』完全ノベライズ! ※当電子版は新潮文庫版『デス・ストランディング』上下巻をまとめた合本版です。
  • デッドライン(新潮文庫)
    3.7
    2001年の春、僕は大学院に進んだ。専門はフランス現代思想。友人の映画制作を手伝い、親友と深夜にドライブし、行きずりの相手とセックスをする日々を送りながら、修士論文の執筆が始まる。テーマはドゥルーズ――世界は差異からできていると唱えた哲学者だ。だが、途中までしか書けないまま修論の締め切り(デッドライン)が迫ってきて……。気鋭の哲学者が描く青春小説。芥川賞候補、野間文芸新人賞受賞作。(解説・町屋良平)
  • デトロイト美術館の奇跡(新潮文庫)
    3.7
    ピカソやゴッホ、マティスにモネ、そしてセザンヌ。市美術館の珠玉のコレクションに、売却の危機が訪れた。市の財政破綻のためだった。守るべきは市民の生活か、それとも市民の誇りか。全米で論争が過熱する中、一人の老人の情熱と一歩が大きなうねりを生み、世界の色を変えてゆく――。大切な友人や恋人、家族を想うように、アートを愛するすべての人へ贈る、実話を基に描かれた感動の物語。(解説・鈴木京香)
  • でぶりしゃす!―激ぽちゃ女子の達観ハッピーライフ―
    -
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 千葉のド田舎で猫2匹と暮らす、40代デブ独身女。イギリスとシンガポールでの16年の海外生活、結婚と離婚、ガリガリに痩せた過剰なダイエット、ぶちあたった30代の壁――紆余曲折を経て結局残ったのは食欲だけ、見栄を張らずに生きるって結構幸せ。ダイエット地獄いち抜けた~! 笑って頷けるコミックエッセイ。
  • デマ・陰謀論・カルト―スマホ教という宗教―(新潮新書)
    3.3
    「国会議員や芸能人はゴムのマスクをかぶったゴム人間ばかり」「トランプ大統領率いる光の銀河連合が闇の政府と戦っている」etc.こんなトンデモ話、いったい誰が信じるのか。普通の人ならそう考えるが、SNS上では想像を超えるほど多くの人々が妄説を発信し続けている。かつての怪しげな新興宗教と違い、実体を伴わないからこそ恐ろしい、ネット世界のデマ、陰謀論、カルトの脅威を徹底分析。
  • デモクラシーの毒
    3.8
    1巻1,144円 (税込)
    民主主義は「ウソがうまい奴」に権力を与え、全体主義を暴走させる危険なシステムである。橋下劇場、大阪都構想、改革サギ、偽装保守、ナショナリズム、新自由主義、グローバリズム、構造改革、ネット社会、集合痴、お笑い、一般意志、アナーキズム、集団的自衛権、TPP……衆愚のデマに抗するための「保守の知恵」とは?※単行本に掲載の写真の一部は、電子版には収録しておりません。
  • デルタ―陸自「影」の兵士たち―
    3.0
    1巻1,936円 (税込)
    日本の最新巡視船〈うおつり〉が尖閣奪取を目論む中国人武装集団〈愛国義勇軍〉に占拠された。犯行声明が世界中を駆け巡り、米国からの支援も断たれるなか、官邸は陸上自衛隊直轄の秘密部隊〈デルタ〉の出動を決断するが――。「兵士シリーズ」で知られる著者が圧倒的なリアリティで描く、究極のシミュレーションノベル!
  • 電子書籍奮戦記
    4.5
    1巻1,144円 (税込)
    黎明期から20年近く地道に電子出版に携わってきた「Mr.電子書籍」が、その過去から未来までを自らの軌跡と共に縦横無尽に語る。儲からなくても「やめようと思ったことは一度もない」と断言し、大企業の寡占に異を唱える、刺激的なメッセージを掲げながら目指す新たな「出版」の形とは? 現状分析にも役立つビジネスノンフィクション。
  • 電子の標的―警視庁特別捜査官・藤江康央―
    4.0
    1巻1,320円 (税込)
    本庁の捜査は「24」を超えた! パスモ、Nシステム、監視カメラに偵察衛星。臨場した捜査官が発した至急報は、誘拐犯を追尾する、視えない静かな大捜査網の開幕を告げた――。華麗な一族の蹉跌、大企業が墜ちた奈落、腐臭を放つTVキー局幹部。驚愕のリアリティが疾走する、次世代警察小説の誕生!

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  • 電車男、重松清と語る
    -
    発売から2カ月で50万部を突破した『電車男』。なんと、これまでどのメディアにも姿を現したことのない電車男本人が、ついに登場! 初の対談相手となる作家・重松清が聞き出すのは、初めてのクリスマス・デート、エルメスの両親との対面、そして、その先にあるもの――非モテ男のカリスマがすべてを語る! 「小説新潮」2005年3月号に掲載したチャット対談の電子化。

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  • 電車道(新潮文庫)
    4.0
    ある男は家族を捨て洞窟に棲み着き、やがて小さな塾を始める。またある男は選挙に落選し、雑木林を飛ぶムササビの幻影と恋の傷を抱えたまま、電鉄会社を興す。ふたつの破格の人生が交錯する高台の町を、大震災、敗戦、高度成長と、電車は何代もの人生を乗せて絶え間なく通い、町と世界を変容させる。東京近郊の私鉄沿線の百年の変転に、この国と私たちの人生の姿が立ち現れる魅惑の物語。
  • 電通とリクルート
    3.7
    情報産業の双頭が、押し寄せる情報の海に翻弄されている。マス・メディアを通じた広告であらゆる商品を売ってきた電通と、就職や住宅購入等、「人生の節目」をビジネスにしたリクルート。モノが飽和したにもかかわらず、「憧れの生活」が絵空事になってしまったこの国で、我々の欲望はどこへ向かうのか? 彼らはその欲望の創出にどうかかわろうとしているのか? 消費社会の光と影を露わにする、知的興奮に満ちた一冊。

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  • デンデラ(新潮文庫)
    3.7
    斎藤カユは見知らぬ場所で目醒めた。姥捨ての風習に従い、雪深い『お山』から極楽浄土へ旅立つつもりだったのだが。そこはデンデラ。『村』に棄てられた五十人以上の女により、三十年の歳月をかけて秘かに作りあげられた共同体だった。やがて老婆たちは、猛り狂った巨大な雌羆との対決を迫られる――。生と死が絡み合い、螺旋を描く。あなたが未だ見たことのないアナザーワールド。(解説・法月綸太郎)
  • データ・ボール―アナリストは野球をどう変えたのか―(新潮新書)
    3.8
    今やプロ野球の現場では、あらゆることがデータで分析されている。選手の評価軸も変わり、打率や打点、投手の勝利数といった従来型の指標は、MLBではもはや重視されていない。野球は、従来とは違うスポーツに進化したのだ。こうした「データ・ボール革命」の担い手となったのがアナリストたちだ。プロ野球の現場の隅々にまで入り込んだ彼らによって、野球はどう変わってきたのか。その深層をレポートする。
  • トゥインクル・ボーイ
    3.6
    天使のような笑顔を浮かべると、出会う者はみな思わず「可愛い!」と声を上げてしまう。大人たちを自分の魅力のとりこにし、望むものを手にしてきた小学1年生の少年、拓馬には、ある秘密の「趣味」があった。場所はたそがれの競馬場──。純真、残酷、妖艶、粗暴、嘘言……。正常と異常の狭間に立つ幼児たちの危うい心理を描きだした、現代の「恐るべき子どもたち」ともいうべき7編。
  • 2010s
    4.0
    世界を制覇したラップミュージック、社会を映す鏡としてのマーベル映画、ネットフリックスの革命……政治や社会情勢とも呼応しながら、遥かな高みへと達した2010年代のポップ・カルチャー。その進化と変容、時代精神を総括する。日本の文化受容に警鐘を鳴らし、来る2020年代を展望する、過激で濃厚なポップ・カルチャー論。
  • 統一教会が貪る「2018年平昌五輪」
    -
    食品業、建設業、不動産業にリゾート産業――。霊感商法や合同結婚式で悪名高かった統一教会は、発祥の地・韓国で巨大な財閥に発展していた。開祖・文鮮明の死とその後の後継者争いを乗り越え、いま統一教会が狙うは、2018年の平昌五輪利権と北朝鮮での金剛山開発事業だ。日本ではまったく報道されない、彼の地での統一教会の活動とその内幕。
  • 東海道新幹線 運転席へようこそ(新潮文庫)
    3.7
    元新幹線運転士が、あなたを運転台にご招待。まずは、35年前の東京駅から初代0系「ひかり」号で出発。懐かしのエピソードやウラ話に耳を傾けつつ、桜咲く東海道をご一緒に。復路は現在の新大阪駅より、最新型N700A「のぞみ」号で発進します。日本が誇るハイテク装備やプロフェッショナルから見た車両発達史など、初公開の話題も満載。どなた様も、お乗り遅れなさいませんように! ※当電子版では新潮文庫版掲載の写真は収録しておりません。ご了承ください。
  • 東京駅で消えた
    3.0
    大手建設会社部長・曽根寛の足どりは、帰宅途中の東京駅で見かけられたのを最後に、消えた。無断外泊などしたこともない曽根の行方を、妻と部下は必死に捜すが、やがて駅の霊安室で、死体となって発見された。続いて構内のステーションホテルの非常階段に、若い女性の死体が……。二人の死に共通点はあるか? 犯人は東京駅に詳しい人物なのか? 連続殺人の裏に潜む意外な背景。
  • 東京カジノパラダイス(新潮文庫)
    3.6
    1巻737円 (税込)
    カジノ計画が動き出した東京。元商社マンの杉田義英は、その運営権を獲得したカイザー社に転職。プロジェクトマネージャーのオリバーが、ジャパニーズカジノ成功の秘策は「飲む・打つ・買う」と確信、遊び好きの彼を見込んだのだ。杉田は、世界の超VIPが金を落とす夢のカジノを実現すべく、切れ者でミステリアスな美女・柏木とともに掟破りの作戦に奔走する! 『ラストフロンティア』改題。(解説・香山二三郎)
  • 東京奇譚集(新潮文庫)
    3.8
    肉親の失踪、理不尽な死別、名前の忘却……。大切なものを突然に奪われた人々が、都会の片隅で迷い込んだのは、偶然と驚きにみちた世界だった。孤独なピアノ調律師の心に兆した微かな光の行方を追う「偶然の旅人」。サーファーの息子を喪くした母の人生を描く「ハナレイ・ベイ」など、見慣れた世界の一瞬の盲点にかき消えたものたちの不可思議な運命を辿る5つの物語。
  • 東京近郊スペクタクルさんぽ
    3.3
    B級スポット巡り? 路地裏さんぽ? ……ちょっと、いいかげん飽きてませんか? そう、旅で一番大切なのはスペクタクルなのだ。たぶん。関東平野に眠る「地底都市」からジェットコースターのような乗り心地のモノレール、はたまた真の砂漠を求めて伊豆大島へ。さんぽの達人が歩き尽くした驚きと妄想のグレートジャーニー!
  • 東京牛乳物語
    3.0
    牛乳屋版・人生劇場!! 武士からトラバーユした初代。和田の娘に一目惚れ!の堅実な2代目。呑気な長男と、働き者の娘婿、どちらが家業を? 押し寄せる時代の波と格闘した3代目。今では当たり前に飲まれている牛乳が「薬」から「毎朝一杯!」になるまでの和田家4代の涙と笑いの物語。
  • 東京公園
    3.9
    写真家をめざす大学生の圭司は、公園で偶然に出会った男性から、奇妙な依頼を受ける――「妻の百合香を尾行して写真を撮ってほしい」。砧公園、世田谷公園、和田堀公園、井の頭公園……幼い娘を連れて、都内の公園をめぐる百合香を、カメラ越しに見つめる圭司は、いつしか彼女に惹かれていくが。憧れが恋へと成長する直前の、せつなくてもどかしい気持ちを、8つの公園を舞台に描いた、瑞々しい青春小説。

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  • 東京タワー・レストラン(新潮文庫nex)
    4.7
    ある日、匙足巧(さじたりたくみ)が目を覚ますと、そこは一五〇年後の東京タワー・レストランだった。困惑する青年に、店のオーナーが懇願する。「ビストロヤクザが迫っている。料理を作ってほしい」――。だが、タクミを待ち受けていたのは全ての食事がゼリー化した未来の食卓。味気なく、何の面白みもないご飯。そんな中で彼が作り出したものは?「現代青年」と未来人がおりなす心温まる料理物語。
  • 東京大学の式辞―歴代総長の贈る言葉―(新潮新書)
    4.7
    明治十年の創立から東京大学は常に学問の中心としてあり続けた。大震災、戦争、大学紛争、国際化――その歩みはまさに日本の近現代史と重なり合う。時代の荒波の中で、歴代の総長たちは何を語ってきたのか。名式辞をめぐる伝説、ツッコミどころ満載の失言、時を超えて紡がれる「言葉」をひとつずつ紐解く。南原繁から矢内原忠雄、蓮實重彥まで、知の巨人たちが贈る、未来を生きる若者たちへの祝福と教訓!
  • TDSレストランぜんぶ食べたガイド 全土産店紹介付
    4.0
    ワインも頼める豪華コース料理のレストランからチュロスの屋台まで、ディズニーシー全45軒のレストラン&食物販売店のほぼ全メニューを自腹で食べまくって感得した本質とは。35店の全ショップの全商品陳列棚を詳細に吟味してたどり着いた哲学とは。東京ディズニーシー開園以来14年、調査員を引き連れ通い続けた驚愕の男がお送りする、全レストラン&全ショップの全身全霊のガイド。
  • TDLレストランぜんぶ食べたガイド 全土産店紹介付
    3.5
    ショー付きの豪華なレストランからポップコーン店まで、ディズニーランドの57軒の全レストラン・食物販売店のほぼ全メニューを自腹で食べまくって見えてきた真実。40店以上ある全ショップのすべての商品陳列棚をつぶさに観察して降りてきた叡智とは。東京ディズニーランドを20年間、調査員を率いて調べ続けた奇跡の男がお送りする、全レストラン&全ショップの渾身のガイド。
  • 東京ディズニーリゾート便利帖〈第3版〉
    5.0
    絶対並んではいけないトイレ、2時間以上待つ人気アトラクション攻略法、行列にウンザリせず食事する方法、楽にお土産が買える店……今や誰でも一生に一度は訪れるディズニーランド&シーで生き残るためのサバイバル術開陳! これさえ読めば絶望的な混雑日も余裕。家族でカップルでグループで――充実の一日を約束します!
  • 東京都の闇を暴く
    3.6
    都庁と都議会の癒着、意思決定のブラックボックス、巨額財政と巨大利権、無責任な歴代都知事、そしてドンなる影の権力者……。長年見過ごされてきた「東京都の闇」に今こそ光を当てなくてはいけない。「豊洲問題はなぜ起きたのか」「ドンはそんなに怖いのか」「利権や特権は本当にあるのか」「知事の権限とは」「東京五輪はうまくいくのか」など率直な疑問に現役議員が赤裸々に答え、都政の「不都合な真実」に迫る。
  • 東京の人(第1)
    -
    1~3巻759円 (税込)
    妻の敬子と別れ、慕いよるみね子にも背を向けて孤独の世界へ身を沈めていく島木俊三。青年医師・田部昭男との恋愛に走る敬子。一組の中年夫婦を軸に、愛ゆえに異常な一面を抱きつつそれぞれが孤独の中に生きている人びとを描く長編。月丘夢路、左幸子、滝沢修ら主演により映画化され話題を呼んだ。

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  • 東京ひよっ子3人暮らし
    4.0
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 泣くしかできないねんねの息子が、立って歩いて喋りだす――よだれでビショビショの握りこぶし、ハイハイで床をこする音、飽きるほど見た泣き顔に、ふとした仕草。めまぐるしい毎日だったけど、二度と戻らない赤ちゃん時代は、たまらなく愛おしい! 夫婦から家族へ、0歳から1歳半までの成長と、新米父母のリアルな奮闘を描く。
  • 東京湾アクアライン十五・一キロの罠
    2.0
    都内で発見された男性の絞殺死体。傍らに残された「タクサンノヒトガシヌ」という遺書は、大量殺人計画の存在を告げていた。その頃、一本の脅迫電話がかかってくる。東京湾アクアラインを爆破されたくなければ、五億円を用意せよ、と。犯人たちは悪戯でないことを示すため、海底トンネル内に白煙を発生させた。それこそが、首都・東京を守り続ける十津川警部への宣戦布告だった。
  • 東京湾の向こうにある世界は、すべて造り物だと思う(新潮文庫nex)
    3.5
    軽音部室で殺された女の子、ミズ。それから五年、抜け殻のような日々を過ごしていた僕の前に、彼女は突然現れた。「同窓会を開きなよ」高校生の姿のまま、僕にしか見えない彼女に振り回されて、あの日から止まったままの時間が再び動き始める。痛みも後悔も乗り越えて、燦(きら)めく彼女の笑顔の側で、僕はその死の真相に辿り着く。大人になりきれないすべての人に贈る、恋と青春の物語。
  • 峠(上)

    4.1
    幕末、雪深い越後長岡藩から一人の藩士が江戸に出府した。藩の持て余し者でもあったこの男、河井継之助は、いくつかの塾に学びながら、詩文、洋学など単なる知識を得るための勉学は一切せず、歴史や世界の動きなど、ものごとの原理を知ろうと努めるのであった。さらに、江戸の学問にあきたらなくなった河井は、備中松山の藩財政を立て直した山田方谷のもとへ留学するため旅に出る。
  • 陶芸は生きがいになる(新潮新書)
    -
    “生きがい”になる趣味がほしい――すべてはここから始まった。中年にさしかかった著者が、ふと見学した陶芸教室。まずは週末だけと通ううちに、土いじりの解放感と自分の手で作る達成感、釉薬の不思議に憑かれていく。そこには、他では得られない心の充足、出会い、何より新しい人生の予感があった。プロの陶芸家になった著者が実体験を元に、初心者向けアドバイスと陶芸の喜びを丸ごと紹介する。
  • 峠―慶次郎縁側日記―
    3.7
    山深い碓氷峠で、思いがけず人を殺めた薬売りの若者。江戸に逃れ、別の人間になり変わって生きようとするが、過去を嗅ぎつけた者たちに狙われ、底知れぬ運命の変転に呑み込まれることに。一瞬の過ちで人生の「峠」を踏み外し、幸せから遠ざけられて捩れてゆく人間たちに、慶次郎の慈悲の心は届くのか――。晃之助、玄庵、佐七ら、お馴染みの面々の活躍も冴える、好評シリーズ第四弾。
  • 峠(上中下) 合本版
    4.3
    幕末、雪深い越後長岡藩から一人の藩士が江戸に出府した。藩の持て余し者でもあったこの男、河井継之助は、いくつかの塾に学びながら、詩文、洋学など単なる知識を得るための勉学は一切せず、歴史や世界の動きなど、ものごとの原理を知ろうと努めるのであった。さらに、江戸の学問にあきたらなくなった河井は、備中松山の藩財政を立て直した山田方谷のもとへ留学するため旅に出る。 ※当電子版は『峠』(上)(中)(下)の全三巻をまとめた合本版です。
  • 投資なんか、おやめなさい(新潮新書)
    3.6
    「老後のためには投資が必要」なんて大間違い。「何に投資すれば?」と窓口で訊くなんて愚の骨頂。銀行も、生命保険会社も証券会社も、いま生き残りをかけて私たちのお金を狙っている。個人年金、純金積立、マンション投資、毎月分配型投資信託……あらゆる投資商品でカモの争奪戦を繰り広げているのだ。2018年、20年に高い確率で到来する大不況にどう立ち向かえばいいか。リスクと不安を抱えないための資産防衛術。
  • 蕩尽王、パリをゆく―薩摩治郎八伝―
    3.5
    昭和初期、正真正銘の「セレブ」として、パリの社交界で輝いた日本人がいた。木綿で巨利を得た貿易商家に生まれ、ロンドンに留学。コナン・ドイルや「アラビアのロレンス」、イサドラ・ダンカン、藤田嗣治といった著名文化人と交流し、自分の財布からフランス政府にパリ日本館を寄贈した「東洋のロックフェラー」の決定的評伝。

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  • 蕩尽する中世
    3.0
    日本の中世は、地方から吸いあげた富を蕩尽し続けた時代だった。過剰なまでの消費を支えた政治・経済システムとは一体どんなものだったのか。平氏の物流戦略、鎌倉御家人の複雑極まる金融操作、悪党の経済力の本質とは? 「蕩尽」という一見非合理な消費性向に着目し、院政期から応仁の乱に至る400年の流れを見つめ直す。

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  • 藤村詩集(新潮文庫)
    4.0
    〈まだあげ初めし前髪の/林檎のもとに見えしとき/前にさしたる花櫛の/花ある君と思ひけり(初恋)〉〈とほきわかれにたえかねて/このたかどのにのぼるかな(高楼)〉他に『千曲川旅情の歌』『椰子の実』等々、青春の日の抒情と詠嘆を、清新で香り高い調べにのせ、一読忘れがたい印象を残す近代浪漫詩の精華。本書をひもとくことは、在りし日の青春と邂逅することにほかならない。(解説・伊藤信吉)
  • 藤村のパリ
    -
    姪との「不倫」に苦悩した島崎藤村は、逃げるようにしてフランスへ渡った。折しも勃発した第一次世界大戦に濃く色どられた約三年間のパリ生活で、藤村は何を観、何を聴き、どんな事態を体験したのか? 下宿の女主人との関係は? 河上肇や藤田嗣治ら、パリの日本人たちとの交友は? 人間への好奇心、その飽くなき情熱が生き生きと蘇えらせる、藤村の歩いたパリ。読売文学賞受賞。
  • 盗賊会社
    4.1
    1巻572円 (税込)
    私は盗賊株式会社の社員。泥棒ごっこのオモチャの製造販売の会社ではない。れっきとした、泥棒を営業とする会社だ。そんな仕事があったのかと内心うらやましがる人も多いかもしれない。平凡な日常のくり返しにあきあきしている人ならば……。表題作の「盗賊会社」はじめ、斬新かつ奇抜なアイデアで、現代社会を鋭く、しかもユーモラスに風刺する36編のショートショートを収録。
  • 東大教授
    3.6
    現役教授だからこそ、ここまで書けた! 「東大教授」とは、どのような職業なのか。年収や学歴は? 適性は? 勤務時間は? 専門分野の選び方やキャリアの積み方は? 入試の必勝法、教育や研究の醍醐味、出世の条件や名誉教授の資格、論文や会議の作法、有名人との交際、政府やマスコミとの折衝術、散歩の効用など。豊富な体験と貴重な情報から「東大教授」の「真相」を、スリリングな筆致で徹底解説。
  • 東大助手物語(新潮文庫)
    4.0
    「きみのあの態度は何だ!」 15年間の大学生活、ウィーンへの私費留学……。出口のない生活から私を救い、東大助手に採用してくれた教授の一言から「いじめ」は始まった。「髭を剃ったらどうか?」私を助教授にするため、あれこれ画策してくれる「恩人」から数カ月に及ぶ罵声と執拗な攻撃を受けながら、大学とは、学界とはなんたるかを知るまでを描く壮絶な「アカデミズムの最底辺」体験記。
  • 東大卒貧困ワーカー
    3.8
    東大卒、元アナウンサーの筆者が、介護退職した後に見たのは、奴隷労働にも等しい「派遣・非正規」の実態だった。徹夜での12時間労働、日給1300円の仕事、研修名目で3ヶ月間無給等々、人の弱みにつけこむ求人が、今も堂々とまかり通っている。さらに資産家のふりをさせる詐欺紛いの「替え玉」派遣まで登場――徹底した現場主義による潜入取材で見えてきた、知られざる労働現場の真実。
  • 東大なんか入らなきゃよかった(新潮文庫)
    4.0
    東大卒業後に待ち受けていたのは、メガバンクでのつるし上げ、ブラックな官僚人生、市役所での壮絶ないじめ、終わらない大学院生活、地下街の警備員暮らし。華やかな未来とは程遠い現実に苛まれる卒業生を徹底ルポ。そんな東大入学を後悔する5人の姿から見えてきたものとは? 天才型・秀才型・要領型という「東大生の3タイプ」や学生の家庭環境など、知られざる東大の実態についても紹介する。
  • 灯台へ(新潮文庫)
    4.0
    「いいですとも。あした、晴れるようならね」スコットランドの小島の別荘で、哲学者ラムジー氏の妻は末息子に約束した。少年はあの夢の塔に行けると胸を躍らせる。そして十年の時が過ぎ、第一次大戦を経て一家は母と子二人を失い、再び別荘に集うのだった――。二日間のできごとを綴ることによって愛の力を描き出し、文学史を永遠に塗り替え、女性作家の地歩をも確立したイギリス文学の傑作。(解説・津村記久子)
  • 東大法学部
    3.4
    明治政府の国策として、創立以来、官僚機構はもちろん政財界にも幹部候補生を供給してきた東大法学部。維新から高度経済成長期へと続くその栄光の歴史、そして霞ヶ関の落日以降に訪れた変化とは――。ニッポン最高とされるエリート養成機関は何を教え何を教えてこなかったのか。あなたの隣のトーダイ君を正しく理解するためにぜひ読んでおきたい1冊。

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  • 冬虫夏草(新潮文庫)
    4.3
    亡き友の家を守る物書き、綿貫征四郎。姿を消した忠犬ゴローを探すため、鈴鹿の山中へ旅に出た彼は、道道で印象深い邂逅を経験する。河童の少年。秋の花実。異郷から来た老女。天狗。お産で命を落とした若妻。荘厳な滝。赤竜の化身。宿を営むイワナの夫婦。人間と精たちとがともに暮らす清澄な山で、果たして再びゴローに会えるのか。『家守綺譚』の主人公による、ささやかで豊饒な冒険譚。
  • 東電OL殺人事件
    3.6
    彼女は私に会釈して、「セックスしませんか。一回五千円です」といってきました――。古ぼけたアパートの一室で絞殺された娼婦、その昼の顔はエリートOLだった。なぜ彼女は夜の街に立ったのか、逮捕されたネパール人は果たして真犯人なのか、そして事件が炙り出した人間存在の底無き闇とは……。衝撃の事件発生から劇的な無罪判決までを追った、事件ノンフィクションの金字塔。

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  • 東電OL症候群(シンドローム)
    3.7
    女なら誰しもがもっているんじゃないかしら、そういう堕ちてみたいといった感情を――。『東電OL殺人事件』に自らを投影した女たちの肉声、赤裸に語られた事柄は胸が潰れるほどの真摯な性だった。「逆転有罪」で迷走を続ける法廷、新たに起きる事件。死してなお強い磁力を発するエリートOLの眼差しが、日本社会の闇までをも浮き彫りにする。もはや瞠目するしかない、渾身のルポ。

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  • 塔と重力
    4.0
    1巻1,408円 (税込)
    17歳の冬、僕らが眠るホテルは倒壊した。あの地震さえなければ、初体験の相手は美希子になるはずだった……。生き埋めからひとり生還した僕は20年後、Facebookを通じて大学の旧友と再会。彼女の記憶を抱えて生きる僕に彼が持ちかけた「あること」とは。繰り返される自然災害とテロ、21世紀の人類の苦悩の先に待つ希望。
  • 逃亡(上)
    4.4
    1~2巻869~924円 (税込)
    1945年8月15日、日本敗戦。国内外の日本人全ての運命が大きく変わろうとしていた――。香港で諜報活動に従事していた憲兵隊の守田軍曹は、戦後次第に反日感情を増す香港に身の危険を感じ、離隊を決意する。本名も身分も隠し、憲兵狩りに怯えつつ、命からがらの帰国。しかし彼を待っていたのは「戦犯」の烙印だった……。「国家と個人」を問う日本人必読の2000枚。柴田錬三郎賞受賞。
  • 逃亡者
    -
    25年前、空襲の混乱にまぎれて刑務所を脱走した男を追っている刑事と、刑事の訪問で逃亡者にまつわる戦時中の記憶を蘇らせる守衛。二人の対話を通して、戦争の残影を凝視した表題作。子供のころに怪我をさせた人物から借金を強要され、それまで見向きもしなかったリベートに手を出してしまう男が、苦い胸中を吐露した「カカオ・フィーズの味」など、単行本未収録の8編を収める。

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  • 逃亡者は北へ向かう
    4.0
    1巻2,090円 (税込)
    大震災直後に殺人を犯し、死刑を覚悟しながらもある人物を探すため姿を消した青年。自らの家族も被災した一人の刑事が、執念の捜査で容疑者に迫る。壊れた道、選べなかった人生――混沌とした被災地で繰り広げられる逃亡劇! 『孤狼の血』『盤上の向日葵』の著者が地元・東北を舞台に描く震災クライムサスペンス。
  • 透明な迷宮
    3.8
    深夜のブタペストで監禁された初対面の男女。見世物として「愛し合う」ことを強いられた彼らは、その後、悲劇の記憶を「真の愛」で上書きしようと懸命に互いを求め合う。その意外な顛末は……。表題作「透明な迷宮」のほか、事故で恋人を失い、九死に一生を得た劇作家の奇妙な時間体験を描いた「Re:依田氏からの依頼」など、孤独な現代人の悲喜劇を官能的な筆致で結晶化した傑作短編集。
  • 透明人間の蒸気[ゆげ]
    -
    1巻330円 (税込)
    華岡軍医たちは「二十世紀で消えてしまうものを集める」という天皇の勅命を受け、二十世紀を象徴するモノを収集していくうちに“二十世紀の肉体”を探し始める。彼らが目をつけたのは結婚詐欺師のアキラ。アキラを後世に伝える機械に入れると事故が起こり、アキラは透明人間になってしまう。透明になったアキラの姿が見えるのはヘレン・ケラだけだった。鳥取砂丘を舞台に、多種多様な時代・作品をモチーフとしたストーリーが展開する。
  • 遠い家族―母はなぜ無理心中を図ったのか―
    3.7
    18歳の春、母が義父を殺して自死した。あれから16年、ひとり取り残された僕は母の生涯を辿る旅に出た。日本に出稼ぎに行った韓国人の母を求めながら、韓国と台湾で暮らした幼少期。日本で母と義父と過ごした中高時代。そして、「あの日」までの経緯。母親に愛されたいと願った息子が心中事件の背景を綴るノンフィクション。
  • 遠い声、遠い部屋
    4.0
    新鮮な言語感覚と幻想に満ちた華麗な文体で構成された本作は、1948年に刊行されるやいなや、アメリカ中で大きな波紋を呼び起こした。父親を探してアメリカ南部の小さな町を訪れたジョエル少年の、近づきつつある大人の世界に怯え屈折する心理と、脆くもうつろいやすい感情とを描いた半自伝的なデビュー長編。
  • 遠い日の戦争
    4.3
    1巻539円 (税込)
    終戦の詔勅が下った昭和20年8月15日、福岡の西部軍司令部の防空情報主任・清原琢也は、米兵捕虜を処刑した。無差別空襲により家族を失った日本人すべての意志の代行であるとも彼には思えた。だが、敗戦はすべての価値観を逆転させた。戦犯として断罪され、日本人の恥と罵られる中、暗く怯えに満ちた戦後の逃亡の日々が始まる――。戦争犯罪を問い、戦後日本の歪みを抉る力作長編。

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  • 遠く海より来たりし者
    -
    地図にすら痕跡を残さぬコンクリートの島。古い手記が語る実験都市は、すでに瓦礫の山と化していた。恐るべきデータを抹殺しようとあがいたかのように……。社史編纂室に左遷されたチームが発掘した資料。それは大金星となるどころか不都合な真実を暴いた危険情報だった! 海の力を思い知らされる科学ファンタジー。
  • 遠すぎた輝き、今ここを照らす光
    4.2
    月刊誌記者として働く小坂井夏輝、31歳。取材先で中学の同級生・瀧光平と再会する。かつて周囲を見下していた瀧を夏輝は疎んじ、片や誰彼なく優しくする夏輝を瀧は偽善者と嫌っていた。だが次第に夏輝は瀧が抱える痛みを、瀧は夏輝の葛藤を知るようになる。過去を受け止め、前を向いて歩くために、二人はある行動に出る。逃げたくなる自分の背中をそっと押してくれる、優しい物語。
  • 時のながめ
    -
    郷里秋田の角館の山桜、六月の葉山の若い緑の木々、敬愛する唐木順三氏の信州の別荘から見はるかす富士。家を焼かれ逃げ惑った空襲の悪夢、終戦のあとに命を絶った母、尼になった叔母。田宮虎彦、藤枝静男、後藤明生、江藤淳、三浦哲郎、秋山駿……亡き友人知己への痛烈な想い。清冽な文章で書かれた、九年ぶりのエッセイ集。
  • 時の名残り(新潮文庫)
    4.0
    作家として立つために夫・吉村昭とともに必死で小説を書き続けた若い頃。戦時中の青春。長崎、三陸、北海道、湯沢、日暮里、吉祥寺など、仕事以外には旅をしない夫の取材に連れ立った思い出の地と、移り住んだ土地。「戦艦武蔵」「星への旅」「海鳴」「流星雨」など、それぞれが生み出した作品の創作秘話。そして、故郷・福井への思い。昭和三年生れの著者が人生の軌跡を綴った珠玉の随筆五十三篇。(解説・松田哲夫)
  • 時は止まったふりをして(新潮文庫nex)
    3.7
    高校の文化祭、一緒に見た夕焼け、秘密の写真……。私が見つめる大好きな人は、いつも別の人を見ていた。十二年の歳月を経て、同窓会で再会した彼のもとに、届くはずのないフイルムが届いた。「ねえ知葉くん、いつかまた話せたら、私のこと好きだったのか、教えてほしい」――秘密を抱えたまま大人になった私たちの、止まっていた時がいま動き出す。温かい涙が零れる青春恋愛ミステリ。
  • 常盤団地の魔人
    3.8
    1巻1,870円 (税込)
    今野蓮は喘息持ちの小学生。三年生にあがると友だちができ、やがて悪ガキ軍団に組み込まれていく。宿敵・管理人との対決、雑木林のひょうたん池の謎、捨て犬失踪事件、テレビゲーム禁止令……。誰もが経験した小さな冒険を経て、気弱な少年は成長していく。『荒地の家族』で芥川賞を受賞した期待の新鋭による受賞後第一作。
  • 研ぎ師太吉(新潮文庫)
    3.6
    深川黒江町の長屋で、刃物の研ぎを生業とする太吉、ひとり者。ある夏の日、裏店にひとりの若い女が訪ねて来る。料理人だった父親の形見である出刃庖丁を、供養として研いでほしいという。快く引き受けた太吉に、かおりと名乗るその娘は、妙なことを口走る。「おとっつあんは、殺されたんです」――。一本の庖丁が暴いていく、切ない事件の真相とは。切れ味抜群の深川人情推理帖!(解説・末國善己)
  • 徳川将軍家十五代のカルテ
    3.7
    健康オタクが過ぎた家康、時代劇とは別人像「気うつ」の家光、内分泌異常で低身長症の綱吉、飲酒が高じて食道がんで逝った光圀、そして実は三人も将軍位に就いた障害者……。芝・増上寺にある徳川家霊廟で発掘された遺体や文献をもとに歴代将軍を最新医学で診断してみると――。彼らはどんな養生法を心掛けていたのか、そして死因は、さらに世継ぎをもうけるための苦心とは? 史実には顕れぬ素顔が見えてくる。

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  • 徳川将軍家の演出力
    3.5
    封建時代の圧政の象徴から暴れん坊まで、徳川将軍は様々イメージされてきたが、江戸時代の人々にとって、実際はどのような存在だったのか。大名は拝謁儀礼、御成、鷹狩り、拝領と献上などのチャンスを使って、将軍との親密さをアピールするとともに家格の向上を図り、町人は町入能で将軍に「成田屋」と声をかけ、「ありがたく」も「勿体ない」存在として誇った。御威光の巧みな演出法にみる葵のブランド戦略。

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  • 督促OL「就活日記」
    -
    今の「就活」は過酷だ。毎日同じ格好で不思議な質問に答え、連日お祈りメールが届くうちに、自信も自尊心も根こそぎ奪われてしまう。著書『督促OL 修行日記』で、話題を呼んだ著者がユーモアを交えて綴る、「就活」の辛さと乗り越え方。四コマ漫画つき。
  • 特命金融捜査官(新潮文庫)
    3.5
    ひとりの男が失踪した。金融庁長官の特命を帯びた捜査官の伊地知耕介がマークしているベンチャー銀行の専務だった。銀行の急所を突く証拠と共に消えた金庫番を探し出し、伊地知は不正を暴くことができるのか。野望実現に驀進する会長の坂巻、銀行に巣くう闇の暴力組織。男たちは沖縄の離島へ飛ぶ……。金融界を熟知した著者が放つハードボイルド金融エンターテインメント! 『鬼忘島』改題。
  • 溶けたらしぼんだ。
    -
    1巻220円 (税込)
    きもちいいよ、痛い、きもちいい、好き、わかんない、ゆりどうしてる、ゆり……セックスしている最中、あたしのあたまの中では、いろんなことが渦巻いている――。あたしはゆりが好きだ。毎晩、二人でアイスクリームを食べて、ドライアイスが白煙をだしながらしぼんでいくのを見ている。あたしは一日の終わりを、ゆりとそうやって過ごすために生きてきた。それなのに。今日、あたしは知った。あの絵を見たときから。木山透とセックスがしたい。木山透のすべてがあたしの中に入ってきてほしい。もう、寝るまえのアイスクリームもどうでもいい――第9回R-18文学賞優秀賞受賞作。

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  • ところで死神は何処から来たのでしょう?(新潮文庫nex)
    4.3
    月光の冴え渡る森で、小木輝(おぎひかる)は「死神」と出会った。饒舌かつ毒舌な死神に、既に死んでいると告げられるも、数時間前からの記憶がない。ソーシャルワーカーとして勤務する病院で、階段から転落したことが判明するが、本当にただの事故なのか? ストーカーの出現、妹の誘拐、混迷を極める中、小木は再び森へと向かう――死神を伴って。「最強」の死神が任務を果たせぬ「最悪」とは!?
  • 土佐くろしお鉄道殺人事件(新潮文庫)
    -
    JR土讃線・土佐くろしお鉄道を、高知から宿毛(すくも)まで走る特急「あしずり九号」。その車内でコロナ担当大臣が毒殺された。この殺人を発端に、各地で事件が続発する。しかし、被害者に世直しを求める手紙を送る容疑者には常に確実なアリバイがあった。手紙と姿を見せない犯人との関連性は? 捜査を進めるほどに深まっていく謎に、十津川警部はどう立ち向かうのか。「地方鉄道」シリーズ、最後の事件。
  • 閉された言語・日本語の世界【増補新版】(新潮選書)
    5.0
    日本語が、世界に稀な特徴を持っていることを知っていますか? 日本語を話す人=日本人という事実上の単一言語国家であり、侵略された経験がない日本人は、いかなる言語を育んできたのか。言語社会学の第一人者が、言葉と文化への深い洞察をもとに、日本語観、外国観、そして私たちの自己像を考える。時代を経ても色褪せぬ論考。
  • 都市住民のための防災読本
    3.3
    日本列島が地震の活動期に入った現在、高層マンションやビルが乱立する近代的大都市も、遠からず歴史上初の巨大地震を経験することになる。いざという時に何をすれば良いのだろうか? 「帰宅難民は『帰宅支援マップ』をあてにしない」「高層難民は『猫砂+ゴミ袋』で簡易トイレを作る」など、実践的な防災の智恵と心得を伝授する。

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  • 都市の遺言
    4.0
    深夜、同じ番号にかかった電話が、偶然全てつながった。複数での会話が可能なことに気づいた5人の若者は、以来「混線クラブ」と称し、声だけの交遊を続けてきた。そのメンバー、新野とみゆきが次々に死体で発見された時、残された3人は初めて顔を合わせ、事件の調査に乗り出した。そして新野の同性愛、みゆきの売春などの秘密を知るのだが……。孤絶した都会人の歪んだ病巣を描く。
  • 図書館を建てる、図書館で暮らす―本のための家づくり―
    3.7
    1巻3,630円 (税込)
    図書館に住みたい!――そんな思いを建築家に託し、2019年末に建ちあがったのは、膨大な蔵書を収める家〈森の図書館〉。2人の施主が、普請のプロセスや、そこで過ごすなかで考えたことをつづり、デジタルだけでは実現できない、「本のある空間」の効用をさぐる。書架の写真はもちろん、建築家の寄稿や図面類も多数収録。
  • 図書館を使い倒す!―ネットではできない資料探しの「技」と「コツ」―
    3.0
    「ネットにはありませんでした」。この程度で調べものをしたつもりになってはいないだろうか? 北朝鮮の詳細な経済事情は? 非公開の行政資料を手に入れるには? 地元の近代化に尽くした偉人は? GoogleやYahoo!ではけっして探せない価値ある資料が眠っているのが、実は図書館なのだ。「週刊ダイヤモンド」記者として資料探しに精通する著者ならではの、ビジネスツールである図書館を使い倒すための「技」と「コツ」!

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  • 図書室
    3.9
    1巻1,760円 (税込)
    定職も貯金もある。一人暮らしだけど不満はない。ただ、近頃は老いを意識することが多い。そして思い出されるのは、小学生の頃に通った、あの古い公民館の小さな図書室――大阪でつましく暮らす中年女性の半生を描いた、温もりと抒情に満ちた三島賞候補作。社会学者の著者が同じ大阪での人生を綴る書下ろしエッセイを併録。
  • 図書室の海
    3.4
    1巻605円 (税込)
    あたしは主人公にはなれない――。関根夏はそう思っていた。だが半年前の卒業式、夏はテニス部の先輩・志田から、秘密の使命を授かった。高校で代々語り継がれる〈サヨコ〉伝説に関わる使命を……。少女の一瞬のときめきを描く『六番目の小夜子』の番外篇(表題作)、『夜のピクニック』の前日譚「ピクニックの準備」など全10話。恩田ワールドの魅力を凝縮したあまりにも贅沢な短篇玉手箱。
  • 年寄りは本気だ―はみ出し日本論―(新潮選書)
    3.9
    「日本には人命尊重という概念がない」「有事になると希望的観測で動く」「損切りができない」……この国を動かす「空気」の正体を断じる。「SDGsはただのスローガン」「AIの予測はだいたいはずれる」「カーナビは人間の感性をダメにする」……流行りものにも物申す。84歳と75歳が、日本のほんとうの難題を語り尽くす。
  • 特急「あさしお3号」殺人事件
    3.0
    京都発城崎行きの特急「あさしお3号」の車内で、十津川警部の友人で作家の沢田功が殺された。事件を追う十津川は、城崎で沢田と会う予定になっていた画家の滝村敬をマークする。しかし、滝村にはアリバイがあった。「あさしお3号」より十四分前に城崎に到着した特急「北近畿5号」から降りる姿が目撃されていたのだ。十津川警部は鉄壁のアリバイを崩せるか? 表題作など三編。
  • トットあした
    4.3
    「あなたの、そのままが、いいんです!」――向田邦子、渥美清、沢村貞子、永六輔、久米宏、飯沢匡、トモエ学園の小林校長、そして父……幼い頃から人生のさまざまな場面で、徹子さんが大切に受け取り、励まされてきた「二十四の名言」。そんなかけがえのない言葉たちで新たに半生を辿り直した待望の書下ろし長篇エッセイ!
  • トットの欠落帖(新潮文庫)
    4.4
    何かひとつ自分だけの才能を見つけようとあらゆる事に努力し挑戦したトット。クラシック・バレー、犬の調教、オペラの演出、九官鳥の言葉の先生etc. そして、音楽学校を卒業したトットは、NHKのテレビ女優としてデビュー。ある日突然、予想もしない悲しいことに気がついた=欠落人間だ! しかし、トットの発想にはそれなりの訳があるのだ。いま、噂の魅惑の欠落ぶりを自ら正しく伝えます。(解説・久米宏)

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